おっさんの異世界生活は無理がある。
第25話
今、俺の目の前にはバカでかい建物があり、そしてその中からは沢山の人の大きな声が聞こえてくる。・・・いや、ここってどう見てもアレなんですけど・・・
「なぁ・・・ここってもしかして・・・・」
「アレですよねぇ・・・」
「そう!この場所はこの街が誇る場所の一つ【闘技場】さ!」
闘技場。俺のイメージだと人間同士や他の生き物との戦いを見せて勝敗を賭けている場所って血生臭いイメージなんだが・・・そんな事を考えているのを俺とマホから感じ取ったロイドは楽しそうに笑いだした。あ、マホはちょろっと路地裏に行って大きなサイズになった。
「観光するならやっぱり大きくなって見て回りたいです!」
との事だ。まぁそんなことよりもだ。俺達はロイドをジトッと見つめた。ロイドはそんな視線も楽しそうに受け取っていた。
「ははは!いやいや君達の考えていることは分かるけど、そこまで露骨に顔に出されると笑ってしまってね。」
「まぁ顔に出てるって事は言いたいことは分かると思うが、俺は血生臭いのは苦手だぞ。」
「私もです・・・」
「いやいや、実際に見てもらえれば分かると思うがそんな血生臭い所じゃないよ。ほら、ついて来てくれ。」
言われるがままロイドの後をついていくと、明らかに関係者専用みたいな感じの入り口に案内された。そしてその扉の前には警備員らしき姿の武装した男性がいた。
その人はロイドを見かけるとすぐにビシッとした敬礼をした。
「これはロイド様!おはようございます!」
「うん、おはよう。今日はこの二人に闘技場を案内してあげようと思ってね。問題ないかい?」
「はっ!問題ありません!・・・・ところでそのお二人とはどの様なご関係で?
お1人は明らかに少女と思われますが・・・」
あー・・・まぁ確かに闘技場にこんな子供連れてきたらおかしいと思われるわな。
「あぁ、彼女の事は心配いらないよ。見た目よりもずっと大人だからね。」
「ふふーん!その通りです!」
マホは両手を腰に当て偉そうにふんぞり返っている。いやいや、それじゃ年相応すぎるだろ。
「もう一人の彼は、私が所属しているギルドのリーダーさ。」
うん、まぁそうなんだけど。今さっき決まったリーダーだからそんな改まって紹介されると気まずいんだが・・・・ほら、何か驚いた顔してこっち見てるし。
「なんと!ロイド様が所属しているギルドのリーダー様でしたか!これはこれはロイド様がいつもお世話になっています!」
「えぇ?!いやいや、お世話だなんてとんでもない。こちらこそロイドさんにはいつもお世話になっています。」
なんだか働いていた頃を思い出すようなやり取りをしてしまった。見に染み付いた癖ってなかなか取れないよねぇー。
「ほら、挨拶はそのくらいにしてそろそろ行こうじゃないか。」
「あ、失礼しました!それではお楽しみください!」
「お楽しみねぇ・・・」
正直、人が傷つけ合う姿って言うのは見て楽しいもんではないと思うんだが・・・・これが異世界のギャップという物なのだろうか?そんな事を考えながら、俺は前を歩いていくロイドの後についていく。マホはと言うと、俺の手にしっかりしがみついて離れないようにしている。建物の中は綺麗でとても掃除が行き届いていた。
闘技場ってもっと荒れ果ててるイメージだったんだが、中はドームとかスタジアムみたいな感じなんだな。それからしばらく通路を歩いていると前方に出口が見えてきた。
「さぁ、これが闘技場というものだ。しっかりと目に焼き付けてくれ!」
一体なんの芝居なんだよ・・・そんな事を思っている間にロイドは出口から外に出て行った。俺達も続いて外に出るとそこには見渡す限りの人の姿があった。
その光景に驚いているとロイドは楽しそうに笑った。
「どうだい、凄い熱気だろ?これが闘技場というものだよ!」
「いや、凄い熱気だけど、うーん・・・」
確かに凄い熱量だが、やっているのは命の奪い合いだと思うと素直に感心できないというか何と言うか・・・・
「あぁ、そう言えば九条さん達は闘技場の事を良く知らなかったんだよね。」
「いや、どういうものかは大体知ってるんだが。だからこそそんなに面白いと思えないというか・・・」
「恐らく九条さんが想像している闘技場は、人が命の奪い合いをしているイメージだろ?」
「まぁそうだな。」
ゲームとかだと大体そんな感じだしな。
「ただ、それは違うんだよ九条さん。」
「違うってどういう事ですか?」
いつの間にか、手から腕にしがみついていたマホがロイドに尋ねる。
「闘技場って言うのは、ギルド同士が行うトーナメント式のゲームの様な物なんだ。」
「ゲーム?」
「あぁ、ほら上空にギルド名と戦いに参加している人の顔と名前。そしてその下に数字が表示されているだろ?」
ロイドが指をさす方を見ると、確かにそんな感じの表示があった。
っていうか何も無い上空に映し出すとか凄い技術だな。マジでアニメやゲームだな。いや、それよりもだ。互いの数字に差が出てるところを見ると・・・・
「つまりあれか?あの数字を削り切れば勝ちって事か?」
「そう言う事さ。それか対戦ギルドの誰か一人を気絶させたら勝利になる。」
「でもでも!そうする為には結局武器を使うことになるのでは?」
確かにな、そうなれば最悪人が死ぬこともあると思うんだが・・・・
「闘技場で使われる武器って言うのは専用に開発されたもので、攻撃されても痛みはあるが死にはしないようになっているよ。」
「あ、ちゃんと痛みはあるのか。」
「それはそうさ、ここは闘技場だからね。それにそういう枷がないと、誰も真剣に戦いはしないだろ?」
「まぁそりゃそうだな。痛みが無いんだったら最悪攻撃食らってもいいやって考えになるだろうしな。」
「そう。ただまぁ痛みのレベルは死なない程度だから安心してくれ。致命的な攻撃を受けた時点で意識はなくなるしね。」
「それじゃあ魔法の攻撃とかはどうなるんですか?」
「それも同じさ、外傷は残らないが痛みはやってくる事になるよ。」
「ふーん。まぁ死なないってのは分かったけど何で皆こんな熱狂的に応援してるんだ?」
「あぁ、それは闘技場は賭場にもなっているからね。」
「え?!お金を掛けるんですか!?」
「そうだね、どちらが勝つか負けるか。賭けているからこそ皆真剣に応援しているんだよ。どうだい?九条さんもやってみるかい?」
「いや、俺は止めとく。」
「おや即答か、こういうのは好きじゃないのかな。」
「うーん、俺って賭け事強くないんだよ。昔付き合いで何度かやったことあるけど勝った事なくてな。だからあんまりやらない事にしてる。」
「まぁそれが賢明だろうね。それに懸け事をしなくても闘技場は面白いところなんだよ。色んな戦い方が見られるからね。」
「え?それってどういう事ですか?」
「闘技場は毎日やっている訳じゃなく、何週間に一度開催されているんだ。そしてそれには色んな条件があるんだ。」
「条件?」
「例えば使用武器の制限がかけられていたり、魔法が禁止されていたり、その逆に魔法のみで戦わなくちゃいけなかったりね。だから見てると皆が色んな戦い方をしていて良い勉強になるよ。」
「ふーんそんなもんなのか。」
「でも、制限があってもレベル差があったら、やっぱりレベルが高い人が勝っちゃうんじゃないですか?」
「いや、闘技場にはレベルの調整機能があってね。どんなに高いレベルでもここだと最高レベル10にまで落とされるんだ。」
「ここだとって事は、別の場所だと違うのか?」
「あぁ、闘技場は各地の大きな街に1つあってね。闘技場のランクごとにレベル制限が違うんだよ。ちなみにここの闘技場ランクはEだよ。」
「ははは・・・マジでゲームだなおい。」
「それに闘技場のトーナメントに勝ち残って優勝すると、ある権利が貰えるんだ。」
「権利って?」
「まぁ見てれば分かるよ。」
そう言われ、上の方の数字を見るとどうやらいつの間にか片方が勝利を収めていたようだ。すると近くにあったスピーカーから声が聞こえてきた。てかスピーカーあんのかよ。何か色んな技術ごちゃまぜすぎじゃね?なんて思ってしまう。
『優勝者に【王者への挑戦】の権利が認められました。王者へ挑む場合はその場で待機してください。辞退する場合は、入場口より退出してください。』
優勝したギルドはその場から動くことなく、しばらくの時間が経った。するとまたスピーカーから声が聞こえてきた。
『権利が認められました。これより優勝ギルド対王者の対戦が始まります。』
アナウンスが終わると、周りの客が一斉にどこかに走っていった。まぁ賭けにいったんだろうがな。
「なるほど、王者への挑戦ね。」
「そう言う事。これに勝てば晴れて闘技場の王者になれるって事さ。」
「王者になると何か良いことがあるんですか?」
「そうだねー。王者になると一週間に一度10万Gが貰えるんだ。」
「「じゅ、じゅうまんG!?」」
「更に、王者専用の屋敷も貰えるんだよ。」
え?え?え?なにそれ、王者ってそんなに色々貰えるの?
「ただ、王者って言うのも面倒な物でね。どんなに調子が悪かろうが挑戦者が現れたら必ず戦わなくちゃいけない。そして敗れた時点で屋敷は剥奪、また一からやり直しさ。」
「まぁ、そう考えると面倒そうだな。」
「ただ、挑戦者は必ず現れる訳じゃない。だって優勝した時点で20万Gを貰えるからね。」
「へぇーそんな貰えるのか。」
「そう、闘技場っていうのは結構稼げるだよ。なんてたって一回勝てば1万G、2回かてば3万G。準優勝でも10万Gもらえるからね。」
「へぇー!そんなにいっぱいもらえるんなら皆闘技場に参加したい!ってなりませんか?」
「なるね。だから闘技場に参加できるギルドは応募した中から抽選で選ばれるんだよ。」
「はぁー・・・なんというか競争率激しそうだな。」
「そうでもないかな、毎回8個の参加枠に20個くらいのギルドが応募してるくらいだからね。」
「あぁ、そんなもんなのか。」
「まぁ、この闘技場は制限のレベルが低いからね。レベルが10を超えたら別の街に行く人が多いからそこまで参加するギルドは多くはないんだよ。他の闘技場の方が賞金額は高いしね。」
「なるほどな。参加しているのはレベルが低い出来たばかりのギルドって感じか。」
「そう言う事。腕試しには丁度いいしね。」
そんな風に、ロイドから一通り闘技場の事を聞き終わった頃またもやスピーカーの音が鳴りだした。
『それではこれより、優勝ギルド対王者の対戦が始まります。』
そんなアナウンスが流れた直後、上空にまたも先ほどと同じ様な画面が表示された。
えっと優勝したギルドは男一人に女の子二人か・・・ケッ!ハーレムか畜生が。
そして王者は・・・女の子が1人?しかも見た目マホよりも少し年上って感じなんだが・・・あの子が王者?
「ふふっ、どうやら驚いているようだね。まぁ無理もないけどね。」
「・・・いや、まぁ確かに驚いたよ。だが見た目で判断しないほうが良いのは分かってるよ。」
「あぁ、確かにその通りだよ。だって彼女がこの闘技場で王者になってから、すでに半年近く経っているからね。」
ロイドがそう言った瞬間、スピーカーからブザーの音が鳴り響き試合が始まった。
「なぁ・・・ここってもしかして・・・・」
「アレですよねぇ・・・」
「そう!この場所はこの街が誇る場所の一つ【闘技場】さ!」
闘技場。俺のイメージだと人間同士や他の生き物との戦いを見せて勝敗を賭けている場所って血生臭いイメージなんだが・・・そんな事を考えているのを俺とマホから感じ取ったロイドは楽しそうに笑いだした。あ、マホはちょろっと路地裏に行って大きなサイズになった。
「観光するならやっぱり大きくなって見て回りたいです!」
との事だ。まぁそんなことよりもだ。俺達はロイドをジトッと見つめた。ロイドはそんな視線も楽しそうに受け取っていた。
「ははは!いやいや君達の考えていることは分かるけど、そこまで露骨に顔に出されると笑ってしまってね。」
「まぁ顔に出てるって事は言いたいことは分かると思うが、俺は血生臭いのは苦手だぞ。」
「私もです・・・」
「いやいや、実際に見てもらえれば分かると思うがそんな血生臭い所じゃないよ。ほら、ついて来てくれ。」
言われるがままロイドの後をついていくと、明らかに関係者専用みたいな感じの入り口に案内された。そしてその扉の前には警備員らしき姿の武装した男性がいた。
その人はロイドを見かけるとすぐにビシッとした敬礼をした。
「これはロイド様!おはようございます!」
「うん、おはよう。今日はこの二人に闘技場を案内してあげようと思ってね。問題ないかい?」
「はっ!問題ありません!・・・・ところでそのお二人とはどの様なご関係で?
お1人は明らかに少女と思われますが・・・」
あー・・・まぁ確かに闘技場にこんな子供連れてきたらおかしいと思われるわな。
「あぁ、彼女の事は心配いらないよ。見た目よりもずっと大人だからね。」
「ふふーん!その通りです!」
マホは両手を腰に当て偉そうにふんぞり返っている。いやいや、それじゃ年相応すぎるだろ。
「もう一人の彼は、私が所属しているギルドのリーダーさ。」
うん、まぁそうなんだけど。今さっき決まったリーダーだからそんな改まって紹介されると気まずいんだが・・・・ほら、何か驚いた顔してこっち見てるし。
「なんと!ロイド様が所属しているギルドのリーダー様でしたか!これはこれはロイド様がいつもお世話になっています!」
「えぇ?!いやいや、お世話だなんてとんでもない。こちらこそロイドさんにはいつもお世話になっています。」
なんだか働いていた頃を思い出すようなやり取りをしてしまった。見に染み付いた癖ってなかなか取れないよねぇー。
「ほら、挨拶はそのくらいにしてそろそろ行こうじゃないか。」
「あ、失礼しました!それではお楽しみください!」
「お楽しみねぇ・・・」
正直、人が傷つけ合う姿って言うのは見て楽しいもんではないと思うんだが・・・・これが異世界のギャップという物なのだろうか?そんな事を考えながら、俺は前を歩いていくロイドの後についていく。マホはと言うと、俺の手にしっかりしがみついて離れないようにしている。建物の中は綺麗でとても掃除が行き届いていた。
闘技場ってもっと荒れ果ててるイメージだったんだが、中はドームとかスタジアムみたいな感じなんだな。それからしばらく通路を歩いていると前方に出口が見えてきた。
「さぁ、これが闘技場というものだ。しっかりと目に焼き付けてくれ!」
一体なんの芝居なんだよ・・・そんな事を思っている間にロイドは出口から外に出て行った。俺達も続いて外に出るとそこには見渡す限りの人の姿があった。
その光景に驚いているとロイドは楽しそうに笑った。
「どうだい、凄い熱気だろ?これが闘技場というものだよ!」
「いや、凄い熱気だけど、うーん・・・」
確かに凄い熱量だが、やっているのは命の奪い合いだと思うと素直に感心できないというか何と言うか・・・・
「あぁ、そう言えば九条さん達は闘技場の事を良く知らなかったんだよね。」
「いや、どういうものかは大体知ってるんだが。だからこそそんなに面白いと思えないというか・・・」
「恐らく九条さんが想像している闘技場は、人が命の奪い合いをしているイメージだろ?」
「まぁそうだな。」
ゲームとかだと大体そんな感じだしな。
「ただ、それは違うんだよ九条さん。」
「違うってどういう事ですか?」
いつの間にか、手から腕にしがみついていたマホがロイドに尋ねる。
「闘技場って言うのは、ギルド同士が行うトーナメント式のゲームの様な物なんだ。」
「ゲーム?」
「あぁ、ほら上空にギルド名と戦いに参加している人の顔と名前。そしてその下に数字が表示されているだろ?」
ロイドが指をさす方を見ると、確かにそんな感じの表示があった。
っていうか何も無い上空に映し出すとか凄い技術だな。マジでアニメやゲームだな。いや、それよりもだ。互いの数字に差が出てるところを見ると・・・・
「つまりあれか?あの数字を削り切れば勝ちって事か?」
「そう言う事さ。それか対戦ギルドの誰か一人を気絶させたら勝利になる。」
「でもでも!そうする為には結局武器を使うことになるのでは?」
確かにな、そうなれば最悪人が死ぬこともあると思うんだが・・・・
「闘技場で使われる武器って言うのは専用に開発されたもので、攻撃されても痛みはあるが死にはしないようになっているよ。」
「あ、ちゃんと痛みはあるのか。」
「それはそうさ、ここは闘技場だからね。それにそういう枷がないと、誰も真剣に戦いはしないだろ?」
「まぁそりゃそうだな。痛みが無いんだったら最悪攻撃食らってもいいやって考えになるだろうしな。」
「そう。ただまぁ痛みのレベルは死なない程度だから安心してくれ。致命的な攻撃を受けた時点で意識はなくなるしね。」
「それじゃあ魔法の攻撃とかはどうなるんですか?」
「それも同じさ、外傷は残らないが痛みはやってくる事になるよ。」
「ふーん。まぁ死なないってのは分かったけど何で皆こんな熱狂的に応援してるんだ?」
「あぁ、それは闘技場は賭場にもなっているからね。」
「え?!お金を掛けるんですか!?」
「そうだね、どちらが勝つか負けるか。賭けているからこそ皆真剣に応援しているんだよ。どうだい?九条さんもやってみるかい?」
「いや、俺は止めとく。」
「おや即答か、こういうのは好きじゃないのかな。」
「うーん、俺って賭け事強くないんだよ。昔付き合いで何度かやったことあるけど勝った事なくてな。だからあんまりやらない事にしてる。」
「まぁそれが賢明だろうね。それに懸け事をしなくても闘技場は面白いところなんだよ。色んな戦い方が見られるからね。」
「え?それってどういう事ですか?」
「闘技場は毎日やっている訳じゃなく、何週間に一度開催されているんだ。そしてそれには色んな条件があるんだ。」
「条件?」
「例えば使用武器の制限がかけられていたり、魔法が禁止されていたり、その逆に魔法のみで戦わなくちゃいけなかったりね。だから見てると皆が色んな戦い方をしていて良い勉強になるよ。」
「ふーんそんなもんなのか。」
「でも、制限があってもレベル差があったら、やっぱりレベルが高い人が勝っちゃうんじゃないですか?」
「いや、闘技場にはレベルの調整機能があってね。どんなに高いレベルでもここだと最高レベル10にまで落とされるんだ。」
「ここだとって事は、別の場所だと違うのか?」
「あぁ、闘技場は各地の大きな街に1つあってね。闘技場のランクごとにレベル制限が違うんだよ。ちなみにここの闘技場ランクはEだよ。」
「ははは・・・マジでゲームだなおい。」
「それに闘技場のトーナメントに勝ち残って優勝すると、ある権利が貰えるんだ。」
「権利って?」
「まぁ見てれば分かるよ。」
そう言われ、上の方の数字を見るとどうやらいつの間にか片方が勝利を収めていたようだ。すると近くにあったスピーカーから声が聞こえてきた。てかスピーカーあんのかよ。何か色んな技術ごちゃまぜすぎじゃね?なんて思ってしまう。
『優勝者に【王者への挑戦】の権利が認められました。王者へ挑む場合はその場で待機してください。辞退する場合は、入場口より退出してください。』
優勝したギルドはその場から動くことなく、しばらくの時間が経った。するとまたスピーカーから声が聞こえてきた。
『権利が認められました。これより優勝ギルド対王者の対戦が始まります。』
アナウンスが終わると、周りの客が一斉にどこかに走っていった。まぁ賭けにいったんだろうがな。
「なるほど、王者への挑戦ね。」
「そう言う事。これに勝てば晴れて闘技場の王者になれるって事さ。」
「王者になると何か良いことがあるんですか?」
「そうだねー。王者になると一週間に一度10万Gが貰えるんだ。」
「「じゅ、じゅうまんG!?」」
「更に、王者専用の屋敷も貰えるんだよ。」
え?え?え?なにそれ、王者ってそんなに色々貰えるの?
「ただ、王者って言うのも面倒な物でね。どんなに調子が悪かろうが挑戦者が現れたら必ず戦わなくちゃいけない。そして敗れた時点で屋敷は剥奪、また一からやり直しさ。」
「まぁ、そう考えると面倒そうだな。」
「ただ、挑戦者は必ず現れる訳じゃない。だって優勝した時点で20万Gを貰えるからね。」
「へぇーそんな貰えるのか。」
「そう、闘技場っていうのは結構稼げるだよ。なんてたって一回勝てば1万G、2回かてば3万G。準優勝でも10万Gもらえるからね。」
「へぇー!そんなにいっぱいもらえるんなら皆闘技場に参加したい!ってなりませんか?」
「なるね。だから闘技場に参加できるギルドは応募した中から抽選で選ばれるんだよ。」
「はぁー・・・なんというか競争率激しそうだな。」
「そうでもないかな、毎回8個の参加枠に20個くらいのギルドが応募してるくらいだからね。」
「あぁ、そんなもんなのか。」
「まぁ、この闘技場は制限のレベルが低いからね。レベルが10を超えたら別の街に行く人が多いからそこまで参加するギルドは多くはないんだよ。他の闘技場の方が賞金額は高いしね。」
「なるほどな。参加しているのはレベルが低い出来たばかりのギルドって感じか。」
「そう言う事。腕試しには丁度いいしね。」
そんな風に、ロイドから一通り闘技場の事を聞き終わった頃またもやスピーカーの音が鳴りだした。
『それではこれより、優勝ギルド対王者の対戦が始まります。』
そんなアナウンスが流れた直後、上空にまたも先ほどと同じ様な画面が表示された。
えっと優勝したギルドは男一人に女の子二人か・・・ケッ!ハーレムか畜生が。
そして王者は・・・女の子が1人?しかも見た目マホよりも少し年上って感じなんだが・・・あの子が王者?
「ふふっ、どうやら驚いているようだね。まぁ無理もないけどね。」
「・・・いや、まぁ確かに驚いたよ。だが見た目で判断しないほうが良いのは分かってるよ。」
「あぁ、確かにその通りだよ。だって彼女がこの闘技場で王者になってから、すでに半年近く経っているからね。」
ロイドがそう言った瞬間、スピーカーからブザーの音が鳴り響き試合が始まった。
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