《完結》腐敗した世界の空で、世界最強のドラゴンは、3人の少女を竜騎士に育てます。
12-3.アリエルの特技
都市竜から地上へと、木造のリフトで民をおろしていく。
普段は水汲み隊や鉱山部隊が、都市竜を出るさいに使うものだ。
縄が滑車に通されている。木造の籠のような形状になっている。
リフトが下りるたびに滑車がガラガラと重々しい音を立てていた。
地上に民をおろすと、ふたたびリフトが上がってくる。
「残りはどれぐらいだ?」
「あと5万人ほど。もうすこしで全員です」
と、竜騎士たちのヤリトリが聞こえた。
地上におりたくないと駄々をこねる者もいた。都市竜クルスニクが死んでいると認めない者もいた。またすべてをわかったうえで、この都市で死を受け入れる者もいた。避難勧告を聞き入れない者もいたし、あまつさえ竜騎士たちに罵声を吐きつける者もいた。
「さあ。次の御方、乗ってくださーい」
と、ロンが誘導する。
陰鬱な空気が、場に満ちていた。まるでゾンビのように希望をなくした人々が、労役かのように足を運ぶ。
地上に下りるというのは、すなわち地獄に行くようなものだ。さりとてこのまま留まっていても希望はない。行くも地獄、行かぬも地獄という状況なのだ。
そのおかげ――と言うべきなのか、我さきにと逃げ出そうとする者はすくなかった。
「竜騎士はなんだ? ドラゴンに乗れるなら、ワシらを乗せてくれても良いだろうに」
と、リフトの前に並んでいた男のひとりが言った。
「そんな手間をかけたくないんだろうさ」
と、誰かが応える。
「それで戦い方の術も知らない民に、地上を歩かせるのかよ」
「仕方ねェだろ。クルスニクは死んじまったんだから」
「貴族の連中は、先にドラゴンに乗って避難してるそうじゃねェか。オレたち一般人は見殺しってわけかい」
「どうせ見殺しにされるぐらいなら、都市に残ったほうがマシだぜ。なぁ、お前らもそう思うだろ」
「そうだな。なんでいちいち避難なんかしなくちゃならねェんだ」
と、ボヤキが伝播していた。
これだけの数の市民を、すべてドラゴンに乗せて運ぶのはムリな話だ。全員の理解を得るのは難しいのだろう。
空気が悪い。
ごめんなさいッ――と、アリエルが頭を下げた。ブロンドのツインテールが垂れさがる。
「たしかに貴族の方たちは先に避難しています。ですけど、ケガしている人や、病気を持っている人も竜騎士が運ぶようにしています。ですから、どうか諦めないでください。私たちも一所懸命がんばりますから」
避難民が愚痴をコボして空気が悪くなるたびに、アリエルがそうやって頭を下げていた。
「アリエルちゃんがそう言うなら」
「竜騎士長さんの妹さんだもんな」
「アリエルちゃんが言うなら、オレたちもガンバってみるか」
と、アリエルは民の信望が厚いようだった。
ロンやほかの竜騎士がいさめようとしても、火に油をそそぐ結果になる。どういうわけかアリエルが頭を下げると1発で空気が良くなる。
住民たちはアリエルにほだされてリフトに乗りこんだ。そのリフトにはロンも乗り込んで一緒に地上におりた。
「マスクをしっかりつけてくださいね。外しちゃダメですよー」
と、アリエルが呼びかけている。
リフトが地上につく。
避難民たちはアリエルに、「頑張るんだよ」とか「お互い生きて会おうな」といった声をかけて降りて行く。そして沼地を歩く避難民の行列にくわわる。
避難民の行列はスゴイことになっている。ゾンビの群れよりも多い。なにせクルスニクに住んでいた1000万人以上をすべて避難させているのだ。みんな一様に重い足取りで、沼地を進んでいた。
「アリエルはずいぶんと、みんなから好かれてるンだな」
「どうしてなのでしょうか? これといって特別なことをした覚えはないのですけど」
休日には、都市への外出をすることがあった。そのさいにアリエルは良く老人の世話をしたり、泣いている子供に積極的に声をかけたりしていた。
特別なことをした覚えがない――と、それを本気で言っているのなら、打算や計算で動くタイプではないのだろう。
オマケにエレノア竜騎士長の妹という点でも、アリエルは注目されている。
「まぁ、日頃の行いなんだろうな」
ふつうは、ああなるもんだ――と、ロンはシャルリスを指差した。
シャルリスと避難民がケンカしていた。
「忘れ物をしたって言ってンだろッ」「なにが忘れ物っスか、さっさと避難するっスよッ」「なんだその命令口調はッ」「はぁ? わざわざ守ってやってンのに、命令しちゃ悪いンっスか!」「これだから竜騎士は信用できねェんだよ」「何が信用できないっスか。普段は竜騎士に頼って生きてるくせに」……といった案配である。お互いに手が出そうになっていたので、アリエルが割って入っていた。
ケンカをいさめてアリエルが戻ってくる。
「オレの小隊には、良い娘が入ってくれたもんだ。まるで天使だな」
「て、天使だなんて、そんな……」
と、アリエルは頬を赤らめていた。
「良くも悪くも、エレノア竜騎士長にはあまり似てないな。似てるのはその髪ぐらいか?」
性格ももちろんだが、顔立ちもあまり似てはいない。なんとなく雰囲気はあるが、なによりも目が違うのだ。
エレノアの目には、剣の切っ先のような鬼気としたものが宿っている。
一方、アリエルは草食動物のような柔和さがあった。
「それはよく言われるんです。お姉ちゃんには似てないって」
と、アリエルはツインテールの髪を、ナでつけながら言った。
その言い方に、どことなくアリエルの感慨が含まれているようだった。
「気にしてるのか? 似てないこと。だったら悪いことを言った」
いえ、とアリエルはあわてたように手を胸の前に突き出して激しく振った。
「似ていないことを気にしてはいますけど、べつに傷ついたりはしませんよ。似ていないのは、承知の上なので」
「べつに姉妹だからって、似てる必要はないだろう。あんな苛烈な人がふたりもいたら、周りは大変だぜ」
アリエルの気分をほぐそうと思って、あえてそう言った。
しかし、エレノアが決して苛烈なだけの女性でないことは、ついさきほど知ったばかりだ。
「でも、お姉ちゃんは何をやらしても器用にこなしますし、竜騎士としても優秀ですし、美人でもありますし。似ていたかったと思うのはトウゼンではありませんか?」
「エレノア竜騎士長に出来ないことが、アリエルにもあったりするだろう」
「そんなことないですよ。私なんて、この小隊のお荷物ですから」
「お荷物?」
「竜読みの巫女さんを助け出すとき、私が地上に落っこちた。だから、シャルリスやチェイテを巻きこむようなことになってしまった。これまでも特に目立った活躍はしてませんし」
と、アリエルはうつむいてしまった。
「なんだ。そんなことを気にしてるのか」
「そんなことって……。みんな死ぬところでした」
「でも、助かった。そうだろ?」
「ですけど、それは結果の話であって」
「べつにアリエルが劣等感を覚えることはないだろうに。シャルリスなんて、ようやっとドラゴンに乗れるようになったんだぜ」
今回の騒動で、陰鬱な空気が蔓延している。アリエルの心もむしばまれているのかもしれない。
アリエルが悩んでいるなんて、気づきもしなかった。
シャルリスばかりにかまけていて、アリエルに気遣ってやる余裕がなかった。自分の器量を恥じた。
「でも、シャルリスは【腐肉の暴食】のチカラを使って、巨大種となった竜読みの巫女から、私を助けてくれました。チェイテは鼻が良いから、索敵能力が優れています。竜神教の教会に向かったときに、その能力が遺憾なく発揮されてました」
「アリエルは民に好かれてるじゃないか」
シャルリスはケンカをはじめるし、チェイテに至ってはただ黙然と避難民を睨みつけるだけだ。いや。睨んでいるわけではないだろうが、目つきがよろしくないのだ。しかもノスフィルト家のご令嬢ということで、避難民たちは怯えてしまっている。
「でも、そんなこと竜騎士に求められるスキルじゃないですし」
「それは、考え方しだいだろう」
伝令――ッ、と伝令官がドラゴンに乗ってロンのもとにやって来た。
避難民の周囲には、斥候として竜騎士たちが飛びまわっている。何かあればすぐに、ロンのもとに知らされることになっている。
「どうした」
「東からゾンビの大群が押し寄せてきます。とても竜騎士隊の手には負えません。どうかロンさまの御助力をッ」
了解した、とロンがうなずくと、伝令官は瞬時にひるがえしていった。
「私たちはどうすれば?」
と、アリエルが尋ねてくる。
「シャルリスはオレと来い。チェイテは北方からの警戒にあたれ。アリエルはこの場にとどまって、民の誘導だ」
「やはり、私は戦力にはなりませんか?」
と、アリエルは泣きそうな表情で、ロンのことを見あげてきた。
「生きのびればわかるはずだ。それがアリエルにしか出来ないことだってな」
「そう――ですか」
と、アリエルは不服そうだが、うなずいていた。
「それから、ひとつだけ言っておくがな。アリエルはたしかにエレノア竜騎士長には似てないが、美人ではあると思うぜ」
「へ?」
と、アリエルはクチを呆然と開けたまま硬直していた。マスクをしていても、クチの形はなんとなく透けて見える。
ロンは竜化した。
いちいち鞍をつけている時間がないことを見越して、シャルリスは赤いドラゴンに騎乗している。
ロンが空に飛び立つと、シャルリスがそれに続いた。
ポツン……と竜化したロンの鼻先が水滴で濡れた。空を見上げると、小雨。
普段は水汲み隊や鉱山部隊が、都市竜を出るさいに使うものだ。
縄が滑車に通されている。木造の籠のような形状になっている。
リフトが下りるたびに滑車がガラガラと重々しい音を立てていた。
地上に民をおろすと、ふたたびリフトが上がってくる。
「残りはどれぐらいだ?」
「あと5万人ほど。もうすこしで全員です」
と、竜騎士たちのヤリトリが聞こえた。
地上におりたくないと駄々をこねる者もいた。都市竜クルスニクが死んでいると認めない者もいた。またすべてをわかったうえで、この都市で死を受け入れる者もいた。避難勧告を聞き入れない者もいたし、あまつさえ竜騎士たちに罵声を吐きつける者もいた。
「さあ。次の御方、乗ってくださーい」
と、ロンが誘導する。
陰鬱な空気が、場に満ちていた。まるでゾンビのように希望をなくした人々が、労役かのように足を運ぶ。
地上に下りるというのは、すなわち地獄に行くようなものだ。さりとてこのまま留まっていても希望はない。行くも地獄、行かぬも地獄という状況なのだ。
そのおかげ――と言うべきなのか、我さきにと逃げ出そうとする者はすくなかった。
「竜騎士はなんだ? ドラゴンに乗れるなら、ワシらを乗せてくれても良いだろうに」
と、リフトの前に並んでいた男のひとりが言った。
「そんな手間をかけたくないんだろうさ」
と、誰かが応える。
「それで戦い方の術も知らない民に、地上を歩かせるのかよ」
「仕方ねェだろ。クルスニクは死んじまったんだから」
「貴族の連中は、先にドラゴンに乗って避難してるそうじゃねェか。オレたち一般人は見殺しってわけかい」
「どうせ見殺しにされるぐらいなら、都市に残ったほうがマシだぜ。なぁ、お前らもそう思うだろ」
「そうだな。なんでいちいち避難なんかしなくちゃならねェんだ」
と、ボヤキが伝播していた。
これだけの数の市民を、すべてドラゴンに乗せて運ぶのはムリな話だ。全員の理解を得るのは難しいのだろう。
空気が悪い。
ごめんなさいッ――と、アリエルが頭を下げた。ブロンドのツインテールが垂れさがる。
「たしかに貴族の方たちは先に避難しています。ですけど、ケガしている人や、病気を持っている人も竜騎士が運ぶようにしています。ですから、どうか諦めないでください。私たちも一所懸命がんばりますから」
避難民が愚痴をコボして空気が悪くなるたびに、アリエルがそうやって頭を下げていた。
「アリエルちゃんがそう言うなら」
「竜騎士長さんの妹さんだもんな」
「アリエルちゃんが言うなら、オレたちもガンバってみるか」
と、アリエルは民の信望が厚いようだった。
ロンやほかの竜騎士がいさめようとしても、火に油をそそぐ結果になる。どういうわけかアリエルが頭を下げると1発で空気が良くなる。
住民たちはアリエルにほだされてリフトに乗りこんだ。そのリフトにはロンも乗り込んで一緒に地上におりた。
「マスクをしっかりつけてくださいね。外しちゃダメですよー」
と、アリエルが呼びかけている。
リフトが地上につく。
避難民たちはアリエルに、「頑張るんだよ」とか「お互い生きて会おうな」といった声をかけて降りて行く。そして沼地を歩く避難民の行列にくわわる。
避難民の行列はスゴイことになっている。ゾンビの群れよりも多い。なにせクルスニクに住んでいた1000万人以上をすべて避難させているのだ。みんな一様に重い足取りで、沼地を進んでいた。
「アリエルはずいぶんと、みんなから好かれてるンだな」
「どうしてなのでしょうか? これといって特別なことをした覚えはないのですけど」
休日には、都市への外出をすることがあった。そのさいにアリエルは良く老人の世話をしたり、泣いている子供に積極的に声をかけたりしていた。
特別なことをした覚えがない――と、それを本気で言っているのなら、打算や計算で動くタイプではないのだろう。
オマケにエレノア竜騎士長の妹という点でも、アリエルは注目されている。
「まぁ、日頃の行いなんだろうな」
ふつうは、ああなるもんだ――と、ロンはシャルリスを指差した。
シャルリスと避難民がケンカしていた。
「忘れ物をしたって言ってンだろッ」「なにが忘れ物っスか、さっさと避難するっスよッ」「なんだその命令口調はッ」「はぁ? わざわざ守ってやってンのに、命令しちゃ悪いンっスか!」「これだから竜騎士は信用できねェんだよ」「何が信用できないっスか。普段は竜騎士に頼って生きてるくせに」……といった案配である。お互いに手が出そうになっていたので、アリエルが割って入っていた。
ケンカをいさめてアリエルが戻ってくる。
「オレの小隊には、良い娘が入ってくれたもんだ。まるで天使だな」
「て、天使だなんて、そんな……」
と、アリエルは頬を赤らめていた。
「良くも悪くも、エレノア竜騎士長にはあまり似てないな。似てるのはその髪ぐらいか?」
性格ももちろんだが、顔立ちもあまり似てはいない。なんとなく雰囲気はあるが、なによりも目が違うのだ。
エレノアの目には、剣の切っ先のような鬼気としたものが宿っている。
一方、アリエルは草食動物のような柔和さがあった。
「それはよく言われるんです。お姉ちゃんには似てないって」
と、アリエルはツインテールの髪を、ナでつけながら言った。
その言い方に、どことなくアリエルの感慨が含まれているようだった。
「気にしてるのか? 似てないこと。だったら悪いことを言った」
いえ、とアリエルはあわてたように手を胸の前に突き出して激しく振った。
「似ていないことを気にしてはいますけど、べつに傷ついたりはしませんよ。似ていないのは、承知の上なので」
「べつに姉妹だからって、似てる必要はないだろう。あんな苛烈な人がふたりもいたら、周りは大変だぜ」
アリエルの気分をほぐそうと思って、あえてそう言った。
しかし、エレノアが決して苛烈なだけの女性でないことは、ついさきほど知ったばかりだ。
「でも、お姉ちゃんは何をやらしても器用にこなしますし、竜騎士としても優秀ですし、美人でもありますし。似ていたかったと思うのはトウゼンではありませんか?」
「エレノア竜騎士長に出来ないことが、アリエルにもあったりするだろう」
「そんなことないですよ。私なんて、この小隊のお荷物ですから」
「お荷物?」
「竜読みの巫女さんを助け出すとき、私が地上に落っこちた。だから、シャルリスやチェイテを巻きこむようなことになってしまった。これまでも特に目立った活躍はしてませんし」
と、アリエルはうつむいてしまった。
「なんだ。そんなことを気にしてるのか」
「そんなことって……。みんな死ぬところでした」
「でも、助かった。そうだろ?」
「ですけど、それは結果の話であって」
「べつにアリエルが劣等感を覚えることはないだろうに。シャルリスなんて、ようやっとドラゴンに乗れるようになったんだぜ」
今回の騒動で、陰鬱な空気が蔓延している。アリエルの心もむしばまれているのかもしれない。
アリエルが悩んでいるなんて、気づきもしなかった。
シャルリスばかりにかまけていて、アリエルに気遣ってやる余裕がなかった。自分の器量を恥じた。
「でも、シャルリスは【腐肉の暴食】のチカラを使って、巨大種となった竜読みの巫女から、私を助けてくれました。チェイテは鼻が良いから、索敵能力が優れています。竜神教の教会に向かったときに、その能力が遺憾なく発揮されてました」
「アリエルは民に好かれてるじゃないか」
シャルリスはケンカをはじめるし、チェイテに至ってはただ黙然と避難民を睨みつけるだけだ。いや。睨んでいるわけではないだろうが、目つきがよろしくないのだ。しかもノスフィルト家のご令嬢ということで、避難民たちは怯えてしまっている。
「でも、そんなこと竜騎士に求められるスキルじゃないですし」
「それは、考え方しだいだろう」
伝令――ッ、と伝令官がドラゴンに乗ってロンのもとにやって来た。
避難民の周囲には、斥候として竜騎士たちが飛びまわっている。何かあればすぐに、ロンのもとに知らされることになっている。
「どうした」
「東からゾンビの大群が押し寄せてきます。とても竜騎士隊の手には負えません。どうかロンさまの御助力をッ」
了解した、とロンがうなずくと、伝令官は瞬時にひるがえしていった。
「私たちはどうすれば?」
と、アリエルが尋ねてくる。
「シャルリスはオレと来い。チェイテは北方からの警戒にあたれ。アリエルはこの場にとどまって、民の誘導だ」
「やはり、私は戦力にはなりませんか?」
と、アリエルは泣きそうな表情で、ロンのことを見あげてきた。
「生きのびればわかるはずだ。それがアリエルにしか出来ないことだってな」
「そう――ですか」
と、アリエルは不服そうだが、うなずいていた。
「それから、ひとつだけ言っておくがな。アリエルはたしかにエレノア竜騎士長には似てないが、美人ではあると思うぜ」
「へ?」
と、アリエルはクチを呆然と開けたまま硬直していた。マスクをしていても、クチの形はなんとなく透けて見える。
ロンは竜化した。
いちいち鞍をつけている時間がないことを見越して、シャルリスは赤いドラゴンに騎乗している。
ロンが空に飛び立つと、シャルリスがそれに続いた。
ポツン……と竜化したロンの鼻先が水滴で濡れた。空を見上げると、小雨。
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