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不遇の魔道具師と星の王

緑野 りぃとる

第16話 子供用の魔道具

「メリッカさん、女の子が欲しいって言いそうな魔道具ってなんだと思います?」
「レールガン。」
「十歳くらいの女の子ですよ!?」
「スタイル矯正器」
「それはメリッカさんが欲しいものですよね。」
「つまり、アルト少年は私がチビだって言いたいのかな?」
「いや、そうは言ってないじゃないですか!」

 メリッカは冗談なのか本気なのかわからないことを言ってきた。

「でもまぁ、私はあんくらいの時にはもうすでに恋人は銃だったから普通の女の子みたいな感性は持ち合わせてないわよ。」
「そうですか。」

 メリッカさんはない胸を張りながらそう言った。仕方がないので俺はアイラさんに相談しにいくことにした。

「ふふっ、たしかにメリーは女の子らしくない性格してるわね。せっかく小柄で可愛らしい見た目をしてるのに、恋人が銃だなんてもったいないと思うんだけどね。」
「確かに、見た目と中身が全然一致してないですもんね。」
「あんまりメリーの目の前でそんなこと言っちゃダメよ?世界の果てまで追い回されちゃうから。」

 アイラさんは笑いながら話し続けた。

「それで、あの女の子に魔道具が欲しいって言われたけど、子供にどんなものを渡して良いかわからない、だったっけ?」
「はい。なので同じ女性にアドバイスもらおうかと。」
「なるほどねぇ。とりあえず、簡単なものをあげたら?」
「簡単なものですか?」
「そ、多分だけど、ドワーフの子供っていうのは誰かが作った作品を真似して、自分で同じようなものを作ってみたがるものなのよ。」
「そうなんですか。だったらマネして作っても危なくないもののほうがいいですよね?」
「簡単に照明の魔道具とかでいいんじゃないかな?そこらへんは女の子の感情というよりはドワーフの子供の感情だからあまりよくわからないけど。」
「ありがとうござます!早速作ってきます!」

 俺はアイラさんの貴重なアドバイスを参考にして結界の魔道具で作り出した工房に潜り、何種類か照明の魔道具を作った。その中で、きわめて一般的な構造の照明の魔道具を選び、ドワーフの女の子に渡すことにした。

~~~~~~~~

 夕方、俺たちは屋敷の食堂に集まり夕食を食べていた。コックなどはまだいないため、ギッツとメリッカが一緒に今ある食材に加えて、野営のために蓄えていた食料や調味料を使って料理してくれた。

 とてもある食材だけで作ったと話思えないくらいおいしかった。

「ギッツさん、これってなんの肉ですか?」
「ああ、たまたまこの屋敷の外に広がっている森にフレアバードがいてな。メリッカに頼んで3羽狩ってきてもらったんだ。なかなか肉質も硬すぎず柔らかすぎない、ちょうどいい感じだろう?」
「そうですね。全然筋張っていないですし、魔物の肉特有の筋張った感じがないです。」
「ギッツは俺が王宮にいたころに斥候兵として働いていたんだよ。軍の最前線で情報を取り続けないといけないから食料も自足しないといけない。そのおかげで料理は王宮の料理長もびっくりするほどの腕になってたみたいだ。」

 俺はギッツさんの意外な一面を知り、少しうれしくなった。

・・・・ん?王宮にいたころ?

「あぁ、言い忘れてたっけ。俺はスイレン王国のいわゆる王子で、ギッツはスイレン王国軍の斥候部隊副隊長。メリッカは狙撃部隊のエースで、アイラは修道士部隊の副隊長だよ。」
「あのー、今更そんな大きな話をされても困るんですが…」
「特に気にしなくていいよ。どうせ俺は国王にはならないし、ほかの3人も戦争が起きない限りずっと自由に動き回れる身分だからね。」
「いや、そういうことじゃなくて…一般人の俺がこの国の重要人物と一緒にいてよかったのかって話ですよ。」
「それこそいらない心配だよ。俺以外はみんな元平民だし、実力派は軍に嫌われるからむしろこうやって君と一緒にいたほうが楽なんだ。」

 王国の重要人物たちはそう言って笑った。マリアは特に何も思っていないようだったが、下民の俺は内心とんでもなくひやひやしていた。アイアンゴーレム戦の時はかなり偉そうに指示出していたし、ライムさんには舐めた真似をしていたかもしれない。

「それに、いま俺たちは身分なんて関係ない冒険者だ。唯一問われるのは各々の実力だけだ。それに関しては、君は俺たちと同等、もしくは上だろう?」
「そうですね。アルトさんはもしかしたら私よりも強いかもしれないですし。」

 マリアが話に割り込んできた。

「アルトさんがいれば一騎当千、皆さんがそろえば一国の軍とも対等にやり合えるに違いありません。」
「まぁ、そんなことにはならないと思うけどね。でも確かにアルト君はまだまだ経験が浅いにもかかわらず俺たちと同じかそれ以上に戦える。それが君と俺たちが対等であるという証明でもある。だから気にせずこれからもよろしく頼むよ。」

 ライムさんはいつもの爽やかな笑顔でそう言って食事を続けた。俺もせっかくそう言ってもらったので、これまで通りに接することにしようと思う。

 子供たちは難しい話をしていると思ったのか、一切こちらには聞き耳を立てず黙々とご飯を食べていた。久しぶりの温かいご飯だったからだろうか、大人の俺たちよりもたくさん食べていた。

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