錬金令嬢は幸せになりたい!
心の病気になりました
あの大失敗をした社交パーティーから数日が経過した。
私はあれからずっと部屋に引きこもっていた。
大衆の面前、しかも王子様の前であんな醜態をさらしてしまったのだ。
貴族のネットワークと言うのは早い物で、それが他人の悪口や陰口となるとすぐに伝わる。
もう私の件は貴族界に広まっているだろう。
私はベッドの上で布団にくるまりガタガタと震えていた。
「うあぁぁぁ······、もう表舞台に出れないぃぃぃぃ······」
数日が経過してもあの時の事は勿論覚えてるし思い出してしまう。
しかも、それが夢にも出てしまうから怖くて眠れない。
夢の中では私は笑い者になっていてどんなに逃げても悪意ある笑いが追いかけてくる。
「私の人生、もう終わったわ、これからどうしよう······」
10歳にして人生終了の鐘が脳内で鳴り響いていた。
と、扉をノックする音が聞こえた。
「お嬢様、旦那様がお呼びですがどうされますか?」
私はビクッとなった。
あの日以来お父様に直接会った事がない。
(きっと怒られるんだ·······)
何せ公爵家の名前に泥を塗ってしまったのだ。
でも、会わないと仕方がないので私はメイドに行く事を伝え久しぶりに部屋から出た。
「お、お嬢様、顔色が悪いようですが大丈夫ですか?」
メイドに言われて慌てて手鏡で顔を見た。
自分で言うのもなんだけど酷かった。
髪はボサボサ、目は虚ろ、目の下には隈が出来ていた。
「大丈夫、ではないわね······」
「どうしましょうか、多少身支度をしてから行かれた方が······」
「良いわ、お客様が来てる訳では無いでしょう」
これから怒られるのに綺麗にしても仕形がない。
ありのままの私を見てもらおう。
私はお父様の部屋にノックをして入った。
部屋に入って来た私を見てお父様は一瞬ギョッとした表情になった。
そりゃそうだ、娘が酷い状態で入ってきたのだから。
「クリス······、その大丈夫か?」
「見ての通りです······。お父様、申し訳ありませんでした」
私は頭を下げた。
「何を謝っているんだ?」
「······私は社交界デビューと言う大事な日にとんでもない失態を犯してしまい家の名前に傷をつけてしまいました。どのような処分もお受け致します」
「いやいやいやっ!? そこまで重く受け止めなくても大丈夫だからねっ!?」
「でも、私はお父様やお母様のご期待を裏切ってしまって······」
「そこは私が逆に謝らなければいけない。クリスに過度なプレッシャーを押し付けてしまったせいで追い詰めてしまった······」
お父様は泣きそうな顔をしていた。
「あの後、部屋から出てこないクリスを心配して医者に相談したんだ。 その時に言われたのが『心の病』にかかっている可能性がある、と言われたんだ」
心の病?
私はあれからずっと部屋に引きこもっていた。
大衆の面前、しかも王子様の前であんな醜態をさらしてしまったのだ。
貴族のネットワークと言うのは早い物で、それが他人の悪口や陰口となるとすぐに伝わる。
もう私の件は貴族界に広まっているだろう。
私はベッドの上で布団にくるまりガタガタと震えていた。
「うあぁぁぁ······、もう表舞台に出れないぃぃぃぃ······」
数日が経過してもあの時の事は勿論覚えてるし思い出してしまう。
しかも、それが夢にも出てしまうから怖くて眠れない。
夢の中では私は笑い者になっていてどんなに逃げても悪意ある笑いが追いかけてくる。
「私の人生、もう終わったわ、これからどうしよう······」
10歳にして人生終了の鐘が脳内で鳴り響いていた。
と、扉をノックする音が聞こえた。
「お嬢様、旦那様がお呼びですがどうされますか?」
私はビクッとなった。
あの日以来お父様に直接会った事がない。
(きっと怒られるんだ·······)
何せ公爵家の名前に泥を塗ってしまったのだ。
でも、会わないと仕方がないので私はメイドに行く事を伝え久しぶりに部屋から出た。
「お、お嬢様、顔色が悪いようですが大丈夫ですか?」
メイドに言われて慌てて手鏡で顔を見た。
自分で言うのもなんだけど酷かった。
髪はボサボサ、目は虚ろ、目の下には隈が出来ていた。
「大丈夫、ではないわね······」
「どうしましょうか、多少身支度をしてから行かれた方が······」
「良いわ、お客様が来てる訳では無いでしょう」
これから怒られるのに綺麗にしても仕形がない。
ありのままの私を見てもらおう。
私はお父様の部屋にノックをして入った。
部屋に入って来た私を見てお父様は一瞬ギョッとした表情になった。
そりゃそうだ、娘が酷い状態で入ってきたのだから。
「クリス······、その大丈夫か?」
「見ての通りです······。お父様、申し訳ありませんでした」
私は頭を下げた。
「何を謝っているんだ?」
「······私は社交界デビューと言う大事な日にとんでもない失態を犯してしまい家の名前に傷をつけてしまいました。どのような処分もお受け致します」
「いやいやいやっ!? そこまで重く受け止めなくても大丈夫だからねっ!?」
「でも、私はお父様やお母様のご期待を裏切ってしまって······」
「そこは私が逆に謝らなければいけない。クリスに過度なプレッシャーを押し付けてしまったせいで追い詰めてしまった······」
お父様は泣きそうな顔をしていた。
「あの後、部屋から出てこないクリスを心配して医者に相談したんだ。 その時に言われたのが『心の病』にかかっている可能性がある、と言われたんだ」
心の病?
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