パーティーを追放された俺は、隠しスキル《縁下》で世界最強のギルドを作る
第7話 絶対的信頼
「《ばあああくれぇああああつぅううううう》!」
炎属性最上級魔法、《爆裂》。それが発動する前にその場から避けると、さっきまで俺がいた場所が激しく爆発した。
黒い《爆裂》……。レイガの得意魔法だったが、今ではクロとの契約のせいか、赤ではなく漆黒に染まった《爆裂》になってるのか。
他の炎系の魔法は、魔法を発動してから放つまでが一定のプロセスになっている。だが、レイガの《爆裂》は違う。相手のいる空間そのものを爆発することで、放つというプロセスが省かれる。結果、発動速度だけにプロセスが割かれるから、とんでもなく速く発動する。
でも、俺はそのカラクリを知っている。《空中歩法》による急激な方向転換と緩急。それにより狙いを外し、《爆裂》を難なく避けていく。
「ああああああああああああ⁉︎ 当たれあだれアダレやああああああああ⁉︎」
当たらないことに苛立っているのか、狙いを定めず乱雑に《爆裂》を放つ。
「チッ……!」
自我を無くした奴は今まで戦ってきたが、こうも強力な魔法を使うやつは初めてだ……!
『お兄ちゃん、《暴食》、です』
っ、そうか……!
クゥのアドバイス通り、一番近くで爆発した黒炎に右手で触れる。
「《暴食》!」
《暴食》を発動。右手から黒炎が吸収され、跡形もなく消えた。
『かいせちゅ〜、かいせちゅ〜。ろ〜でぃん、ろ〜でぃん』
頼んだぞ、クゥ!
「……黒炎を吸収しタ……いや、喰っタ? ……まさかとは思いましたガ、その腕はギガントデーモンの腕でハ?」
クロのやつ、まさかギガントデーモンのことも知ってるなんて……!
「っ……テメェに答える義理はねぇよ!」
「……一瞬の間。間違いなさそうですネェ。どこで手に入れたのかは知りませんガ、それはあなたには分不相応というもでス」
クロが右手を突き出すと、レイガが人間には到底出来ない不気味な動きで剣を振り回しだした。
「さあレイガさン。ジオウさんの右腕を奪いなさイ」
「うううううううででででででででェあぁあああぁぁあぁああああ!!!!」
誰がやるか!
アンサラーを抜き、迫り来るレイガの剣撃を受けようと振るう。
武器破壊の効果を持つアンサラーなら、レイガの剣も……!
「ギギギギギギガガガガガガガガッッッ!」
ギリリリリリッ! ──と、止められた……!? 何で……!?
「ぐげぇぇぇぇぇぇあああああ!!!!」
「ぐうっ……!?」
レイガの振るう剣で、十数メートルも吹き飛ばされた。クソがっ、単純なパワーならレイガの方が圧倒的過ぎる……!
「ヘェ……黒炎の魔力を纏った剣でも斬れなイ……実に、実に実に実に、興味深イ……!」
……黒炎の、魔力? どういうことだ……?
体勢を立て直してレイガを注視していると、クゥの解析が終わったのか頭の中に声が響いた。
『解析しゅ〜りょ〜。黒炎。触れた物質を燃やし尽くすまで消えない炎。黒炎の魔力を剣に付与することで、絶対破壊の効果を得られる、です』
絶対破壊……アンサラーの武器破壊と似たような効果か……?
何にせよ、あいつは俺のアンサラーに。俺はあいつの剣に触れたらまずいってことか。
なら、俺も少し遠距離で攻撃させてもらおう。
この属性単体は、余り得意じゃないんだが……仕方ない。
「《水源の宝槍》!」
水属性最上級魔法、《水源の宝槍》。込められた魔力が尽きるまで、蒸発することも消えることもない水の槍。そいつを十本出して、レイガに向けて投擲する。
更に気流操作と《空中歩法》で、不規則な動きを再現。これを全部捌くのは無理だろう……!
「《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》!!!!」
芸のない奴だ。それじゃあこの魔法は消せな……は?
「ぜ、全部消された……!?」
『魔法に込められた魔力も燃やし尽くされた、です』
魔力すら燃やすって、そんなんありか!?
「クゥ。あの魔法、俺でどうにかなるか?」
『クゥの《暴食》で食べたら、お兄ちゃんには当たらない、です。でも体を操作するの、お兄ちゃん、です。ミスったら死ぬ、です』
……あいつの黒炎を見切って右腕で触れて、それを食い尽くす、と?
エンパイオの時もそうだが、何で俺が戦う相手は一撃必殺系の力持ってるの? ズルくない? てか俺、いつも不利すぎない?
ああもう……嫌になるなぁ……。
「でも、それ以外逃げ場はないんだよな……タチ悪すぎだろ」
『お兄ちゃんなら出来る、です』
何、その俺に対する絶対的信頼。
「ごごごごごごごごごごろろろろろろろろろろろずずずずずずずずずずずずず!!!!」
……はぁ……。
「シュユを助けるためだ。……レイガ、お前を、殺す!」
炎属性最上級魔法、《爆裂》。それが発動する前にその場から避けると、さっきまで俺がいた場所が激しく爆発した。
黒い《爆裂》……。レイガの得意魔法だったが、今ではクロとの契約のせいか、赤ではなく漆黒に染まった《爆裂》になってるのか。
他の炎系の魔法は、魔法を発動してから放つまでが一定のプロセスになっている。だが、レイガの《爆裂》は違う。相手のいる空間そのものを爆発することで、放つというプロセスが省かれる。結果、発動速度だけにプロセスが割かれるから、とんでもなく速く発動する。
でも、俺はそのカラクリを知っている。《空中歩法》による急激な方向転換と緩急。それにより狙いを外し、《爆裂》を難なく避けていく。
「ああああああああああああ⁉︎ 当たれあだれアダレやああああああああ⁉︎」
当たらないことに苛立っているのか、狙いを定めず乱雑に《爆裂》を放つ。
「チッ……!」
自我を無くした奴は今まで戦ってきたが、こうも強力な魔法を使うやつは初めてだ……!
『お兄ちゃん、《暴食》、です』
っ、そうか……!
クゥのアドバイス通り、一番近くで爆発した黒炎に右手で触れる。
「《暴食》!」
《暴食》を発動。右手から黒炎が吸収され、跡形もなく消えた。
『かいせちゅ〜、かいせちゅ〜。ろ〜でぃん、ろ〜でぃん』
頼んだぞ、クゥ!
「……黒炎を吸収しタ……いや、喰っタ? ……まさかとは思いましたガ、その腕はギガントデーモンの腕でハ?」
クロのやつ、まさかギガントデーモンのことも知ってるなんて……!
「っ……テメェに答える義理はねぇよ!」
「……一瞬の間。間違いなさそうですネェ。どこで手に入れたのかは知りませんガ、それはあなたには分不相応というもでス」
クロが右手を突き出すと、レイガが人間には到底出来ない不気味な動きで剣を振り回しだした。
「さあレイガさン。ジオウさんの右腕を奪いなさイ」
「うううううううででででででででェあぁあああぁぁあぁああああ!!!!」
誰がやるか!
アンサラーを抜き、迫り来るレイガの剣撃を受けようと振るう。
武器破壊の効果を持つアンサラーなら、レイガの剣も……!
「ギギギギギギガガガガガガガガッッッ!」
ギリリリリリッ! ──と、止められた……!? 何で……!?
「ぐげぇぇぇぇぇぇあああああ!!!!」
「ぐうっ……!?」
レイガの振るう剣で、十数メートルも吹き飛ばされた。クソがっ、単純なパワーならレイガの方が圧倒的過ぎる……!
「ヘェ……黒炎の魔力を纏った剣でも斬れなイ……実に、実に実に実に、興味深イ……!」
……黒炎の、魔力? どういうことだ……?
体勢を立て直してレイガを注視していると、クゥの解析が終わったのか頭の中に声が響いた。
『解析しゅ〜りょ〜。黒炎。触れた物質を燃やし尽くすまで消えない炎。黒炎の魔力を剣に付与することで、絶対破壊の効果を得られる、です』
絶対破壊……アンサラーの武器破壊と似たような効果か……?
何にせよ、あいつは俺のアンサラーに。俺はあいつの剣に触れたらまずいってことか。
なら、俺も少し遠距離で攻撃させてもらおう。
この属性単体は、余り得意じゃないんだが……仕方ない。
「《水源の宝槍》!」
水属性最上級魔法、《水源の宝槍》。込められた魔力が尽きるまで、蒸発することも消えることもない水の槍。そいつを十本出して、レイガに向けて投擲する。
更に気流操作と《空中歩法》で、不規則な動きを再現。これを全部捌くのは無理だろう……!
「《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》《爆裂》!!!!」
芸のない奴だ。それじゃあこの魔法は消せな……は?
「ぜ、全部消された……!?」
『魔法に込められた魔力も燃やし尽くされた、です』
魔力すら燃やすって、そんなんありか!?
「クゥ。あの魔法、俺でどうにかなるか?」
『クゥの《暴食》で食べたら、お兄ちゃんには当たらない、です。でも体を操作するの、お兄ちゃん、です。ミスったら死ぬ、です』
……あいつの黒炎を見切って右腕で触れて、それを食い尽くす、と?
エンパイオの時もそうだが、何で俺が戦う相手は一撃必殺系の力持ってるの? ズルくない? てか俺、いつも不利すぎない?
ああもう……嫌になるなぁ……。
「でも、それ以外逃げ場はないんだよな……タチ悪すぎだろ」
『お兄ちゃんなら出来る、です』
何、その俺に対する絶対的信頼。
「ごごごごごごごごごごろろろろろろろろろろろずずずずずずずずずずずずず!!!!」
……はぁ……。
「シュユを助けるためだ。……レイガ、お前を、殺す!」
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