【ジョブチェンジ】のやり方を、《無職》の俺だけが知っている
無自覚
翌日。
「魔力の構成要素は今なお研究中だが、どのジョブを持ってる人間にも魔臓と呼ばれる臓器が存在していて、《魔術師》のみがそれを使えぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ……」
俺氏、絶賛ぶっ壊れ中。
「……レイン」
「申し訳ございません。乾いたスポンジのように、面白いくらい吸収していくものですから、つい……」
「だからって、ハンター登録するくらいの余裕は残しときなさいよっ。ゼノア、大丈夫?」
……え? あれ? クレア?
「ごめんクレア今話しかけないで。頭に叩き込んだものが全部出ちゃうぶつぶつぶつぶつ……」
えっとなんだっけ。……あ、そうだ。魔法は四大元素で属性が分かれていて、それぞれ火、水、風、土がある。これらは《魔術師》なら使えるが、派生四大元素は才能がないと使えない。それぞれ雷、氷、嵐、砂がぶつぶつぶつぶつ……。
「……ああもう、いいわ。ほら、行くわよ」
クレアが俺の腕を掴んでずるずると引きづる。
だけどそんなことは関係ない。俺の頭の中は今、レインさんに教えてもらった魔法のことがグルグルと巡っている。それを忘れないようにするので精一杯だ。
「ちょっ、町に出たわよっ。自分で歩きなさいよっ」
「攻撃魔法にはいくつかの種類にぶつぶつ……」
「いい加減殴るわよ!? 全く……!」
文句を言いながらも俺を引っ張ってくれるクレア。あれだったら放置してくれてもいいのに、律儀にハンターギルドまで連れてってくれるなんて、優しい奴だ。甘えさせてもらって、もう少し復習しておこう。
ええっと、どこまでいったっけ……そうそう、魔法攻撃の種類だったか。
そのままずるずる、ずるずると引きずられて行くと、一つの建物の中に連れて行かれた。
「すみませーん。」
「はい? あっ、クレア様! お怪我とかはないですか!? 警備長さんから無事に帰ってきたという連絡を受けた時は、ハンターギルド総員で歓喜に打ち震えて……!」
「あ、そういうのいいのよ。それより、この子のハンター登録をお願いしたいの」
魔法の種類にも、近距離、中距離、遠距離がぶつぶつ……。
「は、はいっ。……その方、どうかされたんてすか? ぶつぶつ言ってますが……」
「ただ勉強熱心なだけよ。私が代理で記入するから、いいわよね?」
「は、はい。大丈夫です」
更には身体強化魔法という派生の魔法もあり、自分の現在のスペックに見合った限界値まで力を高める魔法がぶつぶつ……。
ドガアアァーーーンッ!
「そしたらよぉ!」
「ぎゃはははは! お前マジかよ!」
「まさか本当に生きたまま落とすなんてなぁ!」
あーもううるさいな。気が散るじゃないか。
えーと、魔法にも治癒魔法というものがあるが、それは《魔術師》には使えないぶつぶつ……。
「何あいつら、下品ね……」
「ああ、最近ハンターギルドに入った、ピッグさんです。《拳闘士》のジョブで、しかもレベルが高いから誰も咎められなくて……」
《魔術師》は基本遠距離向けの【ジョブ】だけど、だからと言って近距離の戦闘方法を身に付けないという意味にはならないぶつぶつ……。
「ああ? ……て、め……まさか……無職じゃねぇか!?」
「お? ピッグさん、知り合いかよ」
「知り合いもなにも、さっき話してた奴だぜ。おい無職! テメェなんで生きてやがんだ、あぁ!?」
遠距離系の魔法は威力は弱いが射程距離では弓矢を凌ぎ、中距離系の魔法は威力も射程距離も中程度でぶつぶつ……。
「テメェ……何無視してやがんだゴルァ!?」
「あんた、やめなさい! いい大人がみっともないわよ! というか、ゼノアが無職ってどういうことよ!」
「あ? テメェ誰だ? どうもこうも、無職は無職だ。こいつには生まれながら【ジョブ】が与えられなかった。天職のない、無能で無価値な存在。それがこの無職。俺のサンドバッグ兼奴隷だよ! ぎゃはははは! はーっはっはっはっはっは!」
中距離系魔法で一番威力があるのは……。
「《フレイム・ランス》」
「はっはっはっはべぶぼっ!?」
あとは……。
「《ウォーター・ランス》《ウィンド・ランス》《ロック・ランス》」
「げばっ!? ぶへっ!? ひでぶっ!?」
派生系は……。
「《ライトニング・ランス》《ブリザード・ランス》《トルネード・ランス》《サンド・ランス》」
「ごふっ!? ぎゃぼっ!? はぎゃっ!? ぐぎゃっ!?」
四大元素と派生四大元素以外には……。
「《ホーリー……」
「ストップストップストーーーーップ! ゼノア、止まりなさい!」
……え? クレア?
「どうかしたの?」
「いや、どうかしたのというか……あれ……」
「あれ?」
クレアの指さした方を振り返る。あ、あれは……。
「ぴ、ピッグ……!?」
そんなっ、どうしてあいつがここに……!?
……なんか、血まみれだけど……。
周りを見渡すと、この場にいた全員が俺を見てドン引きしていた。何、どゆこと?
「ゼノア、あんたやり過ぎ」
「やり過ぎ? ……あれ、俺がやったの?」
無言で頷くクレアと周りの人達。……え、マジで?
「……何がなにやら」
「「「「「こっちのセリフだよ!」」」」」
「魔力の構成要素は今なお研究中だが、どのジョブを持ってる人間にも魔臓と呼ばれる臓器が存在していて、《魔術師》のみがそれを使えぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ……」
俺氏、絶賛ぶっ壊れ中。
「……レイン」
「申し訳ございません。乾いたスポンジのように、面白いくらい吸収していくものですから、つい……」
「だからって、ハンター登録するくらいの余裕は残しときなさいよっ。ゼノア、大丈夫?」
……え? あれ? クレア?
「ごめんクレア今話しかけないで。頭に叩き込んだものが全部出ちゃうぶつぶつぶつぶつ……」
えっとなんだっけ。……あ、そうだ。魔法は四大元素で属性が分かれていて、それぞれ火、水、風、土がある。これらは《魔術師》なら使えるが、派生四大元素は才能がないと使えない。それぞれ雷、氷、嵐、砂がぶつぶつぶつぶつ……。
「……ああもう、いいわ。ほら、行くわよ」
クレアが俺の腕を掴んでずるずると引きづる。
だけどそんなことは関係ない。俺の頭の中は今、レインさんに教えてもらった魔法のことがグルグルと巡っている。それを忘れないようにするので精一杯だ。
「ちょっ、町に出たわよっ。自分で歩きなさいよっ」
「攻撃魔法にはいくつかの種類にぶつぶつ……」
「いい加減殴るわよ!? 全く……!」
文句を言いながらも俺を引っ張ってくれるクレア。あれだったら放置してくれてもいいのに、律儀にハンターギルドまで連れてってくれるなんて、優しい奴だ。甘えさせてもらって、もう少し復習しておこう。
ええっと、どこまでいったっけ……そうそう、魔法攻撃の種類だったか。
そのままずるずる、ずるずると引きずられて行くと、一つの建物の中に連れて行かれた。
「すみませーん。」
「はい? あっ、クレア様! お怪我とかはないですか!? 警備長さんから無事に帰ってきたという連絡を受けた時は、ハンターギルド総員で歓喜に打ち震えて……!」
「あ、そういうのいいのよ。それより、この子のハンター登録をお願いしたいの」
魔法の種類にも、近距離、中距離、遠距離がぶつぶつ……。
「は、はいっ。……その方、どうかされたんてすか? ぶつぶつ言ってますが……」
「ただ勉強熱心なだけよ。私が代理で記入するから、いいわよね?」
「は、はい。大丈夫です」
更には身体強化魔法という派生の魔法もあり、自分の現在のスペックに見合った限界値まで力を高める魔法がぶつぶつ……。
ドガアアァーーーンッ!
「そしたらよぉ!」
「ぎゃはははは! お前マジかよ!」
「まさか本当に生きたまま落とすなんてなぁ!」
あーもううるさいな。気が散るじゃないか。
えーと、魔法にも治癒魔法というものがあるが、それは《魔術師》には使えないぶつぶつ……。
「何あいつら、下品ね……」
「ああ、最近ハンターギルドに入った、ピッグさんです。《拳闘士》のジョブで、しかもレベルが高いから誰も咎められなくて……」
《魔術師》は基本遠距離向けの【ジョブ】だけど、だからと言って近距離の戦闘方法を身に付けないという意味にはならないぶつぶつ……。
「ああ? ……て、め……まさか……無職じゃねぇか!?」
「お? ピッグさん、知り合いかよ」
「知り合いもなにも、さっき話してた奴だぜ。おい無職! テメェなんで生きてやがんだ、あぁ!?」
遠距離系の魔法は威力は弱いが射程距離では弓矢を凌ぎ、中距離系の魔法は威力も射程距離も中程度でぶつぶつ……。
「テメェ……何無視してやがんだゴルァ!?」
「あんた、やめなさい! いい大人がみっともないわよ! というか、ゼノアが無職ってどういうことよ!」
「あ? テメェ誰だ? どうもこうも、無職は無職だ。こいつには生まれながら【ジョブ】が与えられなかった。天職のない、無能で無価値な存在。それがこの無職。俺のサンドバッグ兼奴隷だよ! ぎゃはははは! はーっはっはっはっはっは!」
中距離系魔法で一番威力があるのは……。
「《フレイム・ランス》」
「はっはっはっはべぶぼっ!?」
あとは……。
「《ウォーター・ランス》《ウィンド・ランス》《ロック・ランス》」
「げばっ!? ぶへっ!? ひでぶっ!?」
派生系は……。
「《ライトニング・ランス》《ブリザード・ランス》《トルネード・ランス》《サンド・ランス》」
「ごふっ!? ぎゃぼっ!? はぎゃっ!? ぐぎゃっ!?」
四大元素と派生四大元素以外には……。
「《ホーリー……」
「ストップストップストーーーーップ! ゼノア、止まりなさい!」
……え? クレア?
「どうかしたの?」
「いや、どうかしたのというか……あれ……」
「あれ?」
クレアの指さした方を振り返る。あ、あれは……。
「ぴ、ピッグ……!?」
そんなっ、どうしてあいつがここに……!?
……なんか、血まみれだけど……。
周りを見渡すと、この場にいた全員が俺を見てドン引きしていた。何、どゆこと?
「ゼノア、あんたやり過ぎ」
「やり過ぎ? ……あれ、俺がやったの?」
無言で頷くクレアと周りの人達。……え、マジで?
「……何がなにやら」
「「「「「こっちのセリフだよ!」」」」」
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