告白されて付き合うことになった美少女がその日のうちに義妹になった件 〜ところで、おっぱいはいつ揉んでいいの?〜

赤金武蔵

第11話 ビーチと言ったらプライベート

「う!」
「み!」
「だあーーー!」


 テンション爆上がり女子ーズが、砂浜で楽しそうに叫ぶ。
 確かに綺麗な海だ。入り江になっていて波も静か。海水も青く、ゴミが浮いていない。
 まさか神奈川県にこんな綺麗な海があるとは思わなかった。しかも俺達以外に客がいない。完全な穴場だ。
 綺麗すぎる海に見とれていると、数寄屋が俺の隣で爽やかな笑みを浮かべていた。


「どう? 気に入ったかな?」
「ああ、すげーよ。よくこんな場所知ってたな」
「うん、プライベートビーチだからね」


 ………………………………ん?


「ぷら……え?」
「プライベートビーチ。ここ、うちで買ったビーチなんだよ。人も来れないようにバリケードもしてあるから、思う存分遊べるよ」


 …………。


「ああ! ありがとう!」


 俺は、考えないことにした。
 頭を切り替え、俺達は仮設されている建物の中で、早速水着に着替えた。この間の店で買った、何の変哲もないサーフパンツだ。


「おお……相変わらずユキカズは腹筋割れてるね。しかも全体的に引き締まってる」
「リン〇フィットのおかげだな。入学してからずっと続けてて皆勤だぜ」


 姿見で見ると、確かに前より筋肉質になっている。別にプロテインとか栄養剤は飲んでないけど、普段通り寝て、食って、運動してたらこんな体になった。
 うん、中々イケてるんじゃないか、俺?
 まあ、そういう数寄屋は……。


「お前もやべーな……」
「まあ、僕は運動もしてるし、普通だよ」


 いや、そんな凸凹してる体は普通とは言わない。
 くっ……! 流石運動が得意な奴違うな……!


 そんな二人でビーチに戻るが、まだ女子ーズは戻って来ていない。まあ女性は準備が多いって聞くし、気長に待つか。
 その間に周りを見渡してどんな感じなのか確認する。


 周囲が崖に覆われているこじんまりとした入り江。だが、俺達五人が遊ぶには十分くらい広すぎる。
 端っこには今着替えて出てきた仮設の建物。デッキにはテーブルと椅子、日除けのパラソルも備えられている。さっきちらっと見たが、中には飲み物の自販機とアイスの自販機もあるみたいだ。数寄屋家、マジでナニモンだよ……。


「それにしても晴れて良かったねぇ。僕、1週間前からずっと天気予報ばかり見てたよ」
「あー、咲良もそんな感じだった。家中のカレンダーに丸付けて、毎日ニュースの天気予報とか天気アプリと睨めっこしてた」


 あの時の咲良はホント可愛かった。少しでも雨マークが付いたら泣きそうになり、晴れたら笑顔になり、曇ったらむむっという顔をする。まさに百面相だ。


「そういうユキカズは?」
「は? 楽しみに決まってんだろ怒るぞ」
「理不尽……」


 だって……だって今日は海だぞ! 海水浴だぞ! なんて言っても水着だぞ!
 あの! 咲良の! 水着姿だぞ!? これを楽しみにしないで何を楽しみに人生を生きればいいのだ! アホか!


「まあ、サクラさん大好きユキカズの気持ちはちょっと分かるかな。皆美人だもんねぇ」
「咲良を狙ってると分かった瞬間、俺のリン〇フィットで鍛えた拳が火を吹くぜ」
「そんな命知らずなことはしないよ」


 肩を竦めてどこ吹く風の数寄屋。何故だろう、無性に殴りたい。相変わらずくそイケメンめ。
 自分でも分かるほど呆れた顔で数寄屋を睨み付けていると、仮設建物からわらわらの3人の女の子がビーチに出てきた。3人ともまだパーカーを着ていて、水着は顕になっていない。


 そんな中、自信満々な笑みを浮かべるのは羽瀬さんと峰さん。咲良はどことなく恥ずかしそうだ。


「ふっふっふー……待たせたな、野郎共!」
「あーしらギャルコンビのえちえち水着、です!」


 いち早くパーカーを脱いだのは羽瀬さん。
 予想外にバンドゥビキニで、咲良級の形のいい胸を隠そうとしない堂々としたものだ。褐色の肌、赤い髪とよく似合う。
 次に脱いだのは峰さん。
 パッションイエローのハイネックビキニ。2人ほどの胸は無いが、綺麗すぎるクビレと病的に純白の肌。これもよく似合っている。


「2人共、よく似合ってるよ。ね、ユキカズ」
「ああ。流石って感じだ」
「にへへー、やっぱウチの肉体美はか、ん、ぺ、き♡」
「うっふん、あっはん♡」


 うぜぇ……。
 そして最後に咲良、なのだが……。


「…………」


 もじもじ、もじもじ。ちら、ちら。
 恥ずかしいのか、一向に脱ごうとしない。どんな水着を来てるのか……俄然気になるぞ。


「ほらほら咲良っち! 時田っちが待ってるよ!」
「わ、わわわわ分かってるっ。分かってるから……!」


 顔を羞恥で歪めている咲良。だけど意を決したのか、ゆっくりとパーカーのチャックを開く。


「……ぉ……ぁ……」


 王道中の王道、三角ビキニ。しかも咲良の名前と同じ桜色。しかも花柄のパレオを巻いている。
 圧倒的ボリュームに若干収まってない感は否めないが……それでも下品な感じはしない。むしろ華やかで、可憐で……。


「…………」
「……あ、の……雪和、くん……」
「っ! あ、えと、その……に、似合、てる……ほんとに……」
「あっ、ありっ、ありが、と……」


 思わず顔を背ける俺。咲良も頬を染めてパーカーを握り締める。でも分かって欲しい、俺のこの気持ちを。
 そわそわします。そわそわするのです。うん。


「……何かウチらと反応が違うし……」
「まーまー紅葉。時田ちんはいつもこうでしょ?」
「熱々バカップルは置いといて、早速遊ぼうよ。準備運動はしっかりとね」
「「うーい」」
「「ば、バカップルじゃないもん!」」


 失礼なやつだ! どう見ても健全なカップルでしょうが! 全くもう!

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品