告白されて付き合うことになった美少女がその日のうちに義妹になった件 〜ところで、おっぱいはいつ揉んでいいの?〜

赤金武蔵

第15話 作戦会議

   ◆◆◆


 月曜日のお昼休みになり、私は約束通り作戦会議のため校庭横に来ていた。
 三人がけのベンチに紅葉ちゃん、私、夏海ちゃんの順に座り、お弁当を広げて食べている。
 と言ってもお弁当は私だけ。紅葉ちゃんは惣菜パン。夏海ちゃんはサンドイッチだ。
 そんな2人に挟まれて、ふと空を見上げた。
 桜の花びらが舞い散る空は、晴れやかな快晴。一円玉天気とはこのことを言うんだろうなぁ。
 お茶ごくごく。


「ぷはぁ〜……お茶が美味しいねい」
「咲良ちん、現実トーヒ禁止!」


 ちっ、バレたか。
 左右を見ると、ニマニマしている紅葉ちゃんと目を輝かせている夏海ちゃんが、話を聞きたそうに私を見つめていた。


「そ、そんな顔しても、LIMEで伝えた通りだよ。雪和くんとピクニックに行って、寝ちゃったから膝枕してあげたの」
「へぇ〜、へぇ〜〜〜」
「咲良ちんだいたーん♡」


 くっ、辱めを受けています……!
 全く。二人は何も分かってません。ダメです、ダメダメです。


「だって仕方ないじゃないですかっ。こ、こんな……こんな可愛い寝顔を見せられたらぁ♡」


 スマホのホーム画面オープンッ。


「お、おぉ……時田っち無防備……」
「確かに可愛い……かも?」
「でしょ!?」


 流石私の親友達、よく分かってる!


「まるで小さい子供のように安心しきってる愛らしい寝顔! そして如何にも適当に伸ばしてますと言った感じのモフモフの髪の毛! そしてびっくり意外と長いまつ毛! 思春期なのにニキビのない肌もスベスベモチモチ! シャープなあごのライン! 筋の通った鼻! 緩んだティーシャツからチラ見してる鎖骨の曲線美! エロい、エロいよ雪和くん! 壁一面に壁紙にしたい! そして一日中舐めまわすように見てたい!」
「お、おぅ……」
「咲良ちん怖……」


 失礼な。雪和くんラブなだけです。激ラブです。激推しです。同担拒否なのです。


   ◆◆◆


「ぶぇっくしょーい!」
「ユキカズ、風邪?」
「いや。なんか凄い辱めを受けてる気がする」


   ◆◆◆


「ま、まあ咲良っちの想いはよーく分かった」
「かなり重いけどね……」


 そうかな? 好きな人が相手なら、誰でもこういうもんじゃないの? え、私だけ?
 首を傾げてると、紅葉ちゃんが咳払いを一つした。


「でだ、ここからは作戦会議。どうやって二人の仲を進展させるか」
「おっ、お願いしますっ」


 遂に本題に入った……!


「はいはーい!」
「よし、夏海」


 夏海ちゃんが立ち上がると、私達の前に立って作戦を提案した。


「時田ちんが咲良ちんに手を出さないなら、咲良ちんから誘惑してみたら?」
「ゆ、誘惑……?」
「ほら、こんな風に♡」


 夏海ちゃんが、スカートの端を持ち上げてゆっくりとたくし上げ、パッションイエローのショーツをチラッと……って!?


「なっ、なななな何してるの!?」
「あ。そーれーとーもー……こっち?♡」


 後ろを向くと、お尻を突き出すようにして前傾になり、短いスカートが翻ってまたもチラッと……!


「な、夏海ちゃんっ、はしたないよ!」
「何言ってんの咲良ちん。これ咲良ちんが時田ちんにやるんだよ?」


 ……え、私が?
 訳が分からず混乱してると、夏海ちゃんがいたずらっ子のような笑顔を浮かべた。


「男の子はね、みーんなたくし上げやパンチラが好きなの。どんなに紳士ぶった顔をして、どんなに真面目そうな顔をしても、スカートが捲れた瞬間はみんなその子のスカートを見る。それが付き合ってる大好きな彼女のものだったら……雪和くんはぜーったい咲良ちんを意識するよ!」


 な、なるほど。一理ある……。


「夏海、それどこ情報だ?」
「え? エロゲだけど?」
「やっぱりかよ! もっとまともな案かと思ったよ!」
「エロゲ馬鹿にするなし!」


 またえろげの話……まあそれはいいとして。


「あの、それもう実施済み……です……」
「……え?」
「……咲良ちん、何言って……?」
「いや……偶然っ、ホント、偶然なんだけどね?」


 土曜日、私がシャワーを浴びようと脱衣場にいた時に、雪和くんと鉢合わせをして下着姿を見られたことを話した。
 当然そのあとの私の行動は話してない。と言うか話せるはずがない。あれは魔が差しただけなんです、ホントに。
 あの時のことを話すと、二人は何故か妙に納得したような顔をした。


「まあ同棲してる訳だから、そんなハプニングもあるか」
「咲良ちんのエロ可愛い体を見て手を出さない時田ちん、ホント枯れてるねぇ」


 枯れてる、って言うのかな……?
 でも確かに、抱き締めたりちゅーくらいしてくれても……。
 もーそーちゅー。もーそーちゅー。


「はぅっ……!」


 は、恥ずかしい……想像しただけで恥ずかしい……!
 熱くなってる頬を両手で覆うと、紅葉ちゃんが紙袋をクシャクシャに丸めて口を開いた。


「まあ、二人は普通の高校生カップルじゃなくて、同棲してるカップルなんだ。チャンスなんて幾らでも巡って来るさ」
「……そう、だよね……うん、そうかも。私、焦ってたよ……!」


 よく考えると、これからもあんなことが起こるかもしれないんだ。いや、上手くやればハプニングなんていつでも作れる!


 見ててよ雪和くんっ、絶対にメロメロにしてやるんだから……!


   ◆◆◆


「そしたら咲良がさぁ」
「ユキカズって、サクラさんにベタ惚れだよね」
「何を今更。もう既にメロメロだぜ?」

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