外れスキル【釣り】を極限にまで極めた結果 〜《神器》も美少女も釣れるようになったけどスローライフはやめません。〜
第18話 かくほー
俺の髪の毛が奪われて四日が過ぎた。
結局何に使うのかは教えてもらえなかったけど……それも今日分かるはずだ。
当の本人はあれから部屋にこもってるんだけど……不安だ。
でも、今日俺は男に戻る。
……はずだ。
念のために男物の服を着て、リビングで待機中。
「今日でこのお兄ちゃんともお別れかぁ、寂しいのだわ……」
「まあそう言うな。これが異常な状態だったんだから」
確かに、やっと女の子の楽しさが分かってきたところだ。
ここで元に戻るのも、何となく寂しい。
ふと姿見を見る。
俺ってこんなにでかい服を着てたんだな。
たった二週間だったのに、遠い昔のことみたいだ。
……ま、今更言っても遅いか。
今日で最後。それは変わらない。
……買ってもらった服とか、どうしようかな。
「むぅ……余、女タナトにもう少しいじめられたい気分」
「ふふ。イヴァちゃんは本当に女タナトを気に入ったのね」
「うむっ。そもそも余は可愛いもの好きだからな。ぬいぐるみとか」
え、俺の女版ってぬいぐるみと同レベルなの。
軽くショック。
「……エリオラ、まだ出てこないのか?」
「そうね……今日タナトが元に戻るってことは知ってると思うけど、どうしたのかしら?」
最近は徹夜してるみたいだし……怪しすぎる。
またよからぬことを考えてるんじゃなかろうか。
背筋を冷たい何かが伝うのを感じていると──エリオラの部屋の扉が物凄い勢いで開いた。
「お待たせ」
「エリオラ! 大丈夫なのか?」
「ん、大丈夫」
……疲れてるようには見えない。
なら大丈夫なんだろうけど……ん?
「エリオラ。この手に持ってるケースはなんだ?」
「栄養剤」
「栄養剤?」
「栄養剤」
じーーーーー。
「……ぷい」
そっぽ向きやがった。
「それ栄養剤じゃないな! 何だそれ! 正直に話せ!」
「え、栄養剤。本当」
じーーーーーーーーー。
「……ぷぷい」
背中むけやがった。
「……はぁ。本当に害はないんだな?」
「! うん、間違いない。副作用はない」
「ほん? 栄養剤に副作用だと?」
「…………誘導尋問、卑怯」
やっぱ何かあるんじゃねーか!?
「言え、何を作りやがった」
「い、言わないもん」
「言〜え〜!」
ほっぺたモチモチしてやるぞ!
「やふぇふぇ〜……!」
「おりゃおりゃおりゃ! ……ん?」
か、体が……体が光ってる!
これ、あの時と同じ感じじゃないか!?
「ぐっ……!」
体が、熱い……!
ぐぐぐ、と服が小さくなる……!
これ、は……!
『告。──変身完了』
「っ! はぁ、はぁ……か、鏡!」
…………。
「……戻ってる……戻ってる! 戻った、男の俺だ!」
頬を引っ張っても痛い!
手足も元通り!
髪の毛も短くなってる!
終わった……男の俺が返ってきたぞ!
「み、みん──」
「かくほー」
「「「はーい」」」
ガシッ、ガシッ。
…………え?
確、保……は?
ミケが俺の右腕を抑え、イライザが左腕を抑える。
イヴァロンは何故か俺の胴体にしがみついて離れない。
「な、何だよ皆!?」
「あはは……ごめんねお兄ちゃん」
「もう少し、もう少しだけね?」
「タナト、これは実験だ」
え、もう少し……って何が?
しかも実験って、何をさせるつもりだよ!?
「はいタナト、あーん」
「い、いやだっ! 絶対飲まないぞ!」
その薬、どす黒いオーラが出てるんだけど!
や、やめっ、グイグイ押し付けてくるな!
「む。仕方ない」
エリオラは水を飲み、薬を含むと──。
「んっ」
「むぐっ!?」
き、キス、してきやがった……!?
「れろっ」
しかも深い方の!?
反射的に口を開けてしまい、水と一緒に口に流し込まれる。
うぐぐっ、飲むものかぁ……!
「ちゅ、れろ、んぁっ」
「んぉっ……!?」
まっ、それ、そんなとこまでっ、だめ……!
ゴクンッ──。
「あ」
「ぷはっ。成功」
「成功っておま……おぐっ!?」
ま、また、体が熱い……!
これ、え、これ……!?
『告。肉体情報の書き換え、開始』
まさかぁ!?
覚えのある熱が体を蝕む。
手足が縮み、服がデカくなる。
鏡に映る俺が……見る見る女にぃ!?
「効果はまる二日。女タナトの遺伝子情報と魂の情報から、女体化薬、作ってみました。ぶい」
「ふざけんなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!?!?!?」
──外伝 完──
結局何に使うのかは教えてもらえなかったけど……それも今日分かるはずだ。
当の本人はあれから部屋にこもってるんだけど……不安だ。
でも、今日俺は男に戻る。
……はずだ。
念のために男物の服を着て、リビングで待機中。
「今日でこのお兄ちゃんともお別れかぁ、寂しいのだわ……」
「まあそう言うな。これが異常な状態だったんだから」
確かに、やっと女の子の楽しさが分かってきたところだ。
ここで元に戻るのも、何となく寂しい。
ふと姿見を見る。
俺ってこんなにでかい服を着てたんだな。
たった二週間だったのに、遠い昔のことみたいだ。
……ま、今更言っても遅いか。
今日で最後。それは変わらない。
……買ってもらった服とか、どうしようかな。
「むぅ……余、女タナトにもう少しいじめられたい気分」
「ふふ。イヴァちゃんは本当に女タナトを気に入ったのね」
「うむっ。そもそも余は可愛いもの好きだからな。ぬいぐるみとか」
え、俺の女版ってぬいぐるみと同レベルなの。
軽くショック。
「……エリオラ、まだ出てこないのか?」
「そうね……今日タナトが元に戻るってことは知ってると思うけど、どうしたのかしら?」
最近は徹夜してるみたいだし……怪しすぎる。
またよからぬことを考えてるんじゃなかろうか。
背筋を冷たい何かが伝うのを感じていると──エリオラの部屋の扉が物凄い勢いで開いた。
「お待たせ」
「エリオラ! 大丈夫なのか?」
「ん、大丈夫」
……疲れてるようには見えない。
なら大丈夫なんだろうけど……ん?
「エリオラ。この手に持ってるケースはなんだ?」
「栄養剤」
「栄養剤?」
「栄養剤」
じーーーーー。
「……ぷい」
そっぽ向きやがった。
「それ栄養剤じゃないな! 何だそれ! 正直に話せ!」
「え、栄養剤。本当」
じーーーーーーーーー。
「……ぷぷい」
背中むけやがった。
「……はぁ。本当に害はないんだな?」
「! うん、間違いない。副作用はない」
「ほん? 栄養剤に副作用だと?」
「…………誘導尋問、卑怯」
やっぱ何かあるんじゃねーか!?
「言え、何を作りやがった」
「い、言わないもん」
「言〜え〜!」
ほっぺたモチモチしてやるぞ!
「やふぇふぇ〜……!」
「おりゃおりゃおりゃ! ……ん?」
か、体が……体が光ってる!
これ、あの時と同じ感じじゃないか!?
「ぐっ……!」
体が、熱い……!
ぐぐぐ、と服が小さくなる……!
これ、は……!
『告。──変身完了』
「っ! はぁ、はぁ……か、鏡!」
…………。
「……戻ってる……戻ってる! 戻った、男の俺だ!」
頬を引っ張っても痛い!
手足も元通り!
髪の毛も短くなってる!
終わった……男の俺が返ってきたぞ!
「み、みん──」
「かくほー」
「「「はーい」」」
ガシッ、ガシッ。
…………え?
確、保……は?
ミケが俺の右腕を抑え、イライザが左腕を抑える。
イヴァロンは何故か俺の胴体にしがみついて離れない。
「な、何だよ皆!?」
「あはは……ごめんねお兄ちゃん」
「もう少し、もう少しだけね?」
「タナト、これは実験だ」
え、もう少し……って何が?
しかも実験って、何をさせるつもりだよ!?
「はいタナト、あーん」
「い、いやだっ! 絶対飲まないぞ!」
その薬、どす黒いオーラが出てるんだけど!
や、やめっ、グイグイ押し付けてくるな!
「む。仕方ない」
エリオラは水を飲み、薬を含むと──。
「んっ」
「むぐっ!?」
き、キス、してきやがった……!?
「れろっ」
しかも深い方の!?
反射的に口を開けてしまい、水と一緒に口に流し込まれる。
うぐぐっ、飲むものかぁ……!
「ちゅ、れろ、んぁっ」
「んぉっ……!?」
まっ、それ、そんなとこまでっ、だめ……!
ゴクンッ──。
「あ」
「ぷはっ。成功」
「成功っておま……おぐっ!?」
ま、また、体が熱い……!
これ、え、これ……!?
『告。肉体情報の書き換え、開始』
まさかぁ!?
覚えのある熱が体を蝕む。
手足が縮み、服がデカくなる。
鏡に映る俺が……見る見る女にぃ!?
「効果はまる二日。女タナトの遺伝子情報と魂の情報から、女体化薬、作ってみました。ぶい」
「ふざけんなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ!?!?!?」
──外伝 完──
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