外れスキル【釣り】を極限にまで極めた結果 〜《神器》も美少女も釣れるようになったけどスローライフはやめません。〜
第18話 幸せだぁ……!
◆◆◆
あーあ、言っちゃった。言っちゃったよ俺。
でもしょうがないじゃん? 白部屋から戻って来てエリオラを最初に見たとき、純粋に思っちゃったんだよ。
あ、俺エリオラのこと好きだって。
誰にも渡したくないって。
ならやるべきことは一つだけだよな。
こんな得体の知れない輩に……エリオラは渡さん。
エリオラの襟に引っ掛けた釣り針を取り、釣り竿の先をエンリに向ける。
「来いよ元カレ。今カレが相手になるぜ」
「……タナトくん……僕を相手にするの……? ──死ぬよ」
ゴオォッッッ──!!
ぐっ……何つー熱気……! これが炎極天の力か……!?
三〇〇〇年前の混沌と破滅の時代を生き抜いた魔族で、今この世界で最強の十人の一人……流石の圧だな……!
景色が歪むほどの熱気と重圧。
そんな中。
「安心して、タナト」
っ……エリオラ……?
エリオラが俺の手を握ると、満面の笑みで見上げてきた。
「私が付いてる。──タナトには、指一本触れさせない」
瞬間、俺の体に掛かっていた圧や熱気が無くなった。多分エリオラの魔法か何かだろう。
「……エリオラ……僕らの仲間にならないなら……消すよ……?」
「……エンリ程度が、出来ると思ってる?」
「……僕だけじゃ無理……だけど……僕には数十人の仲間がいる……皆、スキルレベルを極めた仲間……夜もおちおち眠れないよ……」
「……訂正する」
ゴオオオォォォッッッ──!!!!
「たかが数十人の魔族で……私に敵うと思ってる?」
す……げっ……!? エリオラの圧で、円卓や十極天の椅子が粉々に砕けた……!?
「……化け物……」
「何を今更」
エリオラとエンリの視線が交錯する。
くそ……俺が相手になると言っておきながら、全く動けない……。悔しいが、俺の力ではエンリを相手にしたら間違いなく殺される……!
慎重に、注意深く二人の次の行動を見ていると……外から慌ただしい音が聞こえてきた。
「な、何だこの気配は……!」
「騎士を、騎士を呼べ!」
「大広間の方からだ!」
チッ、やっぱ気付かれたか。このままじゃ騎士が押し掛けて面倒なことになるぞ……。
内心慌てていると、エンリから放たれていた熱気や圧が急激に弱まった。
「……ま、今日はこれくらいでいいや……待っててね、エリオラ……次は……魔王イヴァロンを復活させ……仲間皆で……君を殺しに来るよ……」
「殺してみて。殺せるものなら」
「……またね、エリオラ……それに、タナトくんも……」
そう言うと、エンリは転移魔法を使ったのかいつの間にか目の前から姿を消していた。
「……タナト、私達も行こう」
「あ、ああ。そうだな……」
取り敢えずここから立ち去ろう。三十六計逃げるに如かず。
俺は足元に《虚空の生け簀》への穴を開けると、重力に逆らわずに落ちていき白部屋へ戻ってきた。
「ふぅ……ヤベー奴だな、エンリってのは……」
「タナト!」
「わぶっ!?」
ちょっ、え、エリオラ! 顔面に抱き着くな!
「タナトっ、タナトっ! 大好きタナトっ!」
「お、落ち着けエリオラっ! 俺もっ、俺も好きだからっ」
「むぎゅーーー! 幸せだぁ……!」
わ、分かった! 分かったから離してくれ! 息出来ない! 頭潰される!
「あれ? お姉ちゃんが戻って来たのだわ!」
「……何か凄いことになっておるぞ、あれ」
「え、エリオラちゃんストップ! タナトの頭が潰れちゃうわ!」
「あ……ごめんね、タナト」
ぶはっ! し、死ぬかと思った……!
少し力は弱まったものの、未だに俺の頭に抱き着いて離れないエリオラ。そのせいでエリオラの匂いやら柔らかさを意識しちゃってちょっと我慢出来ないんですが。
「お姉ちゃん、どうしたのだわ?」
「タナトと結ばれたっ。タナトに好きって言ってもらえたっ。タナト公認夫婦っ。むぎゅーっ」
ちょっ、また締まってる! 締まってるって!
「ま、待ってエリオラちゃん。ホントにタナト死んじゃうからっ。嬉しいのは分かるけど、ちょっとホントに落ち着いて」
「ぁう……タナト、ごめんね。嬉しくてつい……」
俺の頭を撫でてくるエリオラ。それでも頭にしがみついて離れないのは、もはや執念を感じる……。
「おいタナト。どういうことなのだ? 説明するのだっ」
「そ、そうよっ! 夫婦って本当なの!?」
「ま、待て待て。順に話していくから待ってくれ……!」
あとエリオラはいい加減降りろ!
◆◆◆
取り敢えず、ざっくりと経緯を説明すると……皆笑顔で拍手してくれた。
「おー! タナト、やるじゃない!」
「お姉ちゃん、お兄ちゃん、おめでとうなのだわ!」
「あのエリオラも遂に所帯を持つようになったのか……何とも感慨深いのだ……」
「でへへぇ〜」
いや、あの、まだ好きって伝えただけで、結婚とか全く意識してないというか……。
「あ……でも私も、お兄ちゃんの子供欲しいのだわ……」
「しょうがないわよ、イライザちゃん。タナトが選んだんだもの……」
そして一転お通夜タイム。な、何かごめん……?
「安心して皆。私が正妻。私が子供孕んだら、次は皆の番」
「えっ、いいの、お姉ちゃん!?」
「ん。タナトのことは愛してるけど……皆が、私と同じくらいタナトを愛してるのを知ってる。だから大丈夫」
「待ってくれエリオラ。そこに俺の意見は反映されてないよね?」
「な、なら私もいいのかしら……?」
「ん。特にミケはずっとタナトが好きだった。むしろオーケー」
「あの、皆さん? 俺の話を──」
「余はいらんぞ。別にタナトのことは好きではない」
「確かに、お子様ボディーのイヴァロンには、タナトのあれはキツい。ぷぷぷ、お子様〜」
「ハアァンッ!? 余裕だが!? タナトのイ〇モツくらいこのろりろりぼでーでもちょーよゆーだがぁ!?」
「いや、あの──」
「無理しないで。大丈夫だよ、イヴァロン」
「無理じゃないわい! タナトの赤ん坊の十人や二十人簡単に産んでやるわ!」
「む、なら私は三十人」
「なら百人!」
「二百」
「三百!」
「俺が死ぬわあああああああああ!!!!」
てかお前ら落ち着けぇぇええええ!
「安心して。ここに不老不死の原液がある。永遠に子作り祭り」
「いやホントやめてくださいお願いします……」
てかそれお前に封印頼んだやつじゃん……。
「まあ、いずれ使うことになる」
「……何で分かるんだ?」
「私が、永遠にタナトと一緒にいたいから」
うっ……その言い方……ずりぃよ。
くそっ、顔あっつい……!
「じゃ──取り敢えず初夜ろう、タナト」
「え? うおっ!?」
ちょっ、いきなり転移すんな……!?
まっ、待って……ぁ……アーーーーッ!
あーあ、言っちゃった。言っちゃったよ俺。
でもしょうがないじゃん? 白部屋から戻って来てエリオラを最初に見たとき、純粋に思っちゃったんだよ。
あ、俺エリオラのこと好きだって。
誰にも渡したくないって。
ならやるべきことは一つだけだよな。
こんな得体の知れない輩に……エリオラは渡さん。
エリオラの襟に引っ掛けた釣り針を取り、釣り竿の先をエンリに向ける。
「来いよ元カレ。今カレが相手になるぜ」
「……タナトくん……僕を相手にするの……? ──死ぬよ」
ゴオォッッッ──!!
ぐっ……何つー熱気……! これが炎極天の力か……!?
三〇〇〇年前の混沌と破滅の時代を生き抜いた魔族で、今この世界で最強の十人の一人……流石の圧だな……!
景色が歪むほどの熱気と重圧。
そんな中。
「安心して、タナト」
っ……エリオラ……?
エリオラが俺の手を握ると、満面の笑みで見上げてきた。
「私が付いてる。──タナトには、指一本触れさせない」
瞬間、俺の体に掛かっていた圧や熱気が無くなった。多分エリオラの魔法か何かだろう。
「……エリオラ……僕らの仲間にならないなら……消すよ……?」
「……エンリ程度が、出来ると思ってる?」
「……僕だけじゃ無理……だけど……僕には数十人の仲間がいる……皆、スキルレベルを極めた仲間……夜もおちおち眠れないよ……」
「……訂正する」
ゴオオオォォォッッッ──!!!!
「たかが数十人の魔族で……私に敵うと思ってる?」
す……げっ……!? エリオラの圧で、円卓や十極天の椅子が粉々に砕けた……!?
「……化け物……」
「何を今更」
エリオラとエンリの視線が交錯する。
くそ……俺が相手になると言っておきながら、全く動けない……。悔しいが、俺の力ではエンリを相手にしたら間違いなく殺される……!
慎重に、注意深く二人の次の行動を見ていると……外から慌ただしい音が聞こえてきた。
「な、何だこの気配は……!」
「騎士を、騎士を呼べ!」
「大広間の方からだ!」
チッ、やっぱ気付かれたか。このままじゃ騎士が押し掛けて面倒なことになるぞ……。
内心慌てていると、エンリから放たれていた熱気や圧が急激に弱まった。
「……ま、今日はこれくらいでいいや……待っててね、エリオラ……次は……魔王イヴァロンを復活させ……仲間皆で……君を殺しに来るよ……」
「殺してみて。殺せるものなら」
「……またね、エリオラ……それに、タナトくんも……」
そう言うと、エンリは転移魔法を使ったのかいつの間にか目の前から姿を消していた。
「……タナト、私達も行こう」
「あ、ああ。そうだな……」
取り敢えずここから立ち去ろう。三十六計逃げるに如かず。
俺は足元に《虚空の生け簀》への穴を開けると、重力に逆らわずに落ちていき白部屋へ戻ってきた。
「ふぅ……ヤベー奴だな、エンリってのは……」
「タナト!」
「わぶっ!?」
ちょっ、え、エリオラ! 顔面に抱き着くな!
「タナトっ、タナトっ! 大好きタナトっ!」
「お、落ち着けエリオラっ! 俺もっ、俺も好きだからっ」
「むぎゅーーー! 幸せだぁ……!」
わ、分かった! 分かったから離してくれ! 息出来ない! 頭潰される!
「あれ? お姉ちゃんが戻って来たのだわ!」
「……何か凄いことになっておるぞ、あれ」
「え、エリオラちゃんストップ! タナトの頭が潰れちゃうわ!」
「あ……ごめんね、タナト」
ぶはっ! し、死ぬかと思った……!
少し力は弱まったものの、未だに俺の頭に抱き着いて離れないエリオラ。そのせいでエリオラの匂いやら柔らかさを意識しちゃってちょっと我慢出来ないんですが。
「お姉ちゃん、どうしたのだわ?」
「タナトと結ばれたっ。タナトに好きって言ってもらえたっ。タナト公認夫婦っ。むぎゅーっ」
ちょっ、また締まってる! 締まってるって!
「ま、待ってエリオラちゃん。ホントにタナト死んじゃうからっ。嬉しいのは分かるけど、ちょっとホントに落ち着いて」
「ぁう……タナト、ごめんね。嬉しくてつい……」
俺の頭を撫でてくるエリオラ。それでも頭にしがみついて離れないのは、もはや執念を感じる……。
「おいタナト。どういうことなのだ? 説明するのだっ」
「そ、そうよっ! 夫婦って本当なの!?」
「ま、待て待て。順に話していくから待ってくれ……!」
あとエリオラはいい加減降りろ!
◆◆◆
取り敢えず、ざっくりと経緯を説明すると……皆笑顔で拍手してくれた。
「おー! タナト、やるじゃない!」
「お姉ちゃん、お兄ちゃん、おめでとうなのだわ!」
「あのエリオラも遂に所帯を持つようになったのか……何とも感慨深いのだ……」
「でへへぇ〜」
いや、あの、まだ好きって伝えただけで、結婚とか全く意識してないというか……。
「あ……でも私も、お兄ちゃんの子供欲しいのだわ……」
「しょうがないわよ、イライザちゃん。タナトが選んだんだもの……」
そして一転お通夜タイム。な、何かごめん……?
「安心して皆。私が正妻。私が子供孕んだら、次は皆の番」
「えっ、いいの、お姉ちゃん!?」
「ん。タナトのことは愛してるけど……皆が、私と同じくらいタナトを愛してるのを知ってる。だから大丈夫」
「待ってくれエリオラ。そこに俺の意見は反映されてないよね?」
「な、なら私もいいのかしら……?」
「ん。特にミケはずっとタナトが好きだった。むしろオーケー」
「あの、皆さん? 俺の話を──」
「余はいらんぞ。別にタナトのことは好きではない」
「確かに、お子様ボディーのイヴァロンには、タナトのあれはキツい。ぷぷぷ、お子様〜」
「ハアァンッ!? 余裕だが!? タナトのイ〇モツくらいこのろりろりぼでーでもちょーよゆーだがぁ!?」
「いや、あの──」
「無理しないで。大丈夫だよ、イヴァロン」
「無理じゃないわい! タナトの赤ん坊の十人や二十人簡単に産んでやるわ!」
「む、なら私は三十人」
「なら百人!」
「二百」
「三百!」
「俺が死ぬわあああああああああ!!!!」
てかお前ら落ち着けぇぇええええ!
「安心して。ここに不老不死の原液がある。永遠に子作り祭り」
「いやホントやめてくださいお願いします……」
てかそれお前に封印頼んだやつじゃん……。
「まあ、いずれ使うことになる」
「……何で分かるんだ?」
「私が、永遠にタナトと一緒にいたいから」
うっ……その言い方……ずりぃよ。
くそっ、顔あっつい……!
「じゃ──取り敢えず初夜ろう、タナト」
「え? うおっ!?」
ちょっ、いきなり転移すんな……!?
まっ、待って……ぁ……アーーーーッ!
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