外れスキル【釣り】を極限にまで極めた結果 〜《神器》も美少女も釣れるようになったけどスローライフはやめません。〜
第18話 ──殺しますわよ?
……え、何? ハラミ? 横隔膜? 美味いよね横隔膜。
…………。
「あのーイライザさん? 聞き間違いでなければ、お前ヤバいこと口走ってるの気付いてます?」
「勿論なのだわ! 私はお兄ちゃんと子作りしたいのだわ!」
な ん で だ よ ?
意味が分からなすぎて硬直してると、エリオラはうんうんと頷いていた。
「そうだと思ってた。やっぱりイライザにはパートナーが必要」
『エリィとイライザには家族がいない。エリィにはウチがいたが、イライザはこの数千年パートナーと呼べる存在がいなかったからのぅ……その反動なのじゃろう』
今の説明になってないからな? 頼むから説明を求む。
「よくもまあ、私の前でイチャついける余裕がありますのね。──殺しますわよ?」
……え? 殺す……?
見ると、ロゥリエが俺達に向かって両腕を伸ばしていた。
「《魔風刃》」
「! タナト、私の後ろに!」
ミケが俺の前に立ち、天龍の破槍を構える。
「ハッ!」
目にも止まらぬ槍捌き。それが、ロゥリエから放たれた風の刃を全て砕いた。
「へぇ……人間のくせにやりますわね」
「あなたは、エリオラちゃん達が言うほど大したことないわね」
おまっ、あんまあいつを挑発すると……!
「……死ね」
ロゥリエから放たれたのは……た、竜巻!?
「ミケさん!? ちょっとミケさーーーん!?」
「落ち着いてタナト。私もそれなりに強いのよ?」
ミケは槍を構えて体を捻り、さらに捻り、捻り、捻り……その姿はまるで、力を溜めているドラゴンのようだ。
だけど、そんなこと関係なく螺旋状に向かってくる竜巻。これ、直撃したら死ぬんじゃね!?
ヤバいって! ヤバいってええええ!?
死ぬっ、死ぬっ、死──。
「《ドラゴン・ランス》」
限界まで体を引き絞ったミケは、溜めていた力を解放するかのようにして槍を突き出す。
瞬間──槍の先から、竜巻を遥かに凌ぐほど巨大な龍のアギトが現れ、竜巻を飲み込みロゥリエへと迫る。
「なっ……!?」
それをギリギリで避けたロゥリエ。だが掠ったのか、ワンピースの右側が大きく破られた。
いや、それよりも……。
「……何だよ、今のは……?」
「《ドラゴン・ランス》。レニーに乗ってないと使えないスキルだけど、私の使える技の中では最強のものよ」
ミケ、こんな隠し球を持ってたの……? やばくない? 今後はミケを怒らせないようにしよう……。
「何なの、この人間は……!」
「ロゥリエ。ミケだけに気を取られちゃ、まだまだ三流」
「っ! チッ……!」
エリオラがロゥリエに手を伸ばす。
地面から鎖が伸び、ロゥリエを捕らえようと蛇のように動く。
これは……速い……!
だがロゥリエもそれに反応し、まるで踊るようにして避ける。
「今更こんなもので捕まるわけないじゃないですの……!」
「あら、私を忘れないでほしいのだわ」
イライザ、いつの間にロゥリエの背後に……!
「《神をも縛る鎖》」
「っ!?」
イライザの背後から現れる無数の鎖。
前後から伸びる鎖に、ロゥリエの体は一瞬硬直する。
二人はその隙を見逃さず、全身を鎖で簀巻きにして空中に固定した。
「捕縛完了」
「なのだわ♪」
……何か、呆気なく捕まえられたな。もしかしてロゥリエって、そんな大したことない?
「……何なの、この姉妹……?」
「ミケ、どうしたんだよ?」
「……今の魔法は神話の魔法。神器を模した魔法で、千人近い魔法使いがいて初めて発動する超大規模魔法よ……」
「……つまり?」
「あの二人はとんでもない化け物ってことよ……」
何だ、そんなの今に始まったことじゃないじゃん。
エリオラの強さはよく分かってる。その妹のイライザが、強くない訳がないからな。
「くっ……! ……くふ……くふふ……エリオラ、イライザさん……今すぐ私を解放しないと、取り返しのつかないことになりますよ? いいんですか?」
「問題ない。この魔法はあなたの魔力を抑え込む。この魔法に捕まっている限り、あなたは魔法を使えない」
「……ふひっ……ふひひひひひひひひっ! あぁ……私のこと、舐めてます? 舐めてます?? 舐めてますゥ??? 私が当時から成長してないと思ってるんですかァ???? おめでたいですわァ、あなたの頭はほんっっっっとーーーーにおめでたいですわァ……!」
ぅ……な、何だよ。ロゥリエのこの表情……悪意をドロドロに煮詰めたような、邪悪の塊のような笑顔……気持ち悪い……。
「くひっ……言いましたわよね。私はトラップが得意だと。いつ、魔力を起爆に使うと言いました? ……魔力なんて使わなくてもなァ……トラップの起動くらい出来るんですのよォ!!!!」
ロゥリエの瞳に魔法陣が浮かび上がる。
その瞬間──な、何だ、この地響き……?
「……っ! タナト、後ろ……!」
「……な、んだよ……これは……!?」
アクアキアから伸びる、巨大な竜巻。しかも一つや二つじゃない。数え切れないほどの竜巻が、アクアキアを飲み込んでいる……!
星天アクアリウムが、アクアグランデが、空中水路が……跡形もなく、消し飛んでいく。
まるで……この世の、終わりだ……。
「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! 破壊! 破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊ィィィィ〜〜……破壊ですわァァァァァァアアアアアア♡♡♡♡♡♡」
…………。
「あのーイライザさん? 聞き間違いでなければ、お前ヤバいこと口走ってるの気付いてます?」
「勿論なのだわ! 私はお兄ちゃんと子作りしたいのだわ!」
な ん で だ よ ?
意味が分からなすぎて硬直してると、エリオラはうんうんと頷いていた。
「そうだと思ってた。やっぱりイライザにはパートナーが必要」
『エリィとイライザには家族がいない。エリィにはウチがいたが、イライザはこの数千年パートナーと呼べる存在がいなかったからのぅ……その反動なのじゃろう』
今の説明になってないからな? 頼むから説明を求む。
「よくもまあ、私の前でイチャついける余裕がありますのね。──殺しますわよ?」
……え? 殺す……?
見ると、ロゥリエが俺達に向かって両腕を伸ばしていた。
「《魔風刃》」
「! タナト、私の後ろに!」
ミケが俺の前に立ち、天龍の破槍を構える。
「ハッ!」
目にも止まらぬ槍捌き。それが、ロゥリエから放たれた風の刃を全て砕いた。
「へぇ……人間のくせにやりますわね」
「あなたは、エリオラちゃん達が言うほど大したことないわね」
おまっ、あんまあいつを挑発すると……!
「……死ね」
ロゥリエから放たれたのは……た、竜巻!?
「ミケさん!? ちょっとミケさーーーん!?」
「落ち着いてタナト。私もそれなりに強いのよ?」
ミケは槍を構えて体を捻り、さらに捻り、捻り、捻り……その姿はまるで、力を溜めているドラゴンのようだ。
だけど、そんなこと関係なく螺旋状に向かってくる竜巻。これ、直撃したら死ぬんじゃね!?
ヤバいって! ヤバいってええええ!?
死ぬっ、死ぬっ、死──。
「《ドラゴン・ランス》」
限界まで体を引き絞ったミケは、溜めていた力を解放するかのようにして槍を突き出す。
瞬間──槍の先から、竜巻を遥かに凌ぐほど巨大な龍のアギトが現れ、竜巻を飲み込みロゥリエへと迫る。
「なっ……!?」
それをギリギリで避けたロゥリエ。だが掠ったのか、ワンピースの右側が大きく破られた。
いや、それよりも……。
「……何だよ、今のは……?」
「《ドラゴン・ランス》。レニーに乗ってないと使えないスキルだけど、私の使える技の中では最強のものよ」
ミケ、こんな隠し球を持ってたの……? やばくない? 今後はミケを怒らせないようにしよう……。
「何なの、この人間は……!」
「ロゥリエ。ミケだけに気を取られちゃ、まだまだ三流」
「っ! チッ……!」
エリオラがロゥリエに手を伸ばす。
地面から鎖が伸び、ロゥリエを捕らえようと蛇のように動く。
これは……速い……!
だがロゥリエもそれに反応し、まるで踊るようにして避ける。
「今更こんなもので捕まるわけないじゃないですの……!」
「あら、私を忘れないでほしいのだわ」
イライザ、いつの間にロゥリエの背後に……!
「《神をも縛る鎖》」
「っ!?」
イライザの背後から現れる無数の鎖。
前後から伸びる鎖に、ロゥリエの体は一瞬硬直する。
二人はその隙を見逃さず、全身を鎖で簀巻きにして空中に固定した。
「捕縛完了」
「なのだわ♪」
……何か、呆気なく捕まえられたな。もしかしてロゥリエって、そんな大したことない?
「……何なの、この姉妹……?」
「ミケ、どうしたんだよ?」
「……今の魔法は神話の魔法。神器を模した魔法で、千人近い魔法使いがいて初めて発動する超大規模魔法よ……」
「……つまり?」
「あの二人はとんでもない化け物ってことよ……」
何だ、そんなの今に始まったことじゃないじゃん。
エリオラの強さはよく分かってる。その妹のイライザが、強くない訳がないからな。
「くっ……! ……くふ……くふふ……エリオラ、イライザさん……今すぐ私を解放しないと、取り返しのつかないことになりますよ? いいんですか?」
「問題ない。この魔法はあなたの魔力を抑え込む。この魔法に捕まっている限り、あなたは魔法を使えない」
「……ふひっ……ふひひひひひひひひっ! あぁ……私のこと、舐めてます? 舐めてます?? 舐めてますゥ??? 私が当時から成長してないと思ってるんですかァ???? おめでたいですわァ、あなたの頭はほんっっっっとーーーーにおめでたいですわァ……!」
ぅ……な、何だよ。ロゥリエのこの表情……悪意をドロドロに煮詰めたような、邪悪の塊のような笑顔……気持ち悪い……。
「くひっ……言いましたわよね。私はトラップが得意だと。いつ、魔力を起爆に使うと言いました? ……魔力なんて使わなくてもなァ……トラップの起動くらい出来るんですのよォ!!!!」
ロゥリエの瞳に魔法陣が浮かび上がる。
その瞬間──な、何だ、この地響き……?
「……っ! タナト、後ろ……!」
「……な、んだよ……これは……!?」
アクアキアから伸びる、巨大な竜巻。しかも一つや二つじゃない。数え切れないほどの竜巻が、アクアキアを飲み込んでいる……!
星天アクアリウムが、アクアグランデが、空中水路が……跡形もなく、消し飛んでいく。
まるで……この世の、終わりだ……。
「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! 破壊! 破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊ィィィィ〜〜……破壊ですわァァァァァァアアアアアア♡♡♡♡♡♡」
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