外れスキル【釣り】を極限にまで極めた結果 〜《神器》も美少女も釣れるようになったけどスローライフはやめません。〜
第15話 はしゃいでない♪
はぐれないように、エリオラの歩幅に合わせて歩いて行く。そんなエリオラは、見るもの全てが新鮮なのか目を輝かせてあっちこっち見渡していた。
「タナトっ、あれ、あれ何?」
「ん? ああ、タコヤーキって奴だ。中にタコが入った丸い食べ物だな」
「あれは? あれは?」
「あれは串ヤーキ。最高級の牛肉を串に刺して焼いてる。割とお得な値段で提供してるぞ」
「あっちは何?」
「バーガーバーガーだ。肉をパンで挟んで紙に包むことで、外でも簡単に食べられるようになってる」
てか、こいつさっきから飯にしか目が行ってないな。
『エリィは洒落っ気より食い気じゃな』
「む、それは違う。食は文化の発展そのもの。食を見ること、もっと言うなら食すことで、文化を知ると言ってもいい」
うっ、目の輝きが眩しい……!
「……食べたいのか?」
「文化を知るにはそれが一番。致し方なし」
ふんす、ふんすと鼻息を荒くし、屋台の方へ目を向けるエリオラ。こじつけ感半端ないな。
「……はは、分かった分かった。だけど夕飯が食べられなくなるから、今は一つだけな」
「バーガーバーガーを所望」
「はいはい」
バーガーバーガーを俺とエリオラの分を買って、先へ進む。
「……どうやって食べる?」
「こうやって、紙を剥がすんだ。全部剥がすなよ、この紙が持ち手になるからな」
紙を半分だけ剥くと、中から芳醇で濃厚な香りが鼻をくすぐった。うわっ、懐かしい匂い……!
「おぉ〜……! いただきます……!」
はむっ。……もっもっもっもっもっ……!
「慌てるな慌てるな、そんな急いで食うなよ」
気に入ったのか、エリオラは一心不乱に食べている。
「どうだ、美味いか?」
「そこはかとなく」
そこはかとなくの使い方、間違ってるぞ。
……ま、美味そうに食ってるし、別にいいか。
「一応、王都には三泊する予定だ。今日は宿にチェックインして、明日は買い物。明後日は観光。最終日に帰るぞ」
「おおっ、豪華ツアー……!」
あや、ツアーではない。
『タナト、金は大丈夫なのか?』
「ああ。村のみんなに、エリオラに外の世界を見せるって言ったら旅費をくれたからな。エリオラの可愛さ様様だ」
『……顔がゲスいぞ、タナト……』
おっと、そいつは失礼。
「明日にはプロのアクセサリー職人のいる店に行くから、ルーシーも完全にメンテナンスしてもらえるぞ」
『本当か!? 楽しみじゃ〜♪』
ぴょんぴょん飛び回るルーシーと、ニコニコ満面の笑みのエリオラ。これだけでも、ここに来てよかったって思えるな。
「おいおい、あんまはしゃぐなよ」
「はしゃいでない♪」
「言葉とイントネーションと表情筋が合致してねーよ」
◆◆◆
夜、俺達は王都の中でもかなり格安な宿へと来ていた。
格安と言っても、村のどの家よりも重厚で高級そうな作り。ベッドや家具も、俺の家の数倍は高そうだ。
部屋は一つ。ベッドは二つ。予算の関係で、部屋を二つ取るのはキツかった。
まあ、エリオラとはいつも一つ屋根の下だし、気にすることないよな。
「どうだ、エリオラ。気に入ったか?」
部屋に入って、呆然と部屋を見渡すエリオラに話しかける。
「……懐かしい……」
「懐かしい?」
「……私とイライザ、小さい頃は同じ部屋で寝てた。別のベッドで、並んで、いつもお話してた」
ポスッ、と玄関に近い手前のベッドに座る。
「私がこっち。タナトはそっちね」
「……ああ、分かったよ」
当時の配置なのか、それとも今は亡きイライザと自分を重ねているのか……聞くのは無粋だな。
「ふっふっふ……いつもいつも扉側を取ってたイライザ……私もそっちが良かったけど、今雪辱を果たした」
あ、違う。こいつそこまで深く考えてない。
「あー……エリオラ、今日は宿の食堂で夕飯にする。飯を食う前に、風呂に入ってこい。備え付けの風呂があるから」
「あーい」
ぽいぽいぽいっ。だから俺の前で全裸になるなアホ!
「タナトっ、あれ、あれ何?」
「ん? ああ、タコヤーキって奴だ。中にタコが入った丸い食べ物だな」
「あれは? あれは?」
「あれは串ヤーキ。最高級の牛肉を串に刺して焼いてる。割とお得な値段で提供してるぞ」
「あっちは何?」
「バーガーバーガーだ。肉をパンで挟んで紙に包むことで、外でも簡単に食べられるようになってる」
てか、こいつさっきから飯にしか目が行ってないな。
『エリィは洒落っ気より食い気じゃな』
「む、それは違う。食は文化の発展そのもの。食を見ること、もっと言うなら食すことで、文化を知ると言ってもいい」
うっ、目の輝きが眩しい……!
「……食べたいのか?」
「文化を知るにはそれが一番。致し方なし」
ふんす、ふんすと鼻息を荒くし、屋台の方へ目を向けるエリオラ。こじつけ感半端ないな。
「……はは、分かった分かった。だけど夕飯が食べられなくなるから、今は一つだけな」
「バーガーバーガーを所望」
「はいはい」
バーガーバーガーを俺とエリオラの分を買って、先へ進む。
「……どうやって食べる?」
「こうやって、紙を剥がすんだ。全部剥がすなよ、この紙が持ち手になるからな」
紙を半分だけ剥くと、中から芳醇で濃厚な香りが鼻をくすぐった。うわっ、懐かしい匂い……!
「おぉ〜……! いただきます……!」
はむっ。……もっもっもっもっもっ……!
「慌てるな慌てるな、そんな急いで食うなよ」
気に入ったのか、エリオラは一心不乱に食べている。
「どうだ、美味いか?」
「そこはかとなく」
そこはかとなくの使い方、間違ってるぞ。
……ま、美味そうに食ってるし、別にいいか。
「一応、王都には三泊する予定だ。今日は宿にチェックインして、明日は買い物。明後日は観光。最終日に帰るぞ」
「おおっ、豪華ツアー……!」
あや、ツアーではない。
『タナト、金は大丈夫なのか?』
「ああ。村のみんなに、エリオラに外の世界を見せるって言ったら旅費をくれたからな。エリオラの可愛さ様様だ」
『……顔がゲスいぞ、タナト……』
おっと、そいつは失礼。
「明日にはプロのアクセサリー職人のいる店に行くから、ルーシーも完全にメンテナンスしてもらえるぞ」
『本当か!? 楽しみじゃ〜♪』
ぴょんぴょん飛び回るルーシーと、ニコニコ満面の笑みのエリオラ。これだけでも、ここに来てよかったって思えるな。
「おいおい、あんまはしゃぐなよ」
「はしゃいでない♪」
「言葉とイントネーションと表情筋が合致してねーよ」
◆◆◆
夜、俺達は王都の中でもかなり格安な宿へと来ていた。
格安と言っても、村のどの家よりも重厚で高級そうな作り。ベッドや家具も、俺の家の数倍は高そうだ。
部屋は一つ。ベッドは二つ。予算の関係で、部屋を二つ取るのはキツかった。
まあ、エリオラとはいつも一つ屋根の下だし、気にすることないよな。
「どうだ、エリオラ。気に入ったか?」
部屋に入って、呆然と部屋を見渡すエリオラに話しかける。
「……懐かしい……」
「懐かしい?」
「……私とイライザ、小さい頃は同じ部屋で寝てた。別のベッドで、並んで、いつもお話してた」
ポスッ、と玄関に近い手前のベッドに座る。
「私がこっち。タナトはそっちね」
「……ああ、分かったよ」
当時の配置なのか、それとも今は亡きイライザと自分を重ねているのか……聞くのは無粋だな。
「ふっふっふ……いつもいつも扉側を取ってたイライザ……私もそっちが良かったけど、今雪辱を果たした」
あ、違う。こいつそこまで深く考えてない。
「あー……エリオラ、今日は宿の食堂で夕飯にする。飯を食う前に、風呂に入ってこい。備え付けの風呂があるから」
「あーい」
ぽいぽいぽいっ。だから俺の前で全裸になるなアホ!
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