外れスキル【釣り】を極限にまで極めた結果 〜《神器》も美少女も釣れるようになったけどスローライフはやめません。〜
第13話 これだから恋愛のレの字も知らない小娘は!
「服を買いに行くぞ」
「……服?」
『なのじゃ?』
仮眠明け。全裸で走り回るエリオラに服を着せ、ソファーに大人しく座らせた。
「エリオラ。お前達が異界から出て来てどのくらい経った?」
「二ヶ月弱」
「そう、二ヶ月弱経った。その間殆どの時間をお前と過ごして来たが、お前……服それしか持ってないだろ」
「ぷいっ」
おい、顔を背けるな、こっち向け。
「も、問題ない。この服は特殊な絹で編まれている。破れもしないし、汚れもしない。常に清潔」
「そうは言ってもなぁ……」
確かに見た目は解れ一つない綺麗なものだ。白銀の髪と対照的で、よく似合っている。
ただ、これだけの見た目美少女っぷりだ。もう少し色々な姿を見てみたいというのは、男のエゴだろうか。
それに……エリオラには、三〇〇〇年後の世界をまだ見せてない。少しでいいから、それを見せてやりたいんだ、俺は。
『エリィよ、お主分かっておらんなぁ』
「? ルーシー、どういうこと?」
『今タナトは、エリィの新しい一面を見たいと言っているのじゃ。同じ服だけでなく、譬えばボーイッシュなものや、白く清楚なもの、小悪魔系もよいかもしれん。それをタナトに見せたくはないのか? ん?』
おお、流石ルーシー。俺の考えをよく分かってる。
エリオラも「うぅっ……」とした顔になる。いいぞ、もう一押しだ。
「でも……めんどい」
「うっ……!」
め、めんどい、言われた……。
『かーーっ! これだから恋愛のレの字も知らん小娘は!』
「こむっ……!? る、ルーシー、それは失礼。謝罪を要求する。というか、ルーシーも恋愛、知らないはず」
『黙らっしゃい! いいかエリィ、今言ったのはな、建前じゃ!』
「……建前?」
……へ? いや、建前じゃないが……。
『良いか、タナトはこう言っている。……つべこべ言わずデートしようぜ、とな』
「する! デートする!」
言ってないけど!? 言ってませんけど!?
「デートっ、デートっ、ターナトーとデート♪」
なんかよく分からない小躍りをするエリオラ。いや、行く気になってくれたのは嬉しいんだけどね。
微妙な顔をしてその光景を見てると、ルーシーがふよふよとこっちに飛んできた
『ふぅ、手のかかる小娘じゃ』
「お前、俺がエリオラをイヤらしい目で見るのはダメだったんじゃないのか?」
『うむ。エリィが嫌がることは全面禁止じゃ。じゃが……あれを見てみろ。どこが嫌がってるように見える』
……完全に浮かれてるな。鏡を見て、必死に前髪を作ってるし。
『ウチはタナトを信じておる。それに、ウチもついて行くからの。問題は無い』
「……ま、いいか」
どうせなら服以外にも、美味いもん食わせてやろう。この二ヶ月弱、魚しか食わせてないし。
「エリオラ、朝日が昇ったら出発だ。それまで寝て、体力を温存しておけよ」
「了解でありますっ♪」
飛ぶように自室に向かっていくエリオラと、それに着いて行くルーシー。……俺も、今日は湖に行くのは止めておくか。
自室に入り、ベッドに腰をかけて《神器釣り竿》を取り出す。
なんて言っても、湖や川がなくても釣りが出来るんだ。朝になるまで、ここで釣りして待ってよう。
「……おっ、引いてるっ」
よっと。
これは……また新種の魚だな。《釣り神様》、これ何?
『当該獲物、ミスリルフィッシュ。第五異界に生息する希少な魚。希少鉱石ミスリルを主食とし、その鱗やヒレはミスリルで出来ている。鱗とヒレを取り除け食べることは可能。生食可』
第五異界……レッドドレスフィッシュは第一異界だったな。どうやら違う場所らしいが……こいつも生食オーケーな魚か。どれ、食べてやろう。
包丁で鱗を……う、鱗を剥が、す……!
「か、硬ぇ……!」
俺の包丁が歯が立たないなんて、どんだけ硬いんだよ……!?
はぁ……仕方ない。後でどうにかしよう。
ミスリルフィッシュを、俺の部屋にある水の入った瓶に入れる。うんうん、元気に泳いでるな。
だけど、こうして水のない場所で釣った魚って、保存方法が大変だな……こいつみたいに中々調理出来ない奴もいるだろうし、どうすべきか……。
『提案。《虚空の釣り堀》を使い続ければ、《虚空の生け簀》を獲得可能。推定獲得回数、残り九九九八回』
「《虚空の生け簀》?」
多分、《虚空の釣り堀》に準ずるものなんだろうけど……レベルも上がらないのに、別の力を獲得するなんて可能なのか?
『解。当該能力は熟練度によるもの。例。【剣士】スキルの能力、《刺突》を一定数使うと、《連突》を取得可能』
……つまり、レベルで取得する能力じゃなくて、その能力そのものの熟練度が上がると、別の能力を得られる、と?
『是。《アイテム釣り》や《装備釣り》も熟練度が上がったため、《高位アイテム釣り》や《高位装備釣り》を取得中』
あ、そういやそうじゃん。なるほど、そういうカラクリがあったのか。
『解。常識』
「釣りばかりしてきたもんで」
『…………』
あ、今呆れたろ《釣り神様》。
『黙秘』
はいはい、そうですか。
因みにだが俺の能力で、他に似たようなものはあるか?
『解。《捌き人》の熟練度を上げ、《絶対切断》を取得可能。推定獲得回数、残り二五六回。《解毒》の熟練度を上げ、《浄化》を取得可能。推定獲得回数、残り八二一回』
お? てことは、魚を捌くか、毒魚をを釣り上げれば、それだけで能力が進化するのか。
どうせここまでやって来たんだ。出来るところまでやってみるかぁ。
「……服?」
『なのじゃ?』
仮眠明け。全裸で走り回るエリオラに服を着せ、ソファーに大人しく座らせた。
「エリオラ。お前達が異界から出て来てどのくらい経った?」
「二ヶ月弱」
「そう、二ヶ月弱経った。その間殆どの時間をお前と過ごして来たが、お前……服それしか持ってないだろ」
「ぷいっ」
おい、顔を背けるな、こっち向け。
「も、問題ない。この服は特殊な絹で編まれている。破れもしないし、汚れもしない。常に清潔」
「そうは言ってもなぁ……」
確かに見た目は解れ一つない綺麗なものだ。白銀の髪と対照的で、よく似合っている。
ただ、これだけの見た目美少女っぷりだ。もう少し色々な姿を見てみたいというのは、男のエゴだろうか。
それに……エリオラには、三〇〇〇年後の世界をまだ見せてない。少しでいいから、それを見せてやりたいんだ、俺は。
『エリィよ、お主分かっておらんなぁ』
「? ルーシー、どういうこと?」
『今タナトは、エリィの新しい一面を見たいと言っているのじゃ。同じ服だけでなく、譬えばボーイッシュなものや、白く清楚なもの、小悪魔系もよいかもしれん。それをタナトに見せたくはないのか? ん?』
おお、流石ルーシー。俺の考えをよく分かってる。
エリオラも「うぅっ……」とした顔になる。いいぞ、もう一押しだ。
「でも……めんどい」
「うっ……!」
め、めんどい、言われた……。
『かーーっ! これだから恋愛のレの字も知らん小娘は!』
「こむっ……!? る、ルーシー、それは失礼。謝罪を要求する。というか、ルーシーも恋愛、知らないはず」
『黙らっしゃい! いいかエリィ、今言ったのはな、建前じゃ!』
「……建前?」
……へ? いや、建前じゃないが……。
『良いか、タナトはこう言っている。……つべこべ言わずデートしようぜ、とな』
「する! デートする!」
言ってないけど!? 言ってませんけど!?
「デートっ、デートっ、ターナトーとデート♪」
なんかよく分からない小躍りをするエリオラ。いや、行く気になってくれたのは嬉しいんだけどね。
微妙な顔をしてその光景を見てると、ルーシーがふよふよとこっちに飛んできた
『ふぅ、手のかかる小娘じゃ』
「お前、俺がエリオラをイヤらしい目で見るのはダメだったんじゃないのか?」
『うむ。エリィが嫌がることは全面禁止じゃ。じゃが……あれを見てみろ。どこが嫌がってるように見える』
……完全に浮かれてるな。鏡を見て、必死に前髪を作ってるし。
『ウチはタナトを信じておる。それに、ウチもついて行くからの。問題は無い』
「……ま、いいか」
どうせなら服以外にも、美味いもん食わせてやろう。この二ヶ月弱、魚しか食わせてないし。
「エリオラ、朝日が昇ったら出発だ。それまで寝て、体力を温存しておけよ」
「了解でありますっ♪」
飛ぶように自室に向かっていくエリオラと、それに着いて行くルーシー。……俺も、今日は湖に行くのは止めておくか。
自室に入り、ベッドに腰をかけて《神器釣り竿》を取り出す。
なんて言っても、湖や川がなくても釣りが出来るんだ。朝になるまで、ここで釣りして待ってよう。
「……おっ、引いてるっ」
よっと。
これは……また新種の魚だな。《釣り神様》、これ何?
『当該獲物、ミスリルフィッシュ。第五異界に生息する希少な魚。希少鉱石ミスリルを主食とし、その鱗やヒレはミスリルで出来ている。鱗とヒレを取り除け食べることは可能。生食可』
第五異界……レッドドレスフィッシュは第一異界だったな。どうやら違う場所らしいが……こいつも生食オーケーな魚か。どれ、食べてやろう。
包丁で鱗を……う、鱗を剥が、す……!
「か、硬ぇ……!」
俺の包丁が歯が立たないなんて、どんだけ硬いんだよ……!?
はぁ……仕方ない。後でどうにかしよう。
ミスリルフィッシュを、俺の部屋にある水の入った瓶に入れる。うんうん、元気に泳いでるな。
だけど、こうして水のない場所で釣った魚って、保存方法が大変だな……こいつみたいに中々調理出来ない奴もいるだろうし、どうすべきか……。
『提案。《虚空の釣り堀》を使い続ければ、《虚空の生け簀》を獲得可能。推定獲得回数、残り九九九八回』
「《虚空の生け簀》?」
多分、《虚空の釣り堀》に準ずるものなんだろうけど……レベルも上がらないのに、別の力を獲得するなんて可能なのか?
『解。当該能力は熟練度によるもの。例。【剣士】スキルの能力、《刺突》を一定数使うと、《連突》を取得可能』
……つまり、レベルで取得する能力じゃなくて、その能力そのものの熟練度が上がると、別の能力を得られる、と?
『是。《アイテム釣り》や《装備釣り》も熟練度が上がったため、《高位アイテム釣り》や《高位装備釣り》を取得中』
あ、そういやそうじゃん。なるほど、そういうカラクリがあったのか。
『解。常識』
「釣りばかりしてきたもんで」
『…………』
あ、今呆れたろ《釣り神様》。
『黙秘』
はいはい、そうですか。
因みにだが俺の能力で、他に似たようなものはあるか?
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