闇を統べる者

吉岡我龍

戦闘狂と愛国狂 -フェイカー-

 カズキの手当てが済むと、フェイカーは2人を連れて部隊長のいる陣幕へ向かった。
そもそもクンシェオルトの友人という所から怪しいのだが、
話によると本人が今ここに来ているらしい。
「ハルカってのと、シャリーゼのショウ、クレイスとヴァッツの従者リリーってのもいるはずだ。」
「4人か。」
ショウの名前は聞いた事がある。懐刀と呼ばれるシャリーゼの切り札だ。
リリーとヴァッツという名前には全く聞き覚えがないが、
恐らくかなりの身分を擁している者だろう。
「あ、あの・・・僕達、無事に帰してもらえるんですよね?」
彼からすれば敵陣のど真ん中に連れてこられているのだ。
その気持ちはよくわかる。
「大丈夫です。そもそも我々の任務は別にありますので。」
フェイカーは優しい笑顔で答えた。
中央にある一際大きく、立派な陣幕に3人が近づくと、
衛兵が無言で敬礼し、
「長老。入るぞ。」
了承を待つ間もなく、幕を片手で上げて少年らを中に入るように促す。
自分が最後に入ると中には懐かしい顔が1人とハルカ。
そして恐らく赤毛のショウ、従者のリリーという翡翠色の髪を持つ少女が座っていた。
「カ・・・フェイカー様。お久しぶりです。」
すぐにクンシェオルトが跪き挨拶をしてくる。
いつまでたっても頭を垂れてくるので、
「おいおい。4将筆頭が一兵卒に仰々しくするもんじゃない。」
「いいえ。フェイカー様は私の元上官ですから。」
いつものやりとりをする。これが彼の長所でもある為、深くは追及しないが、
「・・・どうりで強かった訳だ。それなら先に言ってくれよ。」
カズキがうんざり顔でボヤいてくるが、
「言う前にお前が手合わせを求めてきたんだぞ。それに聞かれもしなかったしな。」
両腕を添え木ごとぐるぐるに巻かれた少年と、包帯だらけの王子に目をやり答える。
「・・・クレイス様?!そのお怪我は?!?!」
従者であろうリリーという少女が蒼白になって慌てている。
(ほう?かなりの器量だな・・・)
40も過ぎているフェイカーが、それでも心がときめいてしまうほどの美しさに、
彼女を慌てさせている原因が自分である事を少しの間忘れてしまう。
「あ、あの。これはカズキに言われて立ち会っちゃって・・・。
で、でも大丈夫です!」
クレイスが慌てて弁明しようとするが、
「・・・カァズゥキィ??貴様何してくれてんだゴラぁ?!?!」
・・・・・
その美貌からは想像もつかないドスの聞いた怨嗟と怨恨の声に、
その場の全員が固まってしまう。
「大丈夫だって。本人もそう言ってるんだから。」
カズキは軽口で済まそうとしてしまい、

がんっ!!

恐ろしく速い動きで立ち上がり、そのままカズキに突進するように移動すると頭に拳を叩き下ろす。
かわす事も受け流する事も出来なかった少年は大きく体を沈め、頭を抱えてうずくまる。
「お、お姉さま・・・お怒りはわかりますが、もう少しお言葉を・・・ね?」
(お姉さま?ハルカに姉なんていたか?)
一人娘で天賦の才を持つ暗闇夜天族期待の頭領。
フェイカーにはその情報しかなかったので内心少し驚くが、
あの速さと力強い拳は姉妹だったとしてもおかしくはない。

周囲の事など全くお構いなく話が進んでいく中、
「ふむ。何となくわかったが、フェイカー。お前から事情を説明してもらえるか?」
部隊長でもある初老の男、周囲から長老と呼ばれている背丈の低い彼がそう言うと、
フェイカーはカズキとクレイスとの立ち合いについて説明を始めた。



 「・・・なるほど。すまんのリリー殿。うちのフェイカーが手加減してやれずに。」
話が終わると長老はまず彼女に頭を下げる。
「いいえ。これは全てカズキのせいです。他は誰も悪くありません。
後でこっぴどく叱りつけておきます。」
少し落ち着きを取り戻したリリーは強く言い切るが、
両腕が折られた当事者は特に気にも留めていない様子だ。
(まぁクンシェオルトの友人だと平気で宣っていたからなぁ。)
将来大物になるかもしれないと思いつつ、
久しぶりに会えた元部下と少し話をしようかと声をかける手前で、

「ところでフェイカー様はカズキに重傷を負わせる程の御方なのですね?
クンシェオルト様の元上官とも仰られていました。それが何故今は一兵卒なのですか?」
あまりされたくない質問が飛んできてしまった。
一兵卒という立場を選んだのは流石にやり過ぎたかと時々後悔するのだが、
(・・・ふむ・・・)
面倒なのでいつもの言い訳をいつも通りに流し始めるフェイカー。
「元々俺の部隊にいたクンシェオルトが、とある戦場で3000もの敵兵を一瞬で沈めてな。
それ以降自分の力に自信を無くしたので降格を願い出たんだ。」
「私はそれがきっかけで4将筆頭に大抜擢されました。
今の私があるのもフェイカー様のお陰なのです。」
クンシェオルトも流れを汲んだようで、わかりやすい捕捉を入れてくる。
「なるほど・・・」
この説明で大体の人間は納得してくれた。
年老いた人間が去り、有望な若手がのし上がる。軍人としてこれ以上わかりやすい構図はない。
「よし、それじゃこの話はこれで終わりってことで。
クンシェオルト、少し話そうか。」
余計な詮索も回避したかったフェイカーは両手を叩いて話を終わらせると、
逞しくなった4将筆頭の元部下を陣幕の外に連れ出した。



「しかしクンシェオルト。何でこんなところに?
お前は滅多な事じゃ国の外に出ないじゃないか。」
長老の陣幕を出て、少し離れた場所に向かいながら気になった質問を投げかけてみる。
彼には目に入れても痛くないであろう妹もいる。
極力傍から離れないようにしていたのも知っている。なので余計に不思議だった。
「皇子の命を受けまして。詳しくは申し上げられませんが・・・」
「ふむ。」
どうやらお互い密命を受けているようだ。
アデルハイドの王子と共に行動している事といい、こういう場合あまり深く詮索しても良い事はない。

「ショウはともかくあのリリーっていう少女?ハルカに姉がいたなんてなぁ・・・」
別の気になっていた事を呟くと、
「ははは。あれはハルカが懐いてそう言ってるだけですよ。」
「何?そうなのか。」
軽く笑いながら答えるその姿に、以前の彼より少し心のゆとりがあるのを感じる。
自分では気づいていないようだが、そこも深く追求することはせず、
「ではあの少女、お前の嫁にしてはどうだ?まだ相手がおらんのだろう?」
おっさんらしい、元上官らしい物言いだ。それは十分に自覚している。
しかし彼は自身の忌み嫌われる力のせいで所帯を持とうとしない。
フェイカーとしては優秀な戦士の血は是非後世に残すべきだといつも言っているのだが、
「あれだけの美人が私程度に興味を持つとは思えません。しかも彼女は敵対勢力ですよ。」
「そうなのか?いや、この際敵対とかはどうでもいい。
最年少で4将筆頭になった男となら十分釣り合うと思うけどなぁ・・・」
そんな話をすると顔をほころばせて喜ぶクンシェオルト。
密命が関わっているのかはわからないが、何か強い決意を感じる。
元部下と肩を並べながら歩いているといつの間にか彼の馬車の元まで来ていた。





 「お、大将戻ってきたな。ん?」
ガゼルの目に自分より年上であろう中年が入ってきた。
「なんだこの下っ端は?賊か?」
いきなり失礼なご挨拶をかまされる。
身なりはどう見ても兵卒のおっさんにだ。
「おう、言うじゃねぇかおっさん。やるのか?」
お前もおっさんだろ、と言われれば
年の差を持ち出せば何とか言い返せるという打算を胸に強く出るガゼル。
「彼はガゼル。ヴァッツ様が気に入られている下僕といったところです。」
「ヴァッツ。そういえばさっきもそんな名前が出てたな・・・」
「下僕・・・」
下手に出てはいるものの、面と向かって言われると流石に怒りが込み上げる。
(4将筆頭の相手は無理でもこのおっさんくらいなら・・・)
少しずつ溜まっていた鬱憤をここで晴らしてもいいだろう。
相手は中年の兵卒だ。
軽く見た彼は長剣の柄に手をやりすらりと引き抜いた瞬間。

どさっ・・・

手から長剣が離れて地に落ちた。
「・・・・・???」
握って抜刀するだけの動作で剣を落とす?
「やめとけ下っ端。お前が1000人いても俺には勝てんよ。」
ただの兵卒が特に威圧感があるわけでもない声でそう言い捨てる。
(なんたこいつ・・・?!)
イラっとして剣を拾い上げようとしたら、手が妙に痺れている。
握り込もうとしても指が上手く動いてくれない。
「彼は私の元上官、私よりも強い御方だぞ。」
「・・・・・え?」
おかしな声が疑問形になって口から出る。
元上官が一兵卒?一兵卒の元上官?
何を言ってるのか全然わからないが、雰囲気からして元上官というのは間違いなさそうだ。
しかし、4将筆頭より強い?というのは流石に耳を疑う。
「おい、あんまり言うな。」
何故か一兵卒が4将筆頭を叱っている。それに対し、
「申し訳ございません。」
素直に頭を下げて謝意を見せるクンシェオルトの姿に、混乱が加速する。
「どしたの?あ、クンシェオルト、お帰り!」
馬車の影からひょこっと顔を覗かせて元気に挨拶をしてきた。
「ただいま戻りました。この方がヴァッツ様です。」
自身の元上官に紹介すると、
中年の一兵卒もまじまじとヴァッツを見定める。
「ほう?これがハルカを圧倒したというウワサの・・・初めましてヴァッツ。
俺はフェイカーっていうんだ。」
「うん?よろしく!フェイカー!」
相変わらず疑う事を知らない少年は無防備に手を差し出す。
お互いが固く握手を交わし、それが離れたと同時に、

ずしゃっ!!!っぃぃぃいん・・・

激しい風切り音のあと、余韻を残す金属が震える音が耳に届く。
いつの間にかフェイカーという中年が腰の長剣を抜き、
ヴァッツに向かって抜刀斬りを放っていた。
その刃は少年の首を確実に斬り落とす勢いがあったはずだが、首筋で止まっている。

傍で見ていたクンシェオルトとガゼルが唖然とする中、
ヴァッツの右後方に伸びていた木々が数本吹き飛ばされ、地面に落ちた音が遅れて届いた時、

「・・・ちょっと?!なにすんの?!」

驚きからか怒りからか、大きな声でそう言って自身の首筋にある剣を指で詰まんで戻そうとすると、
ヴァッツの首筋には1寸ほどの薄い傷が出来ていた。
「いや悪い悪い。お前が強いって聞いたからつい試したくなったんだ。」
「カーチフ様!流石にその行動はいかがなものかと?!」
何故かクンシェオルトが激高している。
2人に言い寄られ、慌てて剣を納めて平謝りしている中年をよそに、
ガゼルはあのヴァッツに傷が付いたという事実に驚愕していた。
(馬鹿な・・・体が止まらなかったのか?いや・・・ヴァッツの力より強い??)
疑問が押し寄せる中、少年の後方に斬撃が飛んでいた事を思い出し、
(後方の木が吹っ飛んでいたのに首は繋がったままだ。しっかり力は発動していたはずだ。)
ヴァッツの位置から林になっている場所まで目測でも三丈強(約10m)はある。
ということは中年の剣戟がより鋭く激しい物だったから
全てを抑えきることが出来なかったということか?

ヴァッツの力はガゼル自身の命を救い、この先も何かと利用出来ると睨んでいる。
しっかりと把握しておく必要があるのだ。

1人無言で考えをめぐらせていると、3人の方は相変わらず騒がしい。
「大体カーチフ様は昔からそうなのです!
国に属している以上もう少し節度を弁えていただかなければ!!」
「カーチフって誰?」
「おいクンシェオルト!フェイカーだフェイカー!!」
(堅物という印象ではあったが元上官に説教を始めるとは。)
ヴァッツはいつも通りに戻っていて、今度は中年が慌てていたが。

「カーチフ・・・カーチフだと?」

考えが逸れる程の名前が耳に入ってきたのでつい口に出してしまう。
他国の情報にそれほど詳しくもないし、国に関わる人物を必要以上に嫌うガゼルの
記憶にも残っていたその名前。

カーチフ=アクワイヤ

7年前、クンシェオルトが最年少で4将筆頭になる前まで4将筆頭を務めていた男だ。
当時は21歳という若さでの大抜擢に周辺がその話題で持ち切りだったが、
カーチフの行方が全く出回らないままだった。
結果、彼は戦死したのでは、という憶測がそのまま周知の認識となっている。

「おい下っ端。今の話は全て忘れろ。いいな?」
気が付けば中年がこちらに涼しい眼を向けてきている。
口調も大人しいが、それが余計な怖さを感じさせるので、
「あ、ああ。」
震える体を抑えながら上ずった声で返事をするガゼル。そこに、
「カーチフ様。よろしいのですか?」
しっかりと口止めをすべきといった含みを持たせて話に入ってくる4将筆頭に、
「元はお前のせいだろ?!ったく・・・まぁ下っ端が口を割っても誰も信用すまい?
もし誰かに喋ったら俺の代わりにクンシェオルト、お前が処分しておいてくれ。」
機嫌を取り戻し、軽く笑いながらそう言うカーチフ。
当事者からすれば冗談では済まされない。

「・・・・・ほ、本物か?」
確認すべきではないだろうが、恐怖から本能が口を滑らせる。
「・・・その手の痺れに聞いてみろ。」
指をさされた右手に未だ握力が戻らない事で真実だと確信するガゼル。
何の威圧感も感じない中年の男の笑みに冷や汗が止まらない。

今すぐ逃げ出したい衝動に駆られた元山賊の思いも空しく、
その夜はネ=ウィンの一兵卒が少年2人に怪我を負わせてしまったお詫びも兼ねて
ささやかな宴が催された。





 「まさかあそこまで強いとはな。」
次の日、両腕を添え木と共にぐるぐる巻きに固定されたカズキは
上の空で誰に言うでもなく呟いていた。
「クンシェオルト様の元上官って言ってたからね。」
今日はカズキとクレイスが荷馬車に乗り、御者席には少女2人が楽しく話に花を咲かせている。
こちらと雰囲気は真逆だ。
「それにしてもなぁ・・・
強い奴っていうのは自分の強さを隠すのが上手いっていうのは聞いていたんだけど。
それでもなぁ・・・・・」
どうにも納得いかないらしく、何度も反芻している。
「強いって感じたからフェイカーさんを選んだんでしょ?
だったらちゃんと強さを計れてたんじゃないの?」
「いや。まぁ他より強いのはわかったんだけど。まさかあそこまでとは思わなんだ。
手加減してもらったから良かったものの、実践なら死んでたぞ。」
言い終わると深くため息をつく。相当落ち込んでいるようだ。

まだ一緒に旅をして日は浅いが、いつも傲慢不遜な彼がこんな姿を見せるとは・・・。
剣を教えてもらっている身でもあるので、クレイスは何とか慰めようと試みる。
「だったらフェイカーさんに師事すればよかったんじゃ?」
言ってから、それをされると自分の師がいなくなることに気が付いたが、
「いや。今はお前に剣を教えたり守ってやる約束がある。それは出来ない。」
何よりも自分を優先してくれた事が素直に嬉しくて顔がほころんでしまう。
(いやいや。僕が喜んでも仕方ない!)
会話も終わり気まずいわけではないが、沈黙が続く中。
「そういえば何でカズキは強くなりたいの?」
素朴な疑問を口にするクレイス。
そもそも個の強さを求める人間はどこかの国に仕官したがるものだが、
彼からそのような気配は感じられない。
「・・・・・そうだな。まぁ両親の仇を討ちたいって言っておくか。」
「え?!」
意外な答えに狐につままれたような表情になる。
両親の話も初めて出たし、何よりそんな雰囲気も感じない。
ただ、その境遇は自分に似ていると感じた。
「カ、カズキの両親は誰に殺されたの??」
あまり深く聞くところではないのかもしれないが、
感情に歯止めが効かなかったクレイスはつい尋ねてしまう。
「わからん。」
「・・・・・え?」
「じじいが言うにはそれなりの身長がある肉付きのいい男。らしい。」
「???」
いつもの調子でまるで他人事のように説明してくるカズキ。
「ご両親の仇、なんだよね?」
「ああ。俺が赤子の時に殺されたらしいんだけど、そんなの俺が覚えてる訳ないだろ?
殺された現場に俺はいなかったみたいだし。」
なるほど、やっと理解出来た。
どうりでさばさばしている訳だと納得するクレイス。しかし念のために、
「その、ご両親が亡くなって憎いとか悔しいとかは・・・?」
「なかった。今もない。覚えてないのにそれを俺に求められても困る。」
予想通りの答えだった。
境遇は似ているが立場も年齢も違えばこうも変わるものなのかと少し感心するが、
「あれ?でも仇を討ちたいんだよね?」
話の筋が合わなくなっている事に気が付く。
思う所が何もないのに仇を討とうとする理由・・・何があるのだろう?と。

「ああ。その男ってのが強いらしいんだ。じじいの目の前で両親が斬り捨てられたらしくてな。
本当ならそのままじじいが仇を取ればいいと思うだろ?」
「う、うん。そうだね。カズキのお祖父さんってカズキの御師匠様なんでしょ?
だったら・・・」
相当強い人物のはずだ。それが何故その場で仇を取らなかったのだろう?
「うむ。そいつが強すぎて逃げたんだとさ。」
「・・・・・ええええ?!?!」
思っても見なかった結末に大声を出してしまい、
「ちょっと後ろ!うるさいわよ?!」
何故かハルカに注意されてしまう。
「ご、ごめん。えぇぇ・・・・・」
敵対勢力に謝りながらも驚きの声が漏れ続けるクレイスに、
カズキも気落ちしていたのを忘れて話を続ける。
「いや。逃げるのは悪くない。さっきも言っただろ。死んだら元も子もないからな。
ただ、俺が気になったのはじじいが逃げるほど強い相手だったってことだ。」
目を輝かせて純粋な少年のように話すカズキはとても幼く楽しそうに見える。
話の内容が両親の仇という部分を省けば何のわだかまりもなく聞いていられるのだが、
「え、えーと。つまり?」
「つまり、じじいより強い男を斬り伏せれば、名実共に俺が天下無双になれる訳だ。
両親の仇っていうのはただの名目で、俺の最終的な目標はそこなんだよ。」
「・・・・・ぇぇぇぇ・・・・・」
いくら両親を覚えていないにしてもひどい内容の話に、
さっきまで励まそうとしていた自分のほっぺをつねりたくなる。
「でも、まぁカズキらしい気もするね。」
「だろ?うん?らしい?」
周囲の評価と自己評価にずれがあるのはよくあることだ。

結果普段のふてぶてしさを取り戻したカズキはその夜、
火を熾すと後はクレイスにつきっきりで指導をしてくれるのであった。

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