元魔王は英雄を目指す

NU-KO

始まり

カキンッ!!
ガンッ!!
激しく金属と金属がぶつかり合う。
お互いの足元には魔王軍のスケルトンやドラゴンといった魔物が魂の無い抜け殻となり、勇者が率いた軍も同じで魔法使いや兵士など数百、数千規模で魂の無い抜け殻となっていた。
そんな荒野で魔王と勇者の両者は身に着けていた鎧がボロボロになり、ところどころ血が滲んでいる箇所もありながら戦っていた。
両者とも剣を振るう体力も、魔法を行使するための魔力の全てが底をつきかけていた。

この戦いに終焉を告げる。
両者の剣からはこの荒野に似つかない勇者の剣から発せられる光と、魔王の剣から発せられる闇。
残りの魔力の全て思いをのせた魔法。
そして両者は心臓にめがけて剣を向ける。
グシャッと鈍い音が響いた。そう、両者の剣は両者の心臓を刺した。
そして今までの戦いの中ずっと被られていた、顔を覆っていた黒い鎧のマスクはバキッという音と共に粉々になり、魔王は素顔を明らかにした。
勇者は目を見開いた。
なぜなら、魔王の容姿は魔物のような姿ではなく、人と全く変わりの無い容姿だったからだ。
左が水色、右がオレンジと左右の瞳には光もなにも宿っていなかった。
だが、その瞳の奥には太陽の光か、はたまた魔王の心情を表したのか、ほんの少しの光が灯っていた。
魔王の眼差しはどこか寂しそうであり、満足をしたような微笑みであった。
そして、魔王は力尽き倒れ、程なくして勇者も倒れた。

そして世界は平和となった。
魔王を討伐した勇者、ソビア・ベルダリアは国の英雄として崇められ、再び魔王によって国が脅かされることが無いようにと、国民達は願った。
だがその願いは数百年もすれば忘れ去られ、伝承というものも歪められ、平和というのが当たり前となってしまった。
だが魔王は数千年の時を得て、意図しない転生・・・・・・・を果たした。




文才のぶの字も存在しないですので絶対話がよくわからないことになります絶対。ハイ、すみませんそこら辺の穴に入ってきます。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品