ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。
「これは、おにーちゃんと佳代ちゃんとわたしの物語。⑨」
14日の朝(13日もだけど)、リビングのテーブルに並んでいた3人分の朝食は、佳代ちゃんが作ってくれたものでした。
佳代ちゃんは、お裁縫とか手先が器用なだけじゃなくて、お料理もすごく上手なのです。
ご飯があって、お味噌汁があって、魚の干物があって、焼きのりがあって、生卵があって、刻みネギがたっぷりの納豆があって、まさに、これぞ日本の朝ごはん! っていう感じの和食でした。
「おいしい……」
おにーちゃんは、おいしいものを食べたとき、本当に本当においしそうな顔をします。
見ているこっちがしあわせな気持ちになるくらい。
「ほんとだ……佳代ちゃんが料理が上手なのは知ってたけど、ほんとにすごくおいしいね」
わたしも、たぶんおにーちゃんとおんなじ顔をしていたと思います。
おにーちゃんもわたしも、こどもの頃から朝食はパンばっかりだったし、大きくなってからは食べない日があったりするくらい、結構おざなりにしてしまっていました。
でも、こんな風に朝からちゃんとした朝食を食べると、なんだか「今日も一日がんばるぞー!」って気持ちになれるものなんだね。
わたしはその日、たぶんおにーちゃんも、そんな当たり前のことをはじめて知りました。
作ってくれた佳代ちゃんも、
「そんなに喜んでもらえると、作った甲斐があるよ~」
って、すごく嬉しそうにしてて、それからすごくおいしそうに食べていました。
朝ごはんを食べながら、テレビで「スッキリ!」を観ていたわたしたちは、加藤浩次さんが発熱のためにこのご時世だからお休みしてることを心配したりしました。
それからおにーちゃんが、なかなかテレビに復帰できないでいる加藤さんの相方の山本さんのことを話してくれたり。
山本さんがめちゃイケでやっていた、油谷さんっていうキャラのコント? がすごく好きだったとか。
それから、水卜アナは全然太ってない、あれくらいが男子の理想! と力説したりとか。
なんだかまるで、ずっと昔から、こんな風に毎朝3人で朝ごはんを食べていたみたい。
それくらい自然なことのように思えました。
わたしたちは家族だったんだなって。
だからずっとこんな毎朝が続けばいいなって。
わたしはそんな風に思いました。
朝ごはんを食べ終わると、おにーちゃんと佳代ちゃんがふたりで洗い物を始めてくれたから、わたしはお洗濯をしました。
洗い物が終わると、ふたりは洗濯物を干すのを手伝ってくれました。
そして、朝の家事が一通り片付くと、わたしたちは大切な話を始めました。
「まずは、3人とも、全部、本音を話そっか。隠し事や嘘はなしで」
おにーちゃんが口火を切りました。
「自分が本音を言うことで、他のふたりを傷つけてしまうかもしれない。
相手を傷つけてしまったことで、自分がもっと傷つくかもしれない。
でも、ぼくたちは一度、ちゃんと本音で話し合わなければ前に進めないと思う。
前に進めないどころか、今のままじゃ、誰もしあわせになれないと思う」
わたしは、おにーちゃんの言う通りだと思いました。
きっと佳代ちゃんもそう思ってるんと思いました。
「ひとりずつ、本音を話していこう。
自分以外の誰かが話しているときは、疑問に思ったり、それは違うと思っても、口をはさまないようにしよう。
思ったことは、3人が全員本音を話したあとで、それから話し合おう」
おにーちゃんの言葉に、わたしも佳代ちゃんも頷いて、
「まずは、ぼくから話すよ」
おにーちゃんは、
「ぼくは男だし、ありがたいことに佳代ちゃんとみかなに想ってもらえてる。
だから、ぼくの本音は、ふたりがぼくに抱いてるイメージや幻想をぶち壊してしまうかもしれない。
でも、ぼくから話さなきゃいけないと思うから、だから話すね」
そう言って、話し始めました。
          
佳代ちゃんは、お裁縫とか手先が器用なだけじゃなくて、お料理もすごく上手なのです。
ご飯があって、お味噌汁があって、魚の干物があって、焼きのりがあって、生卵があって、刻みネギがたっぷりの納豆があって、まさに、これぞ日本の朝ごはん! っていう感じの和食でした。
「おいしい……」
おにーちゃんは、おいしいものを食べたとき、本当に本当においしそうな顔をします。
見ているこっちがしあわせな気持ちになるくらい。
「ほんとだ……佳代ちゃんが料理が上手なのは知ってたけど、ほんとにすごくおいしいね」
わたしも、たぶんおにーちゃんとおんなじ顔をしていたと思います。
おにーちゃんもわたしも、こどもの頃から朝食はパンばっかりだったし、大きくなってからは食べない日があったりするくらい、結構おざなりにしてしまっていました。
でも、こんな風に朝からちゃんとした朝食を食べると、なんだか「今日も一日がんばるぞー!」って気持ちになれるものなんだね。
わたしはその日、たぶんおにーちゃんも、そんな当たり前のことをはじめて知りました。
作ってくれた佳代ちゃんも、
「そんなに喜んでもらえると、作った甲斐があるよ~」
って、すごく嬉しそうにしてて、それからすごくおいしそうに食べていました。
朝ごはんを食べながら、テレビで「スッキリ!」を観ていたわたしたちは、加藤浩次さんが発熱のためにこのご時世だからお休みしてることを心配したりしました。
それからおにーちゃんが、なかなかテレビに復帰できないでいる加藤さんの相方の山本さんのことを話してくれたり。
山本さんがめちゃイケでやっていた、油谷さんっていうキャラのコント? がすごく好きだったとか。
それから、水卜アナは全然太ってない、あれくらいが男子の理想! と力説したりとか。
なんだかまるで、ずっと昔から、こんな風に毎朝3人で朝ごはんを食べていたみたい。
それくらい自然なことのように思えました。
わたしたちは家族だったんだなって。
だからずっとこんな毎朝が続けばいいなって。
わたしはそんな風に思いました。
朝ごはんを食べ終わると、おにーちゃんと佳代ちゃんがふたりで洗い物を始めてくれたから、わたしはお洗濯をしました。
洗い物が終わると、ふたりは洗濯物を干すのを手伝ってくれました。
そして、朝の家事が一通り片付くと、わたしたちは大切な話を始めました。
「まずは、3人とも、全部、本音を話そっか。隠し事や嘘はなしで」
おにーちゃんが口火を切りました。
「自分が本音を言うことで、他のふたりを傷つけてしまうかもしれない。
相手を傷つけてしまったことで、自分がもっと傷つくかもしれない。
でも、ぼくたちは一度、ちゃんと本音で話し合わなければ前に進めないと思う。
前に進めないどころか、今のままじゃ、誰もしあわせになれないと思う」
わたしは、おにーちゃんの言う通りだと思いました。
きっと佳代ちゃんもそう思ってるんと思いました。
「ひとりずつ、本音を話していこう。
自分以外の誰かが話しているときは、疑問に思ったり、それは違うと思っても、口をはさまないようにしよう。
思ったことは、3人が全員本音を話したあとで、それから話し合おう」
おにーちゃんの言葉に、わたしも佳代ちゃんも頷いて、
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だから、ぼくの本音は、ふたりがぼくに抱いてるイメージや幻想をぶち壊してしまうかもしれない。
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