ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。
第二部最終回「おにーちゃんと結婚したい!! final」
2020年10月9日、
わたしの19歳の誕生日。
おにーちゃんは、その日を、
『おにーちゃんとわたしの結婚記念日』
にしてくれました。
前に夢に見た、わたしたちのおうちの近くの団地の、小さな公園じゃなくて、わたしたちのすむ街には「海南こどもの国」っていう、大きな公園があって、わたしたちはそこで、小さな小さな結婚式をあげました。
おにーちゃんはタキシードを、わたしはウェディングドレスをちゃんと着て。
おにーちゃんが、わたしを18禁コーナーに連れていったり、男の娘になるために化粧品を買ったりしたあのお店には、誰かのお古だけど、タキシードもウェディングドレスも売られていていました。
お互いちょっとだけサイズが合わなかったりしたけど、そんなに高くなかったし、むしろ安かったし、別にいいかなって。
結婚式に招待したのは、幼なじみの佳代ちゃんと、それからおとーさん。
わたしたちのおとーさんの遺影を持たされた佳代ちゃんは、なんでわたしが? って顔をしていたけど(笑)
おかーさんは来てくれませんでした。
だから、しょうがない。我慢しろ、びっち。
わたしより目立つ、えろいドレス着てきやがって……
おかーさんは、やっぱり、どれだけ説明しても、わかってはもらえなくて……
おにーちゃんとわたしが、自分の知らない間に、いつの間にかそういう関係になっていたことを、おぞましい、とすら感じているようでした。
まぁ、普通はそうだよね。
だから、どれだけ時間がかかるかわからないし、もしかしたらどれだけ時間をかけてもわかってもらえないかもしれないけど、わたしたちはゆっくり時間をかけて、わかってもらおうと思います。
佳代ちゃんとおとーさんの他には、こどもたちが乗ったりして遊べる、小さい頃わたしたちも遊んだ、作り物のいろんな動物たちが、そのうえにりさちゃんたち5人のおにーちゃんの連れ子ちゃんたちが絶妙なバランスで乗っていて、わたしたちを見守ってくれていました。
タキシードとウェディングドレスだから、わたしたちの結婚式は、一応教会式の結婚式になるんですが……
もちろん神父さんはいなくて、
「新郎、雨野寛之は、新婦、雨野みかなを生涯愛することを誓います」
おにーちゃんが新郎兼神父さんでした。
「ねぇ、おにーちゃん、それって誰に誓うの?
わたしも、おにーちゃんも、本来誓うはずの、みだりにその名前を口にしちゃいけない神様を、女神転生で何度もやっつけたりしてるよね?」
「仮面ライダーディケイドに誓います」
「世界の破壊者に!?
まーくん(門矢士役の井上正大さん)、不倫かなんかして離婚してたよね?
しかもそれ、今年に入ってからじゃなかった!?」
「じゃあ、石ノ森章太郎先生に」
「じゃあ!? じゃあってなに!?
おにーちゃん、適当すぎ!!」
わたしたちのそのやりとりを見て、佳代ちゃんは、ゲラゲラ笑っていました。
言っとくけど、おにーちゃんがもし何かやらかすとしたら、わたしはまっさきにお前を疑うからな……くそびっち。
「いもしない傲慢な神様とか、会ったこともない人じゃなくて……
みかなと、佳代ちゃんと、それから父さんと母さんに誓うよ」
おにーちゃんは、真剣な顔で、わたしをまっすぐに見つめて言いました。
「それから、ぼく自身に誓う」
急に、そんなことを言うから、わたしはドキッとしてしまいました。
おにーちゃんは、わたしの旦那さんになる人は、そういう人なのです。
根はまじめすぎるくらいにまじめなくせに、大事なときにふざけちゃう悪い癖があって、わたしは相変わらず、しかたない人だなぁ、本当にかわいいなぁって、思ってしまうのでした。
それから、おにーちゃんは、
「新婦、雨野みかなは、新郎、雨野寛之を、生涯愛することを誓いますか?」
わたしに尋ねました。
「誓います」
そう答えたわたしに、
「誰に誓いますか?」
おにーちゃんは、またそんなことを言うのでした。
「おにーちゃんと、佳代ちゃんと、おとーさんとおかーさんに。
それから、わたし自身に誓います」
だからわたしは、まじめに答えました。
「それでは、誓いの口づけをしましょう」
新郎兼神父さんのおにーちゃんは、恥ずかしそうに言いました。
おにーちゃんはわたしのすぐそばに来ると、わたしは腰を少し下ろして前屈みになりました。
それまでわたしの顔を隠していた、佳代ちゃんがわたしのために作ってくれた「花嫁のベール」。
それをおにーちゃんが上げてくれて、わたしの顔が見えるようにしてくれると、わたしは姿勢を元にもどしました。
それから、おにーちゃんは、ベールを整えてくれると、
「本当にきれいだよ。みかな」
そう言ってくれました。
「おにーちゃんも、若干着せられてる感があるけど……
……うん、かっこいい……かな?」
「疑問系!?」
わたしはくすくす笑いながら、やっぱり兄妹なんだなって、思いました。
わたしも、こういう大事なときに、どうしてもおふざけしちゃう。
だけど、わたしたちの結婚式は、これでいいんだと思います。
変にかしこまったりしないで、普段通りのわたしたちでする方が、わたしたちらしいと思うから。
だから、おにーちゃんがしてくれたキスが、やたら長かったり、佳代ちゃんが見てるのにべろちゅーしてきたりして、それを見て興奮した佳代ちゃんが、おとーさんの遺影を持ったまま近くに寄ってきたりしても……
いや、さすがに、これはだめなんじゃないかなぁ……
でも、ま、いっか。
だって、わたしたちは、今すごくしあわせだから。
これから、このしあわせが、ずっとずっと続いていくんだから。
これから先、どんなにつらいことや悲しいことがあったとしても、おにーちゃんもわたしも、このしあわせだけは、絶対に手放したりはしないから。
          
わたしの19歳の誕生日。
おにーちゃんは、その日を、
『おにーちゃんとわたしの結婚記念日』
にしてくれました。
前に夢に見た、わたしたちのおうちの近くの団地の、小さな公園じゃなくて、わたしたちのすむ街には「海南こどもの国」っていう、大きな公園があって、わたしたちはそこで、小さな小さな結婚式をあげました。
おにーちゃんはタキシードを、わたしはウェディングドレスをちゃんと着て。
おにーちゃんが、わたしを18禁コーナーに連れていったり、男の娘になるために化粧品を買ったりしたあのお店には、誰かのお古だけど、タキシードもウェディングドレスも売られていていました。
お互いちょっとだけサイズが合わなかったりしたけど、そんなに高くなかったし、むしろ安かったし、別にいいかなって。
結婚式に招待したのは、幼なじみの佳代ちゃんと、それからおとーさん。
わたしたちのおとーさんの遺影を持たされた佳代ちゃんは、なんでわたしが? って顔をしていたけど(笑)
おかーさんは来てくれませんでした。
だから、しょうがない。我慢しろ、びっち。
わたしより目立つ、えろいドレス着てきやがって……
おかーさんは、やっぱり、どれだけ説明しても、わかってはもらえなくて……
おにーちゃんとわたしが、自分の知らない間に、いつの間にかそういう関係になっていたことを、おぞましい、とすら感じているようでした。
まぁ、普通はそうだよね。
だから、どれだけ時間がかかるかわからないし、もしかしたらどれだけ時間をかけてもわかってもらえないかもしれないけど、わたしたちはゆっくり時間をかけて、わかってもらおうと思います。
佳代ちゃんとおとーさんの他には、こどもたちが乗ったりして遊べる、小さい頃わたしたちも遊んだ、作り物のいろんな動物たちが、そのうえにりさちゃんたち5人のおにーちゃんの連れ子ちゃんたちが絶妙なバランスで乗っていて、わたしたちを見守ってくれていました。
タキシードとウェディングドレスだから、わたしたちの結婚式は、一応教会式の結婚式になるんですが……
もちろん神父さんはいなくて、
「新郎、雨野寛之は、新婦、雨野みかなを生涯愛することを誓います」
おにーちゃんが新郎兼神父さんでした。
「ねぇ、おにーちゃん、それって誰に誓うの?
わたしも、おにーちゃんも、本来誓うはずの、みだりにその名前を口にしちゃいけない神様を、女神転生で何度もやっつけたりしてるよね?」
「仮面ライダーディケイドに誓います」
「世界の破壊者に!?
まーくん(門矢士役の井上正大さん)、不倫かなんかして離婚してたよね?
しかもそれ、今年に入ってからじゃなかった!?」
「じゃあ、石ノ森章太郎先生に」
「じゃあ!? じゃあってなに!?
おにーちゃん、適当すぎ!!」
わたしたちのそのやりとりを見て、佳代ちゃんは、ゲラゲラ笑っていました。
言っとくけど、おにーちゃんがもし何かやらかすとしたら、わたしはまっさきにお前を疑うからな……くそびっち。
「いもしない傲慢な神様とか、会ったこともない人じゃなくて……
みかなと、佳代ちゃんと、それから父さんと母さんに誓うよ」
おにーちゃんは、真剣な顔で、わたしをまっすぐに見つめて言いました。
「それから、ぼく自身に誓う」
急に、そんなことを言うから、わたしはドキッとしてしまいました。
おにーちゃんは、わたしの旦那さんになる人は、そういう人なのです。
根はまじめすぎるくらいにまじめなくせに、大事なときにふざけちゃう悪い癖があって、わたしは相変わらず、しかたない人だなぁ、本当にかわいいなぁって、思ってしまうのでした。
それから、おにーちゃんは、
「新婦、雨野みかなは、新郎、雨野寛之を、生涯愛することを誓いますか?」
わたしに尋ねました。
「誓います」
そう答えたわたしに、
「誰に誓いますか?」
おにーちゃんは、またそんなことを言うのでした。
「おにーちゃんと、佳代ちゃんと、おとーさんとおかーさんに。
それから、わたし自身に誓います」
だからわたしは、まじめに答えました。
「それでは、誓いの口づけをしましょう」
新郎兼神父さんのおにーちゃんは、恥ずかしそうに言いました。
おにーちゃんはわたしのすぐそばに来ると、わたしは腰を少し下ろして前屈みになりました。
それまでわたしの顔を隠していた、佳代ちゃんがわたしのために作ってくれた「花嫁のベール」。
それをおにーちゃんが上げてくれて、わたしの顔が見えるようにしてくれると、わたしは姿勢を元にもどしました。
それから、おにーちゃんは、ベールを整えてくれると、
「本当にきれいだよ。みかな」
そう言ってくれました。
「おにーちゃんも、若干着せられてる感があるけど……
……うん、かっこいい……かな?」
「疑問系!?」
わたしはくすくす笑いながら、やっぱり兄妹なんだなって、思いました。
わたしも、こういう大事なときに、どうしてもおふざけしちゃう。
だけど、わたしたちの結婚式は、これでいいんだと思います。
変にかしこまったりしないで、普段通りのわたしたちでする方が、わたしたちらしいと思うから。
だから、おにーちゃんがしてくれたキスが、やたら長かったり、佳代ちゃんが見てるのにべろちゅーしてきたりして、それを見て興奮した佳代ちゃんが、おとーさんの遺影を持ったまま近くに寄ってきたりしても……
いや、さすがに、これはだめなんじゃないかなぁ……
でも、ま、いっか。
だって、わたしたちは、今すごくしあわせだから。
これから、このしあわせが、ずっとずっと続いていくんだから。
これから先、どんなにつらいことや悲しいことがあったとしても、おにーちゃんもわたしも、このしあわせだけは、絶対に手放したりはしないから。
          
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