ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。

雨野美哉(あめの みかな)

「おにーちゃんとえっちした(い)。①」

おにーちゃんとえっちしました。


わたしは、おにーちゃんのことを、なんでも知ってるつもりだったけど、そうじゃなかったことを知りました。


わたしが知っていたのは、「おにーちゃんとしてのおにーちゃん」でしかなくて、わたしを妹としてではなく、女の子として選んでくれたおにーちゃんは、わたしの知らない、でも、ますます好きになってしまうくらい、優しくて、すてきな人でした。


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わたしが、しまむらで買った女児服を、おにーちゃんはすごく喜んでくれました。

おにーちゃんがツイッターのハッシュタグ「大人なのに女児服着てる」で見つけたお気に入りの女の子と、どっちがかわいいか聞いてみたかったけど、さすがにそれはちょっと自信がなくて、こわくて……

でも、おにーちゃんに、「この部屋にいるときはずっとそれがいい」って言ってもらえるくらいには、わたしはかわいかったみたいだから、それで満足でした。

「どうしよっかなー」

わたしは、もちろんおにーちゃんが望んでくれるなら、そうするつもりでいっぱいでしたが、わざとじらすようにそんな風に言うと、

「わたしのお願いを聞いてくれたら、毎日着てあげる」

そう言いました。

そう言いながらも、わたしはどんなお願いをするか、決めてはいませんでした。

「どんなお願い?」

簡単すぎるお願いじゃすぐに叶えられてしまうし、難しすぎるお願いじゃ叶えてもらえない。

だから、わたしは、思いきって、おにーちゃんの太ももの上にまたがると、

「キスして」

と、言いました。

すると、おにーちゃんは、なんだそんなことかと言わんばかりに、わたしの頬にキスをしました。

「これでいい?」

「だーめ」

おにーちゃんが、そうしてくることは、最初からわかっていました。

だから、わたしは、人差し指を唇にあてて、

「ここにしてくれなきゃやだ」

そう言いました。

わたしがそう言えば、おにーちゃんがためらってしまうことも、わたしの想像してた通りの反応で……

だから、わたしは、おにーちゃんの唇に、自分からキスをしました。

わたしがおにーちゃんの上にまたがったのは、抵抗されてしまうかもしれなかったから。
でも、それだけじゃたりないと思ったわたしは、すぐに両腕をおにーちゃんの頭の後ろにまわして、逃げられないようにしました。

おにーちゃんは、逃げられないことがわかったのか、抵抗したりしなくて……

わたしは、唇を重ねるだけのキスじゃ、もう我慢できませんでした。

自分から舌を出して、おにーちゃんの唇の中に入っていこうとすると、おにーちゃんもそれに答えてくれました。

おにーちゃんの舌使いは本当にすごくえっちで、すごく気持ちよくて、わたしはキスだけで体から力が抜けていくのを感じました。

寝ているおにーちゃんにキスをしたり、おにーちゃんが寝ているのをいいことに、もっとえっちなことをしたりしてたけど、おにーちゃんのキスはすごく優しくて、でもすごく激しくて……

唇を離した後、わたしの体はなぜか震えが止まらなくて……

おにーちゃんは、そんなわたしを優しく抱き締めてくれました。

わたしの体の震えがおさまるまで、おにーちゃんはわたしを抱き締め続けてくれました。

「おにーちゃんのえっち」

わたしは、震えが少しおさまると、言いました。

「みかなが、ぼくを本気にさせるからだよ」

おにーちゃんは、そう言いました。

「これで、みかなのお願いはかなえられたよね?」

まだ、わたしは少し震えが残っていて、おにーちゃんに抱き締められたままでした。

「いまのは、わたしからしたから、だめ」

わたしは言いました。

「でも、今からおにーちゃんがもう一回キスしてくれてもだめ」

体が震えちゃうのは想像してなかったけど、逆にそれがよかったかなって、わたしは思いました。
お願いしなくても、わたしのことを、こんな風に大事そうに抱きしめてもらえたから。

たぶん、おにーちゃんは、わたしからしなかったら、キスなんてしてくれなかったと思います。

えっちだし、へんたいだし、ネットで知り合った人とはじめて会った日に普通にホテルにいっちゃうような人だけど……

でも、おにーちゃんは、わたしにだけは簡単にそんなことをしたりしない。

わたしが妹だから。

わたしが、ずっとおにーちゃんのことが大好きで、おにーちゃんしか見てなくても、おにーちゃんはそれに気づいているくせに、わたしが妹だから、何もしてくれなかった。

彼女を作ったり、二股かけたり、セフレがいたり、彼女と別れてもすぐに新しい彼女を作ったり……

急に結婚を考えてるって彼女を連れてきたり、断ることだって出来たのにお仕事で遠くに異動したり、彼女と同棲したり……

おにーちゃんは、わざと、わたしがおにーちゃんのことを諦めるように、仕向けていたような気さえしていました。

だから、わたしは、おにーちゃんの理性を、一個一個壊していかなきゃいけませんでした。

そうしなきゃ、わたしは、また誰かにおにーちゃんを取られてしまう。

おにーちゃんはもう、2ヶ月前実家に帰ってきたばかりの頃の、心も体もぼろぼろだったころとは違う。
少しずつ元気になってきてる。

まだすぐには働きはじめたりしないだろうけど、きっとすぐにネットを使って女の子を見つけてしまう。

好みでもなければ、好きでもないような女の子と付き合って、わたしにかまってくれなくなる。

だから、わたしは、

「唇以外にもキスしてほしいところがたくさんあるんだよ」

おにーちゃんの耳元でそう囁くと、その耳を舌でペロリと舐めました。


          

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