ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。
「おにーちゃん、男の娘になる。⑧」
その日に限って、おにーちゃんが何故早起きしたのか。
そして何故、朝一から自分が今現在持てるすべてを出しきった女装をしていたのか。
その理由は、その日の午前中着指定で、アマゾンに注文をしていたものがあったからでした。
でも、だからって、なんで朝の四時に目が覚めてトイレに行った後、二度寝しなかったんだろ……
届くのは早くても9時すぎだろうし、遅いときは12時近くになることもあるのに……
たぶん、届くのが楽しみすぎて、遠足前夜の小学生みたいなテンションになっちゃってたんだろなぁ……
ほんとにおにーちゃんはかわいいなぁ……
そんなおにーちゃんは、アマゾンで一体何を買い、何が届くのか、わたしが何度訊いても教えてはくれませんでした。
10時すぎにそれは届き、おかーさんが玄関で受けとると、
「みかなー、あんた宛にアマゾンから何か届いたわよー」
おにーちゃんの部屋のベッドの上で、スマホをいじりながらごろごろしていたわたしに、階段の下からおかーさんが声をかけてきました。
ん? んん? わたし宛?
おにーちゃん宛じゃなくて?
わたしは意味がよくわかりませんでしたが、とりあえず階段を下りていき、おかーさんからアマゾンのダンボールを受けとりました。
階段をのぼりながら、
わたしの誕生日は来月の9日だし、まだ2週間以上先だから、わたしへの誕生日プレゼントってことはないよね……?
そんなことを考えて、おにーちゃんの部屋に戻りました。
すると、おにーちゃんはまたしても、パリコレモデルのようなポーズをして、わたしを待ち構えていたのです。今回はパンイチで。
そして、おにーちゃんは
「ふっ、どうやら無事、除毛クリームが届いたようだな……
あの母親もまさか、先ほど自分が受け取ったそれが、息子の太ももに絶対領域をつくるためのものだとは夢にも思うまい……くくく」
またしても、芝居がかった口調でそう言いました。
除毛クリームか~、なるほど~、それは確かにわたし宛じゃないとね!
いやいや、そんなわけあるかー!!
「なんで、わたし宛にしたの?」
わたしが素朴な疑問を口にしたところ、
「あの母親は、田舎によくいる典型的なババアだからさ!
デリカシーがなく、人の心に土足で平気に踏み込んでくる!!
いくら家族とはいえ、いくら親子とはいえ、最低限のプライバシーは守られるべきものだというのに、人が通販で買ったもののダンボールを平気で開けかねない」
返ってきたのは、そんな答えで、
「いやいや、確かにおかーさん、そういうところあるけど、わたし宛にしても開けかねないからね? そのとき、大ダメージを受けるのわたしだからね?」
「みかなは、大丈夫だ。あの母親に信頼されているからな。あの母親が開けるのは、ぼく宛のものだけだ」
確かに、おかーさんは、わたし宛のものを勝手に開けたりしたことはありませんでした。
「おにーちゃんは、勝手に開けられたことあるの?」
わたしの問いにおにーちゃんはうなづくと、
「今から5年くらい前の話だ」
と言い、
「わたしがまだ中学生の頃?」
と、わたしは聞き返すと、おにーちゃんはまたこくりとうなづきました。
「ちょうどその頃、ケンコバさんがテレビでよく、前立腺を刺激してくれる風俗の話をしていたんだ……
ぼくはその頃、手でするオナニーが日に日に事務的な作業と化していくことに、飽き飽きしていた……いや、悩んでいたというべきか……
だから、その前立腺を刺激するという行為にすごく興味を持って、自分ひとりでそれができるグッズを試しに買ってみただけだったんだよ……
それなのに、まさか、よりによって、正しい前立腺オナニーの仕方を解説した本とセットで買ったダンボールをあの母親に開けられてしまうなんて……」
遠い目をして語るおにーちゃんの物憂げな表情に、わたしは一瞬だまされそうになりましたが、それはつまり……
わたしがまだ中学生の頃、その頃にはもう、わたしはおにーちゃんのことが大好きで、今みたいにおにーちゃんにべったりで、この部屋にも今みたいによく出入りをしていました。
おにーちゃんは、そんな状況下にありながら、わたしに内緒でこっそり、自分ひとりで前立腺を、つまりはアナルを開発していた、ということ……
そのグッズ、まだあるのかな……
わたしがおにーちゃんのアナルを開発とか、超楽しそうなんだけど!!
なければ買うだけなんだけどね、おにーちゃんのアカウントの購入履歴をたどって……ふふふ
おにーちゃんは、わたしからダンボールを受けとると、早速中身を取り出しました。
除毛クリームだけにしてはやけに大きいなと思ってはいたのですが、そのダンボールの中にはそれ以外のものが、紺色の半袖のセーラー服が入っていました。
それは、わたしが前日の21日、お昼寝していたときに見た夢の中で、おにーちゃんが着ていたものと同じものでした。
それから、さらにその下に、もう一着。
それもまた、わたしには見覚えのある、白の半袖のセーラー服でした。
わたしが、夢の中で着ていたものと同じもの。
おにーちゃんは、それをわたしに差し出すと、
「ふたりでハロウィンするなら、色違いのコスプレがいいんじゃないかなって思ったんだけど……」
恥ずかしそうに、
「みかなもいっしょに着てくれる?」
顔を真っ赤にしながら、言いました。
わたしは、最後がちょっと残念だったあの夢が、もしかして、正夢? 予知夢? だったの? と不思議な気持ちになりましたが、
「うん! わたしも、おにーちゃんと色違いでハロウィンしたい!!」
女装のことで頭がいっぱいになってるとばっかり思っていたおにーちゃんが、ちゃんと、わたしとはじめてふたりで過ごすハロウィンのことを考えてくれていたこと、わたしの衣装まで考えてくれていたことが、すごくうれしくて、思わず泣いてしまいました。
でも、泣きおわった後に、わたしは思ったのです。
こんな風にわたしを泣かせるくらいのサプライズが待ってるんだったら、さっきの前立腺のくだり、絶対いらなかったよね、と。
絶対、セットで思い出しちゃうから!!
もれなくついてきちゃうから~~!!!
そんなことを思いながらも、わたしは、袋詰めされたそのセーラー服をぎゅっと抱き締めると、幸せな気持ちで心が満たされていくのを感じて、ニヤニヤが止まらないのでありました。
          
そして何故、朝一から自分が今現在持てるすべてを出しきった女装をしていたのか。
その理由は、その日の午前中着指定で、アマゾンに注文をしていたものがあったからでした。
でも、だからって、なんで朝の四時に目が覚めてトイレに行った後、二度寝しなかったんだろ……
届くのは早くても9時すぎだろうし、遅いときは12時近くになることもあるのに……
たぶん、届くのが楽しみすぎて、遠足前夜の小学生みたいなテンションになっちゃってたんだろなぁ……
ほんとにおにーちゃんはかわいいなぁ……
そんなおにーちゃんは、アマゾンで一体何を買い、何が届くのか、わたしが何度訊いても教えてはくれませんでした。
10時すぎにそれは届き、おかーさんが玄関で受けとると、
「みかなー、あんた宛にアマゾンから何か届いたわよー」
おにーちゃんの部屋のベッドの上で、スマホをいじりながらごろごろしていたわたしに、階段の下からおかーさんが声をかけてきました。
ん? んん? わたし宛?
おにーちゃん宛じゃなくて?
わたしは意味がよくわかりませんでしたが、とりあえず階段を下りていき、おかーさんからアマゾンのダンボールを受けとりました。
階段をのぼりながら、
わたしの誕生日は来月の9日だし、まだ2週間以上先だから、わたしへの誕生日プレゼントってことはないよね……?
そんなことを考えて、おにーちゃんの部屋に戻りました。
すると、おにーちゃんはまたしても、パリコレモデルのようなポーズをして、わたしを待ち構えていたのです。今回はパンイチで。
そして、おにーちゃんは
「ふっ、どうやら無事、除毛クリームが届いたようだな……
あの母親もまさか、先ほど自分が受け取ったそれが、息子の太ももに絶対領域をつくるためのものだとは夢にも思うまい……くくく」
またしても、芝居がかった口調でそう言いました。
除毛クリームか~、なるほど~、それは確かにわたし宛じゃないとね!
いやいや、そんなわけあるかー!!
「なんで、わたし宛にしたの?」
わたしが素朴な疑問を口にしたところ、
「あの母親は、田舎によくいる典型的なババアだからさ!
デリカシーがなく、人の心に土足で平気に踏み込んでくる!!
いくら家族とはいえ、いくら親子とはいえ、最低限のプライバシーは守られるべきものだというのに、人が通販で買ったもののダンボールを平気で開けかねない」
返ってきたのは、そんな答えで、
「いやいや、確かにおかーさん、そういうところあるけど、わたし宛にしても開けかねないからね? そのとき、大ダメージを受けるのわたしだからね?」
「みかなは、大丈夫だ。あの母親に信頼されているからな。あの母親が開けるのは、ぼく宛のものだけだ」
確かに、おかーさんは、わたし宛のものを勝手に開けたりしたことはありませんでした。
「おにーちゃんは、勝手に開けられたことあるの?」
わたしの問いにおにーちゃんはうなづくと、
「今から5年くらい前の話だ」
と言い、
「わたしがまだ中学生の頃?」
と、わたしは聞き返すと、おにーちゃんはまたこくりとうなづきました。
「ちょうどその頃、ケンコバさんがテレビでよく、前立腺を刺激してくれる風俗の話をしていたんだ……
ぼくはその頃、手でするオナニーが日に日に事務的な作業と化していくことに、飽き飽きしていた……いや、悩んでいたというべきか……
だから、その前立腺を刺激するという行為にすごく興味を持って、自分ひとりでそれができるグッズを試しに買ってみただけだったんだよ……
それなのに、まさか、よりによって、正しい前立腺オナニーの仕方を解説した本とセットで買ったダンボールをあの母親に開けられてしまうなんて……」
遠い目をして語るおにーちゃんの物憂げな表情に、わたしは一瞬だまされそうになりましたが、それはつまり……
わたしがまだ中学生の頃、その頃にはもう、わたしはおにーちゃんのことが大好きで、今みたいにおにーちゃんにべったりで、この部屋にも今みたいによく出入りをしていました。
おにーちゃんは、そんな状況下にありながら、わたしに内緒でこっそり、自分ひとりで前立腺を、つまりはアナルを開発していた、ということ……
そのグッズ、まだあるのかな……
わたしがおにーちゃんのアナルを開発とか、超楽しそうなんだけど!!
なければ買うだけなんだけどね、おにーちゃんのアカウントの購入履歴をたどって……ふふふ
おにーちゃんは、わたしからダンボールを受けとると、早速中身を取り出しました。
除毛クリームだけにしてはやけに大きいなと思ってはいたのですが、そのダンボールの中にはそれ以外のものが、紺色の半袖のセーラー服が入っていました。
それは、わたしが前日の21日、お昼寝していたときに見た夢の中で、おにーちゃんが着ていたものと同じものでした。
それから、さらにその下に、もう一着。
それもまた、わたしには見覚えのある、白の半袖のセーラー服でした。
わたしが、夢の中で着ていたものと同じもの。
おにーちゃんは、それをわたしに差し出すと、
「ふたりでハロウィンするなら、色違いのコスプレがいいんじゃないかなって思ったんだけど……」
恥ずかしそうに、
「みかなもいっしょに着てくれる?」
顔を真っ赤にしながら、言いました。
わたしは、最後がちょっと残念だったあの夢が、もしかして、正夢? 予知夢? だったの? と不思議な気持ちになりましたが、
「うん! わたしも、おにーちゃんと色違いでハロウィンしたい!!」
女装のことで頭がいっぱいになってるとばっかり思っていたおにーちゃんが、ちゃんと、わたしとはじめてふたりで過ごすハロウィンのことを考えてくれていたこと、わたしの衣装まで考えてくれていたことが、すごくうれしくて、思わず泣いてしまいました。
でも、泣きおわった後に、わたしは思ったのです。
こんな風にわたしを泣かせるくらいのサプライズが待ってるんだったら、さっきの前立腺のくだり、絶対いらなかったよね、と。
絶対、セットで思い出しちゃうから!!
もれなくついてきちゃうから~~!!!
そんなことを思いながらも、わたしは、袋詰めされたそのセーラー服をぎゅっと抱き締めると、幸せな気持ちで心が満たされていくのを感じて、ニヤニヤが止まらないのでありました。
          
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