ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。
「おにーちゃん、男の娘になる。⑦」
9月22日、おにーちゃんによる、おにーちゃんのための「男の娘大変身計画」も3日目です。
その日もわたしは、おにーちゃんのベッドで目を覚ましました。
でも、隣で寝ていたはずのおにーちゃんの姿はベッドには何故かなくて……
わたしがどうして、すぐ隣の自分の部屋のベッドじゃなくて、おにーちゃんのベッドでいっしょに寝ているのかについては、改めて説明するのはすごく恥ずかしいので、「おにーちゃん、男の娘になる。⑤」を参照してもらうとして……
(それにしても、今思うとよくあんな恥ずかしいの書いたな、わたし……)
わたしは、寝起きのあんまり働いてない頭と体をなんとか動かして、おにーちゃん? おにーちゃん? と、迷子になった小さい子のように呼びながら、おにーちゃんを探しました。
裸眼じゃほとんど何にも見えないくらい視力が悪いので、本当ならメガネを先に探すべきだったと思うんだけど……
たぶん、いつもわたしの方が寝るのが遅いのに、起きるのはわたしの方が早いから、わたしが起きたら必ず目の前にいるはずのおにーちゃんがいなくて、このときのわたしは不安でしかたがなかったんじゃないかと思います。
おにーちゃんとまた離ればなれになってしまうことが、わたしにとって一番怖いことだったから。
ですが、この後に起きたことが衝撃的すぎて、正直なところ、わたしは起きた直後のことをあんまり覚えてないのです……
おにーちゃんは、わたしが探すまでもなく、お部屋の真ん中にいました。
パリコレモデルみたいにポーズを決めて。
もしかしたら、体が固いだけで、本人はジョジョ立ちをしているつもりだったのかもしれません。
その顔はすでにメイクまで完了していて、お洋服もわたしが貸してあげた雑誌をしっかりと研究した上で、手持ちのアイテム(メンズ含む)をすべて駆使したコーディネート……
それはまさに、今のおにーちゃんが持つポテンシャルとテクニック、そのすべてを発揮した全力の女装でした。
「全力の女装」、なんて言葉、生まれてはじめて使いました!
「おはよう。なんでもう、そんな格好してるの?」
わたしは、なんだかもう驚きとかそういうのは、とうに通り越していて、
そうだよね、おにーちゃんだもんね、
と、あるがままの、ありのままのおにーちゃんを受け入れてはいるのですが……
おにーちゃんは、マジなのかボケなのかが、いまいちわかりづらいときが多々あるので、一応訊いてみることにしました。
「おはよう、みかな! なぜぼくが朝の7時に、もうこんなにかわいく変身してるのかが気になるのかい?」
芝居がかったその口調……
そして、朝から無駄に高いテンション……
これ、ボケじゃないやつだ……マジだ……
マジで、そして、ガチでめんどくさいやつだ……
わたしは、んーー、と声を出しておもいっきり伸びをしました。
今日はたぶん、昨日までよりもっと大変な一日になるのが、もうわかってしまったから。
「うん、気になる。おかーさん、もう起きてるよね? その格好だと、トイレとか、下に降りていかないといけないときに、いちいち着替えなきゃいけなくて、大変そうだね」
わたしがそう言うと、おにーちゃんは
「うん……朝4時に目が覚めて、一回トイレに行ったんだけど……それから行けてなくて……実はもう、膀胱が今にも破裂しそうなんだ……」
パリコレモデルみたいなポーズを決めたその体は小刻みに震えていて、その顔は少し青白く、冷や汗をかいていました。
今にもお漏らししてしまいそうなのが一目見ればわかるくらい、おにーちゃんはおしっこを我慢していました。
妹の目の前でお漏らししてしまいかねない状況にありながらも、わたしが目を覚ますのを今か今かとポーズを決めて待っていたのです。
ね? 大変な一日になりそうでしょ?
わたしの大好きな人は、ちょっと背が小さかったりするけど、わたしにとっては世界で一番かっこよくて、でも、言うことやすること、考えてることは、大人なのにこどもみたいで、すごくかわいくて、放ってなんかおけなくて、
「とりあえず、着替えよっか。化粧はそのままでいいから。わたしがおかーさんにばれないように、うまくトイレまで誘導するから」
そして、ものすごく手がかかる人なのです。
わたしはそんなおにーちゃんのことが、昨日も今日も、それから明日も、大好きです。
10年後も、20年後も、ずっとずっと大好きです。
          
その日もわたしは、おにーちゃんのベッドで目を覚ましました。
でも、隣で寝ていたはずのおにーちゃんの姿はベッドには何故かなくて……
わたしがどうして、すぐ隣の自分の部屋のベッドじゃなくて、おにーちゃんのベッドでいっしょに寝ているのかについては、改めて説明するのはすごく恥ずかしいので、「おにーちゃん、男の娘になる。⑤」を参照してもらうとして……
(それにしても、今思うとよくあんな恥ずかしいの書いたな、わたし……)
わたしは、寝起きのあんまり働いてない頭と体をなんとか動かして、おにーちゃん? おにーちゃん? と、迷子になった小さい子のように呼びながら、おにーちゃんを探しました。
裸眼じゃほとんど何にも見えないくらい視力が悪いので、本当ならメガネを先に探すべきだったと思うんだけど……
たぶん、いつもわたしの方が寝るのが遅いのに、起きるのはわたしの方が早いから、わたしが起きたら必ず目の前にいるはずのおにーちゃんがいなくて、このときのわたしは不安でしかたがなかったんじゃないかと思います。
おにーちゃんとまた離ればなれになってしまうことが、わたしにとって一番怖いことだったから。
ですが、この後に起きたことが衝撃的すぎて、正直なところ、わたしは起きた直後のことをあんまり覚えてないのです……
おにーちゃんは、わたしが探すまでもなく、お部屋の真ん中にいました。
パリコレモデルみたいにポーズを決めて。
もしかしたら、体が固いだけで、本人はジョジョ立ちをしているつもりだったのかもしれません。
その顔はすでにメイクまで完了していて、お洋服もわたしが貸してあげた雑誌をしっかりと研究した上で、手持ちのアイテム(メンズ含む)をすべて駆使したコーディネート……
それはまさに、今のおにーちゃんが持つポテンシャルとテクニック、そのすべてを発揮した全力の女装でした。
「全力の女装」、なんて言葉、生まれてはじめて使いました!
「おはよう。なんでもう、そんな格好してるの?」
わたしは、なんだかもう驚きとかそういうのは、とうに通り越していて、
そうだよね、おにーちゃんだもんね、
と、あるがままの、ありのままのおにーちゃんを受け入れてはいるのですが……
おにーちゃんは、マジなのかボケなのかが、いまいちわかりづらいときが多々あるので、一応訊いてみることにしました。
「おはよう、みかな! なぜぼくが朝の7時に、もうこんなにかわいく変身してるのかが気になるのかい?」
芝居がかったその口調……
そして、朝から無駄に高いテンション……
これ、ボケじゃないやつだ……マジだ……
マジで、そして、ガチでめんどくさいやつだ……
わたしは、んーー、と声を出しておもいっきり伸びをしました。
今日はたぶん、昨日までよりもっと大変な一日になるのが、もうわかってしまったから。
「うん、気になる。おかーさん、もう起きてるよね? その格好だと、トイレとか、下に降りていかないといけないときに、いちいち着替えなきゃいけなくて、大変そうだね」
わたしがそう言うと、おにーちゃんは
「うん……朝4時に目が覚めて、一回トイレに行ったんだけど……それから行けてなくて……実はもう、膀胱が今にも破裂しそうなんだ……」
パリコレモデルみたいなポーズを決めたその体は小刻みに震えていて、その顔は少し青白く、冷や汗をかいていました。
今にもお漏らししてしまいそうなのが一目見ればわかるくらい、おにーちゃんはおしっこを我慢していました。
妹の目の前でお漏らししてしまいかねない状況にありながらも、わたしが目を覚ますのを今か今かとポーズを決めて待っていたのです。
ね? 大変な一日になりそうでしょ?
わたしの大好きな人は、ちょっと背が小さかったりするけど、わたしにとっては世界で一番かっこよくて、でも、言うことやすること、考えてることは、大人なのにこどもみたいで、すごくかわいくて、放ってなんかおけなくて、
「とりあえず、着替えよっか。化粧はそのままでいいから。わたしがおかーさんにばれないように、うまくトイレまで誘導するから」
そして、ものすごく手がかかる人なのです。
わたしはそんなおにーちゃんのことが、昨日も今日も、それから明日も、大好きです。
10年後も、20年後も、ずっとずっと大好きです。
          
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