ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。
「わたしをハローワークに連れてって」
今日は、ひさしぶりに、おにーちゃんとデートだー!
ハローワークだけどな!! ハッハー!!!
この数日、おにーちゃんは、車で20分くらいのところにある隣の市のハローワークに書類を提出にいくだけなのに、「今日はそんな気分じゃない」とか「明日こそ」とか一週間以上言いつづけ、今日になってようやく重い腰を上げたのでした。
おにーちゃんは、ここ最近買った服の中では超お気に入りの、キャプテン・アメリカの星条旗の戦闘服をイメージしたパーカーを着て、
わたしを助手席に乗せると「カーター(キャプテンの恋人の名前)」って呼び、
さらに、菅田将暉くんのシングルやアルバム、配信のみの歌から作った、おにーちゃんによるおにーちゃんのための菅田将暉くんベストアルバムを大音量で車で流して、
そこまでしないとハローワークにいけない……
この人、ほんとによく社会人やってたな~、なんて思ったり思わなかったり。
まぁ、まだ社会に出たことがないわたしが言えることじゃないんだけど。
「へ~、ここがハローワークなんだ~」
ハローワークに初めてやってきたわたしが少しだけウキウキしていると、キャプテン・アメリカのパーカーを着たおにーちゃんは、
「ここがハローワークの世界か、大体わかった」
仮面ライダーディケイド/門矢士(かどや つかさ)っぽいセリフを言うという、ものすごいキャラのぶれっぷり。
「まぁ、二回目だもんね」
「前に来たのは何年も前だがな……、あのときの屈辱は今でも忘れない……」
なんでもおにーちゃんが前回お世話になったときは、自分が一体どの職業に向いているかわからず、ハローワークのパソコンでできる「あなたに向いている職業診断」みたいな、いくつか質問に答えるだけで自分に向いている職業がわかるものをやってみたところ、
――ひろゆきさん、あなたに向いている職業は、漫画家です!!
と、出たそうで……
せめてハローワークで探せる仕事にしろや……
あと、漫画業界で食っていけなかったから職探ししてるんだよ……
そんな呪詛の言葉を延々繰り返したとのこと……
「なるほど、失業認定・給付は7番か。この受け付け箱に書類を入れればいいんだな」
おにーちゃんは持ってきた書類を茶封筒から取り出すと、
「あ、おにーちゃん、先に1番の総合受け付けで手続きしないといけないみたいだよ?」
「何だと!? もう書類、受付箱に入れてしまったぞ!!!」
ほんとこの人、よく社会人やってたな~、なんてまた思ったり思わなかったり。
まぁ、まだ社会に出たことがないわたしが言えることじゃないんだけどね! 出る気もないし!!
おにーちゃんが、そんな感じで初っ端からやらかしたりして、7番の失業認定・給付の担当の人に、できない子を温かく見守るような目で、
「最初は、1番で受付を済ませてからお願いします」
と言われて、1番に行って、総合受け付けで渡されたアンケート用紙(?)みたいなのを書かされたりしている間、わたしはひぐらしやリゼロのアプリをしたり、ツイッターを見たり。
ようやく受付が終わって、7番で自分の名前を呼ばれるのをわたしの隣に座って待っていたら、よりによってさっき生暖かい目をしていた人がおにーちゃんの担当になったり。
おにーちゃんは、たった1時間くらいの間に、10歳くらい老けた感じに疲れていて、それがまたわたしにはかわいくてしかたなく……
わたしのはじめてのハローワーク体験は、おにーちゃんのおかげで非常に楽しいアトラクションになったのでした。
おにーちゃんが7番でいろいろと説明を受けている間、
「わたしだけでしょうか?
ツイッターで誰かが素敵な呟きをしていると、その真下に
『そうか~がっか~い』
って、コメントして、CMっぽくしたくなるのは。
『えーしー』じゃなくて、『そうか~がっか~い』の方が、台無し感出るよね」
なんていう命知らずなつぶやきをしたりしてたのは、内緒です(はーと)
          
ハローワークだけどな!! ハッハー!!!
この数日、おにーちゃんは、車で20分くらいのところにある隣の市のハローワークに書類を提出にいくだけなのに、「今日はそんな気分じゃない」とか「明日こそ」とか一週間以上言いつづけ、今日になってようやく重い腰を上げたのでした。
おにーちゃんは、ここ最近買った服の中では超お気に入りの、キャプテン・アメリカの星条旗の戦闘服をイメージしたパーカーを着て、
わたしを助手席に乗せると「カーター(キャプテンの恋人の名前)」って呼び、
さらに、菅田将暉くんのシングルやアルバム、配信のみの歌から作った、おにーちゃんによるおにーちゃんのための菅田将暉くんベストアルバムを大音量で車で流して、
そこまでしないとハローワークにいけない……
この人、ほんとによく社会人やってたな~、なんて思ったり思わなかったり。
まぁ、まだ社会に出たことがないわたしが言えることじゃないんだけど。
「へ~、ここがハローワークなんだ~」
ハローワークに初めてやってきたわたしが少しだけウキウキしていると、キャプテン・アメリカのパーカーを着たおにーちゃんは、
「ここがハローワークの世界か、大体わかった」
仮面ライダーディケイド/門矢士(かどや つかさ)っぽいセリフを言うという、ものすごいキャラのぶれっぷり。
「まぁ、二回目だもんね」
「前に来たのは何年も前だがな……、あのときの屈辱は今でも忘れない……」
なんでもおにーちゃんが前回お世話になったときは、自分が一体どの職業に向いているかわからず、ハローワークのパソコンでできる「あなたに向いている職業診断」みたいな、いくつか質問に答えるだけで自分に向いている職業がわかるものをやってみたところ、
――ひろゆきさん、あなたに向いている職業は、漫画家です!!
と、出たそうで……
せめてハローワークで探せる仕事にしろや……
あと、漫画業界で食っていけなかったから職探ししてるんだよ……
そんな呪詛の言葉を延々繰り返したとのこと……
「なるほど、失業認定・給付は7番か。この受け付け箱に書類を入れればいいんだな」
おにーちゃんは持ってきた書類を茶封筒から取り出すと、
「あ、おにーちゃん、先に1番の総合受け付けで手続きしないといけないみたいだよ?」
「何だと!? もう書類、受付箱に入れてしまったぞ!!!」
ほんとこの人、よく社会人やってたな~、なんてまた思ったり思わなかったり。
まぁ、まだ社会に出たことがないわたしが言えることじゃないんだけどね! 出る気もないし!!
おにーちゃんが、そんな感じで初っ端からやらかしたりして、7番の失業認定・給付の担当の人に、できない子を温かく見守るような目で、
「最初は、1番で受付を済ませてからお願いします」
と言われて、1番に行って、総合受け付けで渡されたアンケート用紙(?)みたいなのを書かされたりしている間、わたしはひぐらしやリゼロのアプリをしたり、ツイッターを見たり。
ようやく受付が終わって、7番で自分の名前を呼ばれるのをわたしの隣に座って待っていたら、よりによってさっき生暖かい目をしていた人がおにーちゃんの担当になったり。
おにーちゃんは、たった1時間くらいの間に、10歳くらい老けた感じに疲れていて、それがまたわたしにはかわいくてしかたなく……
わたしのはじめてのハローワーク体験は、おにーちゃんのおかげで非常に楽しいアトラクションになったのでした。
おにーちゃんが7番でいろいろと説明を受けている間、
「わたしだけでしょうか?
ツイッターで誰かが素敵な呟きをしていると、その真下に
『そうか~がっか~い』
って、コメントして、CMっぽくしたくなるのは。
『えーしー』じゃなくて、『そうか~がっか~い』の方が、台無し感出るよね」
なんていう命知らずなつぶやきをしたりしてたのは、内緒です(はーと)
          
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