ディスカウントショップで兄がわたしを18禁コーナーに連れていこうとしています。
2020/08/21 「幼馴染はナチュラルボーンシリアルめすぶたくそびっち」
田舎町というものは、噂が広まるのがどうやら大変早いようで……
――ひろゆきお兄ちゃん、帰ってきてるって本当?
幼稚園から小・中学校の同級生、っていうか、我が家から徒歩数分のところに住む幼馴染の佳代(かよ)ちゃんから、夜中にLINEが来ていたのです。
朝起きて、そのLINEを見た瞬間に、わたしは舌打ちをせざるを得ませんでした。
いくら母親同士がご近所さんだから仲がいいとはいえ、世界で一番、絶対にばれたくなかった相手に、おにーちゃんが3年ぶりに実家に帰ってきたことを、一番に知られてしまうだなんて……
おかーさん、否! あえてここはクソババアと呼ばせてもらおう!!
絶対に黙っててって言ったのに、よくもばらしやがったな……!!!
なぜ、そんなことをわたしが思ってしまったかと言うと、佳代ちゃんとわたしは、ただの幼馴染ではなく、大親友といってもいいくらいの仲なのですが……
同時に、幼稚園の頃から、おにーちゃんを取り合い続けてきたライバルなのです。
例えるなら、キリスト教国家とイスラム教国家のようなもの……
永遠に終わることのない戦争を、15年以上続けてきているのです。
「うん、帰ってきてるよ。もう1か月くらい前から」
――1か月も前に!? なんで教えてくれないの?
「だって、佳代ちゃん、絶対おにーちゃんを誘惑するから」
――誘惑なんかしないよ~~!
2年前だっけ? 婚約者さんに逃げられたのって?
ちょっと慰めてあげるだけだから!
「慰めるって、おにーちゃんとえっちするってことでしょ?」
――うん! みかなが絶対できない慰め方で、い~っぱい!!
……何この女……マジ腹立つ。
わたしの妹であるがゆえの弱点……
おにーちゃんと相思相愛だというのに、おそらく一番効果的だと思われる方法をとることができないことを初っ端から突いてくるとは……
「黙れびっち」
――こわ! うそうそ!! わたし、今彼氏いるし!!
そうでした。
佳代ちゃんは、おにーちゃんがお仕事の都合で引っ越して一人暮らしをしていた三年間の間に、具体的には高校2年の頃に、おにーちゃんのことを諦めて、彼氏を作っていたのです。
今の彼氏は、確か……4人目? 5人目かな?
「だったらいいけど……
おにーちゃん、最近創作活動で忙しいから、うちに遊びにきても、ほとんどかまってもらえないと思うよ?
わたしですらかまってもらえてないから」
――へー、みかなですらかまってもらえてないんだ~
うっしっし。今の彼氏にもそろそろ飽きてきたし、これはチャンスかな~
本当に腹立つ~。特に、「うっしっし」が腹立つ。
自分がちょっと巨乳だからって、笑い方を牛っぽくして、貧乳であるわたしをディスってやがる……(被害妄想です
――じゃぁ、みかなで我慢するか~
暇だからあそぼ。
「すぐにそっちに行くから待ってろ。永遠にわたしで我慢させてやる」
わたしはそうLINEを送って、
「か~よ~ちゃ~ん! あ~そ~ぼ~!!」
数分後には、佳代ちゃんのおうちの前で、一昔前の小学生のようにインターホンを押さず、大きな声で呼びかけていたのでした。
「ばかみかな!! 近所迷惑だろ!!」
二階にある佳代ちゃんの部屋の窓があいて、わたしより本当に近所迷惑全開な大声で朝8時に彼女は叫んで、あわてて玄関にやってきました。
あれ? わたしの幼馴染って、昔ワイドショーに出てた騒音おばさんだったっけ?
佳代ちゃんの部屋にくるのはいつ以来になるかな……。
高校が別々になってからは(正確には、おにーちゃんが引っ越しちゃってからなんだけど)年に数回くらいしか遊ばなくなっていたし、今年に入ってからはコロナ禍のせいで、一回も会ってなかったかも……
あ、1月か2月に会ってたわ、確か。どうでもいいから忘れちゃってたよ。
佳代ちゃんとわたしは、昔から会話の話題のメインがおにーちゃんのこと。
趣味も違うし、インドア派のわたしと違って、彼女はアウトドア派で、お互いに好きなモノは「わたしのおにーちゃん」だけでした。
今日も、話題はやっぱりおんなじで、佳代ちゃんはおにーちゃんのことを根掘り葉掘り聞いてきて、わたしはおにーちゃんとののろけ話をニヤニヤしながら話しました。
わたしののろけ話がひと段落すると、
「アイス食べる?」
と、佳代ちゃんは言いました。
「食べる食べる!!」
1階のキッチンに降りていった佳代ちゃんは、棒アイスを二本持ってもどってきました。
『いただきます』
個包装になっているそれを開けて、わたしたちは棒アイスを食べました。
わたしはふつうに食べていたけど、佳代ちゃんの食べ方がなんだかおかしいっていうか、なんていうか……
「佳代ちゃん、それ、アイスだから。おちんちんじゃないから」
わたしがそう言うと、
「そんな風に思ってなめてないよ~」
と、佳代ちゃんは言ったけど、おかしな食べ方はだんだん激しく、否、ひどくなっていってジュッポジュッポと音を立てながら食べていました。
「何、朝からさかってんだ、このナチュラルボーンくそびっち!」
と、口ではいいながらも、わたしは、スマホのカメラを起動して動画をとろうとしていました。
「えろい! ずっと見ていたい! アイスが溶けなかったらいいのに!!」
我慢できずに、とうとうスマホのレンズを佳代ちゃんに向けました。
「動画撮っていい?」
「みかなのほうが、わたしよりずっと変態だよね」
食べ終わったアイス棒で、ほっぺをぐりぐりされながら、
「いたいけど、きもちいいよ~」
とか言ってるわたし(本気で興奮)を、気づけば逆に撮影されているという、そんな残暑の午前中の出来事が、わたしのスマホのLINEからおにーちゃんに送信されていることを知ったのは、帰宅してからのことだったの
です。
「みかな……なんか変な動画が送られてきてるんだけど……」
いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
あのナチュラルボーンシリアルめすぶたくそびっち、何してくれてるの!? バカなの!!?
おにーちゃんにそういわれたわたしは、もう開き直るしかないと思って、
「よかったら、その佳代ちゃんとわたしのその動画と、こないだ買ったオ○ホールでしていいからね!!」
鼻息を荒くして、そう言いました。
もうやけくそっていうか、嫌われてもいいや、くらいの気持ちでした。
だけど、おにーちゃんはドン引きするどころか、
「まじで!? ありがとう!! みかな愛してる!!!」
わたしを抱きしめたのでした。
……わたしのまわりって変態ばっかりだな……わたしも含めて……
そんな風に思いながらも、わたしは、わたし(と佳代ちゃん)の動画でひとりでするおにーちゃんを想像してニヤニヤが止まらなかったのでありました。
          
――ひろゆきお兄ちゃん、帰ってきてるって本当?
幼稚園から小・中学校の同級生、っていうか、我が家から徒歩数分のところに住む幼馴染の佳代(かよ)ちゃんから、夜中にLINEが来ていたのです。
朝起きて、そのLINEを見た瞬間に、わたしは舌打ちをせざるを得ませんでした。
いくら母親同士がご近所さんだから仲がいいとはいえ、世界で一番、絶対にばれたくなかった相手に、おにーちゃんが3年ぶりに実家に帰ってきたことを、一番に知られてしまうだなんて……
おかーさん、否! あえてここはクソババアと呼ばせてもらおう!!
絶対に黙っててって言ったのに、よくもばらしやがったな……!!!
なぜ、そんなことをわたしが思ってしまったかと言うと、佳代ちゃんとわたしは、ただの幼馴染ではなく、大親友といってもいいくらいの仲なのですが……
同時に、幼稚園の頃から、おにーちゃんを取り合い続けてきたライバルなのです。
例えるなら、キリスト教国家とイスラム教国家のようなもの……
永遠に終わることのない戦争を、15年以上続けてきているのです。
「うん、帰ってきてるよ。もう1か月くらい前から」
――1か月も前に!? なんで教えてくれないの?
「だって、佳代ちゃん、絶対おにーちゃんを誘惑するから」
――誘惑なんかしないよ~~!
2年前だっけ? 婚約者さんに逃げられたのって?
ちょっと慰めてあげるだけだから!
「慰めるって、おにーちゃんとえっちするってことでしょ?」
――うん! みかなが絶対できない慰め方で、い~っぱい!!
……何この女……マジ腹立つ。
わたしの妹であるがゆえの弱点……
おにーちゃんと相思相愛だというのに、おそらく一番効果的だと思われる方法をとることができないことを初っ端から突いてくるとは……
「黙れびっち」
――こわ! うそうそ!! わたし、今彼氏いるし!!
そうでした。
佳代ちゃんは、おにーちゃんがお仕事の都合で引っ越して一人暮らしをしていた三年間の間に、具体的には高校2年の頃に、おにーちゃんのことを諦めて、彼氏を作っていたのです。
今の彼氏は、確か……4人目? 5人目かな?
「だったらいいけど……
おにーちゃん、最近創作活動で忙しいから、うちに遊びにきても、ほとんどかまってもらえないと思うよ?
わたしですらかまってもらえてないから」
――へー、みかなですらかまってもらえてないんだ~
うっしっし。今の彼氏にもそろそろ飽きてきたし、これはチャンスかな~
本当に腹立つ~。特に、「うっしっし」が腹立つ。
自分がちょっと巨乳だからって、笑い方を牛っぽくして、貧乳であるわたしをディスってやがる……(被害妄想です
――じゃぁ、みかなで我慢するか~
暇だからあそぼ。
「すぐにそっちに行くから待ってろ。永遠にわたしで我慢させてやる」
わたしはそうLINEを送って、
「か~よ~ちゃ~ん! あ~そ~ぼ~!!」
数分後には、佳代ちゃんのおうちの前で、一昔前の小学生のようにインターホンを押さず、大きな声で呼びかけていたのでした。
「ばかみかな!! 近所迷惑だろ!!」
二階にある佳代ちゃんの部屋の窓があいて、わたしより本当に近所迷惑全開な大声で朝8時に彼女は叫んで、あわてて玄関にやってきました。
あれ? わたしの幼馴染って、昔ワイドショーに出てた騒音おばさんだったっけ?
佳代ちゃんの部屋にくるのはいつ以来になるかな……。
高校が別々になってからは(正確には、おにーちゃんが引っ越しちゃってからなんだけど)年に数回くらいしか遊ばなくなっていたし、今年に入ってからはコロナ禍のせいで、一回も会ってなかったかも……
あ、1月か2月に会ってたわ、確か。どうでもいいから忘れちゃってたよ。
佳代ちゃんとわたしは、昔から会話の話題のメインがおにーちゃんのこと。
趣味も違うし、インドア派のわたしと違って、彼女はアウトドア派で、お互いに好きなモノは「わたしのおにーちゃん」だけでした。
今日も、話題はやっぱりおんなじで、佳代ちゃんはおにーちゃんのことを根掘り葉掘り聞いてきて、わたしはおにーちゃんとののろけ話をニヤニヤしながら話しました。
わたしののろけ話がひと段落すると、
「アイス食べる?」
と、佳代ちゃんは言いました。
「食べる食べる!!」
1階のキッチンに降りていった佳代ちゃんは、棒アイスを二本持ってもどってきました。
『いただきます』
個包装になっているそれを開けて、わたしたちは棒アイスを食べました。
わたしはふつうに食べていたけど、佳代ちゃんの食べ方がなんだかおかしいっていうか、なんていうか……
「佳代ちゃん、それ、アイスだから。おちんちんじゃないから」
わたしがそう言うと、
「そんな風に思ってなめてないよ~」
と、佳代ちゃんは言ったけど、おかしな食べ方はだんだん激しく、否、ひどくなっていってジュッポジュッポと音を立てながら食べていました。
「何、朝からさかってんだ、このナチュラルボーンくそびっち!」
と、口ではいいながらも、わたしは、スマホのカメラを起動して動画をとろうとしていました。
「えろい! ずっと見ていたい! アイスが溶けなかったらいいのに!!」
我慢できずに、とうとうスマホのレンズを佳代ちゃんに向けました。
「動画撮っていい?」
「みかなのほうが、わたしよりずっと変態だよね」
食べ終わったアイス棒で、ほっぺをぐりぐりされながら、
「いたいけど、きもちいいよ~」
とか言ってるわたし(本気で興奮)を、気づけば逆に撮影されているという、そんな残暑の午前中の出来事が、わたしのスマホのLINEからおにーちゃんに送信されていることを知ったのは、帰宅してからのことだったの
です。
「みかな……なんか変な動画が送られてきてるんだけど……」
いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
あのナチュラルボーンシリアルめすぶたくそびっち、何してくれてるの!? バカなの!!?
おにーちゃんにそういわれたわたしは、もう開き直るしかないと思って、
「よかったら、その佳代ちゃんとわたしのその動画と、こないだ買ったオ○ホールでしていいからね!!」
鼻息を荒くして、そう言いました。
もうやけくそっていうか、嫌われてもいいや、くらいの気持ちでした。
だけど、おにーちゃんはドン引きするどころか、
「まじで!? ありがとう!! みかな愛してる!!!」
わたしを抱きしめたのでした。
……わたしのまわりって変態ばっかりだな……わたしも含めて……
そんな風に思いながらも、わたしは、わたし(と佳代ちゃん)の動画でひとりでするおにーちゃんを想像してニヤニヤが止まらなかったのでありました。
          
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