怠惰の大罪を背負ったけど何の因果か同時に娯楽神の加護を授かったおかげで働いたら負けの無敵状態になってゲーム三昧
夢を追うもの笑うもの18
短い間に状況が二転三転してしまったが、ベルが新たに得たスキルの可能性を試す為に再びコアルームへと戻る。
多少面倒ではあるが、今日ぐらいはベルの我儘に全力で応えてやろう。
ただただ来た道を戻るというのは中々に辛い。
「ミーちゃん!大きくなって!」
純がミズチナナを大きく変化させる。
「ミーちゃんに乗って行こう!強化されたミーちゃんの実力を見せてあげるね!」
純は水龍召喚を取得してから得たSPを全て水龍の強化に当てており、今では召喚当初の頃とは比べ物にならない程の強さと性能の幅を広げる事に成功していた。
「体長調整って便利だな……ていうか4人も乗って大丈夫なのか?」
水龍は純の肩に乗りやすいぬいぐるみサイズから大人が優に5人は乗れる程のサイズへと変化した、確かにこのサイズならば俺達全員が乗る事は可能だろうが動けるかどうかは別の話だ。
「たぶん大丈夫!ミーちゃんは力持ちだから!」
そこはかとない心配を胸に押し留め、言われるがままに水龍へ乗った。
「無理そうなら歩いて行くからな……頑張れよミーちゃん」
「罪悪感は拭い切れんが……頼むぞミズチ」
「おぉ!意外と悪くないです!」
「よーし!じゃあ出発!」
水龍に全員が乗り込んだのを確認してから召喚主である純が水龍へと命令を下すと、水龍が宙へと浮いた。
「全速前進だよ!しっかり捕まっててね!」
宙へと浮いた状態で水龍が前へと進む。
徐々に速度を上げていき、最終的にはジェットコースターさながらの速度で新湯布院ダンジョンを駆け抜けていった。
「ちょっ!まっ!はやっ!」
☆ ☆ ☆
「もう二度と水龍には乗りたくない……」
「えぇー!便利だし楽だし歩くよりも速いからこれからも移動手段の一つとして活躍してくれる予定なんだけど!」
「私ももう乗りたくないな……流石に」
「楽しかったですね純にゃん!また乗りたいです!」
水龍に乗った感想は三者三様だが、俺としてはもう乗りたくない。
あの速度で動けるのは素直に称賛に価するが捕まる部分がほぼ無く、ジェットコースターとは違い安全バーもシートベルトも無いのでは振り落とされやしないかと気が気ではない。
安全を度外視した恐怖のアトラクションを楽しいとは流石に言えない。
「次に乗る時は安全に配慮した速度か、振り落とされないような対策をしてからじゃないと俺は乗らないからな……」
「同意だ……」
俺と千尋は同意見のようだ。
「このままでも大丈夫だよ!私達のレベルアップしたステータスなら落ちても平気だし、しっかり捕まってれば落ちないから!現に今回は誰も落ちてないし!」
「そうですよマスター!折角こんなにも楽しいんですから、速度を落とすなんて駄目です!速いから楽しいんです!」
確かに利便性と速さは魅力的ではあるが、安全性に著しい欠陥があるので今後は水龍用の装具か何かを作るのが良さそうではある。
「とにかく何でも良いから、ちゃんと捕まれる場所を作った方が良いな……このまま運用したら絶対に怪我人が出る」
「じゃあ!ミーちゃん専用の防具を作ってもらおう!」
「是非ともそうしてくれ……」
「では!エルフルズか助手ちゃんに頼んでみましょう!」
怠惰ダンジョンでは物作りと言えばエルフルズであったが、今はドワーフの助手ちゃんも居るので製作物の幅は更に広がっている。
「助手ちゃんか……そういえば博士も助手ちゃんも全然会って無いな。ちらっと研究施設とか見に行っても見つかると直ぐに隠れられるから、行きづらいんだよな……」
「そうなのか?私が助手ちゃんに新しい刀を作って貰いに行った時は言葉数は少ないが普通に接してくれたぞ!」
「私の時も千尋ちゃんと同じ感じだった!」
「助手ちゃんは男性が少し苦手みたいですから、マスターに会うのはまだ少し厳しいかもです」
「そっか……まぁ、ゆっくり仲良くなれば良いかな!」
雑談を交わしながらも俺達はコアルームへと戻ってきた。
「そういえば本体の私が軽くスキルの解析をした結果、ダンジョンコアへのスキルの使用については問題無さそうです!後は実際にスキルを使ってから確かめましょう!とりあえず株分けをして……良し!準備完了です!」
ベルが裏で迷宮の信徒 (迷宮の信徒に任命出来る)について解析をしていたようで、スキルの使用については問題は無いそうなので安心して事の成り行きを見守る事が出来そうだ。
それとベルが株分けを行った事で、ダンジョンコアに何か変化でもあるのかと思っていたが特に何の変化も見られない。
「じゃあ、やってくれベル」
「はいマスター!……メイズメイズ!」
コアに触れながらベルがスキルを発動した。
アニメやゲームのように何かエフェクトがある訳でも無く、本当にスキルを使ったのかも分からない。
けれどスキルは確かに発動したようだった。
『……あなたは誰?私は誰?』
少年か少女のような高い声で確かにコアは喋りかけてきたのだから。
「私はベル!そして貴方はルゼ!私の妹!」
『あなたはベル……私はルゼ……』
ベルが迷宮の信徒により新たな意思を持ったダンジョンコアを生み出した。
名前はルゼというらしい。
「よろしく、ルゼ。俺は児玉拓美!」
『あなたは児玉拓美……私はルゼ……』
「私は佐々木千尋だ、ルゼ!」
『あなたは佐々木千尋……私はルゼ……』
「末永純と申します。これからよろしくね!ルゼ!」
『あなたは……末永純……私はルゼ……』
心なしかベルの時よりも意思が弱々しく感じる。
これもルゼの個性なのか、それともベルの時とは何か違うのか。
「マスター!凄いです!ビッグニュースです!」
微笑みながら妹の自己紹介を見守っていたベルが突然騒ぎだした。
「どうした?」
「新たにダンジョン間転移門の設置が可能になりました!」
「ダンジョン間転移門……それはここと怠惰ダンジョンを行き来出来る転移門を設置出来るって事か?」
「はい!マスター!これで、いつでもルゼに会いに来れますね!」
多少面倒ではあるが、今日ぐらいはベルの我儘に全力で応えてやろう。
ただただ来た道を戻るというのは中々に辛い。
「ミーちゃん!大きくなって!」
純がミズチナナを大きく変化させる。
「ミーちゃんに乗って行こう!強化されたミーちゃんの実力を見せてあげるね!」
純は水龍召喚を取得してから得たSPを全て水龍の強化に当てており、今では召喚当初の頃とは比べ物にならない程の強さと性能の幅を広げる事に成功していた。
「体長調整って便利だな……ていうか4人も乗って大丈夫なのか?」
水龍は純の肩に乗りやすいぬいぐるみサイズから大人が優に5人は乗れる程のサイズへと変化した、確かにこのサイズならば俺達全員が乗る事は可能だろうが動けるかどうかは別の話だ。
「たぶん大丈夫!ミーちゃんは力持ちだから!」
そこはかとない心配を胸に押し留め、言われるがままに水龍へ乗った。
「無理そうなら歩いて行くからな……頑張れよミーちゃん」
「罪悪感は拭い切れんが……頼むぞミズチ」
「おぉ!意外と悪くないです!」
「よーし!じゃあ出発!」
水龍に全員が乗り込んだのを確認してから召喚主である純が水龍へと命令を下すと、水龍が宙へと浮いた。
「全速前進だよ!しっかり捕まっててね!」
宙へと浮いた状態で水龍が前へと進む。
徐々に速度を上げていき、最終的にはジェットコースターさながらの速度で新湯布院ダンジョンを駆け抜けていった。
「ちょっ!まっ!はやっ!」
☆ ☆ ☆
「もう二度と水龍には乗りたくない……」
「えぇー!便利だし楽だし歩くよりも速いからこれからも移動手段の一つとして活躍してくれる予定なんだけど!」
「私ももう乗りたくないな……流石に」
「楽しかったですね純にゃん!また乗りたいです!」
水龍に乗った感想は三者三様だが、俺としてはもう乗りたくない。
あの速度で動けるのは素直に称賛に価するが捕まる部分がほぼ無く、ジェットコースターとは違い安全バーもシートベルトも無いのでは振り落とされやしないかと気が気ではない。
安全を度外視した恐怖のアトラクションを楽しいとは流石に言えない。
「次に乗る時は安全に配慮した速度か、振り落とされないような対策をしてからじゃないと俺は乗らないからな……」
「同意だ……」
俺と千尋は同意見のようだ。
「このままでも大丈夫だよ!私達のレベルアップしたステータスなら落ちても平気だし、しっかり捕まってれば落ちないから!現に今回は誰も落ちてないし!」
「そうですよマスター!折角こんなにも楽しいんですから、速度を落とすなんて駄目です!速いから楽しいんです!」
確かに利便性と速さは魅力的ではあるが、安全性に著しい欠陥があるので今後は水龍用の装具か何かを作るのが良さそうではある。
「とにかく何でも良いから、ちゃんと捕まれる場所を作った方が良いな……このまま運用したら絶対に怪我人が出る」
「じゃあ!ミーちゃん専用の防具を作ってもらおう!」
「是非ともそうしてくれ……」
「では!エルフルズか助手ちゃんに頼んでみましょう!」
怠惰ダンジョンでは物作りと言えばエルフルズであったが、今はドワーフの助手ちゃんも居るので製作物の幅は更に広がっている。
「助手ちゃんか……そういえば博士も助手ちゃんも全然会って無いな。ちらっと研究施設とか見に行っても見つかると直ぐに隠れられるから、行きづらいんだよな……」
「そうなのか?私が助手ちゃんに新しい刀を作って貰いに行った時は言葉数は少ないが普通に接してくれたぞ!」
「私の時も千尋ちゃんと同じ感じだった!」
「助手ちゃんは男性が少し苦手みたいですから、マスターに会うのはまだ少し厳しいかもです」
「そっか……まぁ、ゆっくり仲良くなれば良いかな!」
雑談を交わしながらも俺達はコアルームへと戻ってきた。
「そういえば本体の私が軽くスキルの解析をした結果、ダンジョンコアへのスキルの使用については問題無さそうです!後は実際にスキルを使ってから確かめましょう!とりあえず株分けをして……良し!準備完了です!」
ベルが裏で迷宮の信徒 (迷宮の信徒に任命出来る)について解析をしていたようで、スキルの使用については問題は無いそうなので安心して事の成り行きを見守る事が出来そうだ。
それとベルが株分けを行った事で、ダンジョンコアに何か変化でもあるのかと思っていたが特に何の変化も見られない。
「じゃあ、やってくれベル」
「はいマスター!……メイズメイズ!」
コアに触れながらベルがスキルを発動した。
アニメやゲームのように何かエフェクトがある訳でも無く、本当にスキルを使ったのかも分からない。
けれどスキルは確かに発動したようだった。
『……あなたは誰?私は誰?』
少年か少女のような高い声で確かにコアは喋りかけてきたのだから。
「私はベル!そして貴方はルゼ!私の妹!」
『あなたはベル……私はルゼ……』
ベルが迷宮の信徒により新たな意思を持ったダンジョンコアを生み出した。
名前はルゼというらしい。
「よろしく、ルゼ。俺は児玉拓美!」
『あなたは児玉拓美……私はルゼ……』
「私は佐々木千尋だ、ルゼ!」
『あなたは佐々木千尋……私はルゼ……』
「末永純と申します。これからよろしくね!ルゼ!」
『あなたは……末永純……私はルゼ……』
心なしかベルの時よりも意思が弱々しく感じる。
これもルゼの個性なのか、それともベルの時とは何か違うのか。
「マスター!凄いです!ビッグニュースです!」
微笑みながら妹の自己紹介を見守っていたベルが突然騒ぎだした。
「どうした?」
「新たにダンジョン間転移門の設置が可能になりました!」
「ダンジョン間転移門……それはここと怠惰ダンジョンを行き来出来る転移門を設置出来るって事か?」
「はい!マスター!これで、いつでもルゼに会いに来れますね!」
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