元天才選手の俺が同級生の女子野球部のコーチに!
自己紹介参!
特待生Bランクの一番最初は…。
「みなさんはじめまして、私は柳生亜衣です。先に行っておきますが、前に自己紹介した七瀬さんがキャッチャー志望ということですが私はキャッチャーというポジションを譲る気はありません。3年間よろしくお願いします。」
自己紹介というか宣戦布告にしか聞こえなかったが、彼女はそれほどキャッチャーに拘っているのだろう。
彼女の気合いの入った自己紹介に色んな反応を示していた。
それくらい宣言して当たり前という顔をする人。
そんなこといって大丈夫なのと心配そうな顔をする人。
絶対に負けないという強い意志を七瀬さんからも感じる。
柳生亜衣。
特待生B+ランク。
推定身長163cm。
推定体重55kg
右投左打
ポジションはもちろんキャッチャー。
本人はやる気ないと明言していたがファーストも出来るらしい。
キャッチャーとしての能力はかなり高いものを持っている。
肩自体はそこまで強くないが、ボールを捕球してから投げるまでのスピードが全国大会のキャッチャーのレベルとあまり遜色がない。
彼女の最大の強みはキャッチング技術だ。
特に捕球技術がしっかりとしており、変化球だろうがワンバウンドしたストレートだろうが後ろに逸らすことがない。
身体でボールを止める技術もあり、投げる投手からしたらまさに鉄壁といえるだろう。
弱点といえば、足があんまり速くないことと、打撃もそこそこという感じ。
キャッチャー面の弱点でいうなら中学生のときのリードだがチームで決めたのか本人が決めていたのか定かではないが、あまりに普通すぎた。
セオリー通りのリードをする傾向にあり、変わった配球をする姿を確認できなかった。
キャッチャー読みされてピッチャーの球を読まれる可能性もある。そういう時にリードというものは急に変えられない為、弱点となり得る可能性もある。
なぜB+という特待評価なのかというと、姉の結衣さん、多賀谷さんを他のところに取られた時に監督にAランク1つ増やせないかと相談したが無理と言われたので、ちょっとでも条件良くして引き抜かれないようにして欲しいと頼み込んだ。
もし、七瀬さんが入学してくれなければ彼女をA特待として繰り上げるつもりだった。
B特待2人目たまたまの出会いで見つけたあの子。
「こんにちはー!中田美咲です!!ポジションは一応ピッチャーだけど、やれと言われればどんなポジションでもやりますっ!高校では頑張ってレギュラーを取ってたくさん勝ちたいと思います。3年間みんなで一緒に頑張りましょう!」
彼女らしい明るい自己紹介でさっきの宣戦布告みたいなものじゃなくて内心ほっとしていた。
明るそうな雰囲気を感じ取ってみんな大きめの拍手で迎えられた感じがした。
彼女は一番最初に見に行った弱小チームのエースで、公園で出会った少女。
とても明るく、ツッコミも入れられるしボケも入れてくる。
ムードメーカーでとても努力家なのは俺は知っている。
中田美咲。
特待生Bランク。
半年前公称
身長161cm
体重57kg
右投右打
ポジションは投手。
確認しただけでもセカンド、ショートは本職レベルで上手い。
投手としての能力は中の中の上という感じで、良くも悪くも普通過ぎる。
投手として褒める点はどちらかと言うと野球の腕というよりも、精神的にものにある。
弱いチームに居たからかピンチを背負うことが多く、どんだけ打たれてもピンチでも動揺で崩れることがなかった。
次に何試合かたまたま見て思ったのが、日によって調子がいい悪いがどうしてもあるが美咲はいつ見ても同じ様な投球を披露していた気がする。
今は問題ないだろうが、美咲は追い込まれたりするのは慣れていて得意かもしれないが、逆に周りが美咲に期待する大切な場面や甲子園をかけたワンプレーの時のプレッシャーに勝てるかは分からない。
弱いチームの選手は急に強いチームに行って大きな舞台に出ると力が発揮できないこともある。
彼女のプレーをこれまで沢山見てきたので他の人よりはよく分かる。
足りていないことももちろんあるが、それを補おうとする努力は立派な物だ。
美咲はムードメーカーで努力家なので、優先的に厳しい練習を課そう思う。
それに耐えられるだけの精神力と体力は間違いなくあると思うのでちょっと可哀想な気もするが少し犠牲になってもらおうと思っていた。
俺が嫌なことを考えているとそれを何となく察したのか俺の事を目を細めて見つめてきた。
3人目のB特待の子は負けず嫌いそうなあの子。
「王寺凛です。よろしくお願いします。ポジションは外野手でどこでも守れるっちゃけど、出来ればセンターをやりたいと思ってます。モナ・リザを書いていたふざけた子には絶対負けたくないけん、凛が分からんことがあったら積極的に聞きに行くけん、その時は色々と教えてください。3年間よろしくお願いします!」
「お!新入生!やる気満々だねぇー。」
この子も負けたくない人を名指していた。
その名指しされた本人は自分も新入生のくせに逆に煽るという始末。
その言葉を聞いて王寺さんはかのちゃんのことを睨みつけていたが、睨まれた本人が一切気にしてない様子なので周りも気にせずに笑っていた。
王寺さんも少しむくれていたが、こうなることを分かっていたのか少しだけ笑みがこぼれていた。
王寺凛。
特待生Bランク
推定身長157cm。
推定体重48kg
右投左打
ポジションは外野手。
センターを希望しているがまだセンターを守らせるには少し早いかもしれない。
三拍子揃った選手。
体の小ささと体の線が細さからくるパワー不足は軟式の時から感じていたが、硬式を打っている姿も見たがパワー不足を更に感じられた。
無駄な肉が着いていないためか、足も結構早くプレーに軽さを感じられる。
個人的にだが、内野手にコンバートしてもかなりいいと思う。
足の速さは結構というレベルだが、瞬発力だとかなりというレベルである。
内野手として打球に反応できるなら瞬発力を生かした守備を見せたられるかもしれない。
捕ってから投げるのも外野手にしてはかなり早いので本当の適性は内野手なんじゃないかと思っている。
軟式出身なのでとにかく硬式のプレーになれてもらうのが先だ。
彼女は少しだけ硬式になれるのが遅いかもしれない。
次がギャップまみれの4人目のB特待性だ。
「皆様、おはようございます。あたしの名前は円城寺緒花です。ポジションはセカンドを任されておりました。中学校では軟式野球部に所属しており、まだ硬式には慣れておりませんのでご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。」
金髪でいかにも派手そうな見た目から奥ゆかしい感じの話し方のギャップにみんな驚いている。
後々話を聞いたがハーフらしく髪の毛は遺伝だという。
所々黒い髪の毛が生えて来てしまって逆にメッシュみたいで目立つから金髪に染めているという。
顔はよく見ればハーフと分かるがあんまりそれを感じさせる感じではない。
円城寺緒花。
特待生Bランク
推定身長167cm
推定体重63kg
右投右打
ポジションはセカンドだが絶望的に合っていないと思ってるので、彼女にはサードか外野にコンバートしてもらうと早めに伝えてある。
彼女の最大の特徴はなんと言ってもその肉体にあるだろう。
身体が弱かった事がコンプレックスになっていて、野球を初めてから身体を鍛えることで体調も良くなっていってからというものの筋トレにハマりかなり筋肉質になっているみたいだ。
あまり鍛えすぎない方がいい筋肉とかも伝えおいたので、この冬で無駄な筋肉がモリモリになっていないことを祈るだけだ。
打撃だけでいえば硬式を打つのはメキメキと成長していた。
元々硬式をやっていたと言われても違和感ないくらいまでにはなっており、長打力も素晴らしいものを持っている。
だが、硬式の変化球の多彩さにかなり苦労してるようだ。
軟式でも変化球はあったんだろうが、硬式球となるとかなりいろんな球を投げてくることが多い。
打撃練習でもガンガン空振りして、たまに当たるとかなり飛んではいるが試合だと変化球投げられて終わりだろう。
足は桔梗世代最遅だとおもう。
多分速くならないので、この弱点を克服するのは厳しいので足の速さがいらないサードか、強肩をを生かせる外野しかないがやっぱりサードが上手くなってくれたらとてもありがたい。
1番最後は名前が特徴的な彼女だ。
「あ、あの、ボクは…。つ、月成、姫凛灑澄です!」
名前が独特すぎてみんな何を言ってるのか理解出来ないような顔をしていたが、円城寺さんと王寺さんは彼女を応援していた。
「キラキラネームっていうやつです!だから、名前にはあんまり触れないでくれると助かりますです!ポジションはピッチャーとキャッチャー以外ならある程度出来ます! 3年間みんなで頑張りましょう!恥ずかしいので終わります!」
そういうとパチパチと拍手されている途中で逃げるように席に着いてしまった。
最後の方はとても早口だったが、名前にコンプレックスがあるというのはかなり大変なんだろう。
月成姫凛灑澄。
特待生Bランク
推定身長159cm
推定体重54kg
右投左打。
ポジションはセカンド。
確認しただけでもショート、サード、センターはどれも同じくらいに守れている。
彼女の特徴も弱点も優れている部分もすべて一言で集約される。
平均的。
野球をやっている女の子たちを上から下まで全ての平均したら彼女みたいなプレイヤーになるのではないだろうか?
なんでも出来るけど、それ以上を望むのは難しい。
硬式の練習を見ていたが、硬式になれるのは1番早かった。
元々センスがあるのかもしれないが、3年の大半を半ば俺のせいで棒に振ってしまったのはかなり大きかったかもしれない。
彼女にはなにか特別な能力がある。
それが何かは分からないが、間違いなく彼女は人には持っていない何かを持っていると確信していた。
それが使える時が来るかは分からないが、人に持ってない何かを隠し持っているというのは勝負においてとても重要である。
高校に入って彼女を指導すれば分かるようになるのだろうか?
それか最後までなにか分からないままかもしれない。
あんまりそれに期待しすぎるのも可哀想だが、きっと何かをやってくれるのを期待してしまう。
これでB特待全員の自己紹介が終わり、残りはC特待の2人だけとなった。
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