究極の魔女はダンジョン系セラピスト
最強の勇者エヴェル
入浴が終わりタオルで身体を使い拭いていると。
見知らぬ男の子がバスルームに来てカミュに服を差し出した。
「はい、これが着替えだよ。ボクのサイズだから窮屈かも知れないけど我慢して」
「...えっと、ありがとう」
渡された服を着ていると、その男の子がバスタブの栓を抜きお湯を排出させ、
バスタブの掃除を始め出した。
カミュは「ハッ!」として気付く、男の子が右手首にはめている赤い腕輪が、黒猫のレコがしていた首輪と同じだったからである。
「もしかして君は黒猫のレコ?」
掃除をしていた男の子が手を止めずに言う。
「もしかしなくても僕はレコだよ」
レコは魔法の使える特殊な猫で、人間の姿になることが出来るのである。
「それより君、着替え終わったんだったらマリムのところに行った方が良いよ」
「は、はい!」
カミュはバスルームを出ると、相談に訪れたことのあるマリムの仕事場に向かった。
「失礼します」
「コンコン」とノックをしてそう言って待つ。
「...入っていいわよ」
部屋の中から声がして部屋に入ると、マリムが部屋の角にある机の上で紙に何かを書いている最中だった。
「そこに座って待ってて、もうすぐ仕事も片付くから」
カミュは椅子に座り待っている間に部屋を見渡す。
一通り見渡していると、本棚の上に賞状のような物が額に入れて置いてあった。
目を凝らしてみると一番上に「エルジオ・ダンジョン100階層到達メンバー」の文字が見える。
「マリムさん、そこの本棚の上に置いてある額を見てもいいでしょうか?」
「どうぞ~、好きに見ていいわよ」
カミュは本棚に近寄り額を手に取って書かれている内容を見てみた。
一番下にはギルド・エスカイアの文字があり、ギルドから発行された賞状らしいことが分かる。
箇条書き形式で一行に一人書かれた5人の名は一番上から
エヴェル・フォスター
セイニー・ローニア
マリム・アーティル
ダイタル・ランダー
ロク・ジェン
遠い町で生まれた13歳のカミュでさえ、ここに書かれている者の名は知っていた。
その中でもカミュの目線を留まらせたのは、一番上に書かれているエヴェル・フォスターの名である。
彼こそがカミュの憧れる世界最強の勇者だった。
「よし!本日の仕事は終わり!少年一緒に夕食を作ろう」
「料理、ですか?料理だったらお風呂のお礼に僕が一人で作ります!マリムさんはゆっくりしていて下さい」
「...君は本当に料理ができるの?」
「一人暮らしが長かったのでずっと自分で作ってました。だから任せてください!」
13歳にして「一人暮らしが長い」という言葉が、ここまでの人生を物語っているようでもあった。
見知らぬ男の子がバスルームに来てカミュに服を差し出した。
「はい、これが着替えだよ。ボクのサイズだから窮屈かも知れないけど我慢して」
「...えっと、ありがとう」
渡された服を着ていると、その男の子がバスタブの栓を抜きお湯を排出させ、
バスタブの掃除を始め出した。
カミュは「ハッ!」として気付く、男の子が右手首にはめている赤い腕輪が、黒猫のレコがしていた首輪と同じだったからである。
「もしかして君は黒猫のレコ?」
掃除をしていた男の子が手を止めずに言う。
「もしかしなくても僕はレコだよ」
レコは魔法の使える特殊な猫で、人間の姿になることが出来るのである。
「それより君、着替え終わったんだったらマリムのところに行った方が良いよ」
「は、はい!」
カミュはバスルームを出ると、相談に訪れたことのあるマリムの仕事場に向かった。
「失礼します」
「コンコン」とノックをしてそう言って待つ。
「...入っていいわよ」
部屋の中から声がして部屋に入ると、マリムが部屋の角にある机の上で紙に何かを書いている最中だった。
「そこに座って待ってて、もうすぐ仕事も片付くから」
カミュは椅子に座り待っている間に部屋を見渡す。
一通り見渡していると、本棚の上に賞状のような物が額に入れて置いてあった。
目を凝らしてみると一番上に「エルジオ・ダンジョン100階層到達メンバー」の文字が見える。
「マリムさん、そこの本棚の上に置いてある額を見てもいいでしょうか?」
「どうぞ~、好きに見ていいわよ」
カミュは本棚に近寄り額を手に取って書かれている内容を見てみた。
一番下にはギルド・エスカイアの文字があり、ギルドから発行された賞状らしいことが分かる。
箇条書き形式で一行に一人書かれた5人の名は一番上から
エヴェル・フォスター
セイニー・ローニア
マリム・アーティル
ダイタル・ランダー
ロク・ジェン
遠い町で生まれた13歳のカミュでさえ、ここに書かれている者の名は知っていた。
その中でもカミュの目線を留まらせたのは、一番上に書かれているエヴェル・フォスターの名である。
彼こそがカミュの憧れる世界最強の勇者だった。
「よし!本日の仕事は終わり!少年一緒に夕食を作ろう」
「料理、ですか?料理だったらお風呂のお礼に僕が一人で作ります!マリムさんはゆっくりしていて下さい」
「...君は本当に料理ができるの?」
「一人暮らしが長かったのでずっと自分で作ってました。だから任せてください!」
13歳にして「一人暮らしが長い」という言葉が、ここまでの人生を物語っているようでもあった。
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