異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

桃色の天使と漆黒の翼



「カザネ、悪いけど手伝ってくれるか?」

 え……? 愛しい王さまからまさかのお誘い。これはデートですね、そうですね。

『かしこまりました。すぐに着替えてまいります』

 こんな時のためにミヅハさまに可愛いワンピースを作っていただいたのですから~。


「へ? あ、いや……わかった」

 王さまをお待たせするのは心苦しいので、神速で着替えをすませる。うん、バッチリです。
 

『むふふ~、どうですか? 可愛いですか?』

「ああ、可愛いな……」

 ふふっ、ただでさえ可愛い私が可愛い格好したら大変です。王さまも照れてますね~。可愛い~。


『どこに行きますか? あ、美味しいブタウシのお店が出来たんですよ、あと、ヨツバさまのノベルカフェも気になってるんですけど……』


「あの……カザネさん? お仕事なんだけど……」

『……え? デート……じゃ……なかったん……です……ね』

 私は馬鹿だ。たしかに一言もデートだなんて言ってなかった。

「何言っているんだ、仕事が終わったらデートだ」
 
『王さま……愛してます』

 ふふふ、そうとわかれば、さっさと仕事を終わらせて……むふふ♡


******


『それで、何のお仕事ですか~?』

「ああ、ミザリーさんのお母さんが見つかったんだ。足が不自由みたいだから、なんとかしてあげようと思ってさ」

『ミザリーさま……ああ、チェンジスキルのイソネさまのお仲間でしたっけ?』

 生き別れになった両親を探して差し上げるなんて、なんとお優しい王さまかしら。

 他のハーピー隊が世界各地を探しまわっていると聞いていたけれど、見つかったのですね。私も参加したかったのに選ばれずに悔しい想いをしたのですが。


「ああ、その通りだ。じゃあ行こうか」

 はううっ!? 優しく抱きしめてくださると身も心もとろけそうですぅ~。本当は一緒に飛んで行きたいところですが、ここは仕事を終わらせるのが先決。我慢しなくちゃ。


――――転移!!


『王さま~、お待ちしておりました~!!』

 現場に到着すると、黒目黒髪のハーピーが王さまに抱きついてくる。

 むっ、私もいるんですけどっ!! 無視ですか? 無視ですね?

「ヨカゼ、待たせたな」

『何をおっしゃいますか、このヨカゼ、待たされるのはご褒美ですっ!!』

 くっ、黒目黒髪がお揃いなんて……ヨカゼが羨ましい。このリア充め。


「でも、良かったのか? ロザリーさんを発見したのはお前なのに」   
    
『ええ、真黒な悪魔のような私よりも、カザネのような可愛らしいハーピーの方がきっと天使役に向いてますから……』


 ヨカゼ……ごめんね、リア充なんて言って。貴女の黒目黒髪、とっても綺麗なんだから。


『じゃあ、カザネ、後はよろしくね』

『むふん、このリアル天使カザネさんに任せなさい!!』


 本当は自分がやりたかったはずの役目を私に譲ってくれた可哀想なヨカゼ。良い子なんだけど、ちょっと自虐的なのよね……。


 お仕事は簡単だけど、責任は重大。
 
 あくまでも、神さまからのお告げだと信じて貰わなければならない。まあ、私は普段が天使だから、そのままいつも通りにするだけなんだけどね。


 王さまの『夢の回廊』によって、ロザリーさまの夢の世界へと入って行く。

 自然な流れで足を治したら、最後はお告げで締めくくる。


「ロザリー、あと少しですよ。もうすぐ貴女の一番大切な人に逢えるでしょう。どうか忘れないで」


 よし、完璧。完全に私を天使だと信じたみたい。

 後はロザリーさまの記憶を探って、ミザリーさまの父親の手掛かりを手に入れないと……。

 

『王さまぁ~、カザネ、ただいま帰還しましたぁ~!!』

 ちょっと時間がかかってしまったけど、重要な情報一杯手に入ったわ。王さまもきっと喜んで……。


『うふふ……王さまぁ、もっとぎゅってしてください』
「ははは、ヨカゼは甘えん坊だな」


『…………』

 しまった……ヨカゼの奴、これが狙いだったのか……!? くっ、私が働いている間にイチャイチャタイムとは……羨ましいっ!!


「おっ! おかえりカザネ。ご苦労だったな」

 はあああああ♡……でも、構わない。私はこのあと王さまとデートなんだからねっ!! ヨカゼはしょせんメインディッシュの前の前菜なのよ。ふふふ。

『さあ行きましょうか王さま、に!!』

「あ、ああ、そうだな、じゃあ行こうか」


『……私も行きます』

 はああああっ!? 何言ってんですかっ!? 調子に乗るなよからす!!

「よし、じゃあヨカゼも一緒に行くか。楽しみだなカザネ」

『はい、楽しみですぅ~』


 ああ……二人っきりにはなれなくても、その笑顔があれば私は幸せ。愛してますよ~♡


 その後、百人ほどのハーピーが合流して、血涙を流すカザネであった。


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【名 前】 カザネ(女)
【種 族】 ハーピィ
【年 齢】 16
【その他】  

 カケルの召喚契約したハーピィの中でも、一番のお気に入り。桃色の髪と瞳をもつ。忠誠心が強く、命がけで命令をこなそうとする。現在バドルの冒険者ギルドで、連絡役を務めている。Aカップ。


【名 前】 ヨカゼ(女)
【種 族】 ハーピィ
【年 齢】 16
【その他】  

 カケルの召喚契約したハーピィの中でも、お気に入り。黒目黒髪。忠誠心は強いが、少し自虐的な部分もある。カケルノを始めとする、カケルの領地の監視・連絡役をしている。Aカップ。

 

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