異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
粗挽きハンバーグ
『英雄……ぎゅってして』
『英雄……ぎゅってして』
とびっきりの無表情で甘える双子姉妹。
これまでこんな風に甘えることなんてなかっただろうから、たっぷり甘えさせてあげよう。
しかし、本当に可愛いな。ミコトさんやイリゼ様との間に娘が生まれたらこんな感じだろうか? いや待て、そもそも神様って子供産めるのか?
(産めるよ!)
うぉっ!? びっくりした!? そうなのか……ちなみにリエルは?
(ふえっ!? も、ももちろん産めるよ、ぼ、僕は6人欲しいんだけど……駄目かな?)
もちろん構わないぞ。体取り戻したら、たくさん作ろうな。
(ま、真顔でそんなこと言われると照れるじゃないか……もう!)
『英雄が天使とエッチな話をしてる……』
『英雄が天使と卑猥な話をしてる……』
うわっ!? 聞こえてたのか……さすが妖精巫女。
『英雄……ルクスは1000人欲しい』
『英雄……ラクスは1000人で良い』
違うかと思ったら、一緒じゃねえか!? っていうか多いよ!! 俺、妖性王じゃないんだぞ?
『そう? 毎年1人……1000年で1000人……問題ない』
『ふっ、ラクス姉さま、人族はそんなに長生きできない。毎年2人……500年で1000人……楽々』
いや、ルクス、500年でもちょっと長いかな~? っていうか1000人は絶対なのか?
『うん、私たちの使命。妖精をたくさん産んで増やすこと』
『だから、たくさんエッチする。英雄良かったな』
なるほど、ありがとうございます。それこそ英雄たる我の使命と見つけたり。ちょっと長生きしてみるか……
『善は急げ……英雄……早く!』
『でも……私たちまな板……駄目?』
駄目なわけないだろう。最近まな板率が高くてハッピーだ。でも、門番は良いのか?
『大丈夫、チョロイナー兄弟にやらせる。私たちは門番引退するから』
『もうすでに配置につかせた。女神さまの神託、英雄をずっと待ってた』
チョロイナー兄弟……哀れな。そうか……門番をしていたのは神託だったのか。納得。ならば、遠慮はいらないな。二人を連れて異空間へ移動する。
『ここは……異空間? 英雄、面白い魔法使う』
『ここは……エッチ部屋? 英雄、いやらしい』
ルクスさん……言い方。だが、まったく間違っていないので訂正しようがないのが罠だ。
『英雄、ところでどうやって子を作る?』
『英雄、私も知りたい!』
くっ……そんな純真な瞳で見つめないでくれ……まさか、一から教えなければならないのか? いや、それはそれで中々……ぶつぶつ。
『ふふっ、まったく、世話が焼けるわねカケルくん?』
「うわっ!? イリゼ様? 来るの早くないですか? 絶対来るとは思ってましたけど」
『何よ? 来ちゃマズかった? 最近来てくれないから……』
むくれる女神さま。昨日会いましたよね?
『私、24時間カケルくんを見てるんだから、我慢出来なくなるのよ?』
「うわあ、嬉しいです、めちゃくちゃ嬉しいです!!」
全てを見られているという羞恥心と安心感がせめぎ合うけれど、嬉しいことには違いがない。
『ふふん、ならばよろしい。二人には子作りのやり方、神託しておくから安心して』
薄い胸を張る創造神さま。まな板なお姿も神々しいですよ!
「すげえ、そんな神託ありなんですね……」
『大サービスよ? 普通はこんなこと絶対にしないんだから、カケルくんだけなんだからね?』
ヤバい……今日のイリゼ様、めっちゃ可愛い。
『んふふ~、今日は双子だから……2倍愛しちゃうぞ?』
「うおおおお! イリゼ様ああああ! って、あれ……?」
抱き着こうとした鼻先を人差し指で押されて動けない。
『うふふっ、でも残念、また後でね? 今はあの子たちをしっかり可愛がってあげなさい』
嘘だろ……まさかのお預け。まあ、でもその通りだ。今はラクスとルクスとの時間を大切にしないとな。
***
『英雄……死ぬほど気持ち良かった。毎日しよう』
『英雄……毎日しないと死ぬ。責任とって』
良かった。気に入ってくれたみたいだな。いや、ちょっとやりすぎたかもしれない。
『んふふ、カケルくん、お疲れさま、まだ頑張れそう?』
「むふふ、もちのろんです。焦らされた分、止まりませんよ?」
『きゃあ……頼もしいわ。いいよ……来て! カケルくん!』
この後、イリゼ様とめちゃくちゃ修業した。たぶん、レベルが500くらい上がったんじゃないかと思うんだ。
***
『主、飛べないんだが!?』
どうやら結界の内部では飛べないらしい。激しく落ち込むクロドラの頭を撫でる。
「気にするな。それに今の姿の方が、イチャイチャ出来るから嬉しいぞ」
『ふぇっ!? 我とイチャイチャ? あわわわ……』
とはいえ、クロドラで飛んでゆくつもりだったから困ったな。全員異空間に入れて、俺が走って行けばすぐ着くけど、せっかくのケルトニアだしなあ。
「先輩、馬車なら、大量にアイテムボックスに入ってるよ?」
「ああ、でも馬がいないんだよな……」
『英雄しゃま、その辺の馬妖精を捕まえれば良いでしゅ!!』
現地調達か……だが、そんなことして良いんだろうか?
『ふふっ、良いんでしゅ! アイツらクズでしゅから!』
そういえば、リッタは荷物ごと逃げられたんだったな……
『英雄、王都まで行くなら乗って』
『英雄、妖精の馬車快適だから』
ルクスとラクスが、妖精の馬車を用意してくれるらしい。
『チッ、運の良いヤツラでしゅ!!』
「ねぇリッタ、向こうの方から貴女の匂いがするんですけど……もしかして?」
クロエの言葉に動きが止まるリッタ。
『野郎……戻ってやがったか……ベルトナー……行くでしゅ!』
「お、おう、分かった」
『ふふっ、今日のお昼ごはんは、馬妖精の挽き肉ハンバーグでしゅ……』
いかん、ちょっと美味しそうとか思ってしまった!
物凄い剣幕で馬妖精を狩りに行くリッタとベルトナー。
「ルクス、ラクス、馬妖精って美味しいのか?」
『うん……とても美味』
『英雄、ハンバーグって何?』
なるほど美味いのか。
さっそくお昼のメニューを考え始めるカケルであった。
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