異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
妖精門の金と銀
妖精門は、フェアリーの町からほど近い森の入口にある。
『門番がチョロイナー兄弟だったら、楽なんでしゅけど……あの二人、私にべた惚れでしゅから』
うん……とっても楽にいけそうな兄弟だね。俺の幸運値100が炸裂することを期待しよう。
「駄目だ! そんな危険な奴らとリッタを会わせる訳にはいかない! 頼むよカケルくん!!」
『ふふっ、ベルトナーったら、心配性なんでしゅから……』
まったく、ところ構わずイチャつきやがって……はいはい、おまゆうですね。すいません。
『ここから先は妖精の国ケルトニア。許可証を』
『ここから先は妖精の国ケルトニア。許可証を』
立ち塞がるのは双子の門番。すごいな……全く同じとかあり得るのか? 違いは色だけ、金髪金眼と銀髪銀眼の美少女姉妹。
しかも……似ている。イリゼ様とミコトさんを足して割ったような雰囲気だ。つまりはめちゃくちゃ可愛い。
『くっ、よりにもよって、妖精巫女の二人が門番とか、ついてないでしゅ……』
「リッタ、妖精巫女って?」
『女神様とお話しできる唯一の存在で、太古より存在する原初の妖精でしゅ。父上の誘惑が効かない数少ない女性でもありましゅ……』
なるほど、妖精版聖女ってかんじかな?
『……リッタ、何をコソコソしている。許可証を』
『……リッタ、何をコソコソしている。許可証を』
『過去に妖精巫女が許可証なしで通した例はありましぇん。諦めるでしゅ……』
「お待ちください。ここは私にお任せを。ラクスさま、ルクスさま、ご無沙汰しております」
アリエスが一歩前にでる。
『……アリエス、久しぶり、お前は聖女になったはずでは?』
『……アリエス、久しぶり、お前は聖女になったはずでは?』
「はい、そして、今は聖女であり英雄の妻となりました。通行を許可してください」
『……英雄? へえ……道理で……』
『……英雄? へえ……道理で……』
ルクスさまとラクスさまが、ジッとこちらを見る。うはっ、可愛ええ。
『……魔力はもちろん、神力まで……でも残念。私たちはチョロくない』
『……魔力はもちろん、神力まで……でも残念。私たちはチョロくない』
おお、さすがは妖精王の誘惑が効かないだけのことはある。この距離で正面から俺を見ても耐えられるとは。だが――――
「ルクスさま、ラクスさま、本当の俺をお見せしますね」
『何? どういう意味?』
『何? どういう意味?』
魅力封じ結界解除!
増悪のマント解除!
ヘイトの腕輪解除!
ベルトナーくんのために押さえこんでいた魅力を一部開放する。全解放したら大変なことになるから、地上ではやらない、というかやれない。同時にリッタたちは結界で保護する。至近距離で俺の魅力にあてられたら、廃人になるかもしれない。自分で言っていて、なんだこいつと思うけれど、事実なんだから仕方ない。
『くっ……何という魅力……だけど、私たちには効かない』
『くっ……何という魅力……だけど、私たちには効かない』
「ば、馬鹿な……旦那様の魅力に耐えるとは、彼女たちは本当にこの世の存在なのか!?」
いや、嬉しいんだけど、俺そんな化物じゃないからね?
「落ち着いてセレスティーナ。別に御主兄様の魅力が効いていない訳じゃない。ただやせ我慢しているだけです」
なるほど、効いてはいるんだな。ありがとうクロエ。
『なるほど……双子だけに、ダメージを分散しているのですね。厄介な……』
ダメージ半減ということか……ありがとうヒルデガルド、ダメージっていうところは聞かなかったことにする。
それにしても、正直思った以上にやる……だが、今ので20%だ。それでも、半減しているとはいえ普通ならとっくに致死量を超えているんだけど……驚いたな。
次は30%まで解放する。死んでくれるなよ。
『ひぃう!? な、なかなか、やる……で、でも効かない』
『ひぃう!? な、なかなか、やる……で、でも効かない』
そういう二人だが、すでに両側から抱きつかれている件。
「……まだ続けますか?」
『当たり前……逃げないように押さえているだけだから』
『当たり前……逃げないように押さえているだけだから』
顔は真っ赤だし、なんかハアハアしているし、瞳は完全にハートマークになっているような気がするんだけど、そういうことなら、きっとそうなんだろう。
仕方がない……正直、ここまで使うつもりはなかったんだけど……40%解放!!
『ふにゃはああああ!? くっ、ま、マズい……ここでキスされたら……負け』
『ふにゃはああああ!? くっ、ま、マズい……ここでキスされたら……負け』
これは……キスしろってことだよな?
ルクスさまとラクスさまに、神級スキル『並行動作』で同時にキスをする。寸分のタイミングのずれも許されない。俺の直感がそう告げている。
『ふわあ……負けた、でもまだ許さない』
『ふわあ……負けた、でもまだ許さない』
すごい……言動と行動が全く一致していない。べったり甘えてくる双子。くっ、一体どうしたら?
「先輩!? 気を付けて、アレが来る!!」
美琴の絶叫に、俺は瞬時に心の準備をして、防御姿勢を取る。
『原初の妖精の私にキス……許して欲しくばお嫁さん』
『原初の妖精の私にキス……許して欲しくばお嫁さん』
くっ、来たか……だが、備えあれば憂いなし。
「わかりました、ルクスさまとラクスさまは、今日から俺のお嫁さんです」
「王子様!! まだですよ、アレが来ます!!」
大丈夫だサクラ、俺も歴戦のつわもの。ちゃんとわかっているさ。
『英雄……ルクス』
『英雄……ラクス』
「わかりました、ルクスとラクスは、今日から俺のお嫁さんです」
『英雄……敬語』
『英雄……敬語』
「わかった、ルクスとラクスは、今日から俺のお嫁さんだ」
満足したのか、初めて微笑む二人。おおっ、ミコトさん並みにわかりにくい表情だけど、ちゃんと喜んでいるのがわかる。
『ま、まさか……妖精巫女しゃまが!?』
「結局いつも通りじゃねえか!?」
まあそう言うなベルトナーくん。とりあえず入国できそうなんだから、素直に喜ぼうぜ?
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