異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
世界樹の実
『ご主人、これが世界樹の実よ』
再び高層に戻った俺たちに、ルシア先生が差し出したのは、見た目パイナップルの果実。
「こ、これが伝説の世界樹の実……まさか実在していたなんて……」
ガタガタ震えるリーリエの反応を見る限り、相当貴重なものらしい。
「リーリエ、このパイナップル……いや、世界樹の実ってどんな効果があるんだ?」
世界樹関連は、全部エロい効果だったからな。うっかり食べたら危険だ。
「どんな聖人でも性人のようになり、精力絶倫感度上昇、必ず相手を妊娠させることが出来るらしいです」
くっ、やはりか……危うく性人になるところだった。
「つまり先輩みたいになるってことだね! 凄いわ異世界パイナップル」
え? もしかして俺って性人なのか……美琴。
一瞬落ち込みそうになったが、冷静かつ客観的に見たら完全に性人だった件。ごめんなさい。英雄色を好むって言うから許して欲しい。
(お兄様、美琴さまは褒めているのですよ?)
ミヅハ……とてもそうは思えないのだが!?
(そんなことよりも、この果実をお兄様の実と名付けましょう。うふふ、なんて素敵な響きかしら)
ミヅハ……とても嬉しいんだが、あまり嬉しくない。しかもその名前じゃ、お兄様大好きな妹にしか売れなさそうだよ!? 売らないけども。
「でも公爵さま、世界樹の実の真の力は、そんなことではないのです」
「……真の力?」
リーリエの表情が真剣なものに変わる。そうだよな、伝説の実なんだから、もっと蘇生とかそれっぽい効果が有るのだろう。
「……女体化です」
「…………は? 蘇生とかじゃないのか?」
「蘇生の効果もあるらしいのですが、死者は食べることが出来ないので……」
「言われてみればたしかに……ちなみに女性が食べたら?」
「女性が食べた場合は男性化します」
マジかよ……でも伝説なんていうのは、いろいろ尾ひれが付くからな。本人に確認するべきだろう。
「ルシア先生、そうなのか?」
『そうよ。私は女の子にしか興味がなかったから、男のエルフにはこの実で女体化してもらっていたわ。今は……ご主人にメロメロだけどね?』
さすがはルシア先生。元が男でも気にしないか。俺も精進しないとな。
「先輩……これは夢のパイナップルかもしれない……ぐふふ」
いかん!? 美琴から危険な香りがする。
「美琴、このパイナップルは危険だ。持ち出し禁止な」
「えええぇっ!? そんな……酷いよ先輩、私の夢を聞いてもそんなこと言えるの?」
「ちなみにどんな夢だ?」
大体想像がつくが、聞くだけ聞いてみてもいいだろう。武士の情けだ。
「んふふ~、えっとね――――」
熱く語る美琴。熱意は買おう。だが――――
「……却下だ」
想像以上にヤバかった。オールラウンダーの俺でさえ守備範囲ぎりぎりだ。良かったな美琴、俺が婚約者で。
「うぇっ!? な、なんで? 先輩だって好きなはず……」
「好きか嫌いかでいえば好きだが、俺は美琴を独占したいんだ。ハーレム作っておいて何言ってるんだと思うかもしれないけど……駄目かな?」
「せ、先輩……ううん……駄目じゃない。嬉しいよ。独占欲だって構わない。どんなことでもいいの。ずっと私を見ていてね?」
「美琴……ありがとう。これからもずっと隣にいて欲しい。死ぬまで……いや……死んだあとだって」
「先輩……うわーん、好き、大好き、ずっと隣にいるから。死んだって離さないんだから……」
飛び込んでくる美琴をしっかりと受け止める。可愛い俺だけのアイドル。変態チックだけどそこが良いんだ。すんすん匂いをかぐ美琴の頭を撫でる。モフリの技は髪の毛にも有効なんだぜ?
「ふわああ……気持ちいいよ先輩。ずっとこうして欲しいな……」
気持ちよさそうに目を細める美琴の姿に、まわりが黙って見ているはずもなく。
「公爵さま、わ、私にもお情けをお願いします」
綺麗な騎士の礼で頭を差し出すリーリエ騎士団長。
『ご主人、私も興味があるわ。お願い』
俺も興味がありますルシア先生。
『モグタンも、モグタンも……』
任せろ、まとめて面倒見てやるぜ。
『それでは、ワタクシもお願いいたしますわ』
ああ、もちろんだ……って誰!?
美しいシルバーブロンドに銀色の瞳のエルフ……いや、エンシェントエルフ? が俺に頭を差し出している。
まあ正体はともかく、まずは髪モフしてからだ。
『あ……これ良いです……気持ちいいですわ……』
サラサラのシルバーブロンドを丁寧にモフるとエンシェントエルフも気持ち良さそうに目を細める。
***
『エンシェントエルフのシルヴィアですわ。地上で5百年過ごしたあと、この高層で5百年過ごしております』
シルヴィアさんは、そう言って微笑んだ。無表情に近いが、俺にはわかる。
「はわわわ……ま、まさか……建国の女王シルヴィアさまなのでしょうか?」
リーリエがガタガタ震えながら尋ねる。
『そうですわ。ガーランドを作ったのは私で間違いありません』
「は、ははー! お会い出来て光栄の極みであります!」
土下座を決めるリーリエ。
『シルヴィア、貴女が起きてくるなんて珍しいわね?』
『酷いですわルシア! ワタクシに黙って美味しい思いをしていたなんて!』
キッとルシア先生をジト目でにらむシルヴィアさんだが、可愛い過ぎて全く怖くない。
『ごめんなさい、ご主人に夢中ですっかり忘れていたわ』
『ご、ご主人!? ルシア……貴女まさか?』
『そうよ、私、お嫁さんとやらになるの』
『お、お嫁さん……? 嘘でしょ?』
あまりの衝撃に耐え切れず倒れ臥すシルヴィアさん。慌てて駆け寄り介抱するリーリエ。
『そこの貴方、ルシアを嫁にするなら勝負なさい! 絶対に認めないんですわ!』
「……分かった。勝負の方法は?」
『もちろん……魔力勝負……ですわ!』
ニヤリと笑って服を脱ぐシルヴィアさん。これこれ美琴、神聖な勝負なんだからゲスな顔をしない。
「……受けて立とう!」
魔力効率を高めるため、俺も服を脱ぐ。ハイレベルの戦いでは服1枚が生死を分けることもあるのだ。
『わ、ワタクシも……お嫁しゃんになりましゅわ……』
ふぅ……なかなか良い勝負だった。
ここ高層においてエンシェントエルフの魔力はほぼ無限。出力で優っていなければ、もう少し手こずっていたかもしれない。
「……先輩、良いものを見せてもらったよ」
うむ、俺の背中から学ぶこともあるだろう。日々これ修行、学びである。
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