異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
いざ伝説退治へ
レベリングをするにあたって、経験値をもらえる攻撃判定の基準はさすがにわからないので、念の為みんなには確実にダメージを与える攻撃をしてもらうことにした。
まずは島の表面に長年積もった土壌を掘って、リヴァイアサンの身体を露出させる。
「うおっ!? ……これがリヴァイアサンの鱗。さすがにでかいな……」
虹色に輝く鱗1枚が5メートルはある。試しに鋼鉄の剣で斬ってみたら、剣があっさりと折れた。
「……傷一つついてないぞ。本物の化物だな」
さすがのセレスティーナも戦慄するしかない。
「ふふふ……まさか伝説の怪物と戦えるとは……興奮が抑えきれないですね」
「まてミヤビ、残念だが、リヴァイアサンには寝ている間に死んでもらう。動き出したらアルカディアが水没してしまうからな」
「くっ……確かに。ううう、本当に残念です。こんな機会滅多にないというのに……」
戦闘狂のミヤビにとってはちょっと気の毒ではあるが、やはり安全第一。
「でも、大丈夫だミヤビ。倒したリヴァイアサンは、おれの眷族になるから、いつでも好きな時に戦えばいいさ」
「カケル殿……愛しております。生涯忠誠を誓いましょう」
頬を染める現金なミヤビがとても愛おしい。戦闘狂だけど。
一応全員に攻撃をしてもらうが、クラウディアが心配だ。なにせ、剣もまともに持ったことがないって言ってたからな。
「では行きますね……えーい!」
一応指輪で強化されているので、剣の重さに負けることはないが、見事なへっぴり腰だ。
このままでは鱗に跳ね返されて怪我をするかしれない。
「クラウディア、力を抜いてリラックスするんだ」
後ろからクラウディアを抱くようにして攻撃をサポートする。
「あ、ありがとうございます。カケルさま……」
ぴったり密着されて真っ赤になるクラウディア。
「「「「…………」」」」
「旦那様……け、剣が重いのだが?」
セレスティーナ……お前の剣は羽よりも軽いはずでは? はっ!? もしや体調が悪い? なわけないけど、俺は空気が読める男。
「大丈夫か? 俺が後ろから支えてやるからな」
「すまない旦那様、もう少し密着してもらえると助かる」
「旦那さま……私も剣が重いのだが……」
ユスティティア……お前の剣はマジで重いからな。
「駆……私の大量破壊兵器が怖いのだが……」
刹那……何それ怖い!? あと口調まで真似しなくてもいいんだぞ。
「ダーリン……血が……血が足りない……」
エヴァ……怖いよ?
「カケルくん……詠唱忘れちゃった。キスして?」
「「「「「カタリナ露骨過ぎ!」」」」」
「ふふふっ、旦那たちっていつもこんな感じなのかな?」
イサナが面白そうに笑う。
「なんだか楽しそうですよね……とっても危険な事をしているはずなのに、忘れてしまいそう」
キトラたちも思わず笑顔になる。
予定より時間がかかったが、何とか全員リヴァイアサンにダメージを与えることに成功した。
途中でリヴァイアサンが目を覚まさないかヒヤヒヤしたが、おそらく蚊に刺された程度のダメージなのだろう。本気でヤバいかも知れない。
「よし、あとは俺だけだな」
まずは『死神召喚』でキリハさんを呼ぶ。
実はみんなの前でキリハさんを呼ぶのは初めてだ。
理由はもちろん俺みたいにみんなの命を取られるかと思ってたから。
でも、昨日ミコトさんに聞いたら、
『召喚されている時なら大丈夫』
とのことだったので安心だ。
それでは『死神召喚』!!
巨大な魔法陣から、輝く銀髪と紅い瞳の死神が姿を現す。
この世のものとは思えない美貌と圧倒的な存在感に一同声を出すことも出来ない。
『…………カケル、逢いたかった』
「え!? み、ミコトさん!?」
「ふぇっ!? せ、先輩、ミコトさんてあんなに綺麗な女性なの?」
そうか……美琴はミコトさんの声しか知らないんだったな。
「ミコトさん……にちょっとだけ似てましたよ、キリハさん」
『えへへ、でしょでしょ? いっぱい練習したんだから!』
…………練習したんですね、キリハさん。
その姿を思うと悲しくなってキリハさんを抱きしめてしまう。
『ち、ちょっと、いきなり何なのよ!? べ、別に喜んでなんかないわよ? 早くプリン寄こしなさい!』
相変わらず照れたり怒ったり忙しい女性だな。可愛いので頭を撫でてしまう。
『ふぇっ!? な、撫でるなあああ!?』
真っ赤な顔でハァハァしているキリハさん。
感情豊かなミコトさんって感じでたまらなく可愛いんだよな……。
「御主兄様……この方が噂のミコトさまのそっくりさんのキリハさまですか? き、綺麗な女性です……」
「くっ、さすがは旦那様が命をかけて手に入れようとしただけはある……美しい」
『ふふっ、そうよ! 私が美の化身ミコト――――って痛い痛い!? 何すんのよ勇者!』
「え? いや、ミコトさんが調子に乗るなって」
『へ? そ、そう……なら良いのよ。それよりアンタ、私も結構忙しいんだけど?』
ジト目で俺をにらむキリハさん。
「忙しいのにスイマセン! 新作プリン食べ放題でお願いが……」
『…………話を聞かせてもらおうかしら』
「実はですね――――」
***
「セレスティーナ頼む」
「うむ、勇敢な獅子心!!」
セレスティーナのスキルで俺の力が増大する。
はっきり言って、リヴァイアサンはくっそ強い。おまけにめちゃくちゃ硬い。
まともに戦ったら勝てないとは言わないが、世界中が巻き添えになるだろう。
だから、寝ている今のうちに一撃で倒さなきゃならない。
みんなの力を借りて、いざ伝説退治と行きますか!
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