異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

海の王者リヴァイアサン


「そうだ、陛下が今夜晩餐会を開くらしいけど、参加するか?」

「私はパスで! 貴族は話が長いしウンザリしてるから」

 美琴を筆頭にみんなは参加しないようだ。

 くっ、俺も行きたくないが、主賓が参加しないわけにはいかないしな。


『黒影殿は、晩餐会までどうするのです?』

「俺はこれから大物退治だ」 

『大物退治?』

 首を傾げるカイ。

「ああ、海の王者リヴァイアサン退治だ」


「「「「「「り、リヴァイアサン!?」」」」」」

 さすがのメンバーも唖然として固まってしまう。

「だ、旦那、リヴァイアサンて実在するのかよ?」 

「ははっ、実在するも何も、さっきまでいた島、あれがリヴァイアサンだぞ。海賊団の連中も命知らずだよな」 

「「「「えええぇっ!?」」」」

 腰を抜かすイサナと半魚人三姉妹。

「だ、旦那様、リヴァイアサンは世界に数体しかいないトリプルSランクの魔物だぞ?」

「そうね。いくらカケルでも危険よ? 下手に刺激して暴れだしたら世界中に被害が出るわ」

 セレスティーナとリリスが心配そうに両腕に抱きついてくる。

「リヴァイアサンの鱗はあらゆる攻撃を受け付けないと聞きます」

 背中に抱きついてくるサクラ。

「伝説では、リヴァイアサンが寝返りを打っただけで津波が発生し、沿岸の街が幾つも壊滅したそうだニャん」

 真っ赤な顔で正面から抱きついてくるミレイヌ。みんな解説ありがとう。

「に、ニャンがキター!!」

 ミレイヌのでれニャンに大興奮の美琴。

「か、可愛いです……ミレイヌさん」

 目をキラキラさせるアリサ。

『あ、あわわわわ……』

 よく分からないが、ガクガクブルブルしているありすとひめか。

「ふーん、駆はああいうのが好きなのか……」

 ゴソゴソ何しているんだ刹那?

「……駆、どう? か、可愛いかにゃん?」

「ぐはぁ!?」

 血反吐を吐いて倒れるカケル。

(あ、あの刹那が猫耳付けて白猫にゃんだと……)

 普段とのギャップもあって、可愛いさの上限突破だ。俺の多重障壁&各種耐性をいとも簡単にすり抜けてきやがった……。

「ち、ちょっと、刹那さま、私の専売特許を盗らないで下さい!」

 慌ててカケルを抱き起こすミレイヌ。

「猫耳付けているからセーフ」
 
 抗議などどこ吹く風の刹那。

「くっ、御主兄様、わ、私もか、可愛いかワン?」

「…………」
 
 ……なぜワンだと可愛くないのだろう? いや、クロエは死ぬほど可愛いけど。

「ぐはぁ!?」

 血反吐を吐いて倒れるクロエ。

「可哀想なクロエ……プライドを捨ててまで頑張ったのに……」

 涙ぐむクラウディア。

「くっ、やはり所詮は犬。役に立ちませんね……」

 良かった生きていたかクロエ! 傷は浅いぞ。


「……何の話をしていたんでしたっけ?」
「……リヴァイアサンの話じゃシルフィ。当然勝算はあるのじゃな? ダーリン?」


「もちろんだ。そして、これはチャンスでもある。みんなでリヴァイアサンを倒すぞ!」


***


 ミヤビとノスタルジアを加えてやってきたのは海賊島。

 海賊島は、島の周囲100キロにも及び、豊かな森も存在する。

 こんなのが魔物だなんて普通は思わないよな。

 俺の場合、こんなところに島があるはず無いともとの世界の地図で知っているから、すぐ分かったけどね。


『お待ちしておりました主様。この島は何だか居心地が悪いのです……』

 リヴァイアサンはドラゴンが主食らしいからな。本能的に嫌悪感があるのだろう。

 だがしかし――――

 なぜだ!? なぜスク水を着ているのだ……シードラ!? メイド服は? ホワイ!?


「「「「…………」」」」

 くっ、異世界組の視線が痛い。

 これは使うしかないのか、記憶操作のスキルを!!! …………持ってないけど。

 これはあれだな。スルーしよう。下手に触れると致命傷に成りかねん。

「先輩!! なんであの娘、スク水着てるのかな? かな?」

 おのれ美琴……。

「さ、さあな? 落ちてた――――」

『主様が特別な時の為にと作って下さったのです!!』

 嬉しそうに暴露するシードラ。

 終わった……今日から俺は変態主様。タイトル変えないとな。

『お兄様が皆さまと一緒に海水浴するための試作品なんですよ。ほら、これもそうです』

 ミヅハがフリルの付いた水着姿を披露する。

「さすが先輩! やっぱり水着回は必要だよね!」

(ありがとうミヅハ! 助かった) 
(ふふっ、お兄様……私も着ましょうかスク水?)

「……お兄ちゃん、鼻血でてるよ!?」

「妾に任せるのじゃ!」

 エヴァがうっとりしながら俺の鼻血を美味しそうに舐めとる。

 うん……ありがとうエヴァ。とっても気持ち良かったし、嬉しいんだけど、みんなドン引きしているからね!?


「ところでカケル殿、本当にそんなことが可能なんですか?」

「ああ、経験値の分配なら大丈夫だよミヤビ」

 
 この世界の法則になっている経験値の分配。魔物を倒した時にレベルが上がるのは経験値の蓄積によるものだが、普通の人は経験値とかレベルアップとかを数値で把握している訳ではない。

 とくにパーティでの戦闘の場合の経験値の分配に関しては、もっと知られていないのだ。

「一応、なんらかの攻撃を加えた上で、対象の魔物を倒した時に範囲100メートル以内に居れば大丈夫だ」

 せっかくの大物だからな。莫大な経験値でみんなをレベルアップさせる絶好の機会だ。

 特に戦えないクラウディアたちの強化は絶対に必要だと思っている。

 指輪や装備で強化はできても、やはり素の力が上がっていた方が安全だからな。


 
 

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