異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
カケルの進化と市民プール
『……簡単にいえば、カケルくんが進化したのよ』
「俺、進化したんですか?」
『そうよ、カケルくんたらハイヒューマンを飛び越して、亜神になっちゃったんだから』
「……は? 亜神?」
確かミコトさんの話だと亜神になるまで早くても100年かかるっていってたような……
『そうね、普通なら100年はかかるわよ? さすがカケルくんね』
(本当は、私と×××したからだけど、恥ずかしくて言えない……)
い、イリゼ様……さすがに死にます。その表情が可愛すぎて死にますから手加減してください。
「ち、ちなみに亜神になると何が出来るようになるんですか?」
『そうね……基本的には普通の人間と同じだけど、眷族を作ったり、保護を与えたりできるようになるわよ』
「なるほど……たしかに見た目はなにも変わってないですね」
イリゼ様によると、眷族になれば、俺の力の一部が眷族効果で加算され、念話による意思の疎通や、視界共有など出来るようになるらしい。要するに俺の召喚獣は眷族と基本的に同じシステムなんだな。
あれ……もしかしてツバサたちが進化したのって……
『そうよ、召喚獣から眷族にランクアップしたせいね』
マジか……じゃあ他の召喚獣たちも進化してるってことだよな? 後で確認しておかないと。
『あと、保護に関しては、加護の効果を弱めたものね。少し運が上がったり、様々な耐性が上がったりするわ』
「じゃあ、良いことづくめですね」
『そうでもないわ。カケルくんも知ってると思うけど、シルフィとサラの精霊の加護みたいに、基本的に加護は束縛とセットなの。この間も私の加護のせいで迷惑かけちゃったでしょ?』
そう言って顔を赤らめるイリゼ様。はい、100回は死にましたよ。
「ということは、保護にもなんらかの束縛がかかるんですか?」
『まあ、他の男と楽しそうに話すと変顔になったり、キスすると唇がたらこみたいに腫れるとか可愛いもんだけどね?』
いやいやいや、全然可愛くないし、地味に結構問題ありますよ!?
『ちなみに、保護の付与は、カケルくんが強く守りたいと思ったら付与されちゃうから、加減に慣れるまでは気を付けてね? もちろん、解除はできないから』
えええ……結構責任重大なんですけど!?
『ふふっ、じゃあ話は終わり……ねえ早く……しよっ?』
ぶふぉぉ!? また死んだ、死んでるからやめて!? 不意打ち禁止ですよ? しますけどね。
***
神界いや天国から戻ってきた俺だが、もうひとつ今日中に決めなければならない大仕事がある。
そう、ワタノハラ家のメイドの制服だ。
今はとりあえず市販のものを使っているが、我が誇りある家のメイドがそんな状態では可哀想だ。
別に俺の趣味がどうという話ではない。伝統と矜持の問題だ。職人のこだわりといっても良い。
えっ? 伝統もないし、職人でもないだろうって?
ふふふ、伝統はここから始まるのだ。そして俺以上にメイド服を知り尽くした男はいない。
冒険者辞めたら、メイド服職人になってもいいほど愛しているからな。
だが、独りよがりは良くない。
デザインはともかく、機能性に関しては、現役のメイドさんたちの意見を聞くべきだろう。
夜、屋敷に戻ってから、その道のスペシャリストを召喚する。
「というわけで、お前たちの意見を聞きたいんだ、アイシャ、ヒルデガルド」
メイドのことなら、メイド界の頂点を極めた2人に聞いた方が早いだろう。
「…………御主兄様、なぜ私をのけものに?」
突然、ピタッと背中にすがりつくクロエ。
「うぉっ!? クロエ、ち、違うんだ。今回はメイドのスペシャリストに話を聞こうと思ってな」
「くっ、確かに私は朝も起きれませんし、料理も得意ではありませんし、メイドらしいことは何もしておりませんが、あれ……もしかして私、メイドじゃないのでは?」
急に不安になったのか、涙目でガクガク震えるクロエ。
「そ、そんなことないぞ!? お前は立派なメイドだ。少なくとも俺にとっては世界一のメイドだ」
震えるもふもふ銀髪プリンセスを抱きしめる。あ……しまった保護ついちゃった。
「「……カケルさま、ということは私たちは?」」
ショックで震えるアイシャとヒルデガルド。
しまった!? 世界一は言い過ぎだった。
「安心しろ。お前たちは俺にとって最高のメイドだ」
不安に揺れるアイシャとヒルデガルドを抱きしめる。あ……やべ保護ついた。
 
途中から何をしているか分からなくなったが、とりあえず3人から貴重な意見を聞くことが出来た。
「よし、あとは全員の採寸をすれば準備万端だが、問題は300人という人数だな。仕方がない、一度全員と風呂に――――」
「「「…………」」」
止めて!? その微笑ましいものを見るようなジト目は止めて!? 器用な事しないで!?
「お前たち、勘違いしているようだが、ミリ単位のズレが戦闘では生死を分けることもある」
「……メイドは戦闘員ではありませんが……」
くっ、おっしゃる通り!!
「カケルさまならば、サイズを自動調整する機能を付けられるのでは?」
くっ、正に正論!!
「できなくは無いが、その分防御力が低下――――」
「……メイドは戦闘員ではありませんが……」
くっ、ぐうの音も出ない。
論破され崩れ落ちる俺の前に、優しき3人の天使が微笑む。
「御主兄様……ひとりで抱え込むのはいけませんよ?」
「カケルさまの本当のご要望は何ですか?」
『カケルさま、私たちは一心同体。誤魔化しなど不要なのですよ?』
俺が間違っていたようだ。ふふっ、涙が止まらない。お前たちは本物のメイドだよ。
「俺……みんなと風呂に入りたいです……採寸はついでです」
なぜか素直に言えたんだ。飾らない裸の心の声を。伝わると良いな、この身を焦がすような想い。
「ふふっ、まったく御主兄様は困った御主兄様です」
「そんなことだろうと思って、すでに全員大浴場にて待機しております」
『風呂上がりの冷えたコーヒーミルクも用意してありますので』
「お前たち……ほんと俺には勿体無いメイドだな……」
涙が止まりそうに無いが、心配はしていない。だって――――
『お待たせしましたお兄様……その涙、私が頂きますね。私にとってどんな宝石よりも価値がありますから』
「いつも悪いな。ミヅハ」
『いいえ。お兄様のお役に立てることが、ミヅハの喜びなのです』
混浴と言えばミヅハだ。俺には有能過ぎるメイドと有能過ぎる妹がいる。
「じゃあみんなで風呂入るか!!」
「「「「「はいっ!!」」」」」
婚約者たちも加わって、さすがの大浴場も市民プール状態だったよ。
どういう意味かって? 最高だったってことさ。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
35
-
-
75
-
-
1978
-
-
353
-
-
3395
-
-
3
-
-
361
-
-
107
-
-
314
コメント