異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

スキル保持者をさがせ

 神界から戻ると、腕の中にはアリエスの姿が変わらずある。

 そういえば、ふたりで抱き合っているところをイリゼ様に拉致されたのだった。

 でも時間の経過が無いのは助かるけど、今してきたことを考えると罪悪感のような何とも言えない微妙な気分になる。アリエスさん……そんなキラキラした瞳で見つめないで!? 俺のメンタルが耐えられないから。


「英雄殿、それでは参りましょうか。女神様からたくさんの神託をいただきましたので、教皇に報告しないといけません」

 聖女はあくまで象徴であり、奇跡を行使する存在だ。

 神官の育成・派遣や神殿の設立など女神教そのものの運営は、教皇をトップとした神殿庁が行っている。

 ちなみに、教皇は、4年に一度、世界各地の全神官長が投票で選出するとのことで、イリゼ様はノータッチだ。したがって人事権などの権力はあるが、宗教的な意味での権威は持っていない、日本でいえば総理大臣のような役職だ。
 

 アリエスと腕を組んで教皇の元へ向かう。

 聖女なのに良いのか? と聞いたら、女神様の神託だから構わないそうだ。

 神官たちの視線がとても痛いが、精神耐性スキルで乗り切るしかない。


「……な、なるほど、ずいぶんたくさんの御神託があったのですな」

 教皇のウルティマさんは、これ以上ないほどの苦笑いを浮かべている。

 まあ、無理も無い。女神教の根幹を揺るがすような変更が直接女神様から示されたのだから。

 大きな変更点は以下の通り。

 ①今後、聖女は最低3人は選ばれるので、交代制とすること。

 ②聖女の婚姻の自由を認めること。

 ③聖女は英雄カケルの補佐を最優先すること。

 特に③は、神殿にとって非常に痛いと思う。だって手元に聖女がいなくなる可能性があるしね。

 なんだか申し訳ないとは思うけれど、ソフィアとアリエスには次の聖女が育つまで、交代でうちの屋敷からなるべく出勤してもらう予定だから勘弁してほしい。

 ウルティマさんが過労死しないかだけが心配だけど、いかにも仕事が出来そうな老人だから大丈夫だろう。

 
「それで英雄殿から依頼のあった、スキル保持者調査の件ですが……」

 教皇がさっそく話を切り出す。

「世界各地のスキルクリスタルの履歴を確認することは出来るのですが、なにぶん膨大な情報量でして。せめて地域だけでも絞り込めれば良いのですが……」

 なるほど、大図書館の中から1冊の本を手がかりなしに探すようなものか。

「システムを見せていただくことは可能ですか?」

「もちろん構いませんが、何かお考えでも?」

 いぶかしげな様子の教皇ウルティマだったが、特に渋ることも無く案内してくれた。


 神殿本庁には、巨大なクリスタルを中心としたシステムルームが存在する。

 これを使えば、世界各地のスキルクリスタルの情報を一元管理出来るという優れものだ。

 はるか昔、伝説の錬金術師が作ったというシステムで、基本的な使い方以外全てが謎に包まれているらしい。まあシステム作った人、家にいるんですけどね!?

(まあ、見てわからなければ、刹那を連れてくればいいか……) 


 結論から言えば、めっちゃ簡単だった。日本人なら直感的に操作できる親切設計。そもそも全部日本語だし。

 探したいスキルの名前を入力して検索、ただそれだけだ。


 きた! 1件だけヒットした。

 興奮を抑えながら情報を確認する。


 スキル名:チェンジ 

 確認された場所:コーナン王国エデン伯爵領トナリ町神殿 保有者名:ジモ村のアダム 16歳 男 

 コーナン王国か……これはまた遠いな。しかもこの辺りの地図だと情報が無くて場所が特定できない。
 
 ただ、スキルクリスタルに記録されたのはつい最近だ。今行けば本人に会える可能性は高いぞ。

 
 予想以上に重要な手掛かりが見つかったのは大きい。

 イリゼ様は保有者は弱いと言っていたから、早めに保護しないといけない。なんたって、邪神に対する唯一の対抗手段なんだから。

 
 スキル『チェンジ』文字通り身体を魂ごと入れ替える能力。

 ただそれだけだが、邪神深海幻にも有効であり、この世界を救う可能性を秘めた力だ。

 
 
 まずは調査隊を派遣するためにハーピィクイーンのツバサを呼び出す。

『王よ、見てくれ進化したぞ』

 嬉しそうに抱きついてくるツバサ。やれやれ、抱きつかれたら見えないじゃないか。

 なんとツバサは、ハーピィクイーンからハーピィエンプレスに進化していた。

 強さはもちろんのこと、美しさにも磨きがかかっているようだ。

 だが……視線はツバサの胸元へ向かう。心配なのはハーピィの一番の魅力である微乳あらため美乳が無事かということだ。もしこれが失われたならば、それは断じて進化ではない。

 見た目の印象では変わっていないようだが、まだ油断はできない。

 ここは直接確認するべきだろう。服の上からでは限界があるからな。

『ふえっ!? お、王よ、いきなり? あ、ああああ!?』

「良かったなツバサ。素晴らしい進化だ」

『そ、そうか……喜んでもらえて良かった』

 サイズそのままで、柔らかさ、弾力、張り、全てが進化とかヤバいね。  


 ちょっとまて、もしかして他のハーピィたちにも変化があったのでは?

 期待に胸をときめかせながらスズカゼを召喚する。

『王さま~、私、クイーンに進化しましたよ~』

 さらに綺麗になったことが嬉しいようで、くるくる踊っているスズカゼが可愛い。
 
 
 やはりか。だが油断はできない。ツバサがそうだったからといって、スズカゼもそうだという保証はない。確認は必要だと即断する。
 
『ふえっ!? お、王さま? いきなり? あ、ああああ!?』

「良かったなスズカゼ。素晴らしい進化だ」

『そ、そうですか……喜んでもらえて良かったですぅ』

 こうなると全員確認しておいた方がいいだろうな。

 俺は、早速残りのハーピィたちを召喚し始めるのだった。
 

『ところでスズカゼ、王は何のために我々を呼んだのだろうか……』

『さあ? でも……王さま、とっても楽しそうだから、それで良いんじゃないですか?』

「あの……英雄殿はいったい何をされているのでしょうか?」

 微笑ましい目で見守るハーピィたちと、困惑を深めるアリエスであった。


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登場ヒロイン名鑑

【名 前】 アリエス (女)
【種 族】 妖精族
【年 齢】 107
【その他】 聖女  
 
 女神教の象徴である聖女。世界中の信者の頂点に立ち、その権威は大国の王をはるかに凌駕する。聖女のスキルを持ち女神イリゼと意思疎通ができる。イリゼが地上に降りたいときに体を借りたりもする。神聖魔法という蘇生も可能な強力な回復魔法を使いこなす。カケルのことは英雄殿と呼ぶ。
 
【名 前】 ツバサ (女)
【種 族】 ハーピィエンプレス
【年 齢】 18
【その他】  

 カケルの召喚獣でハーピィの女王。虹色のグラデーションに輝く美しい髪と瞳を持ち、絶世の美貌と強力なカリスマ性でカケルの配下のハーピィたちをまとめている。飛行型魔物の中でも最速級のスピードと強力な風属性魔法を使いこなす。カケルのことは王と呼んでいる。Bカップ 最近ハーピィの女帝 エンプレスに進化した。

【名 前】 スズカゼ (女)
【種 族】 ハーピィクイーン
【年 齢】 16
【その他】  

 カケルの召喚契約したハーピィの中でも、お気に入り。ターコイブルーの髪と瞳をもつ。ユスティティアに殺されかけた。主にツバサのサポートをしている。最近ハーピィクイーンに進化した。 
 

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