異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
アイ ラビ ユー
「にゃはー! 気持ち良かったわ!」
全身をほのかに上気させたミレイヌが歓喜の声を上げる。
「でしょ? カケル様の洗体はプロ顔負けなんだから!」
風呂上がりのクラウディアは、女性のミレイヌから見ても色っぽくて思わずドキッとしてしまう。
「た、確かに……クラウディアはいつもカケルさまにしてもらってるの? 羨ましいわ」
「ふふふ、さすがにいつもじゃないわよ。そうだ、明後日、カケル様の新しいお屋敷を見に行くんだけど、この際、ミレイヌも一緒に住む?」
「えっ? 良いの? 私も一緒に住んで良いの?」
「もちろんよ。ここに居ないメンバーも何人かいるけど、今更ひとり増えたぐらい、多分誰も気が付かないと思うわよ」
「それはそれでどうかと思うけど……」
これ以上ないほどの呆れ顔をするミレイヌ。
「少なくとも私は嬉しいわよ、ミレイヌ」
「クラウディア……ありがとう」
「良いのよ。今日は泊まって行くんでしょ?」
「う……そうしたいのだけど、たまってる引き継ぎの仕事が……終わらせないと、セレスティーナへ行けないのよ……」
「そう……大変ね……」
苦笑いするクラウディア。
後ろ髪を引かれながら、それでもミレイヌは帰って行った。
「さて、じゃあ行きましょうかカケルくん」
おもむろに立ち上がりカケルと2人で寝室へ向かおうとするカタリナ。
「「「「「ち、ちょっと待てい!!」」」」」
「なにしれっと抜け駆けしようとしているんですか、カタリナさん?」
「あら、クロエ、抜け駆けなんかじゃないわ。新しいラビ部屋が完成したから確認しに行くだけよ? 確認するのに朝までかかりそうだけれど」
「……聞いても無駄じゃろうが、新しいラビ部屋ってなんぞ?」
「旦那様が行くのなら当然私も行く、独り占めは許さん。行くぞサクラ」
「はい、セレスティーナ様」
「ふふふっ、あなた達もふ素人では無理だと思うけれど……お好きになさい」
「くっ、私達を素人呼ばわりするとは。いいだろう……アイシャ! 私達も行くぞ!」
「ふぇっ!? な、な、何で私まで……ユスティティアさま〜」
「ふっ、面白い、S級冒険者の力を舐めないで欲しいわね!」
「私も大分腕を上げたからな。以前のままと思うなよカタリナ」
ソフィアとセシリアも名乗りを上げる。
「やれやれ、仕方ない、我らも行くぞ、クロエ、クラウディア、アリサ」
結局、女性陣全員、新しいラビ部屋で寝ることになった。
新しいラビ部屋は、さらに巨大化したラビを収めるために用意された大部屋で、テニスコート4面分ぐらいの広さがある。
当然、家具などは一切置かれておらず、全面床ラビとなっている。
「ラビ、悪いが今夜は世話になるぞ」
『主、全然構わないウサ』
「みんな、さっきカタリナさんが言ったけど、このラビは素人には危険過ぎる。引き返すなら今のうちだぞ?」
「旦那様、悪いが今更引き返すようなものなどここにはいない!!」
(セレスティーナ様!? そんなことおっしゃられたら言い出せないじゃないですか!?)
アイシャが内心叫ぶが誰にも聞こえない。
「ふふふ、あなた達の勇気に敬意を。ならば覚えておきなさい。決して抗おうとしないこと。あるがままを受け入れるのよ!」
カタリナさん……確かにそうなんだけど、それが1番難しいんだ。
俺でさえその境地に達するまで10年かかった。おそらく彼女たちでは…………
「も、もふもふ〜」
「ふわあ〜気持ちいいです〜」
セレスティーナたちは、ラビ部屋に一歩足を踏み入れるやいなや、動けなくなってしまう。
いや、違う? わざと動かないのか……くくっ、さすがだ、今の彼女たちに出来る最善手は動かないこと。カタリナさんの助言を活かしたんだな。
「おーい、カケルっち〜」
セシリアさんがラビ部屋を泳いでいる。上級者でも難しいのに……なかなかやりますね。
「カケルくん、ちょっと良いかしら?」
「はい、大丈夫ですよ、カタリナさん」
「あらためてお礼を言わせてちょうだい、セントレアを、アストレアを救ってくれてありがとう。おかげで母の無事も確認出来たわ」
「本当ですか! 良かった……今度ご挨拶に伺わないと……」
「え? あ、それはちょっと……」
「? あ、そうですよね。俺みたいなハーレム男じゃ――――」
「ちがう、違うの! カケルくんじゃなくて、うちの母親に問題が……ちょっと個性的というか……」
「大丈夫ですよ。個性的な人には慣れてますから。いつかお母様の都合が良い時に紹介して下さいね」
「そ、そうね……そのうちにね」
殺しても死ななそうな人だからあまり心配してなかったけれど、無事だと分かった瞬間、思わず涙が出た。
あんな母親でもやっぱり親なのね……でも、絶対にカケルくんとは会わせる訳にはいかないわ。
母はとにかくモテた。父と結婚してからも、父が亡くなってからも。
いつも違う男の人と一緒にいる母が嫌いで、私はいつしか男性と深い仲になることに嫌悪感と極端な理想を抱くようになった。
別に男性が嫌いな訳じゃない。ただひとりの人に寄り添い愛したかった。母のように目移りするような付き合いはしたくなかったから。
気がつけばパーティを含めて周りで独り身なのは私とセシリアだけ。
強くなればなるほど、男は離れてゆく。そりゃそうよね。やっぱり守ってあげたくなるような女の子の方がかわいいし。
でも、貴方が……カケルくんが現れた。
最初は興味本位だった。人並みに異世界人には憧れはあったし、あのクロエが惚れ込む男の人ってどんな人なんだろうって。
不思議な人だった。びっくりするぐらい強いのに心配になるぐらい弱く繊細で、こっちが恥ずかしくなるぐらい純粋で、歪に凝り固まった私ごと包み込んでしまうぐらい優しくて。
気がつけば逢うたびに目で追っていた。好きになっていた。
私は素直じゃないし、面倒くさいし、年の差もあるし……でも、
「大丈夫ですよ、カタリナさん」
貴方はきっとこう言って微笑んでくれるわね。
大好きよ……恥ずかしくて口には出来ないけれど。
「ねぇ、カケルくん。私、全裸だから寒いのよ。暖めてもらってもいいかしら?」
「はい、大丈夫ですよ、カタリナさん」
ふふっ、カケルくんが優しく抱きしめてくれる。
あったかいな……心がポカポカあったかい。
ラビの床暖房とカケルくんの温もりが、私の心を溶かしてくれる。
いつか言えるかしら?
異世界の愛の言葉。
アイ ラブ ユー
……絶対に無理そうね……
きっと茶化して言うのが精一杯。
アイ ラビ ユー ってね。
全身をほのかに上気させたミレイヌが歓喜の声を上げる。
「でしょ? カケル様の洗体はプロ顔負けなんだから!」
風呂上がりのクラウディアは、女性のミレイヌから見ても色っぽくて思わずドキッとしてしまう。
「た、確かに……クラウディアはいつもカケルさまにしてもらってるの? 羨ましいわ」
「ふふふ、さすがにいつもじゃないわよ。そうだ、明後日、カケル様の新しいお屋敷を見に行くんだけど、この際、ミレイヌも一緒に住む?」
「えっ? 良いの? 私も一緒に住んで良いの?」
「もちろんよ。ここに居ないメンバーも何人かいるけど、今更ひとり増えたぐらい、多分誰も気が付かないと思うわよ」
「それはそれでどうかと思うけど……」
これ以上ないほどの呆れ顔をするミレイヌ。
「少なくとも私は嬉しいわよ、ミレイヌ」
「クラウディア……ありがとう」
「良いのよ。今日は泊まって行くんでしょ?」
「う……そうしたいのだけど、たまってる引き継ぎの仕事が……終わらせないと、セレスティーナへ行けないのよ……」
「そう……大変ね……」
苦笑いするクラウディア。
後ろ髪を引かれながら、それでもミレイヌは帰って行った。
「さて、じゃあ行きましょうかカケルくん」
おもむろに立ち上がりカケルと2人で寝室へ向かおうとするカタリナ。
「「「「「ち、ちょっと待てい!!」」」」」
「なにしれっと抜け駆けしようとしているんですか、カタリナさん?」
「あら、クロエ、抜け駆けなんかじゃないわ。新しいラビ部屋が完成したから確認しに行くだけよ? 確認するのに朝までかかりそうだけれど」
「……聞いても無駄じゃろうが、新しいラビ部屋ってなんぞ?」
「旦那様が行くのなら当然私も行く、独り占めは許さん。行くぞサクラ」
「はい、セレスティーナ様」
「ふふふっ、あなた達もふ素人では無理だと思うけれど……お好きになさい」
「くっ、私達を素人呼ばわりするとは。いいだろう……アイシャ! 私達も行くぞ!」
「ふぇっ!? な、な、何で私まで……ユスティティアさま〜」
「ふっ、面白い、S級冒険者の力を舐めないで欲しいわね!」
「私も大分腕を上げたからな。以前のままと思うなよカタリナ」
ソフィアとセシリアも名乗りを上げる。
「やれやれ、仕方ない、我らも行くぞ、クロエ、クラウディア、アリサ」
結局、女性陣全員、新しいラビ部屋で寝ることになった。
新しいラビ部屋は、さらに巨大化したラビを収めるために用意された大部屋で、テニスコート4面分ぐらいの広さがある。
当然、家具などは一切置かれておらず、全面床ラビとなっている。
「ラビ、悪いが今夜は世話になるぞ」
『主、全然構わないウサ』
「みんな、さっきカタリナさんが言ったけど、このラビは素人には危険過ぎる。引き返すなら今のうちだぞ?」
「旦那様、悪いが今更引き返すようなものなどここにはいない!!」
(セレスティーナ様!? そんなことおっしゃられたら言い出せないじゃないですか!?)
アイシャが内心叫ぶが誰にも聞こえない。
「ふふふ、あなた達の勇気に敬意を。ならば覚えておきなさい。決して抗おうとしないこと。あるがままを受け入れるのよ!」
カタリナさん……確かにそうなんだけど、それが1番難しいんだ。
俺でさえその境地に達するまで10年かかった。おそらく彼女たちでは…………
「も、もふもふ〜」
「ふわあ〜気持ちいいです〜」
セレスティーナたちは、ラビ部屋に一歩足を踏み入れるやいなや、動けなくなってしまう。
いや、違う? わざと動かないのか……くくっ、さすがだ、今の彼女たちに出来る最善手は動かないこと。カタリナさんの助言を活かしたんだな。
「おーい、カケルっち〜」
セシリアさんがラビ部屋を泳いでいる。上級者でも難しいのに……なかなかやりますね。
「カケルくん、ちょっと良いかしら?」
「はい、大丈夫ですよ、カタリナさん」
「あらためてお礼を言わせてちょうだい、セントレアを、アストレアを救ってくれてありがとう。おかげで母の無事も確認出来たわ」
「本当ですか! 良かった……今度ご挨拶に伺わないと……」
「え? あ、それはちょっと……」
「? あ、そうですよね。俺みたいなハーレム男じゃ――――」
「ちがう、違うの! カケルくんじゃなくて、うちの母親に問題が……ちょっと個性的というか……」
「大丈夫ですよ。個性的な人には慣れてますから。いつかお母様の都合が良い時に紹介して下さいね」
「そ、そうね……そのうちにね」
殺しても死ななそうな人だからあまり心配してなかったけれど、無事だと分かった瞬間、思わず涙が出た。
あんな母親でもやっぱり親なのね……でも、絶対にカケルくんとは会わせる訳にはいかないわ。
母はとにかくモテた。父と結婚してからも、父が亡くなってからも。
いつも違う男の人と一緒にいる母が嫌いで、私はいつしか男性と深い仲になることに嫌悪感と極端な理想を抱くようになった。
別に男性が嫌いな訳じゃない。ただひとりの人に寄り添い愛したかった。母のように目移りするような付き合いはしたくなかったから。
気がつけばパーティを含めて周りで独り身なのは私とセシリアだけ。
強くなればなるほど、男は離れてゆく。そりゃそうよね。やっぱり守ってあげたくなるような女の子の方がかわいいし。
でも、貴方が……カケルくんが現れた。
最初は興味本位だった。人並みに異世界人には憧れはあったし、あのクロエが惚れ込む男の人ってどんな人なんだろうって。
不思議な人だった。びっくりするぐらい強いのに心配になるぐらい弱く繊細で、こっちが恥ずかしくなるぐらい純粋で、歪に凝り固まった私ごと包み込んでしまうぐらい優しくて。
気がつけば逢うたびに目で追っていた。好きになっていた。
私は素直じゃないし、面倒くさいし、年の差もあるし……でも、
「大丈夫ですよ、カタリナさん」
貴方はきっとこう言って微笑んでくれるわね。
大好きよ……恥ずかしくて口には出来ないけれど。
「ねぇ、カケルくん。私、全裸だから寒いのよ。暖めてもらってもいいかしら?」
「はい、大丈夫ですよ、カタリナさん」
ふふっ、カケルくんが優しく抱きしめてくれる。
あったかいな……心がポカポカあったかい。
ラビの床暖房とカケルくんの温もりが、私の心を溶かしてくれる。
いつか言えるかしら?
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アイ ラブ ユー
……絶対に無理そうね……
きっと茶化して言うのが精一杯。
アイ ラビ ユー ってね。
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