異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
甘美な響き
「君がカケルくんだね? 噂は当てにならないと思っていたが、そうではなかったようだ。私がこのセグンダの領主イグナシオだ。四聖剣の一角を拝命している」
そう言って手を差し出すイグナシオ。
赤毛で青い目をしたかなりのイケメンで、見た目は20代だけど、実年齢は60歳を越えている。この世界で初めて見る魔族だ。
魔族と言っても、魔法に長けた種族であって、肌が緑や紫だったり、角や翼がある方の魔族ではない。
この世界では、魔力には老化を抑える効果があるため、魔力量が多いほど寿命も長くなるらしい。
エルフや魔族が長寿なのは生まれ持った魔力量が人族よりも多いからだとか。
ただし、そういう種族は子が出来にくく、人数は少ない傾向にあるみたいだからバランスが取れているのかもしれない。
やっぱり魔力量と関係があるのかな?
「突然無理なお願いをしてしまいすみませんでした。お会い出来て光栄です、イグナシオ様」
差し出された手を取りガッチリ握手する。
「アストレアとは同盟国。保護するのは当然だ。それよりも君に確認したいことがあるのだよ」
イグナシオ様がスッと目を細める。
(うわぁ……やっぱり聞かれるのか……)
「カケルくんはリリス様とどういう関係なんだい?」
(直球キター!? だから来たくなかったんだよ……この人、リリス様の熱狂的なファンだから気を付けろってベルナルドさんに言われてたんだよな……)
「……関係と言われましても、冒険者とギルドマスターとしか言えませんが?」
「だが、プリメーラとバドルはかなり距離があるだろう?」
「人身売買組織の件でバドルへ行った時にバルバロス辺境伯様にダンジョンの異変の調査を頼まれまして、その時にお世話になっただけですよ? (嘘は言っていない)」
「そ、そうか! だが、カケルくんとリリス様の仲が良いというギルドからの情報もあるのだ」
(くっ、しつこい……)
「ああ、多分美味しい甘いお菓子をお土産に持っていったのが良かったんだと思いますよ。リリス様、甘いものが好きみたいです」
「な、何だって!? 知らなかった……」
分かりやすくショックを受けるイグナシオ様。
「ちなみにプリメーラでそのお菓子売り始めたんで、良かったら食べに来て下さい。プリンっていう名前のデザートです」
「ぜひ買い占めに行かせてもらう! ふふふ……リリス様に沢山プリンを持っていったら……ふふふ」
いや、買い占めは困るけども。
「ありがとうございます。余裕が出来たらぜひセグンダでも販売させて下さい。これ試食用にどうぞ」
イグナシオ様にプリンを渡す。
「ほほう、これがプリンか! どれどれ……うはっ、これ美味いな!!」
夢中で食べるイグナシオ様。
イケメンだけに絵になるね。後で描いてみようかな。意外に売れるかもしれない。
「ふぅ……すまない、夢中になってしまった。これはリリス様が気に入るのも当然だな。頼むカケルくん! 早急にこの街でもプリンを売ってくれないか? 場所と準備金はこちらで用意する」
「分かりました。人材が確保出来たら最優先で出店しますよ」
「うむ、頼んだぞ! 人材なら冒険者ギルドか商業ギルドに募集をかける方法もある。話を通しておこう」
ふぅ……何とかリリス様の話題から逸らすことが出来たな。
「いやあ良かった。もしカケルくんとリリス様が恋仲とかだったら自爆魔法で心中しなければならないところだったよ……君と」
ひぃっ!? 怖いよこの人! 一瞬自爆魔法が覚えられるかもとか思ったけど、使い道ないわ〜。
「ところでリリス様はお元気だったかな?」
「はい、とても」
「そうか……カケルくんは自由な冒険者で羨ましいな。私も災厄が起こるまでは、謎の冒険者シオンとして週3でバドルの冒険者ギルドへ足を運んでいたのだが……」
……週3って……貴方、領主でしょ? 仕事して下さいイグナシオ様。いやまて、俺も領主なのに冒険者やってるから別に良いのか……?
「リリス様もシオンが来ないと心配しているに違いない。だか、カケルくんのおかげで、近いうちにまた冒険者に戻れるかもしれないな!」
すごく良い笑顔で嬉しそうなイグナシオ様。良かったですねとしか言えません。
「そういえば――――」
まだ何かあるんですか? 早く戻りたいんですが。
「君、サウスウエストレアをセレスティーナに変えたそうだね! それ素晴らしいアイデアだよ!!!」
「? あの、どういう意味――――」
「決めたよ、明日からこの街の名はセグンダから『リリス』に変更する」
やべぇ……これって俺のせいじゃないよな?
「城塞都市リリス! 何て甘美な響きなんだ……そうだ! この城もリリス城にして、リリス通りに、リリス街道……ふふっ夢が広がる!! おおっ! ついでに家名もリリスにするように王都に伺いを立てないと……リリス伯爵……ふ、フハッ、たまらんな!」
イグナシオ様の妄想が止まらないので、他の皆さんに挨拶をして大広間を出る。
俺は何も知らない……俺のせいじゃないからね!
そう言って手を差し出すイグナシオ。
赤毛で青い目をしたかなりのイケメンで、見た目は20代だけど、実年齢は60歳を越えている。この世界で初めて見る魔族だ。
魔族と言っても、魔法に長けた種族であって、肌が緑や紫だったり、角や翼がある方の魔族ではない。
この世界では、魔力には老化を抑える効果があるため、魔力量が多いほど寿命も長くなるらしい。
エルフや魔族が長寿なのは生まれ持った魔力量が人族よりも多いからだとか。
ただし、そういう種族は子が出来にくく、人数は少ない傾向にあるみたいだからバランスが取れているのかもしれない。
やっぱり魔力量と関係があるのかな?
「突然無理なお願いをしてしまいすみませんでした。お会い出来て光栄です、イグナシオ様」
差し出された手を取りガッチリ握手する。
「アストレアとは同盟国。保護するのは当然だ。それよりも君に確認したいことがあるのだよ」
イグナシオ様がスッと目を細める。
(うわぁ……やっぱり聞かれるのか……)
「カケルくんはリリス様とどういう関係なんだい?」
(直球キター!? だから来たくなかったんだよ……この人、リリス様の熱狂的なファンだから気を付けろってベルナルドさんに言われてたんだよな……)
「……関係と言われましても、冒険者とギルドマスターとしか言えませんが?」
「だが、プリメーラとバドルはかなり距離があるだろう?」
「人身売買組織の件でバドルへ行った時にバルバロス辺境伯様にダンジョンの異変の調査を頼まれまして、その時にお世話になっただけですよ? (嘘は言っていない)」
「そ、そうか! だが、カケルくんとリリス様の仲が良いというギルドからの情報もあるのだ」
(くっ、しつこい……)
「ああ、多分美味しい甘いお菓子をお土産に持っていったのが良かったんだと思いますよ。リリス様、甘いものが好きみたいです」
「な、何だって!? 知らなかった……」
分かりやすくショックを受けるイグナシオ様。
「ちなみにプリメーラでそのお菓子売り始めたんで、良かったら食べに来て下さい。プリンっていう名前のデザートです」
「ぜひ買い占めに行かせてもらう! ふふふ……リリス様に沢山プリンを持っていったら……ふふふ」
いや、買い占めは困るけども。
「ありがとうございます。余裕が出来たらぜひセグンダでも販売させて下さい。これ試食用にどうぞ」
イグナシオ様にプリンを渡す。
「ほほう、これがプリンか! どれどれ……うはっ、これ美味いな!!」
夢中で食べるイグナシオ様。
イケメンだけに絵になるね。後で描いてみようかな。意外に売れるかもしれない。
「ふぅ……すまない、夢中になってしまった。これはリリス様が気に入るのも当然だな。頼むカケルくん! 早急にこの街でもプリンを売ってくれないか? 場所と準備金はこちらで用意する」
「分かりました。人材が確保出来たら最優先で出店しますよ」
「うむ、頼んだぞ! 人材なら冒険者ギルドか商業ギルドに募集をかける方法もある。話を通しておこう」
ふぅ……何とかリリス様の話題から逸らすことが出来たな。
「いやあ良かった。もしカケルくんとリリス様が恋仲とかだったら自爆魔法で心中しなければならないところだったよ……君と」
ひぃっ!? 怖いよこの人! 一瞬自爆魔法が覚えられるかもとか思ったけど、使い道ないわ〜。
「ところでリリス様はお元気だったかな?」
「はい、とても」
「そうか……カケルくんは自由な冒険者で羨ましいな。私も災厄が起こるまでは、謎の冒険者シオンとして週3でバドルの冒険者ギルドへ足を運んでいたのだが……」
……週3って……貴方、領主でしょ? 仕事して下さいイグナシオ様。いやまて、俺も領主なのに冒険者やってるから別に良いのか……?
「リリス様もシオンが来ないと心配しているに違いない。だか、カケルくんのおかげで、近いうちにまた冒険者に戻れるかもしれないな!」
すごく良い笑顔で嬉しそうなイグナシオ様。良かったですねとしか言えません。
「そういえば――――」
まだ何かあるんですか? 早く戻りたいんですが。
「君、サウスウエストレアをセレスティーナに変えたそうだね! それ素晴らしいアイデアだよ!!!」
「? あの、どういう意味――――」
「決めたよ、明日からこの街の名はセグンダから『リリス』に変更する」
やべぇ……これって俺のせいじゃないよな?
「城塞都市リリス! 何て甘美な響きなんだ……そうだ! この城もリリス城にして、リリス通りに、リリス街道……ふふっ夢が広がる!! おおっ! ついでに家名もリリスにするように王都に伺いを立てないと……リリス伯爵……ふ、フハッ、たまらんな!」
イグナシオ様の妄想が止まらないので、他の皆さんに挨拶をして大広間を出る。
俺は何も知らない……俺のせいじゃないからね!
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