異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~

ひだまりのねこ

王女の侍女でメイドさん

「なるほど、それではシェルターに避難している人たちを助けに行きましょう、ユスティティア様」


「…………いや!」


「は?」


「そんな呼び方、いや!」


「…………ユスティティア?」


「なあに? 旦那さま!」


「……シェルターに行きましょう」


「…………敬語」


「シェルターに行こうか、ユスティティア?」


「はい、旦那さま!」




 ユスティティアをお姫様抱っこしたまま、飛翔と転移でシェルターまで戻る。






「ユスティティア様! おかえりなさいませ!」
「おかえりなさい、ユスティティアさま〜」 


 ユスティティアの帰還に沸くシェルターの人々。


「みんな朗報だ! 異世界の英雄が助けに来てくれたぞ!」


 さすが第1王女、いきなり人前で旦那さま呼ばわりはしない。ちゃんと立場をわきまえているのだろう。


 でも……見えないところでちょこっと袖をつまむのは止めて欲しい。好きになっちゃうから!!




「みなさんはじめまして、異世界から来た冒険者のカケルです。もう大丈夫ですよ」


 全員に神水を飲ませ、料理とデザートを振る舞う。子どもたちも元気になって良かった。




「本当にありがとうございます! 異世界の英雄さま、私はアイシャ、姫様の侍女でメイドをしております」


 グレーの髪と赤い目が印象的な美少女だ。


 き、キター!! う、ウサ耳メイドさんキター!! あわわわ……どうしよう、心の準備が……


「…………旦那さま?」


 ヤバい! ユスティティアが不審に思っている。


「ご丁寧にありがとうございます、アイシャさん。宜しくお願いします」


 ふぅ、何とか誤魔化せたかな?






「……そうか……やはりサウスレア以外はほぼ全滅か……」


 悲痛な表情で歯を食いしばるユスティティア。予想以上の被害状況に衝撃を受ける。


「ああ、まだ北部と東部は調べていないけど、とりあえずセントレアは明日攻め込んで、魔人どもから奪還するつもりだ」


「……わかった。当然私も行く。妹も行くのだろう?」


 セレスティーナに加えて、ユスティティアがいればさらに盤石だ。正直負ける気がしないな。


 本当はユスティティアに戦わせたくないんだけど、今回は別だ。


 失われたものが還って来ることはないけれど、アストレアはユスティティアの愛した国だから。せめて思う存分戦わせてあげたい。






「じゃあ、みなさんセレスティーナに来るということで良いかな?」


 避難所の人々は全員セレスティーナに移住することになった。住んでいた町にはもう何も残っていないから。


 そして――――


「本当に私も一緒によろしいのでしょうか?」


 ユスティティアとアイシャさんは、俺の屋敷へ引越しが終わるまで、当面セレスティーナの領主の屋敷に住んでもらうことになった。


 そして、引越しが終われば我が家にウサ耳メイドさんがやってくる! やっほー!


「……旦那さま、なぜそんなに嬉しそうなの?」


 そんなこと、決まっているじゃないかユスティティア……


「……ユスティティアと一緒に暮らせると思ったら嬉しくてさ」


「だ、旦那さま……私も……」


 目をうるうるさせるユスティティア。


 嘘ではない、嘘ではないよ? ロマンなんだ。男の夢と言い換えても良い。






 避難所の人々をセレスティーナに転移で連れて行った。


 残るはアイシャさんとユスティティアの2人だけだ。


「次はアイシャさんですよ。行きましょうか」


 平静を装っているが、内心ドキワクだ。


 だってアイシャさんのビロードのようなグレーの髪とウサ耳に合法的に触れるチャンスだよ?


「は、はい、宜しくお願いいたします」


 おずおずと抱きついてくるアイシャさん。


「もっとしっかり掴まってください」


 大丈夫、これは必要なことなんです。


「こ、こうでしょうか?」


 腕に力を込め密着するアイシャさん。


(おふっ、み、耳が……ウサ耳が触れて気持ちいい!!)


「じゃあ行きましょう、転移!」


 アイシャさんをしっかり抱きしめ転移する。




(ど、どうしましょう? 殿方に抱かれるなんて初めて……こんなに気持ちが良いなんて……知らなかった)


「アイシャさん、着きましたよ」


「え? もう? 本当に早いんですね……」


 あれ、私、なんでこんなに残念に思ってるのかしら……な、何か時間を稼ぐ方法は……


 そうだ、異世界の方は獣人のモフモフがお好きだと聞いたことがあります。


 だったら――――


「あ、あの……もし、お嫌でなければ、私の耳と尻尾……モフモフ……します?」


(きゃー! 冷静に考えたらすごく恥ずかしい! 私、はしたないかしら?)


「…………します! すごくします!!」


 うわっ!? すごい食い付きですね!? 獣人で良かったと生まれて初めて思いました。


「それは良かったです。さあ、存分にどうぞ!」




 …………存分になんて言わなければ良かった……


 あんなに激しく情熱的にモフるなんて……


 もう、足腰が立ちません……責任とってくださいね、英雄さま?






「…………旦那さま……遅いわね?」


 ひとりシェルターで待つユスティティアだった。













「異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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コメント

  • ノベルバユーザー385074

    続きがとても気になります❗

    0
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