異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
迷宮の核心へ
ギルドマスターのリリスさまから、依頼の説明を受け、先程腕相撲をしたフロアに戻る。
「「「「申し訳ございませんでした!!!」」」」
ゴツい熊男たちが、一斉に土下座をする。
リーゼロッテの正体を知り、震え上がっていたのだろう。辺境伯様、娘のこととなると怖いからな。
「これに懲りたら、ああやって絡むのは止めることね。次に私の耳に届いたら、お父様に報告するわよ!」
「「「「もう決していたしません!!」」」」
まあ、反省しているようだし、少しは良くなるかな。
ギルドを出て、リーゼロッテと街を歩く。
「私の騎士、この後はどうするの?」
「迷宮の場所と、ある程度の情報を確認したら、一旦プリメーラに戻る。仲間に説明をしなければならないしな」
「そ、そうね! ちょっと恥ずかしいけど」
恥ずかしい? あ、そっちの説明ね。確かに説明しないとマズイな。
***
リーゼロッテと迷宮がある広場にやってきた。
バドルの迷宮は、郊外といっても、厳密には街の中にある。
もともと、迷宮に入るための拠点だったものが、徐々に発展して今のバドルになった訳だ。
もっとも、迷宮に近いエリアは、安全上の理由から旧市街地として放棄されており、基本的に住民は住んでいない。孤児や、住むところがない人々を除いて。
「リーゼロッテ、あの子たちは?」
迷宮に入るであろう冒険者に群がる子どもたちの姿が目に入る。
「冒険者に雇われて、迷宮で稼ごうとしているのよ」
「あんな小さな子どもたちが?」
「迷宮には、大人が入れない横穴がたくさんあって、そういう場所は、希少で良質な鉱石や素材が採れやすいの。危険だけど、子どもたちが稼げる数少ない仕事だから、禁止にも出来ないのよ……」
リーゼロッテの表情が曇る。
なるほど……他の街でも親を失った子どもたちを結構見かけた。仕事がある分、この街の子どもたちはまだマシな方なのかも知れない。
世界を救うつもりなら、戦うべきは魔物ばかりじゃない。孤児の問題もいずれ何とかしないとな。
「まずは、子どもたちが安全に働ける仕事が必要だな。俺も何か出来ないか考えてみるよ!」
「っ! ありがとう、私の騎士……」
きっと悩んでいたのだろうな。嬉しそうに笑うリーゼロッテをみてそう思った。
くそっ、また断わられた。この辺りじゃ、私が1番迷宮に詳しいっていうのに。
なんで……なんで、私の身体、大きくなっちまったんだよ。
これじゃあ、もう横穴には入れない。かといって、冒険者になるには、まだ何年か待たなきゃなんねえ。
冒険者の連中は、見た目は良いんだから、身体を売れば良いっていうが、冗談じゃない。そんなことする位なら、ドブさらいでもなんでもしてやるんだ。
仕方ねえ、リスクは高くなるけど、初めて迷宮に来た奴を狙おう。今の私が売れるのは、情報だけなんだから。
だが、弱いヤツは駄目だ。こっちの身に危険が及ぶからな……おっ! あの2人、強そうには見えないけど、相当やるぜ。長年生き抜いてきた勘が、そう教えてくれる。
「この迷宮初めてだろ? 私を雇わない? この辺りじゃ1番迷宮に詳しいんだ」
思い切って声をかけたけど、近づいてわかった。こいつ等はヤバい。これまで出遭ったどんな魔物よりも。
特に黒髪の男の方は、もはや人間の気配じゃない。あったことないけど、多分、ドラゴンと対峙したらこんな感じだと思う。本能が勝てないと諦めちまってるんだ。
私、殺される? 割と本気で後悔し始めた時、男が口を開いた。
「それは助かるな。いくらで案内してくれるんだ?」
へ? 拍子抜けしたのもあるけど、男の声があまりにも優しくて、黒い瞳があんまり綺麗だから、柄にもなく、固まっちまった。
「……あ、ああ、一日金貨1枚でどうだ? 絶対それ以上稼がせてやるから安いと思うぜ」
「わかった、お前を雇う。俺は冒険者のカケルだ。よろしくな、マイカ」
え……なんでこいつ私の名前知ってんだ?
「鑑定のスキルだ。それから、今日は迷宮には入らないから、明日から案内頼む。明日の朝、冒険者ギルドで待っていてくれると助かる。これは、今日と明日の分の予約金と、明日の朝食代だ」
げっ、顔に出てたのか。鑑定ってたしか凄いレアなスキルだよな? やっぱりこいつただ者じゃない。それに、予約金ってなんだよ? うわっ、金貨3枚も? 持ち逃げされるとか考えてないのかよ……ま、そんなことしないけどよ。
「本当にこんなにもらっていいのか? 後で返せっていっても返さねえぞ」
「もちろん、返せなんていわないさ。こっちの我がままに付き合わせるんだから迷惑料だ」
ふーん、変な奴。ま、貰えるもんもらえるなら何でもいいけどよ。
***
「リーゼロッテ、ダークエルフって珍しいのか?」
「ああ、さっきの子? そうね……このへんでは珍しいわよ。何か気になったの?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど、この世界のエルフとダークエルフって、やっぱり仲が悪いのかなって」
考えなしに雇ってしまったが、エルフとダークエルフの仲の悪さは、ファンタジーのお約束じゃないか。シルフィとサラの事を考えたら心配になってきた。決して可愛いから雇ったわけじゃないよ?
「は? なにそれ、そんな話聞いたことないけど?」
良かった。どうやら杞憂のようだ。
「もう用は済んだんでしょ? そろそろ帰る?」
「そう思ってたんだけど、なんかすごい核心に迫れそうな奴、見つけちまった……」
脇を通り過ぎる人の中に、とんでもないのが混じっていたよ!?
【名 前】 団慈四=増太郎(男)
【種 族】 オートマタ
【年 齢】 768
【身 分】 契約(白崎刹那)
【職 業】 ダンジョンマスター
【状 態】 ストレス過多
……もしかして、もう解決しちゃったかも?
「「「「申し訳ございませんでした!!!」」」」
ゴツい熊男たちが、一斉に土下座をする。
リーゼロッテの正体を知り、震え上がっていたのだろう。辺境伯様、娘のこととなると怖いからな。
「これに懲りたら、ああやって絡むのは止めることね。次に私の耳に届いたら、お父様に報告するわよ!」
「「「「もう決していたしません!!」」」」
まあ、反省しているようだし、少しは良くなるかな。
ギルドを出て、リーゼロッテと街を歩く。
「私の騎士、この後はどうするの?」
「迷宮の場所と、ある程度の情報を確認したら、一旦プリメーラに戻る。仲間に説明をしなければならないしな」
「そ、そうね! ちょっと恥ずかしいけど」
恥ずかしい? あ、そっちの説明ね。確かに説明しないとマズイな。
***
リーゼロッテと迷宮がある広場にやってきた。
バドルの迷宮は、郊外といっても、厳密には街の中にある。
もともと、迷宮に入るための拠点だったものが、徐々に発展して今のバドルになった訳だ。
もっとも、迷宮に近いエリアは、安全上の理由から旧市街地として放棄されており、基本的に住民は住んでいない。孤児や、住むところがない人々を除いて。
「リーゼロッテ、あの子たちは?」
迷宮に入るであろう冒険者に群がる子どもたちの姿が目に入る。
「冒険者に雇われて、迷宮で稼ごうとしているのよ」
「あんな小さな子どもたちが?」
「迷宮には、大人が入れない横穴がたくさんあって、そういう場所は、希少で良質な鉱石や素材が採れやすいの。危険だけど、子どもたちが稼げる数少ない仕事だから、禁止にも出来ないのよ……」
リーゼロッテの表情が曇る。
なるほど……他の街でも親を失った子どもたちを結構見かけた。仕事がある分、この街の子どもたちはまだマシな方なのかも知れない。
世界を救うつもりなら、戦うべきは魔物ばかりじゃない。孤児の問題もいずれ何とかしないとな。
「まずは、子どもたちが安全に働ける仕事が必要だな。俺も何か出来ないか考えてみるよ!」
「っ! ありがとう、私の騎士……」
きっと悩んでいたのだろうな。嬉しそうに笑うリーゼロッテをみてそう思った。
くそっ、また断わられた。この辺りじゃ、私が1番迷宮に詳しいっていうのに。
なんで……なんで、私の身体、大きくなっちまったんだよ。
これじゃあ、もう横穴には入れない。かといって、冒険者になるには、まだ何年か待たなきゃなんねえ。
冒険者の連中は、見た目は良いんだから、身体を売れば良いっていうが、冗談じゃない。そんなことする位なら、ドブさらいでもなんでもしてやるんだ。
仕方ねえ、リスクは高くなるけど、初めて迷宮に来た奴を狙おう。今の私が売れるのは、情報だけなんだから。
だが、弱いヤツは駄目だ。こっちの身に危険が及ぶからな……おっ! あの2人、強そうには見えないけど、相当やるぜ。長年生き抜いてきた勘が、そう教えてくれる。
「この迷宮初めてだろ? 私を雇わない? この辺りじゃ1番迷宮に詳しいんだ」
思い切って声をかけたけど、近づいてわかった。こいつ等はヤバい。これまで出遭ったどんな魔物よりも。
特に黒髪の男の方は、もはや人間の気配じゃない。あったことないけど、多分、ドラゴンと対峙したらこんな感じだと思う。本能が勝てないと諦めちまってるんだ。
私、殺される? 割と本気で後悔し始めた時、男が口を開いた。
「それは助かるな。いくらで案内してくれるんだ?」
へ? 拍子抜けしたのもあるけど、男の声があまりにも優しくて、黒い瞳があんまり綺麗だから、柄にもなく、固まっちまった。
「……あ、ああ、一日金貨1枚でどうだ? 絶対それ以上稼がせてやるから安いと思うぜ」
「わかった、お前を雇う。俺は冒険者のカケルだ。よろしくな、マイカ」
え……なんでこいつ私の名前知ってんだ?
「鑑定のスキルだ。それから、今日は迷宮には入らないから、明日から案内頼む。明日の朝、冒険者ギルドで待っていてくれると助かる。これは、今日と明日の分の予約金と、明日の朝食代だ」
げっ、顔に出てたのか。鑑定ってたしか凄いレアなスキルだよな? やっぱりこいつただ者じゃない。それに、予約金ってなんだよ? うわっ、金貨3枚も? 持ち逃げされるとか考えてないのかよ……ま、そんなことしないけどよ。
「本当にこんなにもらっていいのか? 後で返せっていっても返さねえぞ」
「もちろん、返せなんていわないさ。こっちの我がままに付き合わせるんだから迷惑料だ」
ふーん、変な奴。ま、貰えるもんもらえるなら何でもいいけどよ。
***
「リーゼロッテ、ダークエルフって珍しいのか?」
「ああ、さっきの子? そうね……このへんでは珍しいわよ。何か気になったの?」
「いや、そういうわけじゃないんだけど、この世界のエルフとダークエルフって、やっぱり仲が悪いのかなって」
考えなしに雇ってしまったが、エルフとダークエルフの仲の悪さは、ファンタジーのお約束じゃないか。シルフィとサラの事を考えたら心配になってきた。決して可愛いから雇ったわけじゃないよ?
「は? なにそれ、そんな話聞いたことないけど?」
良かった。どうやら杞憂のようだ。
「もう用は済んだんでしょ? そろそろ帰る?」
「そう思ってたんだけど、なんかすごい核心に迫れそうな奴、見つけちまった……」
脇を通り過ぎる人の中に、とんでもないのが混じっていたよ!?
【名 前】 団慈四=増太郎(男)
【種 族】 オートマタ
【年 齢】 768
【身 分】 契約(白崎刹那)
【職 業】 ダンジョンマスター
【状 態】 ストレス過多
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