異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
夢で逢えたら
「カケルくん……今度は私があなたに夢を見せてあげるわ」
妖艶な笑みを浮かべ、リリスさまが耳元でそうささやく。
「サキュバスは、男性に見たい異性の夢を見せることが出来るのよ」
サキュバスは人間の記憶から、リアルな夢を創り出し、男性に見せることが出来るそうだ。
普段は、男性の見たい夢を見せる代わりに魔力を吸わせて貰っているらしい。
「その人の秘めた願望が夢になるから、私に内容を言わなくて大丈夫よ、夢を覗いたりしないから安心してね」
優しく説明してくれるリリスさま。だったらお願いしてみようかな。
俺の最愛の人にはもう逢えない。だから、せめて夢で逢えたら――――
カケルくんは今、夢を見ている。
私は彼を膝枕しながら、かわいい寝顔を覗き込む。
(……カケルくんはどんな夢を見ているのかしら?)
気になるけれど、夢を覗くのはマナー違反だ。
まあ、99%の夢は覗く気にもならないHなものばかりだけどね。あら、寝言かしら?
「……ミコトさん……逢いたかった……」
そうつぶやくと、カケルくんの頬を涙が伝う。
泣いているの? 死に別れた恋人だろうか……それとも元の世界に残してきた彼女?
夢の内容までは分からないが、夢を見ている人の気持ちは分かる。夢の回廊を通じて一時的に精神が繋がっているから。
そう……もう逢えない人なのね。カケルくんの純粋な、痛いほどの想いが私の中に入ってくる。溢れた想いが私の涙になって流れ落ちた。
こんなに強い人が泣くなんて……いいえ、違う、きっと優しい人だから強いのね。
カケルくんの綺麗な黒髪を優しく撫でる。今だけは、この夢を楽しんでもらえるように想いをこめて。
リリスは、目の前で眠る青年に目を落とし、ひとり息を吐く。
どうしよう。胸の奥がぎゅっとなる。瞳が彼の寝顔から逸らせない。こんなに強い男の涙なんて反則じゃない……こんなに想ってもらえるミコトさんっていう女性が羨ましい……あれ、私、もしかして――
***
「……リリスさま、どうして泣いてるんですか?」
夢から醒めると、なぜかリリスさまに膝枕されている。リリスさまと目が合うが、彼女の瞳は涙で濡れていた。
「……なんでもないのよ、良い夢はみれたかしら?」
涙をそっと拭い、優しく微笑みかけるリリス。
「はい、とても……嬉しくて、優しくて、少し懐かしい……とてもあたたかい夢でした。ありがとうございます。リリスさま」
「そう……それならよかったわ。貰いっぱなしじゃ申し訳ないもの」
リリスさまにそういってもらえると、ありがたい。
「それで、あの~、ですね。リリスさまにお願いしたい事があるのですが……」
「……なにかしら?」
「たまにで良いので、また夢を見せてもらってもいいですか? もちろん魔力と交換で」
「もちろんよ、たまにと言わず、毎日でも構わないわ」
嬉しそうに微笑むリリスさまがとても綺麗で、思わずどきっとしてしまう。
(それに……もうカケルくんの魔力以外じゃ満足出来ない身体になってしまったの。責任とってもらうからね!)
「良いわ、今日から私は、カケルくん専用サキュバスになってあげる。もう他の人から魔力は貰わないからよろしくね!」
ぶっ!? 専用サキュバスって、なにその素敵ワード。良く分からないけど、これで、いつでもミコトさんに逢えるんだから、喜んでいいんだよね?
***
「カケルくん、今日は楽しかったわ。またいつでも誘ってね?」
「はい、リリスさま、俺も楽しかったです。また明日逢いに来ますね!」
「明日! 嬉しいわ。待ってるから」
リリスさまの嬉しそうな顔を見ると、俺まで嬉しくなる。
「ち、ちょっと待て、待て、待ってください〜!! 黙って聞いてれば、何デート帰りの別れ際みたいな会話してるんですか!! ここはギルドですよ、ギ、ル、ド。カケルさまも、なんで帰ろうとしてるんですか! 依頼の話、まだしてないじゃないですか!」
あ、そういやそうだった……リノのツッコミで我にかえる。当初の目的忘れてたよ!
「別に良いじゃない、リノは真面目すぎるのよ。そこが好きなんだけど」
「ふぇっ、と、とにかく依頼の話を――」
顔を赤くして照れるリノさんがかわいい。
「……私の騎士! 本当に魔力を吸わせただけなんでしょうね?」
ジト目で睨んでくるリーゼロッテ。
(……だって、リリスさまが、私の騎士を見る目、あれって絶対私と同じ……恋する乙女の目なんだから!!)
***
「ミコトさん……どうして泣いているんですか?」
『今日のレポートが泣ける。カケルが幻の私に逢って泣く夢よ? カケルが可愛くて泣くしかない』
「……ごめんなさい、全く意味不明なんですけど?」
『……もう我慢出来ない。美琴行こう』
「えっ、行くって何処へですか?」
『決まってる、カケルのと、こ、ろ』
「可愛く言っても駄目ですよ! 私が動いたらこの国が――」
『……チッ』
「ミコトさん……今、舌打ちしませんでした?」
『……気のせい。美琴、耳かきする?』
「ちゃんと聞こえてますから! っていうか、耳かきあるんですか? 貸してくださいよ」
『仕方ない……はい使って』
「あの……これは何ですか?」
『……竹とナイフ』
「…………頑張って作ります」
妖艶な笑みを浮かべ、リリスさまが耳元でそうささやく。
「サキュバスは、男性に見たい異性の夢を見せることが出来るのよ」
サキュバスは人間の記憶から、リアルな夢を創り出し、男性に見せることが出来るそうだ。
普段は、男性の見たい夢を見せる代わりに魔力を吸わせて貰っているらしい。
「その人の秘めた願望が夢になるから、私に内容を言わなくて大丈夫よ、夢を覗いたりしないから安心してね」
優しく説明してくれるリリスさま。だったらお願いしてみようかな。
俺の最愛の人にはもう逢えない。だから、せめて夢で逢えたら――――
カケルくんは今、夢を見ている。
私は彼を膝枕しながら、かわいい寝顔を覗き込む。
(……カケルくんはどんな夢を見ているのかしら?)
気になるけれど、夢を覗くのはマナー違反だ。
まあ、99%の夢は覗く気にもならないHなものばかりだけどね。あら、寝言かしら?
「……ミコトさん……逢いたかった……」
そうつぶやくと、カケルくんの頬を涙が伝う。
泣いているの? 死に別れた恋人だろうか……それとも元の世界に残してきた彼女?
夢の内容までは分からないが、夢を見ている人の気持ちは分かる。夢の回廊を通じて一時的に精神が繋がっているから。
そう……もう逢えない人なのね。カケルくんの純粋な、痛いほどの想いが私の中に入ってくる。溢れた想いが私の涙になって流れ落ちた。
こんなに強い人が泣くなんて……いいえ、違う、きっと優しい人だから強いのね。
カケルくんの綺麗な黒髪を優しく撫でる。今だけは、この夢を楽しんでもらえるように想いをこめて。
リリスは、目の前で眠る青年に目を落とし、ひとり息を吐く。
どうしよう。胸の奥がぎゅっとなる。瞳が彼の寝顔から逸らせない。こんなに強い男の涙なんて反則じゃない……こんなに想ってもらえるミコトさんっていう女性が羨ましい……あれ、私、もしかして――
***
「……リリスさま、どうして泣いてるんですか?」
夢から醒めると、なぜかリリスさまに膝枕されている。リリスさまと目が合うが、彼女の瞳は涙で濡れていた。
「……なんでもないのよ、良い夢はみれたかしら?」
涙をそっと拭い、優しく微笑みかけるリリス。
「はい、とても……嬉しくて、優しくて、少し懐かしい……とてもあたたかい夢でした。ありがとうございます。リリスさま」
「そう……それならよかったわ。貰いっぱなしじゃ申し訳ないもの」
リリスさまにそういってもらえると、ありがたい。
「それで、あの~、ですね。リリスさまにお願いしたい事があるのですが……」
「……なにかしら?」
「たまにで良いので、また夢を見せてもらってもいいですか? もちろん魔力と交換で」
「もちろんよ、たまにと言わず、毎日でも構わないわ」
嬉しそうに微笑むリリスさまがとても綺麗で、思わずどきっとしてしまう。
(それに……もうカケルくんの魔力以外じゃ満足出来ない身体になってしまったの。責任とってもらうからね!)
「良いわ、今日から私は、カケルくん専用サキュバスになってあげる。もう他の人から魔力は貰わないからよろしくね!」
ぶっ!? 専用サキュバスって、なにその素敵ワード。良く分からないけど、これで、いつでもミコトさんに逢えるんだから、喜んでいいんだよね?
***
「カケルくん、今日は楽しかったわ。またいつでも誘ってね?」
「はい、リリスさま、俺も楽しかったです。また明日逢いに来ますね!」
「明日! 嬉しいわ。待ってるから」
リリスさまの嬉しそうな顔を見ると、俺まで嬉しくなる。
「ち、ちょっと待て、待て、待ってください〜!! 黙って聞いてれば、何デート帰りの別れ際みたいな会話してるんですか!! ここはギルドですよ、ギ、ル、ド。カケルさまも、なんで帰ろうとしてるんですか! 依頼の話、まだしてないじゃないですか!」
あ、そういやそうだった……リノのツッコミで我にかえる。当初の目的忘れてたよ!
「別に良いじゃない、リノは真面目すぎるのよ。そこが好きなんだけど」
「ふぇっ、と、とにかく依頼の話を――」
顔を赤くして照れるリノさんがかわいい。
「……私の騎士! 本当に魔力を吸わせただけなんでしょうね?」
ジト目で睨んでくるリーゼロッテ。
(……だって、リリスさまが、私の騎士を見る目、あれって絶対私と同じ……恋する乙女の目なんだから!!)
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「ミコトさん……どうして泣いているんですか?」
『今日のレポートが泣ける。カケルが幻の私に逢って泣く夢よ? カケルが可愛くて泣くしかない』
「……ごめんなさい、全く意味不明なんですけど?」
『……もう我慢出来ない。美琴行こう』
「えっ、行くって何処へですか?」
『決まってる、カケルのと、こ、ろ』
「可愛く言っても駄目ですよ! 私が動いたらこの国が――」
『……チッ』
「ミコトさん……今、舌打ちしませんでした?」
『……気のせい。美琴、耳かきする?』
「ちゃんと聞こえてますから! っていうか、耳かきあるんですか? 貸してくださいよ」
『仕方ない……はい使って』
「あの……これは何ですか?」
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