異世界行ったら、出会う女性みんな俺を好きになるので収集つかなくなっている ~スケッチブックに想いをのせて 死神に恋した男の無双&ほのぼのハーレム~
魔人帝国の野望
「負傷者は後ろに下がれ! くそっ、次から次へと湧いてきやがる……」
格好つけて、この場を引き受けたのはいいが、前後から挟撃されるこの場所は、間違いなく死地だ。普通なら……
「おら、ダニエル、なに、しけたつらしてんだよ! さっさと蹴散らして、味方と合流するよ」
だが、俺たちのリーダー、セシリアがいるなら、そこは間違いなく安全地帯だ。
「セシリア、背後の魔物の勢いが弱まっている。プリメーラからの本隊が到着したのかもしれないわ」
「よし、じゃあ、ここはカタリナたちに任せる。私たちは、一気に突破して、本隊と合流する」
「了解、一応気を付けてね」
「誰に言ってんの、了解!」
「ネコの尻尾隊、突撃!!」
「「「「「おう!!!」」」」」
雄叫びを上げながら、セシリアたち、ネコの尻尾隊は、魔物の大群の中へ消えていった。
(でも、こちらもそろそろ終わりそうだけど……ね)
カタリナは突如起こった爆発音に視線を向ける。
百を超える魔物が、風に舞い上げられたかと思うと、輪切りになって肉片に変わる。かと思えば、地獄の業火と見紛うばかりの炎により、魔物の大群が焼きつくされ灰と化す。
「すげえ……あれが、暴風の魔女と紅蓮の魔女……死の双姫の実力か……普段のカケルにデレデレな姿を見慣れてるから、同一人物とは信じられんが」
「いや……白銀の悪魔もやばいぞ、あれで本当にC級なのか?」
目にも留らぬ速度で無表情に魔物を屠ってゆくクロエの姿は、まさしく悪魔のようであった。
「……すまんが、あれは一体なんだ? もはや何をしているのかすら分からん」
「あれは、トラシルヴァニア公国の吸血姫だよ。何でも、血を操作できるとか……」
「なにそれ、怖っわ……」
エヴァンジェリンは、自らの血だけではなく、流血等で体外に出た血であれば操作できる。流血した魔物は、自らの血の刃によって次々命を落としてゆく。
気が付けば、魔物の大群は大半が倒され、戦いの趨勢は決していた。
「カタリナさん、遅くなりました!」
カケルがグリフォンから飛び降り、カタリナの隣に降り立つ。
「あら、カケルくん、思ったより早かったのね。きゃっ、どうしたのカケルくん……」
カタリナを抱き寄せ、襲いかかってきたリザードマンをカケルが一刀に斬り捨てる。
「大丈夫ですか? カタリナさん」
「え、ええ、大丈夫よ、疲れで、ちょっと油断しちゃったみたい」
カケルにもたれかかり、腕を組むカタリナ。相変わらず薄着なので、至福の感触だ。
『うわっ、なにが きゃっ だよ、助けなんて要らねえほど強いくせに』
『だよな、寒気で鳥肌立っちまった』
「……ごめんねカケルくん、ちょっと狩り残したオークが二人いるみたいだから」
「ははは……いってらっしゃい」
『『ぎゃあああああああ』』
***
――――プリメーラ軍本隊――――
「報告します。魔物の勢いが弱まりつつあります。どうやら、背後からも攻撃を受けている模様です」
「御苦労さま、どうやら、この先の騎士団が頑張っているみたいだね。急いで合流するぞ、全軍突撃!!」
状況が有利に傾いたと判断し、アルフレイドが全軍に突撃を命じる。挟撃され混乱していた魔物たちは、行き場を失くして次々と数を減らしてゆく。
そんな中、魔物の大群を突きぬけて、5人の男女が、アルフレイドたちの前に現われた。
「あれは……ネコの尻尾じゃないか……なぜこんなところにいるんだ?」
アルフレイドは困惑する。それはそうだ、彼らは、依頼を受け、西の森へ行っているはずなのだ。
「領主さま直々の出陣とは驚きだな。プリメーラの守りは大丈夫なのか?」
「こちらこそ、驚いたよ、セシリア。なぜこんなところにいるか聞いても良いかい?」
「騎士団から救助要請をもらったんで、カケルたちと一緒に空をとんでここまできたんだ」
「空を? まさか……グリフォンに乗ってたのは君たちかい?」
「おお! よくわかったな。さすが領主さま。この先がかなりやばい状況だったから、みんなは、この先で戦ってる。カケルは、セレスティーナ様を助けに最前線へ向かった。何とか間に合って欲しいけどな」
「そうか……なら、戦力は十分だね。一気にエスペランサを取り戻せるかもしれないな……」
アルフレイド率いる本隊に、セシリアたちが加わったことで、一気に攻撃力が上がる。あっという間に魔物の群れを蹴散らしてゆく。
セシリアは、指揮ばかりで一向に戦闘に参加しないアルフレイドを見て、不思議に思う。
「……領主様は、戦わないのか? 有名な四聖剣の戦いっぷりを、生で見たかったんだけどね」
「うーん、私の剣は、こういう乱戦に向かないからね。敵味方関係なく死んじゃうし。強そうな奴が出てきたら戦おうかな」
「……一体どんな剣なんだよ、ヤバくてわくわくするな」
興奮してうっとり恍惚の表情になるセシリア。
「私には、君の方がヤバく思えるけどね……」
アルフレイドは、そんなセシリアを横目で追いながら、呆れたように息を吐く。
***
「セレス騎士団長殿、よく無事だったね。正直、生存は厳しいんじゃないかと思っていたよ」
アルフレイド率いるプリメーラ軍本隊は、カケルたちのいるエスペランサ撤退組と合流して、現在、陣を築き野営の準備をすすめている。
アルフレイドは、今後の作戦を話し合うため、設営された簡易テントの中にいた。
「旦那様のおかげです。私のピンチに間一髪現れた時の旦那様の勇姿と言ったらもう……」
話すうちにどんどんデレデレになっていくセレスティーナ。なんかサクラ化してるぞ。
「……残念だ、どうやら、必ずしも無事とは言えないようだな」
アルフレイド様が、苦笑いでどん引きしてるよ、セレスティーナさん! 早く帰ってきて! 
***
全員揃うのを待ってヴァロノスを召喚し、尋問タイムとなった。そこで出てきた情報は、世界中を揺るがす、とんでもないものばかりだった。
「……ということは、半年前の災厄を含めて、その魔人帝国とやらが、裏で糸を引いているということか……」
召喚魔人となった、ヴァロノスの話によれば、今回の侵攻は、30年以上前から密かに進められ、地下トンネルの完成とともに、実行に移されたらしい。
ちなみに、この世界に来てから、様々な情報を集めてきて、確信したことが一つある。この世界は、地球とそっくり同じだということ。太陽や月の運行から、地形にいたるまで、まるでコピーしたかのように。俺がいるプリメーラは、ちょうどポルトガルの南東部あたりだと思う。
創造神たる女神様が、手抜きをしたとも思えないので、きっと何か深い意味があるのだろう。
(……カケルくん、深い意味はないのよ、単なる手抜き、期待させて、なんかごめんね……)
ん? いま何か聞こえたような……気のせいか?
とにかく、魔人帝国は、地球でいえばアフリカ北部、国でいうと、モロッコ、アルジェリアのあたりに存在することが判明した。
アフリカ大陸は、この世界では通称魔大陸と呼ばれているらしいが、航海技術が発達していないせいで、これまで交易も無く、情報も全くと言っていいほど無いらしい。
侵攻の目的は、この大陸全土の征服で、今こちらに来ているのは、偵察を兼ねた先遣隊ということだ。
魔人の中でも、ヴァロノスのような魔貴族は、魔物を支配する能力を持っているらしく、魔物を兵として、少数の指揮官のみで戦えるのは、非常に厄介だ。
複数の命を持つことも含めて、俺たちにとって魔人帝国は、大変な脅威だといえる。
ヴァロノスの情報によれば、幸いなことに、敵本隊がやってくるまで、まだしばらく時間がある。
その前に、エスペランサ砦を奪還し、先遣隊の本拠地であるアストレア王都セントレアを何とかしなくてはならない。
その後の会議で、ひとまずエスペランサ砦の奪還が決定されたのであった。
格好つけて、この場を引き受けたのはいいが、前後から挟撃されるこの場所は、間違いなく死地だ。普通なら……
「おら、ダニエル、なに、しけたつらしてんだよ! さっさと蹴散らして、味方と合流するよ」
だが、俺たちのリーダー、セシリアがいるなら、そこは間違いなく安全地帯だ。
「セシリア、背後の魔物の勢いが弱まっている。プリメーラからの本隊が到着したのかもしれないわ」
「よし、じゃあ、ここはカタリナたちに任せる。私たちは、一気に突破して、本隊と合流する」
「了解、一応気を付けてね」
「誰に言ってんの、了解!」
「ネコの尻尾隊、突撃!!」
「「「「「おう!!!」」」」」
雄叫びを上げながら、セシリアたち、ネコの尻尾隊は、魔物の大群の中へ消えていった。
(でも、こちらもそろそろ終わりそうだけど……ね)
カタリナは突如起こった爆発音に視線を向ける。
百を超える魔物が、風に舞い上げられたかと思うと、輪切りになって肉片に変わる。かと思えば、地獄の業火と見紛うばかりの炎により、魔物の大群が焼きつくされ灰と化す。
「すげえ……あれが、暴風の魔女と紅蓮の魔女……死の双姫の実力か……普段のカケルにデレデレな姿を見慣れてるから、同一人物とは信じられんが」
「いや……白銀の悪魔もやばいぞ、あれで本当にC級なのか?」
目にも留らぬ速度で無表情に魔物を屠ってゆくクロエの姿は、まさしく悪魔のようであった。
「……すまんが、あれは一体なんだ? もはや何をしているのかすら分からん」
「あれは、トラシルヴァニア公国の吸血姫だよ。何でも、血を操作できるとか……」
「なにそれ、怖っわ……」
エヴァンジェリンは、自らの血だけではなく、流血等で体外に出た血であれば操作できる。流血した魔物は、自らの血の刃によって次々命を落としてゆく。
気が付けば、魔物の大群は大半が倒され、戦いの趨勢は決していた。
「カタリナさん、遅くなりました!」
カケルがグリフォンから飛び降り、カタリナの隣に降り立つ。
「あら、カケルくん、思ったより早かったのね。きゃっ、どうしたのカケルくん……」
カタリナを抱き寄せ、襲いかかってきたリザードマンをカケルが一刀に斬り捨てる。
「大丈夫ですか? カタリナさん」
「え、ええ、大丈夫よ、疲れで、ちょっと油断しちゃったみたい」
カケルにもたれかかり、腕を組むカタリナ。相変わらず薄着なので、至福の感触だ。
『うわっ、なにが きゃっ だよ、助けなんて要らねえほど強いくせに』
『だよな、寒気で鳥肌立っちまった』
「……ごめんねカケルくん、ちょっと狩り残したオークが二人いるみたいだから」
「ははは……いってらっしゃい」
『『ぎゃあああああああ』』
***
――――プリメーラ軍本隊――――
「報告します。魔物の勢いが弱まりつつあります。どうやら、背後からも攻撃を受けている模様です」
「御苦労さま、どうやら、この先の騎士団が頑張っているみたいだね。急いで合流するぞ、全軍突撃!!」
状況が有利に傾いたと判断し、アルフレイドが全軍に突撃を命じる。挟撃され混乱していた魔物たちは、行き場を失くして次々と数を減らしてゆく。
そんな中、魔物の大群を突きぬけて、5人の男女が、アルフレイドたちの前に現われた。
「あれは……ネコの尻尾じゃないか……なぜこんなところにいるんだ?」
アルフレイドは困惑する。それはそうだ、彼らは、依頼を受け、西の森へ行っているはずなのだ。
「領主さま直々の出陣とは驚きだな。プリメーラの守りは大丈夫なのか?」
「こちらこそ、驚いたよ、セシリア。なぜこんなところにいるか聞いても良いかい?」
「騎士団から救助要請をもらったんで、カケルたちと一緒に空をとんでここまできたんだ」
「空を? まさか……グリフォンに乗ってたのは君たちかい?」
「おお! よくわかったな。さすが領主さま。この先がかなりやばい状況だったから、みんなは、この先で戦ってる。カケルは、セレスティーナ様を助けに最前線へ向かった。何とか間に合って欲しいけどな」
「そうか……なら、戦力は十分だね。一気にエスペランサを取り戻せるかもしれないな……」
アルフレイド率いる本隊に、セシリアたちが加わったことで、一気に攻撃力が上がる。あっという間に魔物の群れを蹴散らしてゆく。
セシリアは、指揮ばかりで一向に戦闘に参加しないアルフレイドを見て、不思議に思う。
「……領主様は、戦わないのか? 有名な四聖剣の戦いっぷりを、生で見たかったんだけどね」
「うーん、私の剣は、こういう乱戦に向かないからね。敵味方関係なく死んじゃうし。強そうな奴が出てきたら戦おうかな」
「……一体どんな剣なんだよ、ヤバくてわくわくするな」
興奮してうっとり恍惚の表情になるセシリア。
「私には、君の方がヤバく思えるけどね……」
アルフレイドは、そんなセシリアを横目で追いながら、呆れたように息を吐く。
***
「セレス騎士団長殿、よく無事だったね。正直、生存は厳しいんじゃないかと思っていたよ」
アルフレイド率いるプリメーラ軍本隊は、カケルたちのいるエスペランサ撤退組と合流して、現在、陣を築き野営の準備をすすめている。
アルフレイドは、今後の作戦を話し合うため、設営された簡易テントの中にいた。
「旦那様のおかげです。私のピンチに間一髪現れた時の旦那様の勇姿と言ったらもう……」
話すうちにどんどんデレデレになっていくセレスティーナ。なんかサクラ化してるぞ。
「……残念だ、どうやら、必ずしも無事とは言えないようだな」
アルフレイド様が、苦笑いでどん引きしてるよ、セレスティーナさん! 早く帰ってきて! 
***
全員揃うのを待ってヴァロノスを召喚し、尋問タイムとなった。そこで出てきた情報は、世界中を揺るがす、とんでもないものばかりだった。
「……ということは、半年前の災厄を含めて、その魔人帝国とやらが、裏で糸を引いているということか……」
召喚魔人となった、ヴァロノスの話によれば、今回の侵攻は、30年以上前から密かに進められ、地下トンネルの完成とともに、実行に移されたらしい。
ちなみに、この世界に来てから、様々な情報を集めてきて、確信したことが一つある。この世界は、地球とそっくり同じだということ。太陽や月の運行から、地形にいたるまで、まるでコピーしたかのように。俺がいるプリメーラは、ちょうどポルトガルの南東部あたりだと思う。
創造神たる女神様が、手抜きをしたとも思えないので、きっと何か深い意味があるのだろう。
(……カケルくん、深い意味はないのよ、単なる手抜き、期待させて、なんかごめんね……)
ん? いま何か聞こえたような……気のせいか?
とにかく、魔人帝国は、地球でいえばアフリカ北部、国でいうと、モロッコ、アルジェリアのあたりに存在することが判明した。
アフリカ大陸は、この世界では通称魔大陸と呼ばれているらしいが、航海技術が発達していないせいで、これまで交易も無く、情報も全くと言っていいほど無いらしい。
侵攻の目的は、この大陸全土の征服で、今こちらに来ているのは、偵察を兼ねた先遣隊ということだ。
魔人の中でも、ヴァロノスのような魔貴族は、魔物を支配する能力を持っているらしく、魔物を兵として、少数の指揮官のみで戦えるのは、非常に厄介だ。
複数の命を持つことも含めて、俺たちにとって魔人帝国は、大変な脅威だといえる。
ヴァロノスの情報によれば、幸いなことに、敵本隊がやってくるまで、まだしばらく時間がある。
その前に、エスペランサ砦を奪還し、先遣隊の本拠地であるアストレア王都セントレアを何とかしなくてはならない。
その後の会議で、ひとまずエスペランサ砦の奪還が決定されたのであった。
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