アリーの冒険所 1 【1説】

マスター・アリー (アリー・マスター)

【12章 クリスタルセンター】多数人編

『愛編』
 
 すると、ハナは言った。
「ここよ。ここで愛とアリーちゃんが所持するクリスタルを検査するの。少し耐えてもらうこともあるけれど、我慢してね。」
ハナはギギギと音を立てながらドアを開けた。音的にきっと重いんだろうな…。
「さあ、入って。」
私とアリーは相槌をしてクリスタルセンターに入っていった。

「誰でしょう?。」
水色のまとまった髪で灰色の縁のメガネをかけて研究服を着ている少し身長が低めな男の子が言った。
「か、可愛い…。」
ふと、言ってしまった。いくつなんだろう?身長とかも気になるなぁ…。質問してみたいことが多く頭の中で出てくる。
 そう、この男の子…私のタイプだったのだ。
「なに、ジロジロ見てるんですか?。少し気持ち悪いですよ…。」
「あっ、ごめんなさい!。あのー、年齢とか身長とか気になるんですけど…。」
ラバは苦笑いをしていた。
「はぁ…。普通は自分のこと名乗ってから質問するべきですよ。僕は、ユマ・ガローナ。あの人は双子の兄のヨマ。」
「やっほー。兄やってまーす!。」
ヨマは私に手を振ってニコニコしている。ヨマはユマと同じ色の髪色だがギザ髪で少し天パみたい。メガネはしてなくて研究服の着方もボタンを全部外して少しだらしない感じにしている。
「あっ、よろしくお願いします!。 ユマさん、ヨマさん!。私は天野愛です!愛でもなんでもいいです!。」
「変わった名前ですね。それじゃあ…天野さんって呼ばせていただきますね。」
「あっ、俺は愛で!。」
「わ、わかりました!。」
「あっ、言い忘れていましたね。歳は24で身長は161cm…。」
少し不満そうな態度で言っている。そして、ユマはコーヒーを入れ始めた。私は、思い切って言いたいことを言った。
「可愛いですね!。小柄で!。年齢の割に若々しく見えるし!。」
コーヒーが入ったマグカップをドンっと音を立てて机に置いた。
 えっ、もしや、怒ってる…?。
「だ、誰が、小柄だー!。僕はこんな背が低くなりたくてなってるわけじゃないのに!!!ヨマは174もあるのに、僕はなんでこんなに背が低いんだよぉ…。」
「ユマ、落ち着けって…笑。」
ヨマがユマを腕で暴れているのを止めようとするが、
「はーなーせー!!!。双子なのにこんなに共通点がないのはおかしいって!。ヨマは目もいいし天パだしなんか…チャラいし!。僕は…大人びたかっこいい研究者になりたかったんですよ…。」
「ユマ、お前少し酷いこと言うな笑。ほら、新しくクリスタルの検査を受けに来る子も来たんだしさ、落ち着いて仕事しようぜ。」
ラバとハナは2人で、
「「あはははは。」」
と苦笑いしていた。
「わかりました…落ち着きます…。みなさん、こちらの部屋に来てください。」
クリスタルセンターの中にある大きめな部屋をユマは指さして、みんなをつれていった。
その部屋には、大きな机と8個の椅子。そして、水族館のようなでかいガラス張りの空間があった。そして、ガラス張りの空間の近くには、本当に研究だなぁと思えるコンピュータなど機械などがいっぱいあった。
「凄いな、愛。」
「そうだね、ここで検査してもらうのかな?。」
「そうですよ、まあ今からいろいろ準備しますので、コーヒーとかお菓子をいただいてください。」
「俺のオレンジとグレフル食べんじゃねーよ。」
そう、ユマとヨマが言うと【研究者以外立ち入り禁止】と書いてある部屋に入っていたのだった。

 「愛、ユマくん案外敏感な性格だから、怒らせちゃダメだよ。後ろで見てて少し恥ずかしかったよ。」
「ぶっちゃけ、私も…。」
ハナとラバが私に注意をかけた。ラバはもっと私に言いたいことがあったんだろうけど、優しいから言うのを辞めたっぽい。態度でわかる。
 すると、アリーは急に言い出した、
「愛は、人と関わるのが苦手なんだ。私も今日親友になったばっかだが、なんとなくわかる。私は、愛より知らないことだらけだけど、愛のことならよくわかる。それと、これからも今以上にわかっていくはず。だから、強く責めないでくれ。あと、仲良くしていきたいしな!。」
「ア、アリー…。ありがとう。」
私は嬉しい気持ちでいっぱいなのかいつもより最高の笑みでアリーを見た。

 「お取り込み中すいません。準備できたので、こちらの部屋に来てください。」

「あっ、はーい。」
私とアリーはそう言い、呼ばれた部屋へと入っていった。

「本当にあの二人大丈夫なのかしら?。」
「大丈夫よ。でも、何か違うものがありそうね。」
「そうなの?、ハナ。」
「予知よ。なにかダメージを受けたりしたら私が回復させたらいいし。ちゃんと見てもらいたいね。」
「そうか…。違う世界から来てるからかしら…。」

「改めまして、ユマ・ガローナです。」
「ヨマ・ガローナだよー。」
「これから始めていくことは、クリスタルを調査することです。貴方たちは、まだ自分のクリスタルを把握してないのです。早いうちにクリスタルを把握しないと最悪の場合捕まってしまいます。」
「マジかよ…。」
アリーは少し焦っているようで、検査も怖がっている。
「もっと言うと、処刑されることもあるんだぜ…。だから、俺らもいろいろ大変なんだよ。」
「そこまでするものなのかな…。」
私も怖くなってきた…。でも、しなきゃ逮捕される…。うう、怖いなぁ。
「そうですね、怖くなる気持ちもわかります。でも、大丈夫です。すぐ終わります。僕達も頑張りますので。」
「後でお金くれよな!。」
「「えっ。」」
「いや、私達お金なんて持ってないんだが…。」
「最低でも、数日間待ってくださいよ…。」
私とアリーは、いろんな感情でいっぱいになってきた。お金とかかかるとは思ったけど、このタイミングで言われると厳しい。
 すると、ユマはムッとした顔で
「ヨマ!そんな事言わないでください。まだ、愛さんとアリーさんはお金を持ってない状態なんですよ!。無駄口を叩かないでください!。」
お金が無いってはっきり言われるのもなかなか辛いな…。でも、んん、あー…。
「でも、数日後に請求書は渡しますからね。2ヶ月以内に払ってもらわないと金額増やすので、覚悟してください。」
私ははい。と、アリーはわかった。と言った。
「なら、検査に取り掛かります。言いづらいですが、この検査には服を脱いでもらうようになっているのですがぁ…。」
ユマはすごく嫌そうな顔をしている。もちろん、私もアリーも抵抗がある。
「えー、服を脱ぐのか?。」
「はい、そうです。」
「下着もですか?。」
「そうですよ。ここの空間に入ってもらうんですけど、このスライムのような液体に入ってもらいます。この液体に体が触れると自分の体が調査されていき、これからのクリスタルのことについて詳しくわかっていきます。もちろん、この液体は消毒などして新しいものにしてあります。説明はいいですね?。」
私はコクっと頷いて、こう思った。絶対めっちゃ金かかる…。きっと、アリーもそう思っているだろう。
「愛、とりあえず服脱ご。恥ずかしい思いは早く終わらせた方がいいから。」
「そ、そうだね。」
「大丈夫です。裸の姿を見る時は検査中だけです。変な目では見ないので、安心してください。脱いだらこの検査室に入ってください。」
 私とアリーは黙って服を脱いでいった…。

「お互い脱ぎ終わったな。」
「検査室、入ろっか。」
「そうだな。」
検査室に入ると、二つそれっぽいのがあった。
「ここだよね…。」
「私もわからないが、入ってみるしかないな…。」
入ると、小学生とかに体験したプールの授業みたいな感覚がしてもっと恥ずかしくなってきた。
「冷た。」
冷たくて鳥肌が少したっていく。
「入ったようなので、検査を始めていきます。僕達は別室から透明ガラスで貴方たちの様子を見ます。できる限りじっとしててください。」

『ユマ・ヨマ編 (主にテレポート)』

 おいおい、ユマ。愛って子が胸デカイから少し恥ずかしがってんじゃねーよ。笑
 そ、そんなことありません!!。
 にしても、もう一人の子は貧相だな。
 そんなこと言ってはいけませんよ!それが、その子にとってのひとつの個性なんです!。
 ははっ。いい人ぶってるユマも可愛いもんだなぁ。お兄ちゃん笑っちゃうよ。
 確かに、僕は弟の立場ですが、双子です!自分のことお兄ちゃんとか言わないでくれませんか?。
 いいじゃねぇか!。だって身長もかなり違うし。
 そこは、突っ込まないでください!!。

~数分後~

 「おっ、おい。検査結果が…。」
「なんですか?、…って。」
「ほら、見て。ウィズクリスタル…。確率の低いクリスタルじゃん。」
「そうですね。全く似てないのにどうして?。」
「わかんねぇ。それと、愛って子は全属性だぞ。ほぼ、チートのクリスタルをもってやがる。」
「これからに期待できそうな結果になりましたね。このことを、二人にどう伝えようか…。」
「とりあえず、書類に書いておこう。」
二人は、必死にパソコンを使って書類を書いていった。
「ウィズクリスタルの説明ってこんなに難しいのかよ。」
「全属性の説明もなかなかです…。」
「とりあえず、検査は終わったからこっちに帰ってもらうか。」
「そうですね。」

『愛編』

 「お二人方、検査終わりましたよー。服を着て、こっちに来てくださーい。」
私とアリーは服を着て検査室から出て、ユマとヨマが待っている部屋へと向かった。
「やっと終わったな、愛。」
「そうだね、アリー。すごく冷たかった…。」
「案外長かったな。」
「もういやになっちゃうよぉ。でも、終わったしあとは結果だけだね。」
「どんな、クリスタルか気になるなー。」
うんうん。とか相槌を言いながら話していると、いつの間にか部屋に付いていた。
「お二人方、お疲れ様です。これから、検査結果を言っていきます。
一人一人結果を言いたいのですが、予想外の結果になったので、二人同時に言っていこうと思います。ヨマ、詳しく教えてあげて。」
「おう。まずね、どんなクリスタルになったか教えていくぜ!。君たちは偶然か特別かよくわかんねぇけど、確率の低いクリスタルだったんだよ。そのクリスタルの名前は『ウィズクリスタル』、二人でひとつって感じだな。」
「ウィズクリスタル…?。二人でひとつ…?。それがどうしたんだ?。特に特別なことでもあるのか?。ただの宝石なんだろ?。」
私も思っていることをアリーは質問した。本当にどうなってるかわかんないなぁ…。
 すると、ユマがコホンと咳払いをして言った、
「それが、特別なんです。普通の人のクリスタルより頑丈でいろんな能力があります。しかしその分、デメリットが多いです。お互いどちらかがダメージを受けた場合もう一人の方も傷を負います。それと、互いの気持ちがシンクロしない限り、自分たちの力を発揮できないし、コントロールもできません。でも、今のところ見てると仲良さそうでコントロールできると思いますよ。」
そう言うと、ユマはニコッと笑った。
「あー、それと、クリスタルを埋め込んだ時にお互いの印象が似るよー。もしかしたら、胸もおっきくなるかもな。あはははは。」
「そういうことは、言わないでください。すいません、僕の兄がこんな人で…。」
「いいんですよ!。で、いつクリスタルが手に入るんですか?」
私はそう問うと、
「数時間後には埋め込まれていると思いますよ。でも、愛さんの場合、急な疲れが来ると思います。」
「なんで?。」
「…全属性だからです。全属性は全ての属性が使えるので、なかなかの力が要ります。時間が経てばどうってことないのですが、しばらくの間はベッドなので休んだ方がいいですね。」
「私って…そんな。力が…。でも、耐えなきゃ。」
「ウィズクリスタルの片方の私も、愛のこと支えてあげるよ。まだ、二ヶ月あるんだし…。」

 書類を書き終わったのか、ヨマはのびをしている。
「んー。疲れたー。ほら、ここに詳しく二人のこと書いといたから。請求額も書いといた。この封筒に金額入れて出してくれよな!。」
「あ、ありがとうございます…。」
書類の請求額の方を見るよ『57ラル』と書いてあった。私は日本人だから、どのくらい高いのか全くわからなかった。
 すると、金髪で少し髪がボサボサの二つくくりした幼そうな女の子が、何も興味無さそうにこっちを向いた、
「ふーん。ウィズクリスタルで全属性ね。なかなかな子を見つけたのね、ユマとヨマは。今月の売上は高くなりそうね。貴方たちが早く払う限り。」
ユマとヨマはハッとしその子に挨拶をした。
「ラミーさん!。お疲れ様です!!。」
「ラミーさん!。元気してましたか?。」
「いつも通り。というか、この部屋久しぶりに来ましたね。少し内装を変えたの?。」
そう聞かれたヨマは頷いた
「ふーん。あー、それと、あなた。」
ラミーさんは私のことを指さし、
「あなた日本人でしょ。57ラルって言われても単位わからないよね。日本円で言うと57万。」
「えっ。そんなの払えませんよ!。てか、なんで日本円がわかるんですか?。」
「たまあに、日本人に教えてもらうの。もう、話すのいい?。」
「あっ、はい。」
「じゃあね。請求楽しみにしてますからね。ふふっ。」
「あの、女の子はなんなんだ?。」
「ラミーさんだよ!。この研究室で一番偉い人なんだ。3週間に一回ぐらいしか自分の部屋から出ないんだよ。俺も、ラミーさんのことよくわかんねぇ。謎に包まれてるんだよな。ユマ。」
「そうですね。あれでもまだ12歳なんです。」
「「えっ!?。」」
「確かに声も見た目も幼かったけど。合法ロリだ…。」
私は、そうボソっと言ってしまった。

 検査も終わり、結果も出て書類を持った私とアリーはハナとラバがいる所へ向かった。
 ラバはハッとして、
「あっ、終わったんだ!。お疲れ様。どうだった?。いい結果でたかしら?。」
「変わった結果になったらしいぞ。えーと、なんだっけ…。」
「ウィズクリスタルだよ。アリー…。」
「「ウィズクリスタル!?。」」
ハナとラバは驚愕し、椅子を倒して立った。
「あ、あんな珍しいクリスタルを?。クリスタルサンスターにも二組ぐらいしかいないのよ?。これからの事に期待できそうだけど、変な目で見られないかが心配ねぇ…。」
ラバは心配してくれてるみたい。嬉しいけど、まだこの世界のことわかってないし、57万なんて…。
「愛、請求額は自分たちで払いなさい。」
「えっ。」
「友達だからって私たちに頼っちゃダメ。」
「別にいいじゃない…、ハナ…。」
「ラバは黙って!。」
「ヒィ…。」
「私たちがいくらお金があるからって、頼っちゃダメ。自分たちで払いなさい。クリスタルサンスターにだってちゃんと職場もバイトもあるの。自分たちで探して、自分たちで働きなさい。甘えちゃダメ。自分たちでやりなさい。」
「は、はい…。」
「愛、私も働くから…。」
「うん、頑張る。自分たちで払います…。」
「口だけじゃダメよ。まあ、頑張って!。」
ラバは応援するように言った。ハナも後ろで微笑んでた。少し、元気出たかも。
「やりきろうな、愛。」
「うん。」

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