Liar×Liar
⑦
「斉木くん」
試験が終わりシャーペンを筆箱に納めていると、黒瀬が隣に来た。俺は、存在をスルーして黒板を見る。
「斉木くん、あの…、試験どうだった?ちょっと難しいのがいくつかあったよね??私、「ウザイ」
俺は、黒瀬を睨む。何でこいつはペラペラしゃべんの。そもそも話なんて振ってないし、興味もない。
「あぁ、うん、そうだよね…ごめんね」
黒瀬は眉をハの字にして謝る。謝るくらいならそもそも話しかけなければいいのに…。てか、こいつ、早川はいいのかよ。
「わー、態度わっるー」
オレンジ頭の女が上半身を回し、目があった。この状況を面白がる表情をしている気がする。
「…」
黒瀬は余計に気まずそうに肩をすぼめた。それが俺のイライラを加速させる。
「あのさー、何でそんなに愛想悪いの?別にてきとーに会話くらいしたげればいーじゃん」
…いつからだ?いきなり会話に入ってきたのは、今朝の少年だった。足音も気配も一切なく、本当に一瞬で現れた。教室にいるみんなが驚き、そいつを見る。
「はーい、それじゃあみなさん!これから楽しい楽しい実技試験のお時間になります。僕についてきてね」
教室の空気はガン無視で、そいつは本当に美しく綺麗な微笑みを浮かべた。そう、そいつの笑顔は、それこそ純粋で汚れを知らない存在かのようだった。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
20
-
-
59
-
-
34
-
-
70810
-
-
111
-
-
1512
-
-
381
-
-
0
-
-
3087
コメント