Liar×Liar

やの


 …何でだ、おかしい。

 試験開始時間から既に7分経過してるのに試験監督が姿を表さねぇ。

 これは、そういう意図が隠されてるものなのか?それとも、試験監督のミスなのか…?


 分からない上に、どうしたらいいのか分からないまま、時間だけは無情に過ぎていく。

 みんな席につき、静かにしているからこそ、教壇の上に置かれた時計のカチカチといった秒針の音だけがやけに大きく響く。


 15分が経過したが、試験官は未だに来ない。一体どうなっているんだ…?

 何で来ない?俺らはどうすればいいんだ…?何が正解なんだ?とりあえず、待機するしかないのか?

 何で試験を受けに来て、こんなにストレスを感じなきゃ何ねーんだ?


 17分に差し掛かるとなった時、ピンク頭の男が口を開いた。

「いやー、これ、やばくね??全然試験官来ねーじゃん」

 声に焦りは感じられず、ただのぼやきのように言う。や、こんなでっかいぼやきがあってたまるか。

「確かに、遅いですよね…。どうしたんでしょうか…?」

 黒瀬が苦笑しつつ、同意する。すると、ピンクは仲間を得たかのように黒瀬に同調し始めた。

「だよねー、とりあえず待機してるけど、さすがに遅すぎるもんね。試験内容もよく分かんねーし。」

 それは確かに、謎である。そもそも、この試験は直前にあった実力試験の成績表と同封された"案内状"に書かれてた、日時と場所に従っただけだし、不明点しかない。


 くっそ…何でこんなにモヤモヤするんだ…。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品