天才にして天災の僕は時に旅人 第一部

流川おるたな

確定する

 彼女の見た目は茶髪で肩くらいまでの長さ、色白の肌で目は大きくクリンとしいて小顔である。
 身長は160cmくらいだろうか。
 服装は白のブラウスに薄いピンク色のカーディガン、ベージュ色のスカートを履いていた。
 SNSで送られた事前情報によると年齢は22歳、大学を卒業した後フリーターをしながら漫画家を目指していて、今はアパートに一人暮らしをしている。
 漫画を描く時間を増やしたくて応募したとの事。
 第一印象で90%決めていたのだけれど、一通り質疑応答をする。
「では手短に質問させて頂きます」
「はい」
「未成年とはいえ男性と同じ空間で生活するのですが抵抗は有りませんか?」
「はい、ありません。私の実家には父と3人の兄が居て、大学に上がるまでは一緒に生活していたので男性には慣れてます」
「なるほど。料理や掃除は得意ですか?」
「中学から家事の手伝いをしてましたので得意な方だと思います」
 無難な返答でしっかりしている印象を受けた。
 時間も勿体無いからこの人に決めてしまおう。
「瀬々良木さん、4月からよろしくお願いしますね」
「こちらこそ宜しくお願い致します」
 後で通知して云々はまた時間が掛かってしまうので、事前に準備していた契約書を取り出してサインを貰う。
 これで4月から一緒に生活を始める事が確定した。
 ついでに使って貰う部屋を見せる。
「瀬々良木さんに使って頂く部屋はこちらになります」
 部屋に入って中を眺める瀬々良木さん。
「きゃはぁ!こんな綺麗なお部屋を使わせて頂けるんですね!ありがとうございます〜!」
 目を輝かせて喜んでらっしゃる。
 今のアパートはよっぽどボロいのだろうか。
 あと「きゃはぁ!」にも若干ひいてしまったけれども可愛いかったのでOK。
「ベッドやデスクなどの必要な備品があれば言ってください。僕持ちで準備させて頂きますので」
「ありがとうございます。でも使い慣れた机やベッドが有るので大丈夫です」
「分かりました。生活するために必要な物は粗方こちらで準備しておきます。もし、瀬々良木さんの方で必要な物を思いついたら連絡をください」
「何だか夢のようです。ありがとうございます〜」
 夢のようとはまた大袈裟な。
 瀬々良木さんの目はまだキラキラしていた。
「あ〜あと意外に重要なんですけど、これからは僕のことを下の名前でキキと呼んで下さい。それと、お互いに敬語は無しでいきましょう」
「え!?良いんですか!?じゃ、じゃあ、わたしの事も乙葉と呼び捨てにして下さい」
 歳上の人を呼び捨てにするのはどうかと思ったが面倒なので受け入れた。
「改めてよろしく。乙葉」
「よろしくね。キキ」
 お互いに照れながら握手する。
 乙葉はそのあとマンションを出て帰って行った。

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