ハトラータス外伝~リョウ編

鏡花水月

序章(プロローグ)①

窓からの向かい風が吹いている。

魔法による破壊、武器による破損があちらこちらに見られたこの部屋────「最奥の部屋」も今では綺麗に修復がなされていた。

それはまるでこの世界、ハトラータスの先代君臨者「ハトラス・パラズナイド」との戦いの傷を埋めるように。


「……アイツはいま、何してるんだろうな」


男性にしては少し長めの髪を真ん中で流す、
その槍士の名は「リョウ・グランテ」。

この部屋に来るとかつて起こした史上初の革命「所生徒革命」を思い起こす。


決して悪い話なわけではない。元創皇そうこうハトラスとの戦いも犠牲者なしで乗り切った。

ならばなぜ、彼はこの場所で何に憂いているのか。


それはひとつ、未来だった。

ハトラス亡き今、当時世界を管理していた「律典執行機関りってんしっこうきかん」は「律典議会」と名を改め、複数の管轄官を置いて動いている。


リョウはそのうちの一人、ハトラータス南側「南方都市サザニッカ」をまとめる管轄官の立場にある。


本来であれば、創皇を実質的に倒したものがハトラータスを管理できるはずだ。

しかし、最後に創皇と戦い勝利した人物「キョウカスイゲツ」はハトラータスにはもういない。


未来は創皇によって自分たちに託された。

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コメント

  • つぶあん食べたい

    生きていく楽しみが増えました!面白かったです!

    4
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