劣勢

ライトニングは自分のホテルでヒーラーからお笑い姉妹コンビの話を聞いて良いと思った。レストラン、ボルテックスにステージを作ってお笑いライブをすればお店も盛り上がると考えたのだ。



　正直料理だけではつまらないと感じているライトニング。お笑い芸人を買収してボルテックスの経営に全力を尽くそうと考えた。



　しかも今では他の料理人５名と食事会をする中でダークカンパニーの社長と同盟している者同士。



　ボルテックス繁盛の一歩と思ってライトニングは精進しようとした。



　そんなことを考えるライトニングは１０階のレストランで起きていることなど知らなかった。



　ライトニングと知り合ったばかりである５人の１人であるブルースがイケメン姿である闇商人を殴ろうとする瞬間、闇商人は２メートルのトカゲのメカ魔物の姿に変えて、尻尾でブルースに攻撃する。



　闇商人の尻尾のスピン攻撃でブルースは地面に転げ落ちる。



「ぐは！　こいつもあのメカ魔物かよ」



　闇商人は笑って答える。



「ハハハハハ！　君たちも愚かだ。食事会なんてない。これから君たちはモルモットとしこのホテルの地下実験室に死体として運ばれるのさ」



　これを聞いた厨房にいる小さな女の子、チャーンは黙っていなかった。



「何ですって！　ふざけんじゃないわよ！」



　チャーンも闇商人に風魔法であるクロスナイフという風の刃を作る魔法を唱えて闇商人を攻撃するが、その闇商人を守ったのは右から現れたカブトムシのメカ魔物。



　それに続いてクワガタのメカ魔物と芋虫のメカ魔物が現れる。全員全長２メートルだが動きが早い。



　ラップはこの魔物たちを見て焦る。



「なんてことなんだ。メカ魔物が４体も」



　闇商人は笑ってメカ魔物３体に攻撃命令を出す。



「さあやれお前ら。思う存分そこにいるモルモットどもを倒せ！」



　カブトムシのメカ魔物はブルースとチャーンを角で攻撃し、２人は攻撃を受けて悲鳴を上げるも必死に耐える。



　反撃でブルースはシルバーガンでカブトムシのメカ魔物を攻撃し、チャーンは火魔法で攻撃するもカブトムシのメカ魔物はびくともせず体当たりして反撃する。



　体当たりを食らったブルースとチャーンは吹っ飛ばされて机にぶち当たる。



　一方でセイタとエミーも芋虫のメカ魔物に苦戦していた。素早くいったり来たりする芋虫のメカ魔物を捕らえられず、セイタは体当たりを食らい、エミーもレストランでは空も飛べず、ナイフで攻撃しようにも、芋虫のメカ魔物の素早さに素早いナイフ攻撃も当たらず、セイタが体当たりを食らうとエミーも体当たりを食らう。



　しかも芋虫の魔物は氷の結晶攻撃が出来るようで、その息攻撃を食らったセイタとエミーは氷の結晶を食らう。



　ラップも１人でクワガタのメカ魔物相手にピンチだった。ラップは護身用の剣を持っていたが、クワガタのメカ魔物には効かず、そのまま角で体を挟まれ身動きが取れなくなる。



　そして投げ飛ばされて机にぶつかる。ぶつかった机は壊れ、ラップも立ち上がれない。



　さらにクワガタのメカ魔物は容赦なく角でラップを挟んでは投げ飛ばしまくるため、傷の回復が早いラップでもこれだけ投げ飛ばされて痛い目に合えば、傷の回復も間に合わないほどであった。



　こんな状況なのにライトニングは１１階の１１１号室でくつろいでいる。



　闇商人はライトニングがいないことに気づくが、まずは５人を始末するべきと、３人の魔物に５人を徹底的に叩き潰させるのであった。



　この状況でブルースとチャーンは反撃する力もなく、セイタとエミーも芋虫の魔物に体を締め付けられている。



　ラップはクワガタのメカ魔物に角で捕まれ、投げ飛ばされる。そういった繰り返しで、戦況は最悪であった。



　ラップは苦しみながらライトニングの助けを望んだ。



「助けて、ライトニング。このままじゃ僕たちは……」