エミーとセイタのデート？

ライトニングとラップがダークネスの招待を受けている頃、ライトニングとラップとは別行動をとっていたエミーは、1人で寝転び場で寝転ぶ。



泳ぎが得意ではないのと、激しい運動をしたくないからである。



運動が苦手だったエミーにとってプールでの水泳は好きではないのだ。



それとおしゃれな水着といってもビキニではなく、先ほどホテルの水着販売で買った腕と足に方の露出があり、お腹も微妙に露出する程度の水着でよかったのである。



そんな中、1人の男がエミーのところへ来た。それはセイタである。



彼は先ほどまで寝室で休んでいたが、体力が回復して外に出たいと思い、プールへ来たのだ。セイタは1人で休んでいるエミーに話しかける。



「どうも」



「あれ、確かセイタさん？」



「そうです」



「なるほど、プールに来たのですね」



「まあね」



　2人とも口数の少ない性格であまり会話が進まない。しかしそんな関係だからこそ2人は意気投合できる。



　セイタのほうはあまり話さないが、エミーはいろいろとしゃべる。



「あの……」



「どうしたの？」



「ここで私を見つけてくれたので、せっかくですからジャグジーでも」



「どうしてジャグジー？」



「それは、言いにくいのですが、私泳げなくて」



「いいよ。俺泳げるから教えてあげる。泳ぎ方」



「ですが私激しい運動は」



「そんなに激しくしない」



「はあ」



　楽しく会話が進みだすが、激しい運動はしたくないエミー。しかしせっかくセイタが教えてくれるとなると断りにくく、エミーはセイタとプールに入るのであった。



　エミーはプールでセイタに引っ張られながらバタ足や水の中を水平に泳げばいいのかというコツを教わる。慣れてきたら無料レンタルのビート板を使ってバタ足で泳いだりする。



　そういった練習をしていくうちに、体力の消耗が激しくエミーは疲れてプールでおぼれそうになる。



　セイタはエミーを抱きかかえてプールから出る。



　エミーは意識があり立ち上がれるようで良かった。



「ごめんなさい。やっぱり私泳ぎは下手で」



「大丈夫、頑張ってたから」



「ありがとうございます。セイタさんは優しいのですね」



「どうかな」



　セイタの優しい態度に明るくなるエミー。そんなエミーはセイタと一緒に水泳の疲れを癒すためジャグジーに入る。ジャグジーは海を見渡せる絶景スポットであった。



「綺麗ですね、セイタさん」



「うん」



　本来ならここで君のほうがもっと綺麗だよと言われるのかと思うエミーだが、セイタはそういった感じのことは理解できないため、言わない。



　しかしエミーにとってはそういった性格の子との付き合いがうまくいくだろうと考えていた。



　エミーはジャグジーでセイタに自分の想いを伝えてみることにした。



「あの、セイタさん」



「どうしたの？」



「私、こんな楽しいことは初めてで」



「俺も楽しいよ」



「それで、何というか。胸がドキドキしていて」



「大丈夫、体調悪い？」



「体調が悪いというか、セイタさんのことを考えると胸が苦しくなって」



「俺、悪いことした？」



「いや、そういうわけではなくて。一言でいえば……セイタさんに……」



「恋してる」なんて言えないエミー。顔が赤くなってジャグジーから出ると顔を両手で隠して近くの椅子に座る。



　セイタは心配するも慰め方が分からず、とりあえずエミーが好みそうなことをする。



「かき氷、一緒に食べる？」



「えっ？」



「体、熱そうだから、全身冷やそう」



「なるほど、体熱いからかもですね。喜んで召し上がります。お代は私が」



「俺のおごりでいいよ」



「よろしいのですか？」



「お金の心配はいらない」



　セイタは女の子との関わりどころか基本的な人との接し方、日常の常識がまだよく分かっていないところがあるが、料理と気遣いは出来る人間であった。