ラップ

ライトニングは、ダークカンパニーホテルへ向かう途中で、ちゃんとした服装になってダークカンパニーの社長と出会うために、服屋でオレンジのドレスを買って着替えてホテルへ向かった。



　さらに金の髪飾りと緑のピアスをつけておしゃれをすると、全自動タクシーに乗ってダークカンパニーホテルへ直行する。



　タクシーの金額は銀貨2枚だったがホテルに行くためには良い金額だった。



　ダークカンパニーホテルはその名の通りダークカンパニーが経営する高級ホテルであり、11階建てで温泉館とホテル館に分かれており、その裏には温泉とプールがあるそうだ。



　まさに楽園であった。ライトニングはホテル館に入ると、受付のホテルマンがもてなす。



「いらっしゃいませ！」



「ダークカンパニーの社長の招待で来たライトニングだ」



「ライトニング様ですね。お待ちしておりました。11階のロイヤルフロア111号室へご案内いたします」



　ライトニングは受付のホテルマンに魔力で動くエレベーターに案内され、そのエレベーターで11階へ向かった。



　11階は壁に金箔がはられ、床は赤いカーペット。そして部屋は111から119号室まであるが、その中でも111号室は金の扉の部屋でそれ以外は銀の扉の部屋であった。



　ライトニングは受付のホテルマンの案内で111号室に入るとそこにはもう一人、女の子がいた。



　その女の子は紺色の髪色でポニーテール。それで身長は152センチほどで青のメイド服を着ていた。



　女の子はライトニングに挨拶をする。



「はじめまして、僕はラップ。こう見えても男なんだよ」



「男だって！？」



「驚きだよね。突然でごめんね」



　ライトニングは驚いたが、受付のホテルマンは空気を読んで部屋を後にする。



　苦笑いしてドアを見たライトニングはラップという女の子の男に質問する。



「女の子っぽい声だけど男なんだね」



「女装してるの。お風呂は男湯だから安心してね」



「そうだろうね。俺も自己紹介しよう。俺はライトニング。レストラン、ボルテックスっていうアンペア商店街の店長だ」



「知ってる。広告人気NO1で今お客さんも多く来ているんでしょ。注目のお店だよ。でも僕の男の娘メイドカフェも負けないよ」



「そういうことね。俺は男の娘カフェとか興味ないけどな」



「そんなこと言わずにさ。僕はそのカフェ、ハッピーエンドの店長なんだけど、ダークカンパニーと契約していて、料理とか提供してもらったり取引したりしててね」



「大企業に頼っていると」



「売り上げのためだから仕方ないよ。でもそのおかげで処遇はいいんだよ。僕のお店はダークカンパニーにとっては重要な店であるようだし」



「なるほどな。おそらく俺の店もダークカンパニーに狙われているのか？」



「分からないよ。でも君面白いね。女の子なのに俺とかライトニングって男っぽい名前で」



「何だ？　俺が女だって分かるのか？　男とは思わないのか？」



「だって胸膨らんでるし腕は白肌できれいだから」



「ああ、そう」



「ごめんね。悪いこと言っちゃった」



「付き合ってくれるなら許してあげても」



　ライトニングはラップの見た目が可愛くて男でも付き合いたいと思うほどだった。



　いや、今ライトニングは女であるため男女で付き合える。



　そう考えライトニングは謝罪としてラップに彼氏になってほしいと頼むのであった。



「まさかいきなりあって告白なんて。友達からでもだめ？」



「彼氏になってなんて言ってない」



「もう照れちゃって。そんなに僕が可愛い？」



　コハナやヒーラーと違ってライトニングの心をドキドキさせるラップ。



　ライトニングはラップに夢中になりそうでたまらなかった。