MMORPG でレベルマックスのアバターに転生したが、料理人として生きたい為料理店経営する。

パペット信繁

序章 西南雷気

 なんということもなく、平凡な社会生活を過ごすサラリーマン、西南雷気(せいなんらいき)。



 趣味は料理とMMORPGゲーム。



 リアルでもゲームでも料理をするのが好きな雷気は昼は毎日自作弁当でMMORPG ゲームでもアバターのライトニングに料理させては毎日食べ物を食べさせる。



 料理の材料を取りに行くために雷気はMMORPG ゲームでは魔物との戦闘は避けて通れなかったし、採取もやらなければいけなかったが、雷気はそれくらいのことしかせず、MMORPG ゲームのイベントやクエストはせず、料理だけに集中して楽しんだ。



 リアルでも仕事が終われば楽しみは料理することだけで、昼休憩は料理だけで外食はほとんどしない。



 そんな日々を過ごしているある日、雷気がやっているMMORPG ゲームをやって約3年がだった。気がつけばレベルマックスとなっており、料理リストもコンプリートしていた。



 料理の中には経験値を貯めてくれるカレーライスがあれば、採取率や魔物からのドロップ率が上がるオムライスなどがあり、雷気はそういったのを作るのが好きだった。



 しかし、新しく作れるものがなくなるとMMORPGゲームでも楽しめなくなる。



 雷気がMMORPG ゲームで操作しているアバター、ライトニング。名前の由来は雷気の名前の雷から来ている。



 雷気が自分の名前をネタに名前をつけるのが好きなためである。



 ライトニングは見た目はツインテールで背の高さも158センチほどで低く、体も貧乳の黄色のビキニをつけた女性アバターであった。



 自分の好みで作り上げたネタアバターであり、ゲームやアニメの女の子が好きな雷気であった為、雷気はゲーム内ではネカマとして楽しんでいた。



 MMORPGゲーム内では特に誰とも会話せずに自分1人で料理と魔物討伐を楽しむだけで、ストーリークエストも進める気がなかった雷気。



 リアルでもゲームでも平凡でいて、いずれは自分の店でも開こうと考えていた。



「毎日平日は仕事で休憩は料理。そしてゲームでも料理し放題。MMORPG ゲームで人との関わりとかあんまなかったけど、3年もやってレベルマックスとはね。俺のアバターも可愛いし料理もあきない」



 そんな事を考えてMMORPG ゲームをログアウトすると自分のベッドで寝た。



 そしてある事を考えていた。



「料理店開けたら、女の子とか雇って静かに楽しく暮らしていきたいな」 



 そんな事を考え静かに雷気は眠りについた。



 目が覚めた雷気。そこは自分のベッドではなかった。そこは草原が広がっており、太陽が眩しかった。



 起きると何故か自分が裸であるのと髪が長く黄色い髪で、体がつやつやで下の感覚がない事に違和感があった。



 草原が広がる中で、雷気は背中に弓と矢の入った矢筒を背負っている事が分かり、手に取ってみた。



 弓と矢筒は雷気も見覚えのあるものであった。



 MMORPGゲームで雷気が料理の材料を取るために、ライトニングに装備させた弓である。しかもつい声を出すとそれは雷気の声ではなかった。



 女の子の声であり、何かがおかしいと感じて雷気は鏡などがないかあたりを見てみるが、周りは草原が広がるだけで何もない。



 しかし、弓と矢筒だけではなく鞄も持っており、雷気は袋の中から自分の姿を見れる鏡がないか探した。



 その中に鏡石があった為、雷気は自分の姿を鏡石で見る。



 それはMMORPGゲームで雷気が操作していたアバター、ライトニングであった。



 背が低く黄色いビキニを着ているツインテール少女。顔がかわいいが女の子。



 まさか自分がガチで女の子になるとは思ってはいなかったし、これを知っ時に雷気は動揺した。



「何故なんだ! 俺がこんな女の子に! 可愛いとは思っても、弱っちそうだよな。ゲームではレベルマックスだけとここだと弱いよね」



 そんな事を考えるだけではなく水着姿でやばいと思っている雷気。しかし今は雷気ではなく少女ライトニング。



 男ではなく女としてみられる時に水着姿で見られるとどんな事になるか想像も出来なかった。



 そんな時、ライトニングに魔物の群れが迫った。それはライトニングがかつてやっていたMMORPGゲームには出て来なかった魔物であった。



 ライトニングはMMORPG ゲームで出てくる魔物は全てボスを含め知り尽くしていたが、ライトニングの目の前にいるハチの魔物は見た事がない。



 ハチは全長五十センチほどの大きなハチで何匹も飛び回っている。



 しかも尻尾の針は鋭く刺されはひとたまりもない。



 やばいと思いライトニングは逃げようと試みるがハチも追ってくる。



 しかしハチの動きは鈍くライトニングは簡単に逃げ切れる。



 しかし逃げ切ってもすぐに別のハチの魔物に見つかり、襲われる。



 慌てて逃げても今度はあっさり囲まれてハチの針の尻尾で刺されそうになり、ライトニングは「来るな! 来るな!」と叫びながら蜂を殴る。



 するとハチの魔物はあっさりと倒される。しかも後ろから刺さってもライトニングからしてみれば蚊に刺されたような感覚であった。



 何だかよく分からないライトニングであったが、襲ってくるハチの魔物を殴ったり蹴ったりした。



 ハチの魔物は全てあっさり倒せた。



 攻撃力が高いのか敵が弱いのか分からないが、ライトニングはMMORPG ゲームではレベルマックス。



 弓も使いこなせるかライトニングは試した。西南雷気の時、アーチェリーを趣味でやったことはあるが、この世界で自分はどれくらい弓が使いこなせるかライトニングは自分の腕を試した。



 まず、こちらに気づいていないハチの魔物を狙って弓を構えた。



 矢筒の弓を取りライトニングはハチの魔物に狙いを定めて矢を放った。



 矢はハチの魔物に命中して一撃で死んだ。しかも刺さった時のハチの魔物はバラバラになった。



 それほどライトニングの矢の威力は凄いものだった。



「俺の弓矢の腕はどうなっているんだよ。簡単に命中してしかも当たればバラバラって。殴ったり蹴ったりでもハチは死んでもそんな事にはならなかったからなあ〜」



そんな事を考えるライトニングはさらにここは何処なのかも考える。



「こんなハチって普通いないからな。しかも刺さった気配はあるが夢か? でも目を動かしても景色が変わらない。夢じゃないのかなあ?」



 不安もあるライトニングであるが、不安だらけではない。ハチの魔物は大量の蜜を出していた。ライトニングはその蜜を舐めると美味しい蜂蜜であった。



「蜂蜜か。MMORPGゲームだと体力となるHP回復アイテムなんだよね。集めておきたいけど」



ライトニングは鞄の中から10個の瓶を見つけた。その瓶に入れられるだけの蜂蜜を入れた。



 蜂蜜の入った瓶を鞄に入れてライトニングは草原を歩く。

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