童貞力チート ~三十路童貞はチートを生かして異世界を謳歌する~

千歳

8話

そろそろ正樹が、先ほどから疑問に思っている事を聞き出そう
とタイミングを見計らっていた。


「そういえば俺って300ポイントあるんじゃないのか? エルティア」


そう。女神こと、エルティアに、一番最初に言われたポイント数の事である。
そのポイントがあればここで強くなってから転移すれば楽に、楽しく生活できるのではないのかと思っていたのだ。
だがそれも虚しく……。


「はい。ありますよ。でもそれは転移した時のポイントなので。
ですが、今はその前段階なのでスキルの譲渡とかお試しくらいしか出来ないんですよ。
新界ってなんでも出来るわけじゃないので」


そのエルティアからの言葉で、正樹は肩を落としていた。
そんなに落胆したのかと言われると、実際はそうではないが、
トホホーという演技を交えるとさまになるかなと思ったらしい。


「なるほどなぁ。それじゃあそろそろちゃんと回答をだしますかねぇ」


「と言っても、転移してくださるんでしょ?」


「まぁそうなんだけどね」


「正樹さんならしてくださると思いました」


見透かされているのか、それとも好意を持たれているのか。
童貞である神崎正樹という男は、そういうピンク色した物には疎かったりする。
だが、見え見えの好意というのは、味わった事はないが、地球での漫画などで、情報としては知り尽くしてはいるのだ。
だがそれも虚しく、30歳であの世にめされてしまったのだ。彼女が出来る事はなくだ。


「でも、ほんの数時間しかここにいないけど、名残惜しいなぁ」


正直な感想は本当にこれである。
見え隠れしている下心もあるのだが、こんな美女とお近づきになれたのだ、
我が人生、一片の悔い無しである。正樹よ、御主は既に召されておるわ。
そんな事を考えてるとエルティアから嬉しい情報が耳に入ってきた。


「でしたら、転移したらいつでもいいので、神殿にお越し下さい。
私に祈りを捧げて頂けるのであれば、少しの間は精神だけですが呼べますので」


「さすが女神様。力もってるねぇ~」


本当に女神様様である。すごいのである。


「あぁですが、信仰スキルを獲得しないと呼び起こせないのですよ。
これがまた不便でして、信仰スキルを獲得するのに、祈りをささげた巫女でさえ3年はかかると言われているのですよ」


「それは女神様の力でなんとかならないの? 長すぎない?」


すごくなかったのである。


「ん~。できなくもないんですが、手っ取り早いのは私の力で譲渡するのがいいんですが、
既に正樹さんにはお力を授けていますので……。これ以上は無理難題と言いますか……」


「あぁそうなのかぁ。そりゃあ仕方ないなぁ」


既に譲渡できる分の隙間を埋めてしまったのだろう。
それとも譲渡できる分の力を授かったのだろう。
同じ事なのに意味が違うんだよ。
誰に言っているんだろうね。僕分かんない。


「あ、でもそれ以外だと、正樹さんの童貞力で獲得できますよ。まぁまぁのポイント消費になってしまいますが」


「おぉ! 童貞力便利! 俺童貞でよかった!! 自分で言ってて哀しい!!」


童貞よ、大志を抱け。
己が力に渇望せよ。
未来は自らの手で勝ち取る物であれ。
誰の言葉かって? 何を言ってるのかって? さぁ?

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