祝福と加護の高校生、リアル世界で冒険者になる。

千歳

22話



「まず先ほどもお話致しましたが、冒険者ギルドには何種類か規定がありますが
その内の一つに年齢制限を設けております。これにはいくつか理由がありまして、


まず高校生の15歳からという事。これは端的に言いますと人員不足になります。
政府での議事録にもよりますと、最初は学生にダンジョン探索をさせるのは良くないとして、
否定票数が圧倒的に多かったそうです。


ですが、議論して行くうちにわかった事があります。


それはスキル保持者が存在する。


それも世界に9人。


そして年齢が15歳から18歳の高校生に多く発現しました。


未だ10人目のスキル保持者は現れてはいないのですが、
これを機にまだまだスキルを発現する学生が出てくるのではないかとなり、
現在では15歳の高校生からを対象に冒険者登録を請け負っているのです。


年齢制限につきましてはだいたい主にこのくらいでしょうか。
後は若いからとか、年寄りを働かせるなとか、将来の希望の星だとか。
政府のお偉い様の戯言くらいなのであまり面白くはないですね。
どうしました? そんな秘密を抱えてしまった見習い家政婦みたいな顔をして」


やっぱりスキル保持者は居たんだ!
それもまだ9人! 俺を合わせて10人! というか俺が10人目?
あの時間にほかに9人もスキルが発現していたなんてなぁ
俺もその中の1人なんだ! なんか特別感って感じ! 
というかなんだその秘密を抱えてしまった見習い家政婦って。
いやまぁスキルの事は秘密にしてたからそりゃあそんあ顔にもなるって!


「い、いえ! 別にたいした事ではないです!
それよりなんですけど、スキル保持者ってなんですか?
あとどんなスキルを持っているのでしょうか」


「あらなんでもないんですか? ・・・ふーん、まぁいいでしょう。
それでえぇっと、スキル保持者についてとそのスキルの種類でしたね。


まずスキル保持者とは、決められた日の決められた時間にスキルが発現して
それを公の場で宣伝か、もしくは周知されている者の事を言います。


実際の確認は鑑定というスキルを保持している者にて確認をしているので問題ございません。
虚言を言ったところでバレて社会的にお終いになるだけです。


そしてスキルの種類になりますが、これに関しましては正直なところ個人情報保護の為
公表する事が出来なくなっているので申し訳ありませんがお答え出来かねます。


ですが、非常に強力なスキルであるという事だけは断言出来ます」


あら、個人情報保護っていうならば仕方ない。
というか最初凄い含みのある言い方してたな。
あの時の東城崎さんの目が獲物を狙っている目だった・・・怖かった・・・
ここに居ると平常心が音を立てて壊れて行きそうで怖い・・・
よし、深呼吸だ。ひっひっふーひっひっふーひっひっふー・・・これ違うラマーズ法だ。
とか言っている場合ではないな。次だ次。


「なるほどです。他に規定はあるのでしょうか? 」


「まだまだありますよー」


「じゃあ次のお願いします」


「はーい。では次にーーー」



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